ハノイのイオンモール(2)
イオンモールの建物内ば、広くてきれい。多数のベトナム人の評判通りである。ただし、そういった顧客が買ってくれるかどうかは別問題である。
多数の人々が「見に来る」が「買わない」という現状は、ベトナムのみならず一般の途上国に進出したショッピングモールで普通に見られる。その分析が不可欠である。この場合、消費者の所得が低い現状があり、所得向上に伴って来客も増えると単純に考えてしまうことがある。その理由を多数が納得する。しばらくは「体力勝負」「忍耐力」が必要という結論になる。しかし、それは最初から予想できたことであろう。分析になっていない。
たとえばハノイ市内のロッテマートは、100万ドン以上の買い物に対して10万ドンの買い物券を配布し、さらにロッテマートのカードの割引きポイントも付く。買い物券の配布は、ロッテのイオン進出に対する対抗策と思われるが、現状なら、合理的な消費者はロッテマートを選択するだろう。
イオンの社是である「環境緑化」は、日本企業の好イメージを提供しているが、ベトナム人の購買に直接は結びつかないのではないか。
この意味で、いわゆる「ショッピングモール」ビジネスの「百貨店化」が懸念される。この意味は、百貨店が衰退した要因とされる「場所貸しビジネス」の悪魔的な誘因が、ショッピングモールにも潜んでいないかという疑問である。小売り業の原点は販売力。いかに売るか。この原点からの問いかけが、ベトナムや日本に共通して求められる。
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