2009年12月23日 (水)

千里阪急ホテルでクリスマス会:箕面船場ライオンズクラブ

 箕面船場ライオンズクラブのクリスマス会が千里阪急ホテルで開催された。そこでのゲストは、久間勝代さんであった。

091223_191701  久間さんは、平成8年に「美空ひばり全国大会」で優勝し、平成14年に「美空ひばりの世界を謳う」を開催し、プロとしてデビューされている。
(参照:http://www.k-hisama.jp/hisama.htm)。 

 けっして「美空ひばり」のモノマネではなく、その心情を込めて歌う。この迫力に感心した。演歌の神髄に触れたひとときであった。

091223_203602  私はトナカイに仮装したが、サンタクロースはもちろん、ハジメちゃんや天才バカボンとバカボンのパパも登場した。同じ職場内ではなく、業種や職種を超えた多様な人々が、社会貢献という同じ志(こころざし)で集まっている。これがライオンズクラブの醍醐味である。同クラブについては、以下を参照してほしい。(参照:http://www.lionsclubs.org/JA/index.php

 なお、下の写真は箕面森町に向かうトンネル入り口のクリスマスツリーである。高さは50メートル。クレーンでつり下げられている。箕面の山の麓に出現した光のシャワーは、不透明な日本の経済社会における将来の啓示のように思われた。その内容は、各自の心の中に様々に宿るものであろう。

 shineMerry Christmusshine

 

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2009年12月22日 (火)

大学教授ベンチャービジネスの失敗と成功

 国立大ベンチャー苦境、起業、ピークの4割:休止・不明116社という記事が『朝日新聞』の第1面で掲載された(2009年12月21日)。私も2006年に起業しているので、他人事とは思われなかった。

 国立86大学のアンケート調査によれば、01~08年度の起業数は1081社に達したが、廃業・倒産など休止は49社、実態不明は67社。大学全体の起業数の6割以上が国立大学が占めているそうである。

 同紙によれば、「大学発ベンチャーは国策として手厚く支援されてきた。補助金は返済不要で・・・・・・見通しの甘い起業や素人経営が目立つ」。失敗の具体的な理由の一つとして「早く実利的成果を出すことが求められ、大学での研究とはまるで違った」ことが指摘されている。

 成功例の共通点は主に次の2点である。(1)技術提供に特化し、多額の投資が必要な商品開発には手を伸ばさなかった。(2)大手商社や銀行員ら経験豊富な助言者がいた。

 以上の失敗と成功の要因は的確と思われるが、それに加えて私見では次を指摘しておきたい。それぞれに私の体験が含まれているが、それは内密にしておきたい。将来、ビジネス書を出版する時の「ネタ」にしておこうと思う。(注:こういう発想が大学教授に欠けていることもビジネス失敗の理由のひとつである。)

 大学教授のベンチャービジネスの成功と失敗の留意点
(1)小さく始める・・・過大な投資はしない
(2)御輿(みこし)に乗らない・・・途中でハシゴを外されることもある
(3)自分も投資する・・・・・・リスクのないビジネスは存在しない
(4)自分の専門分野を逸脱しない・・・自分のできないことはしない
(5)他人の知恵を借りる・・・ビジネスの素人として謙虚になる
(6)プライドを捨てる(1)・・・頭を下げることを嫌がらない
(7)プライドを捨てる(2)・・・会社の収入獲得に「どん欲」になる
(8)給与や報酬は利益が出てから受け取る・・・創業時の経営者は当たり前である
(9)覚悟を決める・・・必要があれば自宅売却・退職金の前借りを覚悟する
(10)信念をもつ・・・研究成果に社会的意義があるという信念をもつ
(11)信頼する・・・頼りないと思うパートナーでも信頼する。それしか方法がない
(12)同僚の中傷を気にしない・・・大学とビジネスの頭と態度を明確に切り替える
(13)自分の会社という意識をもつ・・・自分の子どもと同じ愛情を会社に注ぐ

 大学教授の本業以外のビジネスの基本は講演料と印税収入である。また他大学で非常勤講師をするということでも収入がある。ここでは、それ以外の新しいビジネスに挑戦する場合の留意点を指摘した。

 今までのところ、私の会社は大きな成功もしていないが、大きな失敗もしていない。業績は黒字ではないが、順調に成長していると自己判断している。来年のさらなる飛躍のために徐々に着実な戦略を検討しているところである。

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2009年12月20日 (日)

松本清張『けものみち』を読んで就職活動を考える

 衛星放送で偶然に真野響子が主演の「けものみち」(NHKで放映)を見た。松本清張の原作を読んでみたくなって、往復の通勤時間に読んだ。私の通勤時間は片道が約90分だから、読書時間としては十分である。

 テレビと原作では結末が異なる。いくつかの出来事や事情が省略されたテレビ番組の制約では、その集大成としての結論が異なって当然である。

 ある原作=モデルがあって、それを軸に独自の脚本=ストーリーを作る。この場合、2つの方法があることに気がついた。

 第1は、原作の結論を優先するなら、その結論に至る必要な最低限の要素を残しておかなければならない。第2は、原作に含まれる要素を取捨選択して優先するなら結論も異なる。

 新しい脚本=ストーリーの作り手が、原作の結論に魅力を感じるか、または原作の要素を優先するか。もちろん、原作を忠実に再現するという第3の方法もあるが、新しい作り手としては独創性がなければ、少なくとも私は面白くない。

 大学生の就職の成功体験が流布されており、それを参考にして新しい道を拓いていく。さまざまな個性ある体験談や後輩に送るメッセージはあるが、その中から成功=内定という結論に至る必要不可欠の要素を吟味・選択することが重要である。

 部分的な要素だけを抜き出して模倣しても、それらが集約された結果が成功するとは限らない。成功のための全体的な構想を描き、そのための基本要素を抽出・実行する。それ以外は柔軟に対応する。

 よくある有名な話。「リクルートスーツを御社で脱いで帰ります」。この会社に対する強い就職熱意を訴えたが名台詞であるが、それが話題になれば、翌年の面接試験で頻繁に模倣された。これらの模倣は、もちろん何の効果もない。またはマイナスの効果である。

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2009年12月10日 (木)

和田繁明・ミレニアムリテイリング元会長の慧眼

 2003年当時、NHKテレビで「そごう再建」の様子を描いたドキュメンタリー番組があった。その主人公は、和田繁明氏(西武百貨店元会長、ミレニアムリイテリング元会長)である。今日の「21世紀の業界展望」(まとめ講義)では、これを教材にして講義した。

 この番組は、これまでに何度か講義の教材に使用している。特に、そごう柏店を舞台にした詳細な百貨店の舞台裏の描写は「名優」の続出である。真実は迫真の演技に優る。

 ここで和田氏は「百貨店は存続するが、それらの再編成は必至である」と指摘している。事実、西武百貨店とそごうが経営統合し、その持ち株会社ミレニアムリイテリングは、さらにセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入ることになる。和田氏の慧眼が証明された。

 和田氏は、そごうの幹部研修で話すことは共通している。経営体質を変えるということである。換言すれば、従業員の意識を変える。このために何度も何度も繰り返して研修が開催される。それについて行けない従業員は退職していく。慣性の法則に従う組織そして人間を変えることは簡単ではない。

 指導者が何度も何度も粘り強く指導することの重要性は、プロ野球「楽天イーグルズ」前監督であった野村克也氏も指摘している(『日経ビジネス』2009年12月7日号)。このNHK特集は、何度見ても考えさせられる名作である。

 

 

 

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2009年11月14日 (土)

TVドラマ「不毛地帯」から学ぶ:商談で言いたいことを強調する

 11月12日(木)にフジテレビ系ドラマ「不毛地帯」を見た。ここで気がついたことは次の通りである。以下で紹介する。

1.ビジネスの取引相手を説得するために取引相手の眼を見て話す。
2.これは正しい。
3.学生の就職面接の時にも面接者の眼を見て話せと指導する。
4.しかし壱岐正=唐沢寿明は、目線をそらせて話している。
5.そして最後の強調する念押しの時に相手の眼を鋭く見る。
6.それは、自分の言いたいことを強調して相手の反応を確認する目線だ。

 プレゼンテーションでは、最後の「まとめ」で全体の主張を要約し、そして強調する。ただし通常の会話や商談では「まとめ」とか「強調」をすることは難しい。たとえば「ここは大事なんですけど」とか「これだけは覚えておいてほしいことですが」と言えばよいのだろうが、押しつけがましい印象を与える。

 強調したいことを目線で示す。そのためには常時相手を見ていては強調にならない。私は相手の目線を見て話すのは苦手なのだが、大事なことを強調する時に相手を見ればよい。これを試してみようと思う。

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2009年11月 8日 (日)

財団法人・太平洋人材交流センターの西村さん

 財団法人・太平洋人材交流センター(PREX)のシニアコースリーダー西村愛氏のドキュメンタリー番組「熱き人」(制作ケイキャット)が、好評のため配信期間延長となっています。

 12月15日までですので、是非ご覧下さい。

 熱き人⇒ http://eonet.jp/eohikari-ch/atsukihito

 番組は、関西を拠点に熱い思い、高い志を持って様々な分野で活躍する人物に密着した14分の番組です。今回は、PREXシニアコースリーダーの西村愛氏とPREXが取材されています。PREXについては、http://www.prex-hrd.or.jp/ を参照。

 私も西村氏についてコメントするということで少し出演しております。ご覧頂き、ご感想などいただければ幸いです。

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2009年8月 9日 (日)

大学ホームカミングデー:第1期生との再開

 流通科学大学のホームカミングデーが、土曜日に開催された。メガバンクの一つのM銀行に勤務している第1期卒業生が研究室を訪ねてくれた。

 このブログで紹介したが、取引先メガバンクB銀行の外国通貨預金の引き出しの不満を聞いてもらった。彼の勤務するM銀行では、自らの外貨預金を現金で引き出す手数料は、一律に1,000円ということであった。また1日に1,000ドルの引き出し制限はないそうである。

 こんな話を聞くと、私の預金しているB銀行の不便さを痛感する。こうしたサービスについて顧客自身が比較検討することに敏感にならなければならない。

 おそらく、これまでの銀行の横並びの護送船団方式に慣れてしまって、預金者自身が銀行間の相違に鈍感なのである。どの銀行でも同じという顧客の先入観が、銀行自体を甘えさせているのかもしれない。

 それにしても第1期の卒業生は40歳である。彼は、大学在学中に「宅検」の資格を取得した。図書館で熱心に勉強していた姿が目に残っている。教え子の彼らが後を追ってくる。それに負けないようにと思う。

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2009年8月 6日 (木)

ドル建て預金の不思議・・・というより何と理不尽な・・・

 ドル建て預金を引き出してドル紙幣を入手するために近くのメガバンクに行った。そこで驚いたのは、1日の引き出しの上限が1,000米ドルということであった。また、ドル建て預金なのに、そのドルを引き出すために1ドル当たり手数料が2円必要である。

 簡単に言って、これが日本のメガバンクの現実と思うと情けなくなる。これでは国際的なサービス競争に対応できないだろうし、まず外国人顧客が見向きもしないであろう。おそらくベトナムの銀行より制限が厳しいのではないか?

 最近は銀行ではなく、為替レートの有利な「チケット屋さん」で外貨両替をしている。それにしても外貨預金は不思議な制度である。また1,000ドルの引き出し制限なんて「子どもだまし」の金額である。

 私は「もう解約する」と言って、少し文句を言ったが、そうすると少しばかり便宜を図ってくれた。この「ごね得」の対応も気にくわない。解約して、その近くの別のメガバンクに口座開設をしようと思ったのであるが、それを引き留められた格好である。

 日本の製造業はともかく、その金融業の後進性を実感できた。これでは日本経済の衰退は回避できないのだと思う。もっと金融業界を規制緩和し、競争原理を導入すればよい。その結果、顧客の利便性が高まることが望ましい。

 規制緩和による不正な金融業者が出てくれば、今まで以上に厳罰にすればよい。それで十分に犯罪抑止力になる。たとえば罰金刑なしの懲役刑にすればよい。投資家・預金者保護のために事前に規制強化するよりも、事後的な罰則強化の方が金融活動のサービス向上に貢献するのではないか。

 外国銀行に預金するという日本人が増えていると想像されるが、それは当然と言わなければならない。

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2009年6月12日 (金)

「あ・い・う・え・お」・「け・け」:成功する社長の条件と評価

 流通科学大学の「実学」講義の一環として、竹原信夫(『”日本一”明るい経済新聞』代表取締役・編集長)をお招きした。この新聞については、http://www.akaruinews.com/ を参照。

 この不況下にも成功している中小企業の社長は多々おられるという講義であった。そして結論として、そういった社長の成功の条件は「あ・い・う・え・お」と指摘された。

 これに加えて、私は「け・け」を加えたい。「あ・い・う・え・お」という表現は一般的であるが、それを「あ・い・う・え・お」・「け・け」とした方が、より印象的?で覚えやすいというのが「上田流」である。

 happy01 あ: 明るい性格。常に前向きの性格ということである。たとえ泣きたい時でも笑うのが大人である。これは、ダイエー創業者の故・中内功氏が好んで色紙に書いた「ネアカ、のびのび、へこたれず」と共通している。

 heart01 い: 意志が強い。粘り強い。簡単にあきらめない。パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、「松下さんの事業成功の秘訣は何ですか?」と質問されて、「成功するまであきらめないことです」と応えたそうである。

 heart04 う: 運が強い。これは自分で思い込めばよい。たとえ交通事故に遇っても、「何て運が良いんだろう。死なないだけ運が良かった」と考える。「有り難いことだ。これは安全運転しろという警告なんだ」と思う。「運が強い」と思うことは「プラス志向」の基礎である。

 lovely え: 縁を大切にする。いわゆる人脈を作ることである。この場合、自分だけよかったらよいという人の縁は広がらない。「情けは人のためならず」。他人にできるだけのことをしてあげると、それは自分に返ってくる。これを当然のことと思って自然体で実行する。

 annoy お: 大きな夢を持つ。夢が実現することは難しいが、その夢自体が小さければ、その夢よりも大きく自分は絶対に成長できない。小さな夢は、それで自分の成長を制限してしまう。夢は大きい方がよいに決まっている。たとえば私の夢なんて、もう50歳を超えているというのに、恥ずかしくて言えないほどに超巨大である。何と言っても私は少なくとも100歳まで生きると宣言している。100歳まで生き延びるようなら、次は120歳まで生きると決めている。私の夢は「生涯現役」である。

 以上の「あ・い・う・え・お」が、竹原氏の講義の中での指摘である。それに加えて以下を私は強調したい。

 heart02 け: 健康であること。、これまでに私も多数の経営者の方々にお目にかかってきた。また自分自身も2006年に会社を設立した。それらの経験を想起すれば、やはり健康でないと社長は成功しない。「英雄、色を好む」というが、それと同時に「英雄、美食を好む」と私は思う。そういった基本的な好奇心と欲望がビジネスの成功欲にも通じる。その原点は、何よりも健康でなければならない。

 thunder け: 決断ができること。決断=意思決定できない社長は、社長としての存在意味がない。この場合の決断とは当然、それに対する責任が伴う。自分が責任を取らないで部下や集団に責任を押しつける。こんな自己保身の社長には誰も従わない。おそらく部下は面従腹背になるであろう。まさにリーダーシップの欠如である。

 以上、社長の成功の条件は「あ・い・う・え・お」・「け・け」である。そして最後に、作家の藤本義一氏が別の意味で述べていたが、それを借用すれば、社長の成功の評価は「あ・い」から始まるあ・い=愛。現在放映中のNHK大河番組ではないが、愛がなければ、社長は務まらないと私は思う。さて何を、または誰を愛するのか。お金? 従業員? 自分自身? 正義? 社会的弱者? 権力? 「あ・い・う・え・お」・「け・け」によってビジネスが成功するとしても、その評価は「愛」によって左右される。

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2009年4月26日 (日)

「実学」の探究:「宮本理論」から学ぶ

 表題の「宮本理論」の宮本とは、剣豪の宮本武蔵のことである。津本陽『日本剣客列伝』(講談社文庫)は、私の入浴時の愛読書の一つである。同書の中で宮本武蔵について著者は次のように述べている。

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 真剣勝負の場では、小手先の技はすべて通用しない。芸道の伝授にあたって、初伝、中伝、奥伝などと段階をつけるが、殺しあいの場で、奥伝の技と初伝の技の区別はないというのである。

 当時、諸国流派のなかには、形の数が百五十から二百に達するものがあった。そのような形は、ほとんどが敵が死人か藁人形のように動かない対象でなければ通用しないものであると、武蔵はみていたのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 私は、以上の指摘を次のように読んだ。正しいかどうかは検討を要するが、少なくとも問題提起に値すると思われる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ビジネスの現場では、小手先の理論はすべて通用しない。経営学の教育にあたって、初級・中級・上級などと段階をつけるが、実際のビジネスの場で、上級の理論と初級の理論の区別はないのである。

 特に今日のような不況時には、ビジネス書が次から次に出版されている。そのような書籍は、そのほとんどがすでに過去の事例の受け売りであり、そのままでは企業経営や営業の最前線では通用しないものである。
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 著者の津本氏は、次のように続ける。「彼は空疎な剣術の形式を嫌い、あくまでも実戦に役立つ技を弟子たちに教え、破邪顕正の力を伝えようとしたが、そのため孤高の険路を歩まざるをえなくなった。・・・剣術は・・・すでに教養化していた。命を懸けての闘いに勝つために考え抜いた武蔵の理論は、凡庸な門人たちに理解できるものではなかった」。

 以上は、「命を懸けての闘い」に臨んだ経験をもつ武蔵の独自理論が、そういう経験のない凡人には理解できないことを指摘している。また、そもそも「命を懸ける」必要のない凡人に不必要の理論であったから、その理論は一般に受け入れられなかった。

 この意味では、経営における「実学」を探究するためには、やはり「命を懸けた実戦=実践」の体験(少なくとも疑似体験)が不可欠である。さらに命を懸けている人々のための内容でなければならない。単なる知識や情報としての経営理論は教養のために必要であるが、それが実戦に役立つかは別の問題である。

 たとえば「実学」としての理論は、ビジネスの基本は報告・連絡・相談(ホウレンソウ)するというような内容なのかもしれない。実学への探究は続く。

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