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2015年9月29日 (火)

「アジア経営学会第22回全国大会」(4):ホテル企業のアジア進出

四宮先生(近畿大学)は、国際経営研究において「サービス産業は個別の産業ごとに異質性が強いので理論化が難しい」(報告要旨)と最初に指摘された。

私も同意するが、そうであるなら、国際経営またグローバル経営の成功のために、製造業とサービス産業の間、さらにサービス産業の業種ごとの「特異性」は何か。さらに国際経営としての「共通性」はないのか。こういった問題意識を私は四宮先生から喚起された。

ホテルの運営形態には、所有直営方式マネジメントコントラクト方式フランチャイズ方式の3形態がある。ここでの私のコメントは、①におけるホテル進出と不動産投資との高い相関の可能性である。たとえば顧客が当面は期待されなくても好立地にホテルを先行建設して、不動産価値が値上がり、観光客が増えれば転売して利益を得る。こういうホテルの進出形態があっても不思議でない。不動産業とホテル業の相関が高い場合は①方式、そうでない場合は②・③方式という仮説は論理的である。

さらに四宮先生は、サービス産業の海外参入動機は顧客追随型市場探求型に区分され、ホテル企業の国際化は本質的に①型であると指摘される。ここでサービス業における一般の経営姿勢として、①型だけでは進出国における成長に限界が出ることも間違いないと思われる。

日本のホテル企業の国際進出において、異業種から参入して外国ホテルを所有・経営する中小規模のホテル(2☆~3☆)も増えている。こういった実態と動向調査も四宮先生に期待したい。

なお、日本のホテル企業の国際進出はこれからだと指摘されているが、それは企業レベルの観点であると思われた。個々のホテル人材のレベルで見れば、グローバルなホテル人材が日本から輩出されている。たとえば私が定宿としてるビエンチャンの「ラオ=プラザホテル」の支配人も営業責任者も日本人である。日本人の優秀なホテル人材が世界で活躍する。こういう観点からの研究も求められると思われる。これが、サービス業独自の分析視点かもしれない。

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