« 2015年9月 | トップページ | 2015年11月 »

2015年10月31日 (土)

ダナンと大学祭を連結するスカイプ会議

ダナンと神戸をスカイプで結んで学生交流する。私の担当する経営特講「アジアビジネス」という科目の一貫である。Cimg2414ダナンの会場は海辺の「青いクジラ」レストラン。ダナンの中でも高級レストラン。写真上の左側がダナン大学の学生と卒業生。右側の手前から、ダナン大学国際交流部のタオさん、旅行会社テルミクラブの現地支配人の星原さん、そしてソフトフェア製作会社SAVER社の五戸社長である。

Cimg2407_2自己紹介から始まり、相互の趣味や関心事を質問したりする。内容は通常の学生交流と同じであったが、反省点は次の通り。

【ベトナム側】(1)パソコン2台を使用して画面の切り替えを意図したが、音声が共鳴して日本側では聴き取りにくかった。(2)事前に出席学生の紹介が日本側にしておけば、相互の会話がもっと活発化したと思われる。

【日本側】(1)会場がコンピュータ演習室であり、日本人出席学生の顔が、パソコン画面が邪魔してベトナム側から見えなかった。(2)日本側の出席者は当日まで未確定であったが、できる限りの情報をベトナム側に伝達するべきであった。

【総括】スカイプによる音声と映像は、平日よりも明らかに明瞭・鮮明であった。日曜日の日本時間13時~14時30分、ベトナム時間11時~12時30分は適切であった。上記の反省点を考えれば、スカイプのほかに携帯電話での連絡手段が必要であった。たとえば携帯電話によってスカイプの画像や音質の改善指示を出すことができた。

以上、次回からのスカイプ利用の講義の教訓にしたい。こういった通信技術の改善は確実であるから、より円滑な遠隔講義が可能になるであろう。

映画「ベトナムの風に吹かれて」において奥田瑛二が松坂慶子に語るセリフがある。
「たとえ間違った決断だったとしても、迷っているよしましだって・・・(苦笑)決断して失敗したら、教訓にすればいいんだとさ」
これは吉川晃司が奥田瑛二に語ったことを松坂慶子に伝えている。これは、映画製作に初めて関わった私には納得できることである。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月30日 (金)

ホーチミン市はクリスマス!!

ホーチミン市で私が気に入っているカフェ=レストラン。日本人向けのお土産店が多いドンコイ通りに面している。Cimg2423この通りには2店の「生ビール」の店があって、いずれも私の定宿ホテルから徒歩5分ほど。最近になって上記の店が新たにお気に入り店に加わった。Cimg2422店内外は、写真のようにすっかり「クリスマス」である。ベトナムで「ハロウィン」は日本のように定着していないので、10月末からクリスマスでも不思議ではない。実際、11月末から12月になれば、ドンコイ通りはクリスマスのイルミネーションで一色になる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月29日 (木)

ハノイの名所:タイル壁画を見る

ハノイ遷都1000年を記念して、2010年に写真のようなタイル壁画が建設されている。ネット検索によれば、全長が7,000mでギネス登録したと言われている。Cimg2386この壁画に沿って実際に歩いてみると全体が見えないという欠点がある。やはり車窓から見るのが適当かもしれない。Cimg2387Cimg2389Cimg2391以上の写真はカラフルなデザインが多いが、写真下のような物語性のあるデザインもあり、なかなか見応えがある。
Cimg2386Cimg2388この壁画を解説した写真集あっても不思議ではない。製作後に放置しては貴重な「観光資源」として「もったいない」。







| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月28日 (水)

「鯛のお頭(かしら)」でお祝い・・・

ハノイで1998年以来お世話になっている日本料理店の老舗「紀伊」に昼食で立ち寄った。そこで小林オーナー店長に偶然お目にかかることができた。

ベトナム在住日本人の中で私の評判は「突然に現れる」ということらしいが、事前に「行きますよ」と連絡することは、何か僭越な感じがするし、かえって先方にご迷惑な気がする。

また、私の基本姿勢は「ベトナム在住の感覚を忘れない」ことだから、大仰に訪問予告をする必要もないと考えている。だから定宿を利用しているのである。突然に先方に連絡して都合が悪ければ、それで良し。次の機会に会いましょう。長く続く関係だから・・・。私の正直な気持ちである。もっともこれは自己正当化のための勝手な自己弁護かもしれない。Cimg2384さて小林店長は、「先生、映画成功よかったですね。これサービスですから・・・」と言われて写真上の「鯛のお頭付き」を頂戴した。ここで「今ダイエット中ですから」と言えば、自分で自分を褒めてやりたいが、ついつい食欲が自己満足を凌駕する。有り難く頂戴した。

思えば、これは映画完成の「お祝い」だったのだ。また映画企画のために原作者の小松さんと何度も会ったのは「紀伊」であった。この「紀伊」は映画製作の原点である。日本ベトナム初の映画製作の「生地」が「聖地」になったりして・・・。

小林店長のご厚意とお気遣いに心から感謝を申し上げたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月27日 (火)

ベトナム初の独資日系専門学校が順調に開校

学校法人・三幸学園は、ベトナム初の日系独資(=100%出資)の美容専門学校を設立した。これは、ベトナム教育分野における日本の学校法人による画期的な出来事とみなされる。Cimg2095写真の上下は、ホーチミン市において9月5日に開催された三幸学園が主催した「開校記念式典」の様子である。この来賓として、ホーチミン市人民委員会や日本総領事館の主要幹部が出席した。Cimg2100青少年に多大の影響を与える教育機関の許認可について、かつてのベトナム政府は敏感であった。ベトナムに限らず、一般に言って、反政府的な思考を植え付ける可能性のある教育を政府は忌避・警戒する傾向がある。この意味で、多数の外国教育機関との提携を進めるベトナムは、教育の開放・自由化に本気で取り組んでいるように思われる。

10月に訪問したホーチミン市の三幸学園インターナショナ社によれば、生徒募集は順調に進行しているそうである。ベトナムにおける多様な教育機関の設立・発展は、ベトナムの民主化・自由化に大いに貢献するであろう。私見では、ぜひベトナムの美容師の国家資格制度の導入の推進役になって頂きたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月26日 (月)

ハノイのスターロータス店で映画宣伝

私の定宿のホテルから徒歩数分で「スターロータス」という日本人向けのベトナム雑貨を中心にしたお土産屋さんがある。常駐されている佐藤さんや山田さんには、何かとお世話になっている。Cimg2380このお店、本来はベトナム原産の宝石「スタールビー」の販売店なのだが、それは2階となっており、1階や3階はベトナムのちょっとした食品や小物のオリジナル商品が買える。Cimg2379この「スターロータス」で映画「ベトナムの風に吹かれて」の宣伝を写真上のようにお願いしている。ハノイ観光に来て、さらに日本に帰ってハノイ生活を映画を通して考えたり、理解を深めたりすることができる。単なるお土産だけでなく、そういった芸術や文化も日本に持って帰ってもらう。日本とベトナムの合作映画の効果であると思われる。



| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月25日 (日)

「犬の生活」の国際比較

私の定宿の愛犬は「ボン」ちゃんと呼ばれていて、私のことを覚えていてくれる。毎夕にバイクに乗せてもらって「統一公園」(ハノイ日航ホテルの前)を散歩に行く。Cimg2376_5彼女は不妊手術も受けていて、おそらくベトナムの中でも幸福な犬の中の一匹である。これに対してホテル前に住む大きな犬に偶然に出会った。Cimg2362_2しっかり人間と一緒に生活しているのだが、自由に動ける環境、または十分な散歩がなければ、ストレスが大きいだろうと想像される。おそらく防犯の目的で飼われているが、短い鎖での長時間の放置は脇から見ていて気の毒である。1445075428713写真上は、日本のアニメ「フランダースの犬」を見る我が家の「ゾイ(=GIOI)」である。彼は3歳になったが、最近はテレビで犬や猫を見ると反応する。犬の世界の「東大」と思われる警察犬訓練学校に入学し、麻薬捜査犬を目指してほしいと思ったりもしたが、こうやってノンビリ過ごすことが彼にとっては幸福だろう。

犬の生活を各国で観察して国際比較する。そこから各国の「人間の生活」について新たな知見が得られるかもしれない。「可愛い犬」の紹介ではなく「犬の生活」に着目する。ここが私の主張の要点である。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月24日 (土)

フォーを食べる

映画「ベトナムの風に吹かれて」では、主演の松坂慶子さんと共演の草村礼子さんがフォーを食べるシーンが出てくる。これは、予告編の最後にも登場する。

また東京と大阪の上映初日の舞台挨拶では、エースコックのご厚意によって新製品、即席フォーが入場者に提供された。http://www.acecook.co.jp/brand/phoccori/

ここで私のフォーの食べ方を再び紹介したい。以下は私が気に入っているハノイのフォーの店。わざわざ自動車に乗って食べに来るお客がいる。これには驚く。Cimg2366フォーの「勝負どころ」は、スープの味だ。どれほど透明感のある「あっさり味」が出せるか。しかも深みがなければならない。Cimg2364もちろん味の好みには個人差があり、自分のお気に入りの店は自分で見つけなければならない。ここでは写真を使って、私流のフォーの食べ方を紹介する。

写真のドンブリの上方に赤いトウガラシ、右側にライムを搾り、左側にはニンニクのお酢漬けを1さじかける。ここでニンニク辺を入れるかはお好みである。これらの「薬味」の量は個人の自由である。そして手前は元のスープ味が楽しめる。

それぞれの位置にあるスープ味の相違を楽しみながら、麺や牛肉を食べる。最後のスープは、これら3種類の「薬味」が融合した自分らしい味になる。こういう食べ方は日本のラーメンでも可能だと思うが、私はベトナムで実践している。フォーのスープそれ自体が薄味なので、薬味による微妙な味の相違が楽しめる。

以上で値段は3万ドン。1.2ドル=約145円。私のハノイの朝食の定番である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月23日 (金)

今、ハノイに来ています

10月24日と25日に開催される流通科学大学の学園祭で、ダナンと教室をスカイプで結んで、ベトナムの学生や企業と日本の学生が交流する。

この企画のためにベトナム訪問することにした。もちろんハノイやホーチミン市でも最新情報を収集することも目的の一つである。

この配布チラシは添付ファイルのようである。

「UMDS-DANANG.docx」をダウンロード

すでに10月19日にスカイプの接続と映像を確認したのだが、なかなか明瞭な会話ができる。年間に何度か発生する海底光ケーブルの切断といった事故だけが懸念される。

この場合、もちろんインターネットは迂回して接続できるのだが、通常のインターネットのスピードが遅くなり、映像や音量が劣化する。これは昨年に開催された堺市主催「ビジネスマッチング」で経験したことである。

この経験を大学の講義で利用できないか。これが可能なら、たとえば長期の海外出張でも講義を休講にしなくてすむ。少しばかりの実験である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月22日 (木)

企業の目的は利益追求か?

現在、私は「経営学入門」を担当しているが、その中で「企業の目的は利益追求か?」または「経営学は利益追求の学問か?」という問題がある。

たとえば最近の東芝・フォルクスワーゲン・旭化成建材といった企業不祥事は、いずれも利益追求を優先してコンプライアンス(法令遵守)や企業倫理、顧客満足が後回しになっている。これれらは、企業の利益追求を考えるための学生に対する生きた教材となっている。

利益追求を最優先すれば、そのために何でも許容される。各企業間では権謀術数が渦巻き、取引先や顧客は瞞されないために寸分の油断もできない。まさに弱肉強食の世界である。

こういった利益追求び活動では、もちろん合法性は維持されるだろうが、その合法性までも利益追求のために買い取ることができるかもしれない。

通常、こういった極端な利益追求を抑制するために企業理念または社是が存在しているはずである。これは企業活動の原点になる。それを持ち合わせていない企業は、やはり周知を集めて早急に制定するべきである。

私見では、企業の経営者また従業員は常に原点回帰して企業理念や社是に立ち戻ることである。利益追求は重要であるが、企業の目的はそれだけではない。「それだけではない」部分に、各企業の個性が反映されるのだと思う。このように私は学生に話している。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月21日 (水)

大阪のベトナム料理店・・・映画チラシがあります

映画「ベトナムの風に吹かれて」のチラシを以下の店に置かせてもらった。また、最初の「アジア食道サムロ」では、映画を見た人に下記のサービスを提供してくれる。とりあえず、このブログで紹介しておきたい。

○アジア食道サムロ・・・上映館「なんばパークスシネマ」に最も近い店。徒歩5分。
なんばCITY南館1階
電話 06-6644-2722
http://www.kawatomix.co.jp/samuro/access.php
ベトナム料理のほかタイ・インドネシア料理もある。
15:00までの食事:セットドリンクサービス
17:00~ラスト:食事10%OFF

○ベトナムカフェレストラン アンゴン
南船場4-11-24 2階
電話 06-6282-4567
http://www.anngon.com/

○チャオルア
西区南堀江1-14-1
電話 06-6537-6789
http://www.anngon.com/chaolua/

○ベトナム料理 インドシナ
中央区北浜4-3-1 淀屋橋odona
電話 06-6209-8889
参照 http://www.h6.dion.ne.jp/~vngohan/

○レストラン リブゴーシュ
中央区伏見町3-3-3 芝川ビルB1階
電話 06-6202-2202
参照 http://r.gnavi.co.jp/kack500/

○ベトナム酒場 ビアホイ
北区角田町2-15 城口ビルB1
電話 06-6292-2345
http://www.anngon.com/biahoi/

○ベトナム屋 DZO! (ヨー)
大阪市西区西本町1丁目11?18
電話 06-6648-8829
http://vietnamya.com/

○チャオサイゴン 大阪肥後橋店
大阪市西区土佐堀1-2-1 アパホテル 大阪肥後橋駅前 30F
電話 06-6447-2155
http://uoman-group.com/12_chao_saigon.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月20日 (火)

「企業論」講義記録(4):有限責任と無限責任

1.資金調達について補足:直接金融と間接金融

(1)株式発行による資金調達は資金返済の必要がない・・・「株式会社制度」は人類の歴史の中で経済発展に最も貢献した「制度的」な発明:「ノーベル賞」級と言える。

(2)銀行も証券会社も資金調達を仲介するので「間接金融」ではないか?・・・資金の行き先を特定できる金融が直接金融、できない金融が間接金融・・・ローソン従業員の預金が銀行を仲介して、ライバル企業のセブンイレブンに融資されるかもしれない。これが間接金融。

2.銀行も企業である:「企業論」の中でも銀行は重要な研究対象

(1)トヨタ自動車は自動車を製造・販売している。それでは銀行は何を販売しているか?・・・銀行の取り扱い商品は「お金」。それでは、その商品の値段は何か?

(2)一般企業:販売価格ー仕入れ価格=利益・・・これに対して、
銀行:貸し出し金利ー預金金利=利益(利ざや)
「お金」の値段は金利・・・金利の高低にかかわらず「利ざや」さえあれば、銀行は利益を確保できる。生命保険会社の場合に「逆ざや」もある。

(3)銀行も企業も利益を得る仕組みは同じだが、最大の相違は「お金」が「普遍的商品」であること。
・・・トヨタの自動車を無料で上げると言われても、せいぜい3台くらい?そもそも駐車場がない。また免許証がなければ自動車はいらない。

・・・これに対して銀行の「お金」を上げると言われて、「イヤ」という人はいない。いくらでも欲しい。銀行は「お金」という普遍的な商品を取り扱う。この意味で特殊な企業と言える。

3.有限責任と無限責任:資料配付

(1)誰に対する責任か?・・・債権者

(2)誰が負う責任か?・・・出資者(社員)

4.日本の企業形態・・・各国の法律に基づいて様々に規定

(1)株式会社・合名会社・合資会社・合同会社:有限責任と無限責任で分類できる。

(2)株式会社と合同会社の相違は何か?・・・同じ有限責任の会社であるが、株式会社は知名度が高い。他方、合同会社の制度には柔軟性がある:定款自治

(3)有限会社:2006年「会社法」の施行以来、有限会社は新設できない。従来からの有限会社は株式会社に変更。ただし有限会社の存続も認められる(特例有限会社)。かつて株式会社の最低資本金は1千万円、有限会社は3百万円だった。それが上記の会社法では1円となった。資本金の制約なく会社設立できる。起業を促進する目的がある。

(4)相互会社:生命保険会社の企業形態・・・日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命⇒相互会社の株式会社化(最近では第一生命保険、日本生命保険も検討)の事例⇒次回。

(5)LLC(有限責任事業組合)⇒次回

(6)個人企業(個人事業主=自営業者)から株式会社までの発展過程⇒次回

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月19日 (月)

なんばパークスでの感激

写真下の大型テレビは、大阪・なんばパークスに設置されている。Dsc_1048_1024x576ここに映画「ベトナムの風に吹かれて」の予告編が放映されている。この映画に最初から関与して3年の歳月が流れているが、ついにここまで来た・・・。やや感激の一時であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月18日 (日)

映画「ベトナムの風に吹かれて」主題歌と挿入歌

映画『ベトナムの風に吹かれて』の全国公開が昨日10月17日に始まった。有楽町スバル座の舞台挨拶では、立ち見まで出る満員盛況であった。この劇場は、昔ながらの自由席であり、懐かしい想いがする。
参照
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1553918.html
https://www.youtube.com/watch?v=KPU4s-IZhYw

この舞台挨拶に出席された大森監督は直ちに帰阪されて、神戸市の東灘区と東灘区医師会が共催する第23回地域医療シンポジュウム「認知症~地域で支えよう~」に出席され、「映画が描く認知症」というテーマで講演された。
参照 http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2015/08/20150824201501.html

この日の私は午後に、日本ベトナム友好協会兵庫県連合会(神戸市長田区)流通科学大学「生涯学習の会」(神戸市西区)の2か所で「日本ベトナム合作映画製作の裏話」という内容で講演した。昨日の朝日新聞夕刊で松坂慶子さんの映画紹介を読んだという方も複数おられて、高い関心をもって聴いて頂けたように思う。

多忙な日であったが、帰宅すると映画主題歌「たまには仲間で」(フォー・セインツ/松坂慶子)初回限定版(CD+DVD)が届いていた。この主題歌と挿入歌「子供らよ」(フォー・セインツ)の双方の歌詞が良い。作詞は岡本おさみ氏。10月7日の有楽町「朝日ホール」の試写会にお越しになっていたように思う。もちろんメロディーも軽やかで口ずさみやすい。

この歌詞の中では「子供らよ」の次のメッセージが気に入っている。「ふりあげたこぶしを 静かに下ろして やわらかな言葉で 語りあおうよ 怒りのことばは いつの日か 世界を 滅ぼす ものだから そうだろう

映画同様に、この主題歌と挿入歌も私は大好きである。上記の挿入歌は往年の「反戦歌」の現代版のような気がする。それほどに現代は「テロ」と「テロとの戦い」の応酬になっている。その仲間入りを日本もするのか・・・。このような思いを喚起してくれる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月17日 (土)

映画「ベトナムの風に吹かれて」:いよいよ一般公開

ここまで来るために「長い道のり」でした。ようやく肩に背負った重い荷物を下ろしたような気持ちです。

日本・ベトナム初の合作映画「ベトナムの風に吹かれて」の全国一般公開(10月17日)に当たって、今、この言葉に私は共感また共鳴している。以下、本映画の企画・製作の担当者として所感を述べたいと思う。

2012年に映画化を提案してから3年が経過。その間、多くの人々との出会いがあり、また資金的な困難も何度かあった。その時々のご厚意に支援され、映画界の重鎮、岡田裕プロデューサーを信頼して、ここまで来ることができた。

特に主演の松坂慶子さんに心から感謝したい。松坂さんは、原作(改訂版が公刊、小松みゆき『ベトナムの風に吹かれて』角川文庫)を読まれて、2013年3月から映画出演を決意して下さった。2014年12月にクランクインするためのデッドラインである同年10月まで、松坂さん以外の俳優は誰も正式に決まっていなかった。松坂さんの早期の出演決定に励まされて撮影開始まで進むことができた。

また、ラジオ番組「上田義朗のベトナム元気!」(MBS毎日放送ラジオ、2012年4月~2015年4月)の広告代理店「大毎広告」の金子さん・岡本さん・和中さんの尽力にも御礼を申し上げなければならない。現在、この番組は終了しているが、今から思えば、映画製作のための不可欠な「準備」としての役割が、このラジオ番組にあった。

役割を終えた番組に未練はないのだが、この番組の毎日放送の関係の皆さんには「感恩:ありがとう(ベトナム語)」である。この番組内でも、松坂さんや大森監督に何度か出演して頂いたが、それも映画公開に向けたステップの一つであった。

なお冒頭は、テレビドラマ『不毛地帯』(フジテレビ)の主演・唐沢寿明のセリフである。信念または覚悟をもった人間が語れる言葉であるが、それに共感・共鳴できる私自身に対して私は感慨深いものがある。最良の「還暦」の年を迎えることができたと言えるかもしれない。

しかしビジネスとしての映画製作は、これからが勝負である。どれだけお客様に来て頂けるか。作品には大森一樹監督も言われるように自信がある。今後は、いかにその良さを認知してもらえるかである。これも「マーケティング戦略」の実践として考えてみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月16日 (金)

「企業論」講義記録(3):IPOと非上場会社

10月13日(火)の企業論の講義では、前回講義の復習と追加情報を提供した。

1.株式(=証券)市場には2つの機能・・・発行市場と流通市場

(1)この2つの機能が「車輪の両輪」のように発展してこそ株式市場は発展し、それが経済成長に貢献する。

(2)流通市場は、時として「マネーゲーム」や「カジノ市場」となるが、発行市場における株式投資の「換金」を容易にする仕組みであり、それが投資を促進する。株式市場の発展にとって不可欠である。

2.発行市場の最近の事例I・・・IPO(=新規株式発行):郵政3社の上場
日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険のIPOは11月4日に予定。政府が一般投資家に株式を売却する。国有企業の「民営化」は世界の潮流となっている。

3.上場とは何か・・・上場非上場の相違

(1)代表的な非上場企業:サントリー、YKK,竹中工務店など。神戸市本社のワールドは、上場企業であったが、非上場にした。

(2)通常は中小企業から始まり、将来は上場するのが夢。創業者は莫大な「創業者利得」を得る:ファーストリテイリング(「ユニクロ」)の柳井氏、ソフトバンクの孫氏、楽天の三木谷氏・・・。

(3)非上場の理由は何か?・・・(学生の回答)ほかの株主からの影響を受けないようにする。その通り!!

それでは株式市場を構成している株式会社はどのような仕組みなのか。株式会社の制度はどうなっているか。株主の権利は何か・・・次回に続く。

:この講義では、出欠を取るのではなく、発言した学生の氏名をチェックしています。「講義に積極的に参加する」ことが講義の方針です。当然、私は寝ている学生は起きるように声をかけています。今回の講義でも10名程の学生が発言しています。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2015年10月15日 (木)

『徹子の部屋』に松坂慶子が出演:映画「ベトナムの風に吹かれて」

本日10月15日(木)正午からの『徹子の部屋』に松坂慶子がアオザイ姿で登場する。

もちろん主演映画『ベトナムの風に吹かれて』についても語る。次いで10月16日(金)には、関西地方の長寿ラジオ番組・MBS毎日放送『ありがとう浜村淳です』に松坂慶子と大森一樹監督が出演する。

10月17日(土)の全国公開を前にして、本映画に向かう人々の関心を次第に高めるという「マーケティング戦略」である。

松坂慶子・藤江れいな・大森一樹を含む舞台挨拶は、東京では10月17日(土)午前10時から有楽町スバル座、大阪では10月18日(日)午前10時30分からなんばパークスシネマで開催。その後に映画上映が始まる。
詳細は、映画公式のHPを参照。http://vietnamnokaze.com/

テレビにスポットCMを入れるような「大作」ではないが、その感動が「口コミ」で拡散される映画である。事実、9月26日から先行上映されている新潟では、その過半数の映画館で上映期間の延長が決定されている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月14日 (水)

ビジネスとして考える映画製作(1):問題の背景と意識

映画は「コンテンツ産業」に含まれ、経済産業省が主導する「クールジャパン戦略」の中でも不可欠な分野であると考えられる。

この「クールジャパン戦略」について、『日経ビジネス』(2015年10月12日)では、アニメ「機動戦士ガンダム」を特集し、次のように指摘している。

政府が推し進めるクールジャパン戦略が「日本のコンテンツのファンを増やし、ひいては日本のファンを増やす」目的を持つなら、それを最も実現しているものの一つが「ガンダム」だ。

いまやガンプラの最大の輸入国は韓国。竹島や慰安婦などを巡る問題を機に悪化した両国関係も、「ガンダム」を通じた民間交流には、負の影響をほとんど与えていない。

「機動戦士ガンダム」のほかに、日本のマンガやアニメさらにゲームを外国に輸出できないのか。マンガについて言えば、「ドラえもん」「名探偵コナン」「くれよんシンチャン」などはベトナム語で翻訳されて人気である。「ナルト」「ワンピース」は、日本語の「原書」をベトナム人が好んで読んでいる。「進撃の巨人」はベトナムでは、暴力的な描写が好まれないためか、他国ほど人気がないように思われる。

日本のテレビ番組のコンテンツとしては、「新婚さんいらっしゃい」と同様のテレビ番組がベトナムでも製作されている。

そして映画で言えば、かつての黒澤明のように日本が発信する世界的な映画が製作ができないのか・・・たとえば黒澤明より以降では「Shall We Dance?」、最近では「ゴジラ」が米国でリメイクされている。

世界を視野に入れた映画製作。これは、今後の日本の映画産業の一つの使命ではないか。少なくとも私が関係してきたベトナムについて言えば、両国の友好親善と相互理解を深化する本格的な映画作品が求めらていた。

2013年に国交樹立40周年記念で製作されたテレビドラマ「パートナー」は、私の知る限り、必ずしもベトナム人からの評価は高くなかった。その物語の時代背景がそうさせるのだが、ベトナム人同様に私も日本人の「上から目線」が気になった。またテレビドラマとしての表現や芸術性に限界があった。参照 http://www.tbs.co.jp/partner_tbs/

現在、全国公開10月17日を目前にした映画「ベトナムの風に吹かれては、このような背景または問題意識があって2012年末に企画・製作された。もちろん、その前に小松みゆき『越後のBaちゃんベトナムに行く』(現在、角川文庫から出版)という原作があってのことである。その後に映画製作の準備段階に入るのだが、その時々の問題と含意をビジネスの観点から振り返ってみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月13日 (火)

映画「ベトナムの風に吹かれて」東京試写会:続報

10月7日(水)の試写会には、在日本ベトナム大使館からグエン=チュオン=ソン公使夫妻がご出席下さった。また本年9月15日にベトナム共産党グエン=フ=チョン書記長が来日時、安倍首相主催の公邸夕食会に、本映画主演の松坂慶子と同席したドアン参事官も同席された。Cimg2333完成披露の試写会ということで、600席がほぼ満席になるほどに盛況。主演の松坂慶子、草村礼子、奥田瑛二、斉藤洋介、そして大森一樹監督のユーモア溢れるトークに会場は沸いた。また主題歌を松坂さんとデュエット歌うフォーセインツの上原徹さんも部値登場。これらの詳細は昨日の報道の中で紹介されている。Cimg2342_2多数のカメラ取材があり(写真上)、翌朝の芸能報道が楽しみであったが、既述のように藤原紀香と片岡愛之助の結婚報道が優先された。

より一般に言えば、報道する側には報道内容の選択権があることを再認識させられた。それは当然であって、すべての情報を限られた時間内に公平に報道することは不可能である。したがって、この「選択権」の行使が報道機関の姿勢を表現する。今回のような芸能情報がそうであるように経済や政治の情報も選択されている。

情報を受け取る側は、その情報が選択された部分的な内容であることを理解しておかなければならない。大学の講義で「講義を批判的に聴く」「教授の言うことも疑ってみる」と学生に話すことがあるのだが、そういった姿勢が「情報の受け手」には一般に望まれる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月12日 (月)

映画「ベトナムの風に吹かれて」:東京試写会の報道

10月7日(水)午後7時から東京・有楽町・朝日ホールで、映画「ベトナムの風に吹かれて」完成披露試写会が開催された。招待状は、岡田裕さん(アルゴピクチャーズ社代表取締役)と私の連名。ようやく、ここまで来たという感慨は深い。

その報道は以下の通りである。さすがに天下の大女優、松坂慶子である。ただし翌朝のテレビ報道は、藤原紀香と片岡愛之助の婚約報道が優先された。これが残念。

○スポニチアネックス
松坂慶子、6年ぶり主演映画完成「20代のつもりで演じました」
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/10/08/kiji/K2015100801128
1350.html
YAHOOニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151008-00000076-spnannex-ent
gooニュース
http://news.goo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/sponichi-spngoo-201510
08-0076.html
Newscafe
http://smph.newscafe.ne.jp/detail/1730664/?m=related_news
Yomerumo
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/3522804

○日刊スポーツ
松坂慶子、豊満アオザイ姿に、奥田瑛二は苦笑い
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1549635.html
asahi.com(ニッカンスポーツより配信)
http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cfettp11510070045.html
YAHOOニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151007-00000144-nksports-ent
Biglobeニュース
http://news.biglobe.ne.jp/entertainment/1007/nsp_151007_9181842142.html
E Start
http://start.jword.jp/topics/start/www.nikkansports.com/128847/2015-10-07+2
0%3A59%3A29/sports

○デイリースポーツオンライン
松坂慶子 ベトナムで調達アオザイ姿
http://www.daily.co.jp/gossip/2015/10/08/0008465452.shtml
松坂慶子、アオザイ姿で魅了
http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2015/10/07/0008464837.shtml
YAHOOニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151007-00000094-dal-ent
MSN
http://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/松坂慶子-アオザイ姿で魅了/ar-AA
fcmRz
gooニュース
http://news.goo.ne.jp/article/dailysports/entertainment/20151007094.html

○スポーツ報知web
奥田瑛二、松坂慶子と恋人希望も「結局友だちのまま。納得いきません」
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20151007-OHT1T50159.html
YAHOOニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151007-00000159-sph-ent
gooニュース
http://news.goo.ne.jp/article/hochi/entertainment/20151007-134-OHT1T50159.h
tml

○サンスポ.com
松坂慶子、映画主題歌で紅白出場に意欲「歌わせていただけるなら」
http://www.sanspo.com/geino/news/20151008/geo15100805010004-n1.html
YAHOOニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151008-00000027-sanspo-movi
livedoorニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/10681780/
gooニュース
http://news.goo.ne.jp/article/sanspo/entertainment/sanspo-geo1510080004.htm
l
dメニュートピック
http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sanspo/entertainment/sanspo-geo15100
80004?fm=latestnews

○日テレニュース24
6年ぶり映画主演松坂慶子、映画の良さ実感
http://www.news24.jp/articles/2015/10/07/08311699.html

○シネマトゥデイ
松坂慶子、20代に若返った気分!6年ぶり映画主演ベトナムロケにご満悦
http://www.cinematoday.jp/page/N0076938
YAHOOニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151007-00000032-flix-movi
楽天WOMAN
http://woman.infoseek.co.jp/news/entertainment/sponichin_20151008_0075

○ 映画.com
松坂慶子のアオザイ姿に奥田瑛二デレデレ 「なんで恋人役じゃないんだよ」
http://eiga.com/news/20151007/18/
YAHOOニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151007-00000018-eiga-movi
アメーバニュース
http://news.ameba.jp/20151007-999/
gooニュース
http://news.goo.ne.jp/article/eigacom/entertainment/eigacom-53349.html
 
○テレ朝芸能
松坂慶子、ベトナムで10代の頃に戻った!?
http://www.tv-asahi.co.jp/smt/f/geinou_tokuho/hot/?id=hot_20151007_190

○ニュースラウンジ
松坂慶子気持ちは20代!「温かい雰囲気で醸し出されている」
http://newslounge.net/archives/181414
Yomerumo
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/3521268

○映画情報どっとこむ
http://eigajoho.com/?p=34149

○中日スポーツ(共同映像部より配信)
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/movie/ZZ201510080100
7416.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月11日 (日)

「企業論」講義記録(2)

企業活動の起点(=スタート)は「資本」である。換言すれば「資金調達」である。それでは、どのような資金調達の方法があるのか。

1.資金調達

(1)借入金・・・銀行、個人や家族、他企業、政府・地方自治体からの融資

(2)株式発行・・・株式会社において返済の必要のない資金調達方法=自己資本

(3)社債発行・・・会社が発行する債務(借金)証書(=債券)を公募また私募する

(4)自己資金・・・自分(=自社)の蓄積資金や自己資産の売却資金

2.株式発行による資金調達

(1)株式(=広義には証券)市場の2つの機能:発行市場と流通市場

 ①企業(=株式会社)が株式発行⇒資金余剰者が株式購入(=投資家・株主)⇒この価格決定の市場を発行市場という。最近の話題は、日本郵政3社の上場。

 ②投資家(=株主)の間で株式が売買される・・・この価格が決定される市場を流通市場という。これが日々報道されている株価である。

(2)バブル市場とは何か

 ①株式市場の本来の役割:発行市場で調達された資金が生産活動に利用される⇒採算活動が活発化する⇒具体的には新工場を建設する、研究開発する、雇用を増やす、新技術を導入する、新規市場を開拓する、M&A(合併・買収)⇒企業が成長する⇒経済成長に貢献する。

 ②流通市場の肥大化によってバブル発生:極端に言って発行市場で調達した資金で会社が他社の株式を購入する⇒株価は上昇するが、生産活動に変化はない⇒株価の値上がり利益(=キャピタルゲイン)が生産活動の利益よりも短期に大きくなる⇒企業としては魅力的⇒実態経済から遊離した株価上昇が発生する

 ③流通市場のカジノ化・マネーゲーム化:株価上昇となれば、あらゆる人々からの資金が株式市場に集中する⇒普段は株式投資とは無縁の主婦や学生までも投資家となる⇒これは「限界的な投資家」と呼んでも良い⇒バブル崩壊の時期が近い

3.バブルは必ず崩壊する

(1)バブルの本質・・・100円のボールペンが2,000円でも売れる理由は何か?

(2)投資資金が尽きれば上昇は止まる⇒その後は下落一途。

以上、株式会社とは株式発行による資金調達を可能にする制度である。⇒次回、第3回講義に続く

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月10日 (土)

東証1部企業の88%が「独立社外取締役」を選任

日本取締役協会(宮内義彦会長)の調査によれば、東京証券取引所第1部上場企業1,655社(8月1日時点)の88%が、独立社外取締役を選任している(『日本経済新聞』2015年9月28日)。

ここでの独立社外取締役とは、簡単に言えば「企業と利害関係のない人物」であり、「コーポレートガバナンス・コード」では2名以上の選任を規定しているが、それは義務ではなく、2名以上を選任できない場合、その理由を説明すればよい。
・・・・・・・・・
全体の社外取締役の中で独立取締役が占める比率は83%である。また2名以上を選任している企業の比率は49%となっている。

独立取締役が3人以上が13%、取締役会の3分の1以上が独立取締役の企業は13%。外国人株主比率が30%以上の企業の33%が、3人以上を選任している。

同協会は「独立取締役が活躍できる環境づくりが今後の課題」と指摘している。
・・・・・・・・・
コメント:日本取締役協会の「独立取締役が活躍できる環境」とは何か。また、どういう人物が独立社外取締役に選任されているか。そして前回に指摘した、その兼任状態はどうなっているか。こういった問題が直ちに提起できる。

私見では、コーポレートガバナンスの伝統的な考え方に従えば、独立社外取締役には本来なら、企業経営の規律を高めるために経営を監視し、同時に利害関係者に向けた説明責任を果たすことが期待されている。この目的を果たすために「活躍できる環境」を整備するとすれば、企業内の情報を自由に収集できる権限が社外取締役に付与されることが望まれる。社内または会計事務所が作成する報告書だけが情報ではない。

しかし「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨は、独立社外取締役の導入を含む一連の改革が、中長期的に企業収益に寄与することが意図されている。この「企業収益に寄与すること」を短期的に考えるとすれば、独立社外取締役による経営に対する具体的な「助言」が歓迎されるだろう。たとえば人事制度の改革はこうすればよい、新製品開発のチームの編成の留意点は・・・といったことになるのかもしれない。

しかし実際、独立社外取締役に期待されていることは「大所高所」からの助言である。それこそが「中長期的に企業収益に寄与する」からである。当然、この助言の中には国際的な観点も含まれる。この意味で、国際的に定評ある外国人の社外取締役が起用されても不思議ではない。

いずれにせよ、こういった観点からの研究調査は「コーポレートガバナンス・コード」の内容を検証さらに実践的に充実させるために不可欠である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 9日 (金)

日本企業の「独立社外役員」の兼任関係に注目する!

日本でも普通に新聞・雑誌で掲載されるようになった「社外取締役」または「社外監査役」を含めた「社外役員」の研究として、20年以上前に私は『企業権力のネットワーク』(文眞堂、1993年)という著書を翻訳・出版したことがある。

同書は、社外取締役・社外監査役の兼任による「企業間関係」を10カ国について比較分析している。これについて私自身、日本企業の役員兼任ネットワークについて論文を何本か発表している。

しかし当時、日本企業の役員兼任による企業間関係は、株式所有または株式持ち合いを通した企業間関係と大部分が重複し、企業間関係の分析としては、株式所有を役員兼任は補完また追認する位置付けしかなかったように思われる。

しかし本年2015年6月から、東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」によって独立社外役員を上場企業の取締役会・監査役会に導入することが推進されるようになっている。

従来からニューヨーク証券取引所(NYSE)では、取締役会の過半数が社外取締役と定められているのだから、社外取締役の導入が量的に日本は始まったばかりである。しかし、社外取締役の導入が推進されている今、それを通した独自の企業間関係が日本で形成されつつあるとみなされる。それに加えて他方、株式持ち合いを解消する動きは広がっている。

ここでの要点は、独立社外役員の兼任状況をデータとして把握しておくことである。たとえば○○大学の元教授や△△企業の元会長が、または◇◇省の元局長がA企業とB企業の独立社外取締役になったとする。この場合、どのような経済的・経営的な関係がA社とB社の間に生じるか。どのような形状の企業間ネットワークが形成されるか。こういった問題が生じる。こういった問題を検討するためには客観的なデータ収集が不可欠である。

上記のA社やB社が4社以上になった場合、それらの役職に就いている兼任役員を「ビッグ・リンカー」(=大物連結者)と分類し、そういった人物を「ネットワーク・スペシャリスト」(=ネットワーク専門家)と命名している(前掲書、44~45頁)。

私の20年以上も前の研究対象が、ようやく現在の日本で注目されるように感じる。これは、私の「独り善がり」の感触であるが、日本企業における社外取締役が最近になって事実として増加していることは間違いない。今年は私の「還暦」であるが、研究歴にとっても「原点回帰」の年になるかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 8日 (木)

6大企業集団の崩壊と新企業集団の結成?

前回に紹介した三菱ケミカルホールディングス(=MCHC)のグローバルな企業活動を見れば、その活動が可能になり、各企業が効率的に管理されるためには、「純粋持株会社」の存在が大きいと私は指摘したい。

たとえば三菱化学だけでも連結売上高が2兆円に迫る大企業であるが、その他にも三菱レイヨン(5,913億円)などがMCHCの傘下に入っている。MCHCが「司令塔」また「参謀本部」となり、これらの傘下企業からの情報を収集し、さらに効率的な戦略を策定・検証する。今後の大企業にとって不可欠な企業体制であると思われる。

このような観点からいえば、たとえばMCHCと三菱UFJファイナンシャルグループ(=持株会社)が統合されて、さらに三菱商事や三菱重工が加わり、より巨大な持株会社が設立される可能性は否定できない。

このような事態は、1997年の「純粋持株会社」の解禁時に反対意見として指摘された「財閥復活」を想起させる。ただし同族支配という要件が欠けるために戦前の「財閥復活」ではない。あくまでも新たな「三菱グループ」の再結集である。

さらに夢想すれば、上記の「三菱グループ」と同様に「三井住友グループ」や「みずほグループ」が形成されても良い。「経営的・経済的効率性」が要求するならば、以上のようにして「純粋持株会社」が発展していくことは完全に否定できないと考えられる。この場合、各グループ傘下の企業間で競争関係は維持されながら、各グループ傘下企業の経営が効率化・強化される。

もちろん中小企業や起業に配慮した経済体制の公平性に留意しなければならないが、それは政府の重要な仕事であろう。

株式持ち合い」や「社長会」「系列融資=メインバンク」をキーワードとする「六大企業集団」は崩壊したと言われるが、それに所属した大企業の再編成が進行中であり、新たな企業グループが結成されつつある。現在は、その過渡期なのかもしれない。このような観点からの調査研究は、企業論を担当する教員として見逃すことはできない。

個々の企業の栄枯盛衰は、たとえばダイエーの歴史を検討すれば理解できるし、それは流通小売業といった産業の発展と再編成の歴史でもある。しかし企業や産業を含む「企業体制=企業システム」の変化は、個々の企業や産業の変化よりも時間を要するようである。MCHCの小林喜光会長の学会講演から、以上のような視点も頂戴することができた。まさに「学会」の意義と効用である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 7日 (水)

「アジア経営学会第22回全国大会」(10・完):三菱ケミカル・小林喜光会長の講演(下)

三菱ケミカルホールディングス(MCHC:純粋持株会社)の傘下には、次のような事業会社6社が含まれている。三菱化学(100%)、田辺三菱製薬(56.3%)、三菱樹脂(100%)、三菱レイヨン(100%)、生命科学インスティテュート(100%)、大陽日酸(50.5%)。この中で三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨン3社の経営統合が準備中ということであった。

これらのグループ企業で「KAITEKI経営」が追求・実現されている。その企業活動の判断基準は次の3点である。

① 環境と資源の持続可能性に役立つ
② 健康に貢献する
③ 快適な社会と生活に貢献する

自社の経営資源を有効活用するために、これらの判断基準を満たさない企業活動は行わない。これらは伝統的な「経営理念」であるが、それを実現するために「判断基準」を明確化し、それを満たさなければ「実施しない」と明言する。この「明確化」は、私見では、グローバル企業にとって不可欠である。従業員数が日本人よりも外国人が多数という中小企業も多い。日本で通用する「曖昧さ」は外国では通用しない。大いに参考になる指摘だと思う。

これら3つの判断基準を従業員に浸透させるために、MOS指標を活用して事業会社を業績評価し、さらに従業員の評価にも反映される。このMOSとは、「持続性追求の経営」(Management Of Sasutainablity)のことであり、利益追求を最優先する経営とは一線を画している。

これらについては、三菱化学ホールディングス社のHPや、小林喜光『地球と共存する経営』(日本経済新聞出版社、2011年)に詳しい。
参照 http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/287

小林先生の講演から、日本を代表する大企業の最先端の経営実態の一端を理解することができた。おそらく具体的な内容や表現は相違するが、日本の大企業がグローバルに成長・発展するために普遍的な考え方を小林先生は紹介されていると思われた。

人類が存続するための企業経営を小林先生が追求・実践されているとすれば、それは「普遍性」をもった企業経営とみなされる。「人類の存続」よりも優先される企業活動が容認されることは長期的に見てありえないからである。この「普遍性」を理解できない企業は、大企業や中小企業といった企業規模に無関係に今後の存続が危ぶまれるのではないか。

私見では、こういった観点から「原発開発」「軍事産業」の再検討が必要である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 6日 (火)

「アジア経営学会第22回全国大会」(9):三菱ケミカル・小林喜光会長の講演(上)

小林喜光氏は、三菱ケミカルホールディングス代表取締役・会長であると同時に、2015年から経済同友会代表幹事に就任された。日本の企業さらに「財界」のオピニオンリーダーの役割を果たされている。事実、テレビのニュースにも経済界の代表として多数出演されている。

今回の報告論題は「地球と共存する経営―THE KAITEKI COMPANY―」。報告の冒頭で小林先生は、現代社会そして経済の問題意識を次のように述べられた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そもそも成長とは何なのだろう。人類が永遠に成長を続け、GDPが常に拡大し続ける―果たしてそんなことが本当に可能なのだろうか。

気候変動、人口爆発、資源枯渇、環境破壊―まさしく「どんずまり」ともいうべきこの地球。他方、指数関数的に増加するデジタルデータと、国境を無意味化して拡大するサイバー空間。

人類がいたずらに量を追うのではなく、質的な成長を追求するためには、これらすべてを包含した「新しいメトリック」(測定基準)が求められているのではないか。

本日はこのような問題意識のもと、三菱ケミカルホールディングスのKAITEKI経営―地球と共存する経営についてご紹介したい。
・・・・・・(小林氏のレジュメから引用)・・・・・・

私を含めて一般には「日本社会の少子高齢化・人口減少・・・」など日本の課題が注目されがちであるが、小林先生の問題意識は、上述のように地球規模(グローバル)。そこで目を引くのは「人口爆発」である。インドやアフリカを視野に入れると「人口爆発」は周知であるが、それが経営戦略として意識されている所が凄い。さすがにグローバル企業である。

地球規模の「人口爆発」を前提にして日本企業の今後の進路・戦略を考える。小林先生からは刺激的な発想を頂戴することができた。学生には日頃、考える枠組み・視野を大きく持ちなさいと言いながら、私自身が「少子高齢化・人口減少」に囚われていたようだ。

もちろん小林先生は、日本経済の「6重苦」として次項を指摘されている。①法人税、②TPP、③労働法制、④環境・資源・エネルギーコスト、⑤高齢化、⑥債権国・金利・金融不安。

私見では、これらの対応・解決策については意見が分かれると考えられるので、あえて小林先生は報告の本論から除かれたともみなされる。こういった配慮をうかがわせるだけのお人柄を感じた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 5日 (月)

「企業論」講義記録(1)

1.企業活動の基本モデル

(1)文化祭や学園祭の模擬店企業の共通点と相違点は何か?
⇒たとえば「たこ焼き」店のために最初に何が必要か?

(2)必要なものは、原材料、人材、土地、資金、情報(法律・レシピ・市場調査・・・)、生産設備、意欲(やる気)。この中でも資金(=資本)が最も重要。「お金があれば何でも買える」。

(3)「やる気」はお金で買えない?
お金があれば、「やる気」のある人材を雇用できる。最善は、お金がなくても「やる気」を出させること。

(4)企業活動の基本モデル:「資本」⇒「購入」⇒「生産」⇒「販売」
これら4要素を共通して統括するのは何か?⇒「意思決定」

(5)文化祭や学園祭では「販売」して終わり。しかし企業では「販売」から「資本」に戻り、この活動が繰り返される。その連続で企業は成長していく。繰り返すことで「コスト」は下がる。利益を増やすことができる。

(6)文化祭や学園祭さらに「オリンピック」も一過性のイベント(=事業)。これを継続すれば、企業活動になる。企業の特徴は「継続性」である。参照 ゴーイングコンサーン=継続企業・継続事業体

(7)たとえば「減価償却費」は企業の継続性を前提にした会計項目である。

(8)会計制度を含め税金や補助金や市場制度を決めるのは誰か?換言すれば、企業活動を規定する、企業活動の舞台を設定するのは誰か? ⇒それは「政府」

(9)「企業」と「政府」の関係は重要。しかし「政府」を決めるのは我々国民。たとえば「政府」は労働市場を規制している。学生に直接関係するアルバイトや就職も「政府」の影響下にある。⇒政府と政策に関心をもつことが不可欠である。

(10)企業活動の起点・出発点である「資本」は、どのように調達するか?そのための制度には何があるか?「株式会社」とは何か?⇒第2回に続く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 4日 (日)

「アジア経営学会第22回全国大会」(8):日本サービス産業のコアコンピタンスは何か?

「アジア経営学会第22回全国大会」におけるプログラム委員長と統一論題の進行役は、甲南大学教授の安積(あさか)敏政先生であり、私は「討論者」として「補佐役」を勤めた。安積先生の統一論題の大きな問題意識は以下であった。

日本企業に突きつけられた課題:日本のサービス業はどのようなコアコンピタンスを引っ提げてアジアで戦うのか

(注)コアコンピタンス(Core Competence):他社に真似のできない核となる能力、成功を生み出す能力、競争優位の源泉。

上記の問題に対して今回報告の4業種について、それぞれ次のような発言があった。

○ホテル業(四宮由紀子・近畿大学准教授):アジアではフランス系の「アコーグループ」が積極的に展開している。(参照)http://www.accorhotels.com/ja/japan/index.shtml
日本のホテル企業はブランド力はあるのだが、「契約方式」に慣れていない。サービス品質はもちろん、得意とするブライダルを組み合わせたホテルサービスが有望である。

○ゲーム業(中村彰憲・立命館大学教授)日本のゲーム企業の経営には「スピード」が必要である。経営者の英語力・国際経営力が求められる。他方、韓国企業はローカライズなどスピードのある経営をしている。

○物流業(柿山慎一・日本通運株式会社本社海外管理部長):スケールメリットが物流業界は重要であり、欧米企業は強みをもっている。日本企業の強みは「精度」と「品質」である。「引っ越しサービス」は日本独特であり、今後の発展可能性がある。

○損保業(小林一雅・近畿大学教授):日本市場の縮小によって外国進出をせざるをえない経営環境は、業種を問わずに共通している。製造業に比較して欧米企業は伝統的に強みをもっている。今後はM&Aによって外国市場に迅速に円滑に進出する戦略がある。

総括的コメント(上田):サービス業の強みは、そのサービスの担い手、つまり人材の質に依存するのではないか。一般に言われるような「おもてなし」や「顧客の立場に立った気配りやサービス提供」は、日本そして日本人の強みである。それを維持・継承・発展させることが、製造業やサービス業を問わず日本そして日本人・日本企業の強みになると考えられる。こういった伝統的な「日本人の強み」の衰退や喪失が懸念される。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 3日 (土)

雑誌『シナリオ』11月号に記載:「ベトナムの風に吹かれて」

雑誌『シナリオ』と言えば、私が大学生時代(::40年ほど前)、毎月の愛読誌であった。

神戸大学大学院の受験勉強するという「名目」で神戸市東灘区の御影に下宿していた当時、同誌を読んだり、市バスに乗って新開地のオールナイト劇場で日本映画4本立てを見に行ったりすることが、数少ない趣味または気分転換であった。鬱積した学生生活だったかもしれないが、今から思うとそうでもない。

当時の「御影公会堂」前に屋台の「うどん蕎麦屋」があり、そこで偶然に「白木みのる」(「当たり前田のクラッカー」・・・『てなもんや三度笠』の藤田まことの相手役)に会ったこともある。Cimg2314_2そういった『シナリオ』誌に『ベトナムの風に吹かれて』が掲載された。これだけでも感慨深いが、さらにエグゼクティブ・プロデューサーとして私の名前が最初に記載されていた。これを見ると、感涙である。

本映画の初期の段階から脚本に参加していただいた北里宇一郎さんが、同誌に「作者ノート」を書かれている(90-91頁)。そのお人柄通り、人情味のある暖かい文章である。それがそのまま「シナリオ」にも反映され、それが映画主演の松坂慶子さんや共演の草村礼子さんにも伝承されている。

脚本家の「思い」が監督に伝わり、それを監督が「増幅」して俳優に伝える。この流れの中で脚本家は映画の起点であるが、それ以降は監督の演出が一人歩きする。実際、同誌に掲載されたシナリオは最終稿ではない。実際に映画を見て、その検証をして頂きたい。

中高年齢の人々にとって本映画それ自体が「元気が出る大人の青春映画」という特徴をもっている。最初の映画試写会を見たとき、私はそのように感じた。この『シナリオ』誌によって、さらに私自身が以上のように青年時代を回顧し、さらに頑張ろうという意欲を頂戴した。

北里さんを始め、皆さんに本当に感謝したい。「ありがとう」はベトナム語で「Cam On」。漢字での語源は「感恩」。「恩に感じる」。この映画に関係するすべての皆さんに「感恩」である。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2015年10月 2日 (金)

「アジア経営学会第22回全国大会」(7):日本の損保企業のアジア進出

近畿大学教授・小林一雅先生は、住友海上火災保険(現在、三井住友海上火災保険)に勤務され、米国や香港の海外滞在を長く経験されている。損保業界のアジア戦略についてご自身の体験的な見解を述べられた。ご自分でそう言われるものの、報告は客観的なデータに基づく分析的な内容であった。私が印象的だったのは次のような指摘である。

(1)損害保険はどんな商品か?
A.商品が言語そのものであること⇒約款は言葉そのものであり、言語が違う集団間では共有は不可能。
B.商品や仕組みが社会制度や法律と密接不可分の関係にあること⇒国境の壁は相当に高い。
C.本質的にドメスティックであり、国際展開するとすれば、マルチ=ドメスティック型となる。

(2)損保業界の海外展開は圧倒的にM&A頼り
内部成長もあるが、割合的には小さい。M&Aの目的・効果・背景として、次の5点が指摘されているが(松本茂『海外企業買収:失敗の本質』東洋経済新報社、2014年)、それらは必ずしも目算通りには行かない。①時間を買う、②市場占有率、③シナジー、④現地人材獲得、⑤円高

私の質問は、保険業界は伝統的に欧州企業が強いと言われている。たとえば「取引信用保険」について日本の損保会社は、ベトナムにおいても、欧州の「信用調査会社」(ユーラーヘルメス;マーシュ;コファス等)と提携してリスク判断をしている。こういった欧州の「信用調査会社」の「強さ」の秘密またはノウハウは何か。

小林氏の回答は次のようなものであった。「取引信用保険」は説明が複雑なので、たとえば「役員賠償保険」を例にして説明したい。この保険は世界的にニーズがあるが、米国が発祥地であり、そのノウハウや経験は米国に蓄積されている。人間の進化の歴史を考えたとき、欧米は日本よりも進歩しているとみなされ、その歴史や伝統をもっている。こういった人間社会があって経済活動がある。こういった社会背景が「強み」の源泉であると思われる。

以上の小林氏の回答をより一般に敷衍すれば、社会の制度や組織の創業者・革新者の役割を果たす国に「競争優位性」が伴うということであろう。日本のコミックが世界に受け入れられるのは、単なる個人の才能に依存するのではなく、新たな「コミック文化」を日本が創造・先導しているからであろう。同様に映画界でも、ハリウッドの長い歴史と伝統が、世界における米国映画の優位性の背景にあるとみなされる。

この見解が正しいかどうかは検討がさらに必要であるが、それに気づかせて頂いた小林先生に感謝である。これが「学会」の意義または醍醐味と言える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年10月 1日 (木)

「アジア経営学会第22回全国大会」(6):アセアンと南アジアの物流事情

日本通運株式会社・本社海外管理部専任部長の柿山慎一氏は、アセアンと南アジアにおける物流インフラの全体像を説明された後に、この地域における日本通運の経営戦略を説明された。

物流企業の顧客サービス競争は、日本国内でもそうであるが、単にモノを運ぶだけでなく、金融や倉庫・通関などのサービスを含む包括的な物流ネットワークの構築が不可欠になっていると私には思われた。

たとえばハノイとハイフォンの間の物流では、道路の渋滞や通関のために工場手配のトラックでは時間がかかっていた。そこで、ハノイ近郊のクアンミンに日本通運が自社でコンテナー・フライト・ステーション(CFS)を設立し、やはり自社のハイフォンのトラック・コントロール・センター(TCC)と連携することによって、1日1往復から1日数往復に輸送頻度を向上させることができた。

このような「物流ソリューション」事業は、資本力のある大企業しか対応できないと思われる。しかし先行して外国進出した中小物流会社は、「先発行動者」として現地の人脈やノウハウ、さらに現地企業との契約実績を蓄積している。

このように考えれば、先発の中小物流企業に対する後発の大企業の競争戦略が、上記の大規模投資を伴う「物流ソリューション」事業ということになる。

インフラ整備の一環としてODAや国際金融機関による道路建設がメコン川流域国で進み、それに伴って国境を超えた「クロスボーダー陸路輸送」のネットワークが官民連携の交渉と合意で形成される。

アセアン経済共同体(AEC)」が「単一の市場と生産基地」の形成を目標とするなら、こういった物流ネットワークの整備は不可欠である。この観点から、物流運輸企業の進出と商機は依然としてアセアン地域に残されている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年9月 | トップページ | 2015年11月 »