なぜ『不毛地帯』の視聴率は高くないか?
毎週木曜日に楽しみにしているテレビ番組『不毛地帯』の視聴率が上がらないと言う。唐沢寿明・小雪・岸辺一徳・原田芳雄・天海祐希らの演技陣は文句なしに熱演である。ゾクゾクするほどに魅力的である。
かつてテレビで放映された『なにわ金融道』(DVD発売)でおなじみの泥沼亀之助氏は、結婚式のご祝儀泥棒に遭う時に証券会社に勤務していたが、その前職は商社マンであることがわかった。しかも米国近畿商事の副社長そして社長になる。この俳優は梶原善であるが、こんな連想をさせてくれることも私にとって個人的に楽しい。
このような『不毛地帯』がなぜ一般に人気がないのか。原因はいろいろ考えられる。
1.時代背景が古いので視聴者に理解されない。
2.テレビ視聴者の「ボリュームゾーン」から逸脱している。
3.家に帰ってまで真面目な仕事の話を再び見たくない。
4.主人公の壱岐正が立派すぎて見ていて疲れる。
5.陸軍士官学校の人脈がすごいというだけの話とも解釈できる。
6.政財界の癒着は新しい問題ではなくウンザリする。
私は、就職を前にした大学生に仕事・人生・結婚などを考える材料として『不毛地帯』を見てほしいと思う。また壱岐正の分析力や判断力を通して戦略の重要性が理解できるから若いビジネスパーソンにとっても有益である。
『不毛地帯』を素材にして、それを現代に置き換えた作品にすれば、おそらく人気は出るだろうが、そのストーリーは難しいだろう。まったく新しい作品として書き上げなければならないからである。シベリヤ抑留や陸軍士官学校の想定を何に置き換えるか。考えると楽しいが、頭が痛くなる。
やはり『不毛地帯』は歴史番組である。昭和史のエピソードを詳細に描いた記録的な映画である。それだけでなく、この番組には人間ドラマとしての普遍性があり、それだからこそ後世に『不毛地帯』は継承されていくと思われる。私はDVDの発売を楽しみに待っている。繰り返して見るに値する作品である。視聴率に関係なく、秀作は秀作である。
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