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2016年3月31日 (木)

新たなビジネスモデルの提起:書店の場合

たとえば日本の中小・零細書店があるとする。活字離れで売り上げの伸びは難しい。しかし、これらの書店は書籍取次店との長い関係を維持している。

これらの書店が、たとえばベトナムの大型書店と提携し、日本語の書籍をベトナムに輸出できないのか。さらに新刊書のみならず古本を扱うことも同時にできることが望ましい。

最近訪問したバンコックでは紀伊國屋書店が単独で店舗を展開しているが、中小・零細書店であっても、外国現地の大手書店と連携すれば、それが販路拡大に貢献することは間違いない。

日本語の書籍を「原書」で読む場合、著作権保護の問題は論理的には発生しない。日本語の読者が世界に拡大するだけである。何らかの法的規制が日本にあるとすれば、それこそ規制緩和が望まれる。日本語の世界的な拡大を阻害しているとみなされるからである。

以上、素人の単純なアイデアであるが、実現の可能性はあるか。私に時間があれば、もう少し真剣に検討してみたい問題である。

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2016年3月30日 (水)

小林節「自民党案なら日本は先進国の資格を失う」

樋口陽一・小林節『「憲法改正」の真実』集英社新書の新聞広告に、「自民党案なら日本は先進国の資格を失う」(改憲派の重鎮・小林)という見出しがあった。

この「先進国の資格」とは何か?この問題を私なりに考えてみたい・・・同書を私は未読であるが、この言葉に直感的に反応した次第である。

ベトナムは経済的には「中進国」になったばかりという状況であるが、民族の独立や自律といった「人類の普遍的な価値」から見れば、米国に従属・同盟する日本よりも「先進国」と言えるかもしれない。

かつてのベトナムでは南シナ海(ベトナムで「東海」と呼ぶ)の「カムラン湾」は、日露戦争時にバルチック艦隊も寄港するほどの要衝地であるが、現在は特定の艦船の母港とななっていない。ベトナム「全方位外交」政策の成果である。

flair【注】flairただし、中国との領土問題が悪化すれば対中国戦略の一環としてカムラン湾に何らかの変化が生まれるかもしれない。こうなれば、両国の軍事増強の「悪循環」が加速する。経済発展を最優先し、戦争体験者の多数が存命しているベトナムにとって、こういった事態は可能であれば回避したいというのが本音であろう。。

これに対して沖縄を始めとする日本各地に米軍基地が常駐し、さらに横須賀港には原子力空母・ロナルド・レーガンが配備されている。さらに本年3月29日から集団的自衛権が発効し、米国の戦争にも巻き込まれることにもなる。まさに強固な「日米同盟」の形成である。しかし留意しなければならない問題は、この「同盟」が対等互恵かどうかということである。

軍事大国・中国の隣国として日本とベトナムは地理的に共通しているが、その国防政策は明確に異なっている。主体的・自主的な「全方位外交」についてベトナムから日本は学ぶことができないのか。

こういう視点からベトナムを考える必要はあるし、こういう視点から日本は本当に「先進国」かどうかを再検討する必要もある。もちろん日本が経済的な先進国であることは誰もが認める事実であるが、小林氏の「先進国の資格」とは、先進国とは経済力だけの尺度ではないという問題提起であると指摘されうる。

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2016年3月29日 (火)

ビンズン省イオンモールから問題提起(7):まとめ

小売業は、最終消費者が相手の商売。消費者心理の把握・分析・予測は商売の成否に影響する。簡単に言えば、お客の「買う気」を惹起できなければ、商品は売れない。

ベトナムの生活・文化の特徴の一つとして「儒教」の影響があり、その気持ちは日本人に理解しやすい。政治的・経済的にも日本との親密な関係が継続している。また親日的な対応は日本人にとって安心感が生まれる。お互いに気持ちが通じ合う気配りができる。ベトナム人は頭が良い。特に女性はビジネスを任せられる資質がある。

当面、日本人とベトナム人は所得水準に格差があるが、上記のように日本人とベトナム人は似ているから、ベトナムの所得向上に伴って次第に売り上げも伸びるだろう。このように考えて、飲食店を含む小売業がベトナム進出すると失敗することがある。いくら似ていると言っても、ベトナムにおける日本人は外国人であるし、日系企業は外資系企業である。

日本からカルフールが撤退したこと、ウォルマートが不振であることを想起すれば、外資系小売企業にとって日本は難しい市場と言えるのではないか。ベトナム人が日本人と似ているとすれば、ベトナム市場も外資系小売業にとって同様に難しいと考えられる。

ベトナム人と日本人が似ているから売れると考えるか、ベトナム人と日本人が似ているから売れないと考えるか。この問題の要点は両者の「似ている要素は何か」である。

内向きの発想、土着志向、閉鎖的・排他的な発想、身内優先、外国人に対する警戒感、愛国心、自国に対する矜持、保守性・・・これらは外資系小売企業にとって「逆風」になる消費者心理である。これらも日本人とベトナム人が似ている要素であるとすれば、ベトナム人消費者を相手にする小売業は、そう簡単に参入できないことになる。

annoy【問題】⇒より一般的に言って、ベトナム人の気持ちをベトナム人以上に察(=理解・予想)する。外国でビジネスする場合に常に心がけなければならない要点である。そのためは何が必要か。

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2016年3月28日 (月)

ビンズン省イオンモールから問題提起(6):市場調査の誤差は大きい?

ベトナム人のスタッフや従業員に自社の新商品について意見を聴取したり、アンケート調査を実施する。一般の消費者にも同様に意見を聴く。それが匿名であっても、果たして正確な回答が集まるかどうか。

日本の飲食店でもアンケート調査は一般的であるが、果たして正確に回答しているのだろうか。優待を受けたり、サービス券をもらったりするために顧客は住所・氏名・誕生日などの個人情報を提供する。これは店舗側には、CRM(=顧客関係管理またはマーケティング)の観点から大きなメリットがある。Cimg3483  写真:ビンズン省イオンモール内
この場合、顧客は正確な回答をしているのであろうか。本当に「美味しくない料理」や「サービスが悪い」と思う顧客は、そもそもアンケート調査に回答しない。また、店舗側から優待券やサービス券をもらうのだから、本音を言わずに甘く評価する。

自分が勤務する会社の商品について、上司に気を遣って悪く言うことはできない。会社にとって悪い評価や結果を上司に伝えるには「勇気」が必要である。このような感覚は日本人にもあるだろうが、ベトナム人も同様である。

ベトナム人にも十分に意見を聞いた・・・と日本人経営者が言う場合、その意見が本音かどうか。偏向や遠慮がないか。この吟味が必要である。そのためには日本人経営者自身が、会社の利害関係から離れた多様で多数のベトナム人と日常的に交際・交流しておくことが求められる。

責任の所在を曖昧にしたい点ではベトナム人も日本人も同様である。ベトナム企業において日本人の存在感を示す、さらに日本人経営者に対するベトナム人の敬意を集めるためには「責任を取る」ということを明言する。これは日本企業も同様であろう・・・。

annoy【問題】⇒ベトナム人に対する市場調査、聞き取り調査、試食会、意見聴取について、その的確性・妥当性に常に疑問をもつ。その回答に偏向や遠慮がないかを独自に再検証するルートを持つ。そして最後は自分で責任を取って決断する。こういったことが必要か、必要でないか。

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2016年3月27日 (日)

ビンズン省イオンモールから問題提起(5):ベトナム販路拡大のために

前回に紹介した経済産業省の政策は、日本の製品や食品加工品をベトナムで販路拡大する。両国のTPP加盟が好機である。そのための売れ筋などの市場調査に日系コンビニやジェトロを利用する。

このスキームは、製品から市場調査そして販売までを日本企業によって完結している。だからこそ民間事業であるが、政府も支援する。ただし忘れてならないことは、この場合、最終消費者がベトナム人ということである。
Cimg3505

   写真:ビンズン省イオンオール内・・・この価格は安いと思う
 私見では、コンビニを利用するベトナム人は学生など若者、また外国に留学や出張経験のある人々に限定されているように思われる。ベトナムでは依然として、かつての日本と同様に地元の市場(いちば:日本の商店街を想起すればよい)や顔なじみの近隣の店舗・露天商店が健在である。

私見では、日本人とベトナム人の消費感覚は似ている。しかし、それは「土着感覚」ではないか。地元の馴染みの店を優先する「地元密着」志向である。価格やサービスに敏感という点も共通している。この類似した消費感覚の指摘が妥当しているとすれば、日本商品のベトナム市場における「アンテナショップ」としてのコンビニが、果たしてその役割を適切に果たすのかどうかという疑問が生じる。

さらに、もう20年前になるが、ハノイで冷房の効いたドア付きの店舗は、一般のベトナム人は入店の敷居が高かった。この気持ちは私にも理解できる。値段の高そうな料亭風の日本料理店の外観を見れば、ちょっと普段着で入り難いという感覚である。一般のベトナム人にとってコンビニは、こういった存在であるように思われる。

より具体的には、ベトナム地場の慣れ親しんだ小売店・・・たとえば「コープマート」で売れる商品が本当に売れる商品である。「ファミリーマート」や「ミニストップ」など外資系小売店で売れる(または売れない)商品は、特殊な顧客を対象にした情報にしかすぎないのではないか。

annoy【問題】⇒ベトナム人の消費者行動の的確な実態調査に基づく初歩的な情報が、ベトナム市場の販路拡大では不可欠である。たとえばホーチミン市の一般のベトナム人1,000人に聞いて、コンビニに入店したことがある人、さらに買い物したことがある人が何人いるのか・・・(注)この「一般」という定義も難しい。そして何を買ったのか。

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2016年3月26日 (土)

ビンズン省イオンモールから問題提起(4):ベトナム販路拡大のために

日本帰国後に目にした『日本経済新聞』(2016年3月21日)は、次の記事を掲載している。

「林経産省は20日午後、ベトナムの日系コンビニエンスストアの店舗網を活用して、日本の農水産品を輸出を拡大する計画も正式に発表した。11月をメドに水産加工品など50~60品目をファミリーマートとミニストップの約200店舗で扱う。売れ筋や購買層のデータを収集し、中小の農水産業者が海外進出する足がかりにしてもらう。」Cimg3461   写真:ビンズン省イオンモールのフードコート
前日の『同紙』(2016年3月20日)では、その背景としてTPP(環太平洋経済連携協定)の発効によって、①日本酒や米菓など食品の輸出関税が下がる、②小売店の規制がベトナムで緩和される、③その結果として日系コンビニの出店加速が見込まれることを指摘している。

さらに、「低温輸送が必要な食品をコンビニまで運ぶために官民共同で流通体制もつくる」と指摘され、そのために「官民ファンドのクールジャパン機構が川崎汽船などとホーチミン市郊外に冷凍・冷蔵倉庫を整備する。

日本貿易振興機構(ジェトロ)が同国で売れ筋や顧客層などの販売動向を調査した上で、同様に小売業への規制が緩むマレーシアなど他の国にも同様の手法を広げる。」

以上、非常に結構なことだと思うが、何か問題点はないか?ビンズン省イオンモールの視点から考えてみたい。(つづく)

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2016年3月25日 (金)

ビンズン省イオンモールから問題提起(3):外資系小売業の撤退要因に配慮する

ベトナムのスーパーマーケット(=近代的な市場(いちば))の最初は、私の知る限り、フランスのCORAであったと思われる。ホーチミン市からドンナイ省・ビエンホアの工業団地に向かう途中に位置していた。

CORAは撤退し、現在BIG Cになっているが、そのBIG Cも撤退である。ハノイにドイツのMETROができた時、それまで西友(現在は台湾系UNI MART)を利用してきた在ハノイの日本人は大いに注目した。その後のMETROは全国展開を果たしたが、そのMETROもベトナム撤退。ベトナムで操業以来健在な外資系スーパーマーケットはLOTTE MARTだけと思われる。

このように考えれば、ベトナムの外資系小売業は「撤退の歴史」である。AEONは今後のベトナム市場の拡大に期待するが、この歴史から何を教訓にしたのだろうか。撤退の要因を簡単に言えば、私見では、進出の時期尚早、法的規制、本国本社の経営事情の変化などがあるが、ベトナム人消費者の趣向や動向を的確に把握することが最優先である。Cimg3499写真 ビンズン省のイオンモールの概観模型

もちろん、さすがにイオンであって、ベトナム地元の小売業であるフィビマートシティマートと合弁し、ベトナム人消費者により接近しようとしている。

他方、日本の外資系小売業を見れば、フランスのカルフールが撤退し、米国のウォルマート(西友)も不振である。日本における外資系小売業の撤退要因または問題点は、これまでに日本に研究蓄積がある。同様に中国に進出している小売業についても、多数の中国人留学生の研究成果が日本語で読めるようになってきた。それらがベトナム進出のイオンを始めとする小売業の教訓にならないか。

annoy【問題】⇒外資系小売業の撤退・不振の要因からベトナムは何を学ぶか。またベトナム固有の特殊要因は何か。AEONを始めとする日本小売業が成功するための重要な課題である。

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2016年3月24日 (木)

ビンズン省イオンモールから問題提起(2):イオンモール出店のメリットとデメリット

最上階に映画館があるとしれば、その階下に飲食店・レストラン街が位置している。映画鑑賞や食事のために必ずお店を通り、買物を誘発させるためだと誰でも想像できる。しかし私の訪問時に限って言えば、ビンズン省イオンモールで最も高い集客の飲食店は入口付近の「ロッテリア」であった。Cimg3519レストラン街は日本料理店が多かったが、午後3時~4時という時間帯を割り引いてもお客は皆無であった。Cimg3469_2ホーチミン市のイオンモールに比較して、プノンペンのそのお客の少なさに少しばかりショックを受けたことを記憶しているが、今回のビンズン省も同様であった、Cimg3477以下、仮説としての問題提起である。日系飲食店はイオンモールに出店すれば、その認可取得や原材料の仕入れそして集客が単独進出よりも容易であると想像される。その代わりに出店料・家賃を支払わなければならない。これは総じて低リスクの外国出店である。Cimg3512将来の発展を予想した先行投資という側面もあるが、必ずしもイオンモールの現状の立地は多数の集客が見込める場所ではない。写真上は、駐車場の出口前のヤクルトの工場である。この場所に住宅地ができるのなら良いが、工場が隣接している。これには違和感があった。

annoy【問題】⇒日系ショッピングモールに入居して外国出店する。これは低リスクであるが、果たして高リターンが期待できるか。ホーチミン市やハノイ市内に多数の日本料理店が拡大しているが、それと比較してイオンモールに出店するメリットとデメリットは何か。






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2016年3月23日 (水)

ビンズン省イオンモールから問題提起(1):高品質・高価格の日本製品が売れる条件

ビンズン省のイオンモールを訪問した。平日の午後3時~4時。私の訪問はホーチミン市とハノイに加えて3店目である。なおイオンモールのベトナム出店については、次のHPを参照。http://www.aeonmall.com/shoplist.html#09Cimg3441小売業の成功要因の中で「立地」は重要な要因である。私見では、イオン3店舗の共通点は、幹線道路の路面であることと、将来の住宅団地に隣接していることである。一定の「立地戦略」に基づいた出店がなされていると思われる。Cimg3443ホーチミン市のイオンでは長い行列の「寿司」は写真上のように閑散としている。ただし訪問時間が午後3時~4時であったから当然、それを割り引いて考えなければならない。Cimg3452今治市のタオル販売店が出店していた。今治タオルは世界的なブランド形成を志向しており、ベトナム人に高品質をアピールする意図があると想像される。他方、ベトナム北部タイビン省は、もう10年ほど前に訪問したが、ここでは日本で「おしぼり」として使用されるようなタオル製造工場が集積していた。Cimg3451今治とタイビン省のタオルの品質の相違は歴然としているが、それをベトナム人は認識できるのであろうか。または認識できたとしても、それに価値を見いだしうる生活様式・生活習慣をベトナム人はもっているのであろうか。この問題の検討が求められる。

品質の高低という問題は難しい。私はビール好きだが、酔っ払えば味の相違は重要ではない。「ビールはビール」という不覚の状態に至る。価格10万円のワインと400円のワインの相違は何か。「ワインはワイン」。その好き嫌いは各人の味覚の好みに依存する。

annoy【問題】⇒高価格であるが高品質の日本製品をベトナムに売り込む。ベトナム人の所得水準が上昇すれば、次第に売り上げは伸びる。それまでの我慢が必要である。この指摘に私も賛成してきたが、果たして無条件に妥当するのか。妥当しないとすれば、その条件とは何か。

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2016年3月18日 (金)

ベトナム南部・ビンズン省の「大額」を訪問

この「大額」とは、「大学」の誤りではなく、日本の会社の名前である。
参照 http://www.daigakuco.jp/

10年以上前、私の「学生」だったベトナム人フン氏が、現在「大額」のベトナム工場に勤務している。彼の紹介でベトナム工場を訪問した。ここで学生に「 」が付いているのは、私がフン氏を直接に指導したことがないからである。Cimg3423_2フン氏と私はホーチミン市で知り合って、神戸市立外国語大学の大学院進学を紹介した。彼が日本語を専攻していたから、大学院でも日本語を専攻するのが自然と考えたからである。日本滞在中は拙宅にも遊びに来てもらったことがある。私は単なる紹介者なのだが、私を先生と呼んでくれる。有り難いことである。Cimg3426額縁の起源は欧州であるが、日本の木工細工の手工芸的な技術力は十分に世界に通用する。しかし人材・後継者が不足している。さらに額縁は、あくまでも「脇役」であって「主役」は絵画。絵画と額縁の相乗効果がなければならず、額縁が絵画よりも目立つことはありえない。これは、ベトナム会社の鈴木社長からの説明である。Cimg3430鈴木社長(写真上右)は、ラオスの沖縄本社の木材加工会社「ラオイゲトー」をご存じだと言うので、たちまちに親近感が増した。私がJICA短期専門家としてラオス国立大学で仕事をしていた2001年当時、JICAが招聘したタイのチュラロンコン大学の教員を同社に案内したことがある。日本家屋の「欄間」や「下駄箱」などの木材加工をしている。Cimg3419ベトナム人やラオス人が日本の伝統的な工芸技術を継承している。それが必然であるとすれば、先端技術のみならず、こういった伝統技術のグローバル戦略が個別企業はもちろん日本の「産業政策」にも求められると思われる。

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2016年3月15日 (火)

タイ・ブラパー大学訪問の総括(9):大学生にとっての意義

ブラパー大学はタイの東部チャンブリ県に位置する。バンコック市内から高速道路で90分。国際空港からなら時間は短縮される。チャンブリ県周辺にも日系企業は進出し、さらにパタヤビーチを始めとする観光地も存在している。

さらに首都バンコック市内の商業施設の発展は、文字通りの「国際都市」を体感できる。さらにタイの伝統文化、タイ料理や一般に普及したタイ式マッサージなどの体験も貴重であろう。

以上、要約して大学生にとってのタイ訪問、されにプラバー大学訪問の意義は次のように指摘できる。

1.日本人学生とタイ人学生の意見交換、共同作業を通しての相互理解・・・私はラオス国立大学の学生らと日本人学生の間で、ラオス首都ビエンチャンの「清掃ボランティア活動」を何回か指導・引率したことがある。タイでも何か学生間の交流ができないか。

2.タイにおける流通調査・・・ベトナムのホーチミン市で数年前にファミリーマートの協力の下にベトナムの人文社会科学大学の学生と日本の学生で市場調査を実施したことがある。タイのコンビニ店は、セブンイレブンが最多の店舗をもっているが、それにローソンやファミリーマートが店舗展開を検討している。これらの市場調査・消費者調査をタイと日本の学生で共同してできないか。

3.バンコク市内の商業施設の特徴を調査・・・国際都市として世界的なレベルに達した商業施設が複数存在する。日本人学生から見て何が特徴であり、何が参考になるか。これらの調査は興味深い。

4.タイ進出日系企業の調査・・・人件費が高騰し人手不足と言われるタイであるが、その現状はたとえばベトナムと比較してどういう特徴があるか。ベトナム人女性が優秀と言われるが、同様にタイ人女性は優秀と言われている。この「優秀」とは何を意味するか。ベトナムとタイの双方に進出している日系企業の調査は、国際比較という観点からも興味深い。

5.タイの文化や料理に触れる・・・「日本人」しか経験したことがない日本人が外国人=留学生の心情を想像したり、理解したりすることは難しい。日本人も外国旅行を経験し、できるだけ早い時期に「外国人」を体験するべきであろう。親日国であるタイやベトナムの訪問は「初めての外国人」になるためには適当な国であろう。

6.タイの観光地としての魅力を発見・・・今回の私はパタヤビーチを訪問したが、日本人の目線からのタイ観光の提案ができないか。タイにおける体験型観光として何が考えられるか。ブラパー大学の学生との共同研究の可能性もある。

7.タイを中心にしてラオスやカンボジアの国境を超える物流網の実態調査・・・メコン川5カ国を巡る東西経済回廊、さらに南部経済回廊、また中国・雲南省(昆明)からの南北経済回廊。こういった陸路の物流インフラの実走行について最新情報が入手したい。そのことを通じた各国の産業連関的な分業体制が構想・提案できないか。このためには調査のための資金募集も必要となるであろう。

以上、いくつか思いついたことを列挙した。私の大学退職まで通常なら10年を切っている。それまでに私の今までの海外活動のノウハウを学生に可能な限り伝授しておきたい。そのようなことを念頭においた私の提案である。

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2016年3月14日 (月)

タイのブラパー大学(8):パタヤ周辺の観光地

タイは仏教国。タイ国民に仏教が根付いているという印象である。写真は高僧の寺院であるが、多数のタイ人が参拝に来ていた。寺院の前には、水族館と同様に小学生の団体が記念撮影していた。仏教寺院が子どもの頃から身近に親しまれている。Cimg2945さらにパタヤビーチから自動車で1時間ほどで100mほどの山に描かれた巨大仏画を見ることができる(Khao Chee Chan)。黄金で山に刻みつけられた仏様は一見の価値がある。Cimg2963ここも多数の中国人観光客のバスで混乱していた。この近くに「銀の湖」(シルバーレイク)と呼ばれるテーマパークがある。これは長崎のハウステンボスを想起すればよいが、ハウステンボスと比較すれば、それはシルバーレークが気の毒である。まだまだ開発の余地がある。Cimg2989このシルバーレークはタイの有名女優の所有・開発ということであるが、ワインを作るためのぶどう園があり、おしゃれなレストランもある。ヨーロッパを意識した広大な敷地内に確かに銀色に輝く湖があり、その日没は幻想的な雰囲気をもたらす。Cimg3023このシルバーレーク、さらに投資すれば、より魅力的な観光地になるだろうと確信した。これからは国際的な民間協力プロジェクトの時代である。創設者の意思を尊重しながら何らかの国際協力ができないか・・・こんなことを考えた。より以上の発展の可能性をもった素材をシルバーレークは秘めている。

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2016年3月13日 (日)

「大教室双方向授業」:池田真朗教授に共感・同感する

有斐閣『書斎の窓』(2016年3月号、No.644)に注目。池田真朗(武蔵野大学法学部・法学部長)教授の連載「新世代法学部教育の実践ーーいま、日本の法学教育に求められているもの」の第2回「大教室双方向授業」である。

この授業方法は、すでにこれまで私が実践してきたものである。この授業の方法を池田教授が命名したというのだが、すでに私も「双方向」という言葉を何度も使用してきた。何も「私が先だ」というようなことを指摘したいのではなく、池田教授の講義方法に同感・同意・共感することを強調しておきたい。

私の「双方向対話式」の授業については、この数年間の流通科学大学の『教育研究報告書』を参照してほしい。ここで私の「実践ノウハウ」を池田教授の指摘に加えて紹介すると、私は、学生に名札カードを講義の最初に作成・持参させて、発言した学生にポイントを与えている。こうすれば、池田教授が「学生の名前を呼ぶために名前を覚えなければならない」と言われている問題を克服できる。また発言の「動機付け」になる。

私も池田教授と同様に、双方向対話式の講義だと、毎回の講義が楽しい。一方的に話すのではなく、学生の反応を教員も楽しむことができる。一緒に考えることもできる。

私が担当する経営学・企業論と、池田教授の法学・民法・債権法とは対象とする内容は相違するが、共通の講義方法の紹介を読ませて頂いて大いに共感することを表明しておきたい。この講義方法、けっして間違ってはいなかったのだ。また、おそらく同様の講義方法を実践中の大学の先生は複数おられるのではないか。

今後、私は「大教室双方向授業」(池田真朗教授命名)として公称したいと思う。この意味で池田教授に感謝である。

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2016年3月11日 (金)

タイのブラパー大学(7):大学隣接の水族館

海洋科学研究所(Institute of Marine Science)が、ブラパー大学の準備してくれた私の予定の中に含まれていた。私の専門分野ではないのになぜ?と思っていたが、実際は「水族館」であった。大学の付属研究施設を一般に公開しているのである。Cimg2697近畿大学のマグロの養殖成功は有名だが、こういった研究所内で世界の大学との協力で新しい商品開発はできないのであろうか。産学官が協力したビジネス感覚をもった教育研究の発想は、さらなる経済発展をタイが目ざすなら不可欠であろう。Cimg2710大きな水槽の中で人間が魚に餌を与える。これは見物であって、その前に人だかりができている。分厚い手袋がなければ、おそらく指を怪我すると思われた。日本で、こういったリスクのある「アトラクション」が容認されるかどうか。ちょっと疑問である。Cimg2721クジラの骨格が館外に展示されており、小学生の団体が見学または遠足に来館していた。一般に親しまれた大学施設ということでは好感がもてる。Cimg2722この案内は、大学職員のマオさんとウイさん(いずれも日本人向けのニックネーム)にしていただいた。私一人のために申し分けないと思いながら、同時に感謝を申し上げたい。









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2016年3月10日 (木)

タイのブラパー大学(6):大学内の発見

写真下は、ブラパー大学と単位互換している大学である。日本では、こういった情報は大学のHPや大学案内にしか記載されないが、こうやって公表するのも、学生には「夢」や大学に対する「誇り」を視覚的に与える効果がある。実際に見て、そのように感じた。Cimg2736左から、①米国:アパラチア州立大学、②フランス:モンペリエ大学、③スイス:IMI大学センター、④スイス:ビジネス・ホテル経営スクール、⑤米国:パデュー大学、⑥インドネシア:トリサクティ大学、⑦インドネシア:スティプラム大学。

たとえば、このタイのブラパー大学で2年間、米国のパデュー大学(インディアナ州)で2年間学ぶと両大学を卒業したことになる。いずれも英語での講義。世界第一の経済大国の米国、世界経済の成長を牽引するアジアのタイの両大学で勉強する。

最近の日本人高校生は、東京大学よりもハーバード大学に直接進学するという事例があるが、タイと米国で学ぶという日本人の勉強スタイルは、米国偏重を避けるという意味で、より先進的・革新的であると思われる。Cimg2676写真上は、なかなか面白い。遅刻しないという学部長からの訓示である。日本でも「私語しない」という掲示が講義室にあることは普通になっているが、そこに学部長の写真がある。このような「私が責任をもって学生に訴える」という掲示は、やはり学生に対しては強い説得力をもつと思われる。これらは、タイのブラパー大学を訪問して勉強になったことである。

しかし・・・この掲示は学生向けでなく、教員向けではないかという見方もできる。もっとも日本の大学も最近は勤務が厳しくなっている。かつての古き大学の講義スタイルは、もはや遠い思い出である。

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2016年3月 9日 (水)

タイのブラパー大学(5):大学近郊の風景

大学から徒歩圏でバンサエン海岸(Bangsaen Beach)があり、山に猿が生息している寺院がある。私一人のために案内して頂いて恐縮。今後もKeep in Touchである。Cimg2733海で泳ぐというよりも海岸で寝そべるというリゾートである。後に紹介する「パタヤビーチ」が国際的なリゾートで外国人が多いが、ここは落ち着いた雰囲気。海岸周辺は長期滞在者用のホテルや別荘がある。夕陽を眺めるスポットもあり、ゆったりした時間を過ごせる海岸の大学と思われた。Cimg2726多数の猿の生息はベトナムでも観光名所となり、日本でも「温泉に入る猿」は有名だが、観光客に対する猿のイタズラは大丈夫なのだろうか。バンサエンの猿も、今後は観光資源としての活躍が期待される。Cimg2771海外沿いのレストランでラナ学部長と夕食をご一緒した。タイのホスピタリティは日本に負けない・・・。タイは「頬笑みの国:A LAND OF SMILES」と言われるが、これはヘラヘラ、ニヤニヤ常時笑っているという意味ではなく、ホスピタリティの意味である。これを実感できた。






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2016年3月 8日 (火)

タイのブラパー大学(4):学生寮とゲストハウス

大学内のゲストハウスに私は宿泊させて頂いた。ゲストということで8階建ての最上階。その階下は一般の学生や留学生のための宿泊施設になっている。Cimg2774建物はカードによって出入りが管理されており、不審者の侵入が防止されている。学生寮には350名が居住しており、男女別に建物が区別されている。写真下のピンク色は女子寮である。Cimg2664外国人留学生は中国・インドネシア・韓国・フランス・米国などだが、日本人はいない。「日本人代表」という環境は、語学力やコミュニケーション能力を高めるために絶好の環境である。ブラパー大学に入学して米国やフランスの大学に単位互換制度で短期留学する。学費や生活費が安いだけに新しい日本人の勉強スタイルになっても悪くない。
Cimg2669すでに紹介した学内のローソンは「日本品質」を強調している。タイでは圧倒的に7-11が店舗展開しているが、どうも現地化しているようである。これに対してローソンは日本的な特徴を打ち出して、市場浸透を目ざしているようである。さらにファミリーマートが競争に加わる。タイのコンビニ業界の競争戦略は注目である。写真下はローソン店舗の側面。Cimg2667写真下は、3月3日から開催されたチョンブリ県の物産展示会である。かつての日本で流行した「一村一品」の産業振興がタイで継続していると考えて良い。なかなか外国人が買うという商品はないのだが、私は「胡麻付きピーナッツ」を買った。ビールの「おつまみ」用である。Cimg2757この物産展、やはりタイは農業国という印象であった。自然素材を使用した化粧品や健康食品が販売されていた。外国人向け展示会ではないのが残念であった。

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2016年3月 7日 (月)

タイのブラパー大学(3):BUUICの概要

私が訪問した学部は、BUUIC(Burapha University International College)である。「カレッジ」という名称なので短期大学かと思ったのだが、4年生の大学であり、経営学士(Bachelor of Business Administration)、芸術学士(Bachelor of Arts)、美術工芸学士(Bachelor of Fine and Applied Arts)の学位を授与している。Cimg2680学費は、経営学士と芸術学士のコースで4年間で49万バーツ(約16,340米ドル、1米ドル=30バーツ)。美術工芸学士のコースで85万バーツ(約28,340米ドル)である。これらの中には、教科書、集中英語コース(120時間)、インターネット使用料、英語補習コース、図書館使用、コンピュータや実験室使用、調査訪問が含まれている。そのほかに健康保険の経費が毎年2,500バーツ。写真下は、創立13年になることを掲示している。Cimg2691経営学士コースの中には、マーケティング、物流管理、国際経営、国際ホスピタリティ・観光マネジメント、ファイナンスのプログラムが含まれている。Cimg2688_2学部長のラナ氏(Rana Pongruengphant:写真上)は、学部案内の中で次のように挨拶している。BUUICにおける私たちの目的は、皆さんの正しい選択を支援することです。BUUICの包括的な履修科目を飛躍台として皆さんは、チームワーク・技能・クリティカル分析・意思決定・リーダーシップなどの本質的なビジネス能力を開発させることができるでしょう。皆さんは、BUUCIが確かに、意欲と才能のある学生のための非常な特別な場所であることを確かに見いだすでしょう。

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2016年3月 6日 (日)

タイのブラパー大学(2):大学の歴史

ブラパー大学BURAPHA University)は、1955年7月8日にバンサエン(Bang Saen)教育大学として設立れ、教育学士の学位を授与していた。大学は、バンコックのスリナカリンウィロット(Srinakharinwirot)大学の分校として1974年に発展し、いくつかの分野の学位を授与してきた。Cimg2668                【写真上】大学内にローソンがある

1990年にバンサエン大学が総合大学のレベルにまで発展し、「東の大学」を意味するブラパー大学と改称された。今日では、芸術・科学・技術・健康管理・人文分野の幅広い学位を授与するまでになった。現在、3つのキャンパス(バンサエン:Bangsaen、チャンタブリ:Chanthaburi サカエオ:Sa kaeo)で4万人を超える学生が学んでいる。Cimg2758_3【写真上】大学の自動車:バンコック~チャンブリ県バングサエン本校~パタヤビーチ~バンコックを送迎してもらった。

ブラパー大学には次のような学部がある(引用:2011-2012年の大学案内)。

経営観光学部、タイ伝統薬学部、看護学部、薬学部、薬理学部、地理学部、人文社会科学部、政治法律学部、物流学部、理学部、スポーツ科学部、情報学部、工学部、教育学部、美術工芸学部、公衆衛生学部、医療科学部、国際学部、科学芸術学部、宝石学部、海洋技術学部、科学社会科学部、農業技術学部。

そのほかに修士号と博士号を授与する研究方法認知科学部、行政学部、商業大学院があり、さらに複数の研究所が設置されている。

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2016年3月 5日 (土)

タイのブラパー大学(1):最初に

すでにFB(FACE BOOK)で紹介していますが、3月2日からタイ国のブラパー(Burapha)大学を訪問しました。国際学部(International College)のラナ学部長やスタッフに大変にお世話になりました。Cimg2673次回は学生を同行した交流ができるとよいという意味も込めて、この大学について何回が紹介してみようと思います。Cimg2744私の右側がラナ学部長、写真下のように私1人のためにプレゼンを用意して頂いて恐縮でした。また国際交流を担当するサマート先生は観光やホテル経営が専門。以前に働いていたパタヤビーチの5☆ホテルを手配して頂きました。Cimg2740タイ国は「頬笑みの国」(A Land of Smiles)と言いますが、その通りのホスピタリティ(おもてなし)に感激しました。そういったご厚意に応えるためにも以下で大学紹介をしたいと思います。

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