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2015年10月 1日 (木)

「アジア経営学会第22回全国大会」(6):アセアンと南アジアの物流事情

日本通運株式会社・本社海外管理部専任部長の柿山慎一氏は、アセアンと南アジアにおける物流インフラの全体像を説明された後に、この地域における日本通運の経営戦略を説明された。

物流企業の顧客サービス競争は、日本国内でもそうであるが、単にモノを運ぶだけでなく、金融や倉庫・通関などのサービスを含む包括的な物流ネットワークの構築が不可欠になっていると私には思われた。

たとえばハノイとハイフォンの間の物流では、道路の渋滞や通関のために工場手配のトラックでは時間がかかっていた。そこで、ハノイ近郊のクアンミンに日本通運が自社でコンテナー・フライト・ステーション(CFS)を設立し、やはり自社のハイフォンのトラック・コントロール・センター(TCC)と連携することによって、1日1往復から1日数往復に輸送頻度を向上させることができた。

このような「物流ソリューション」事業は、資本力のある大企業しか対応できないと思われる。しかし先行して外国進出した中小物流会社は、「先発行動者」として現地の人脈やノウハウ、さらに現地企業との契約実績を蓄積している。

このように考えれば、先発の中小物流企業に対する後発の大企業の競争戦略が、上記の大規模投資を伴う「物流ソリューション」事業ということになる。

インフラ整備の一環としてODAや国際金融機関による道路建設がメコン川流域国で進み、それに伴って国境を超えた「クロスボーダー陸路輸送」のネットワークが官民連携の交渉と合意で形成される。

アセアン経済共同体(AEC)」が「単一の市場と生産基地」の形成を目標とするなら、こういった物流ネットワークの整備は不可欠である。この観点から、物流運輸企業の進出と商機は依然としてアセアン地域に残されている。

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