村上春樹の新刊『ラオスにいったい何があるというんですか?』(1)
大きな書店に行けば、いろいろ新刊書を手にとって眺めるだけで1時間くらいは過ぎてしまう。すぐに読みたいという本よりも、これは手元に所蔵するべき本というような判断基準で、ついつい本を買ってしまう。
村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?紀行文集』(文藝春秋、2015年)が、店頭に平積みされていた。村上春樹という著者名だけで、おそらく売れる。その書名が「ラオス」だから、ラオスと2001年から関係してきた私としては驚きであった。
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163903644
同書は、著者が雑誌に掲載した紀行文を1冊にまとめた内容である。アジア諸国の中ではラオスだけで、ほかは米国やEU諸国、そして熊本が取り上げられている。ラオスは首都のビエンチャンではなく世界遺産となっている古都ルアンパバーンが題材となった。同書では「ルアンプラバン」となっている。
このタイトルは、ハノイのベトナム人がラオス訪問する著者に対して発した疑問の言葉である。私見では、一般のベトナム人はラオスに対して友好的であるが、少しばかり「上から目線」がなくもない。両国の政治体制は近似して「兄弟国」であるが、この場合、必ずベトナムは兄でラオスは弟である。
同地は、何度も本ブログでも紹介しており、本年8月にも訪問した。世界的に著名な村上春樹よりも少しはラオスのことを知っていると思うと、少しばかり気分が良くなる。しかし感性や文書力はまったく違うのだろうと思う。
以下、同書のラオスの章を少し紹介しながら、ラオスについて私見を述べてみようと思う。
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