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2015年10月 7日 (水)

「アジア経営学会第22回全国大会」(10・完):三菱ケミカル・小林喜光会長の講演(下)

三菱ケミカルホールディングス(MCHC:純粋持株会社)の傘下には、次のような事業会社6社が含まれている。三菱化学(100%)、田辺三菱製薬(56.3%)、三菱樹脂(100%)、三菱レイヨン(100%)、生命科学インスティテュート(100%)、大陽日酸(50.5%)。この中で三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨン3社の経営統合が準備中ということであった。

これらのグループ企業で「KAITEKI経営」が追求・実現されている。その企業活動の判断基準は次の3点である。

① 環境と資源の持続可能性に役立つ
② 健康に貢献する
③ 快適な社会と生活に貢献する

自社の経営資源を有効活用するために、これらの判断基準を満たさない企業活動は行わない。これらは伝統的な「経営理念」であるが、それを実現するために「判断基準」を明確化し、それを満たさなければ「実施しない」と明言する。この「明確化」は、私見では、グローバル企業にとって不可欠である。従業員数が日本人よりも外国人が多数という中小企業も多い。日本で通用する「曖昧さ」は外国では通用しない。大いに参考になる指摘だと思う。

これら3つの判断基準を従業員に浸透させるために、MOS指標を活用して事業会社を業績評価し、さらに従業員の評価にも反映される。このMOSとは、「持続性追求の経営」(Management Of Sasutainablity)のことであり、利益追求を最優先する経営とは一線を画している。

これらについては、三菱化学ホールディングス社のHPや、小林喜光『地球と共存する経営』(日本経済新聞出版社、2011年)に詳しい。
参照 http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/287

小林先生の講演から、日本を代表する大企業の最先端の経営実態の一端を理解することができた。おそらく具体的な内容や表現は相違するが、日本の大企業がグローバルに成長・発展するために普遍的な考え方を小林先生は紹介されていると思われた。

人類が存続するための企業経営を小林先生が追求・実践されているとすれば、それは「普遍性」をもった企業経営とみなされる。「人類の存続」よりも優先される企業活動が容認されることは長期的に見てありえないからである。この「普遍性」を理解できない企業は、大企業や中小企業といった企業規模に無関係に今後の存続が危ぶまれるのではないか。

私見では、こういった観点から「原発開発」「軍事産業」の再検討が必要である。

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