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2015年10月10日 (土)

東証1部企業の88%が「独立社外取締役」を選任

日本取締役協会(宮内義彦会長)の調査によれば、東京証券取引所第1部上場企業1,655社(8月1日時点)の88%が、独立社外取締役を選任している(『日本経済新聞』2015年9月28日)。

ここでの独立社外取締役とは、簡単に言えば「企業と利害関係のない人物」であり、「コーポレートガバナンス・コード」では2名以上の選任を規定しているが、それは義務ではなく、2名以上を選任できない場合、その理由を説明すればよい。
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全体の社外取締役の中で独立取締役が占める比率は83%である。また2名以上を選任している企業の比率は49%となっている。

独立取締役が3人以上が13%、取締役会の3分の1以上が独立取締役の企業は13%。外国人株主比率が30%以上の企業の33%が、3人以上を選任している。

同協会は「独立取締役が活躍できる環境づくりが今後の課題」と指摘している。
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コメント:日本取締役協会の「独立取締役が活躍できる環境」とは何か。また、どういう人物が独立社外取締役に選任されているか。そして前回に指摘した、その兼任状態はどうなっているか。こういった問題が直ちに提起できる。

私見では、コーポレートガバナンスの伝統的な考え方に従えば、独立社外取締役には本来なら、企業経営の規律を高めるために経営を監視し、同時に利害関係者に向けた説明責任を果たすことが期待されている。この目的を果たすために「活躍できる環境」を整備するとすれば、企業内の情報を自由に収集できる権限が社外取締役に付与されることが望まれる。社内または会計事務所が作成する報告書だけが情報ではない。

しかし「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨は、独立社外取締役の導入を含む一連の改革が、中長期的に企業収益に寄与することが意図されている。この「企業収益に寄与すること」を短期的に考えるとすれば、独立社外取締役による経営に対する具体的な「助言」が歓迎されるだろう。たとえば人事制度の改革はこうすればよい、新製品開発のチームの編成の留意点は・・・といったことになるのかもしれない。

しかし実際、独立社外取締役に期待されていることは「大所高所」からの助言である。それこそが「中長期的に企業収益に寄与する」からである。当然、この助言の中には国際的な観点も含まれる。この意味で、国際的に定評ある外国人の社外取締役が起用されても不思議ではない。

いずれにせよ、こういった観点からの研究調査は「コーポレートガバナンス・コード」の内容を検証さらに実践的に充実させるために不可欠である。

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