学生が沈黙する瞬間
11月3日(火)は祭日であるが、学園祭の準備で休講があったために金曜日の講義をした。このような処置は他大学でも普通である。
理由は、単位取得のための講義日数を厳格に管理するように文部科学省が指示しているからである。 当然と言えば当然であるが、古き良き時代の大学講義とは隔世の感がある。
さて、大学講義の醍醐味は、学生の反応に手応えがある時である。私の最近の事例では、「企業論」や「経営学入門」で講義した以下のような話題である。
1.100円のボールペンを示しながら、これを私なら1,000円で売ることができる。そのためにどうするか?その理由は何か?
2.「1,000円で買えば試験に必ず合格させる条件を付けるから」・・・などの複数の学生からの回答がある。「そんなことするかいな!!」
3.正解は、私(または他の人でも良い)が2,000円で買うと保証するから。
4.そのココロは・・・実際は100円のボールペンでも2,000円で売れると思えば、1,000円で買う。これは株式投資、株式売買の考え方と同様である。
この事例は、株式会社=株式市場の仕組みを説明するための1つの方法である。実態経済から乖離した「バブル経済」や、株式市場の2つの機能である「発行市場」と「流通市場」における「流通市場」が、時には「マネーゲーム」や「カジノ市場」になることの説明に使用する。
以上の話をするとき、教室の中に静寂が漂う。学生全員が真剣に一つの問題を考えてる。このゾクゾクする体感こそ大学講義の醍醐味の一つであると思う。
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