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2015年10月 4日 (日)

「アジア経営学会第22回全国大会」(8):日本サービス産業のコアコンピタンスは何か?

「アジア経営学会第22回全国大会」におけるプログラム委員長と統一論題の進行役は、甲南大学教授の安積(あさか)敏政先生であり、私は「討論者」として「補佐役」を勤めた。安積先生の統一論題の大きな問題意識は以下であった。

日本企業に突きつけられた課題:日本のサービス業はどのようなコアコンピタンスを引っ提げてアジアで戦うのか

(注)コアコンピタンス(Core Competence):他社に真似のできない核となる能力、成功を生み出す能力、競争優位の源泉。

上記の問題に対して今回報告の4業種について、それぞれ次のような発言があった。

○ホテル業(四宮由紀子・近畿大学准教授):アジアではフランス系の「アコーグループ」が積極的に展開している。(参照)http://www.accorhotels.com/ja/japan/index.shtml
日本のホテル企業はブランド力はあるのだが、「契約方式」に慣れていない。サービス品質はもちろん、得意とするブライダルを組み合わせたホテルサービスが有望である。

○ゲーム業(中村彰憲・立命館大学教授)日本のゲーム企業の経営には「スピード」が必要である。経営者の英語力・国際経営力が求められる。他方、韓国企業はローカライズなどスピードのある経営をしている。

○物流業(柿山慎一・日本通運株式会社本社海外管理部長):スケールメリットが物流業界は重要であり、欧米企業は強みをもっている。日本企業の強みは「精度」と「品質」である。「引っ越しサービス」は日本独特であり、今後の発展可能性がある。

○損保業(小林一雅・近畿大学教授):日本市場の縮小によって外国進出をせざるをえない経営環境は、業種を問わずに共通している。製造業に比較して欧米企業は伝統的に強みをもっている。今後はM&Aによって外国市場に迅速に円滑に進出する戦略がある。

総括的コメント(上田):サービス業の強みは、そのサービスの担い手、つまり人材の質に依存するのではないか。一般に言われるような「おもてなし」や「顧客の立場に立った気配りやサービス提供」は、日本そして日本人の強みである。それを維持・継承・発展させることが、製造業やサービス業を問わず日本そして日本人・日本企業の強みになると考えられる。こういった伝統的な「日本人の強み」の衰退や喪失が懸念される。

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