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2015年9月30日 (水)

「アジア経営学会第22回全国大会」(5):中国のゲーム産業の発展

○中国のデジタルコンテンツ産業は、その市場規模が2014年に831億元となっており、映画産業(296.39億元)の約2.8倍となっている。

○2008年6月以降、中国は世界最大のインターネット大国となり、2009年6月にインターネット人口は3億3,800万人となり、米国の全人口を超えた。2014年には6億6,800万人に達している。

2011年12月の時点でオンラインゲームユーザー人口が米国全人口を超えた

中村先生(立命館大学映像学部教授)の報告は、驚くべき巨大な中国のゲーム市場の説明から始まった。任天堂やソニーのプレイステーションなど「ゲーム産業は日本が世界一」という私の先入観は一掃され、中国ゲーム産業の世界における先進的な特徴を理解することができた。

その発展の原点は、外国商品のコピー(=複写)からイミテーション(=模倣)であるが、それがイノベーション(=革新)にまで発展する。このプロセスは韓国にも共通しており、それらの特徴は「スピード」と指摘された。

さらに発展の背景には、家族ゲームからオンラインゲームにユーザーが移行したことが指摘される。また技術的には、「PCゲーム向けに開発してきたリアルタイム・レンダリング技術をクライアントサーバー技術と統合したAngelica 4.0」が中国人Tony Wangによって開発されたことが発展の起爆剤になっている。

中村先生は最後に次のように指摘される。中国ゲーム産業は「ゲームデザインそのもののイノベーションについては限定的であるが、同時に世界最大規模の市場規模とユーザー数が存在することで今後どうなるか注視する必要がある」。

日本企業はゲームそれ自体のイノベーションは強いので、それを他のプラットフォームにスピード感をもって転用するというビジネス=スタイルが望まれるとも言及された。

中村先生は中国ゲーム産業に焦点を当てた研究をされているのだが、私見または個人的な関心で言えば、日本のゲーム産業についても言及してほしかった。日本と中国のゲームの産業構造や企業戦略の相違点や共通点、さらに両国の相互依存性なども研究対象として有意義であると思われる。

もっとも、これは「ない物ねだり」の素人のコメントであって、中村先生の今回の研究報告に対する内在的な批判もしくは欠陥ではない。

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「企業論」講義記録(0)

これまで私が担当する「企業論」の講義は、佐久間信夫編著『よくわかる企業論』(ミネルヴァ書房、2006年)を教科書として使用してきた。本文のほかに重要用語の説明が便利であった。

しかし出版が10年以上前であり、最近注目される「コーポレートガバナンス・コード」などの新しい重要項目は収録されていない。また便利な用語解説についても、今日の「スマホ」の普及によって講義中にも不明な用語を即座に検索できるようになった。

そこで今期の講義では教科書を使用しないことにした。そうなれば、学生の便宜を図るために何らかの「講義概要」を示さなければならない。もちろん講義前には「シラバス」という「講義計画」を公開しているが、現代的な企業問題を取り扱うとすれば、また対話式の講義を重視するのであれば、計画と実績の乖離は当然である。

たとえば学生の反応が良ければ、対話式の講義に時間を長く取った方が、教育効果は高いと思われる。また「東芝」や「フォルクスワーゲン」の不祥事が発生。これらの説明は「想定外」となる。予定通りに講義を進めると、本当に学生に話したいことが話せなくなる。

そこで「講義実績」または「講義記録」を公開して、学生の便宜を図ることにした。また、私の講義がどんな内容か、企業論では何を学ぶのか、こういう情報も一般に知って頂くことにも意義があるだろう。この回が序文の意味で0(=ゼロ)回、次回から1回目である。

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2015年9月29日 (火)

「アジア経営学会第22回全国大会」(4):ホテル企業のアジア進出

四宮先生(近畿大学)は、国際経営研究において「サービス産業は個別の産業ごとに異質性が強いので理論化が難しい」(報告要旨)と最初に指摘された。

私も同意するが、そうであるなら、国際経営またグローバル経営の成功のために、製造業とサービス産業の間、さらにサービス産業の業種ごとの「特異性」は何か。さらに国際経営としての「共通性」はないのか。こういった問題意識を私は四宮先生から喚起された。

ホテルの運営形態には、所有直営方式マネジメントコントラクト方式フランチャイズ方式の3形態がある。ここでの私のコメントは、①におけるホテル進出と不動産投資との高い相関の可能性である。たとえば顧客が当面は期待されなくても好立地にホテルを先行建設して、不動産価値が値上がり、観光客が増えれば転売して利益を得る。こういうホテルの進出形態があっても不思議でない。不動産業とホテル業の相関が高い場合は①方式、そうでない場合は②・③方式という仮説は論理的である。

さらに四宮先生は、サービス産業の海外参入動機は顧客追随型市場探求型に区分され、ホテル企業の国際化は本質的に①型であると指摘される。ここでサービス業における一般の経営姿勢として、①型だけでは進出国における成長に限界が出ることも間違いないと思われる。

日本のホテル企業の国際進出において、異業種から参入して外国ホテルを所有・経営する中小規模のホテル(2☆~3☆)も増えている。こういった実態と動向調査も四宮先生に期待したい。

なお、日本のホテル企業の国際進出はこれからだと指摘されているが、それは企業レベルの観点であると思われた。個々のホテル人材のレベルで見れば、グローバルなホテル人材が日本から輩出されている。たとえば私が定宿としてるビエンチャンの「ラオ=プラザホテル」の支配人も営業責任者も日本人である。日本人の優秀なホテル人材が世界で活躍する。こういう観点からの研究も求められると思われる。これが、サービス業独自の分析視点かもしれない。

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2015年9月28日 (月)

「アジア経営学会第22回全国大会」(3):ベトナム鉄鋼企業HPG対HSG

東北大学の川端望先生は、鉄鋼業の研究では日本で権威であると思われる。もう10年以上も前に大野健一先生が主査となったJICAのベトナム産業研究でご一緒したことがある。

今回の川端先生の報告は、ベトナム鉄鋼業を概観した後に、地元民間企業として上場企業となっているHPG(Hao Phat:ホアファット=グループ)とHSG(Hoa Sen:ホアセン=グループ)の2社を比較することが目的であった。

結論を先に言えば、鉄鉱石の採掘から高炉まで一貫生産しているHPGは現在まで成功しているが、鉄鋼製造他社の生産量が今後増強されると、その競争激化の中で存続が厳しくなる。それに比較してHSGは、今までの中国産の鉄鋼輸入からより安価なベトナム産鉄鋼を利用できる可能性もあり、競争激化は業績に影響を及ぼさないとのことであった。

この鉄鋼生産量の増強には、日本系のVina Kyoei(共英製鋼)や、台湾のFHS(Formosa Ha Tien Steel Corporation:フォルモサハティン製鉄所)の新工場が寄与する。

私は、HPGとHSGの負債比率を追加情報として提供し、さらに8月に訪問したFHSの現状を簡単に説明した。これらの情報は別途に提供するとして、川端先生の報告は、アジア経営学会の機関誌である『アジア経営研究』(来年7月刊行予定)を参照されたい。

HPGとHSGの比較分析に基づく今後の経営の見通しは、両社ともにベトナム上場企業であるから、ベトナム人のみならず外国人の株式投資家にとって貴重な情報である。それより前にベトナムの証券アナリストにとっても傾聴に値する内容とみなされる。

このように大学教員の研究は、実務=実業に直結している。この意味で「アジア経営学会」は、もっとアジアに関係する実務家から関心が集まってもよい。実務家から「聞き取り調査」をして大学教員は論文を書くだけでなく、実務家に対して逆に情報を還元しなければならない。

これこそが、本ブログの副題(大学教授「実学」を追究する)の趣旨でもある。川端先生の報告は、ご本人の意図の有無は別にして、まさに「実学」そのものである。

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2015年9月27日 (日)

映画「ベトナムの風に吹かれて」大ヒットで上映開始

映画「ベトナムの風に吹かれて」は、9月26日(土)に新潟7劇場で先行上映が始まった。

○イオンシネマ新潟西・新潟南・県央・・・3劇場
ユナイテッドシネマ新潟
新潟シネ=ウインド
○十日町シネマパラダイス
○J-MAXシアター
A初回の出演者挨拶は写真のように満員御礼となり、大ヒットの兆しを見せるスタートとなった。東京・大阪・福岡を始め、全国上映は10月17日(土)からである。

有楽町スバル座(東京)
なんばシネパークス(大阪)
中洲大洋劇場(福岡)
福井コロナシネマワールド(福井)
○大垣コロナシネマワールド(岐阜)

そのほかの上映劇場と公開日は、次の公式HPを参照。http://vietnamnokaze.com/
ぜひ多数の人々に見てもらいたいと思う。

 

;私は東京・大阪・ハノイの試写会で7回、本映画を見ているが、それぞれで新たな発見がある。また、2回目くらいから主題歌「たまには仲間で」のメロディーを口ずさめるようになり、今では主題歌が歌えるようになった・・・それほどに覚えやすい。

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2015年9月26日 (土)

「アジア経営学会第22回全国大会」(2):立命館大学の新学舎

この学会会場は、立命館大学の大阪府茨木市の新学舎である。この建物に新鮮な印象を受けた。大学校舎の前が市民公園になっている。20150912_112129a最初は学生用の広場と思ったのだが、市民公園となっており、子どもや犬の散歩やジョギングする人が普通に出入りしている。写真上の右側の建物内には、茨木市商工会議所が入居し、大学の経営学部と商工会議所の連携事業は極めて容易になっている。20150913_091353a大学と市民公園の境界は、上記のような日本語と英語の掲示だけである。「これより先は立命館大学の敷地です・・・」。ただし「市民公園」として、この公園で「盆踊り」をしたいとか、「戦争法」反対の集会をしたいとかになると、大学側も困ることになりはしないか。

立命館大学の経営学部は、かつて滋賀県草津市に立地しており、自然環境は良かったが、大阪や京都からは遠方であった。この茨木市の新校舎は阪急・JR・モノレールという鉄道路線3本の最寄り駅から徒歩圏である。企業経営を研究対象とする経営学という学問の性格上、その学習研究環境として都市型の立地が望ましいという判断があったと思われる。20150913_091233aそれでは、草津市の経営学部の建物はどうなるのか? どうやら新設の学部が入居するらしい。なるほど、こうして大学は成長・拡大していくのだと思ったが、18歳人口が減少する少子化の日本では、こういった単純な「成長モデル」はもはや通用しないであろう。

私見では、大学における経営学者は自らの大学の経営それ自体を研究対象にするべき時代が、かなり以前から到来している。それが本格化しないのは、大学教員が研究教育に従事する「労働者」または「個人事業者」という感覚をもっているからかもしれない。他方、大学の経営側(=理事会)は、いろいろ経営に口出しされるのを好まない。そうであるなら、大学経営を自ら進んで考える経営学者は少数であろう。

せっかくの経営学者の豊富な知見が、彼または彼女が勤務する大学経営に活用されない。これは総体として、日本の高等教育の発展にとって損失である。立命館大学の新しい学舎を訪問し、こんなことを考えた。

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2015年9月25日 (金)

「アジア経営学会第22回全国大会」(1):アジアにおけるサービス業の成長戦略

2015年9月12日~13日にアジア経営学会第22回全国大会が立命館大学いばらきキャンパスで開催された。この学会のために前日早朝にプノンペンから帰国した。なぜなら私が、以下の4報告の討論者(=コメンテーター)を引き受けたからである。

 9月12日(土)
○川端望(東北大学)「ベトナム鉄鋼業における民間企業の勃興」

 9月13日(日):統一論題「アジアにおけるサービス産業の成長戦略」
○四宮由紀子(近畿大学准教授):日本ホテル企業のアジア戦略
○中村彰憲(立命館大学教授):中国ゲーム産業発展の経緯と展望
○柿山慎一(日本通運株式会社海外管理部専任部長):ASEAN・南アジアにおける物流事情と当社取り組みについて
○小林一雅(近畿大学教授):日本の損保業界のアジア展開とその課題

 また9月12日には次の特別講演があった。
○小林喜光(三菱ケミカルホールディングス代表取締役・取締役会長):地球と共存する経営――THE KAITEKI COMPANY――

次回から、各報告の要点と感想を述べてみようと思う。なお、統一論題の司会と趣旨説明は安積(あさか)敏政氏(甲南大学教授)が担当された。私は討論者として安積先生の補佐的な役割に撤したつもりだが、少し出しゃばった発言があったかもしれない・・・。

なお、安積先生には以下の「アジア経営」3部作の著作(日刊工業新聞社刊)がある。
1.『激動するアジア経営延暦―中国・インド・ASEANから中東・アフリカまで』2009年。
2.『サービス産業のアジア成長戦略』2011年。
3.『実態調査で見た中堅・中小企業のアジア進出戦略「光と影」』2014年。

次回から、それぞれの報告について簡単に紹介してみよう。それらは、もちろん私見であって、より正確な報告内容は、アジア経営学会の機関誌『アジア経営研究』を参照されたい。

この学会については次を参照。 http://www.ifeama.org/jsaam/

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2015年9月24日 (木)

「ブルーオーシャン国家戦略」:戦争や紛争のない世界を創造する

【初版】の『ブルー・オーシャン戦略』を昨年後期から今年前期の2年生~3年生のゼミで輪読した。この【新版】の日本訳が出版された。

W・チャン・キム+レネ・モボルニュ、入江章栄監訳『【新版】ブルー・オーシャン戦略―競争のない世界を創造する―』ダイヤモンド社、2015年9月。

経営学の本の中には「競争は競争を終わらせるためある」という指摘もあるが、最初から「競争しない」方がよいに決まっている。簡単に言って、ブルー・オーシャン戦略とは、次のように説明される(前掲書の「帯(おび)」(=腰巻き)参照)。

「血みどろの戦いが繰り広げられる既存の市場を抜け出し、競争自体を無意味なものにする未開拓の市場を生み出す戦略である。新市場を創造する方策を体系化した本書は、企業・非営利組織・公的セクターなどあらゆる組織や人、さらには国にも寄与するものである。」

この「競争」を「戦争」に置き換えれば、「戦争自体を無意味なものにする」国家の安全保障の新しい戦略になる。果たして、そのようなことが実現可能かどうか。既存の枠組みの中で戦争とその「抑止力」を考えるのではなく、戦争それ自体の解消を探求する。こういった観点から新しい国家戦略の発想が生まれないか。

私見では、日本国憲法・第9条がこの方向を指向する先進的な内容をもっている。政府与党は、この先進性を否定し、復古的・伝統的な戦争観(=東西対立?)に回帰している。このような国家戦略の観点からも【新版】ブルー・オーシャン戦略を読んでみたいと思う。また、読むことを勧めたい。

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2015年9月23日 (水)

ベトナムが安倍首相を支持する「現実主義」

9月15日にベトナム共産党書記長グエン=フー=チョン氏が来日し、安倍首相と会談した。『朝日新聞』(2015年9月16日)によれば、次のように報道している(抜粋して引用)。

「中国による南シナ海の岩礁埋め立てやあ軍事拠点について名指しを避けながら「深刻な懸念」を共有。安倍首相はベトナムに対し、南シナ海での海上警備強化を目的に中古船の追加供与を表明した。・・・・・・

チョン氏は声明で、・・・・・・審議中の安全保障関連法案を念頭に「地域や世界の平和のための日本の積極的な貢献を歓迎する」と述べた。

・・・・・・安倍首相は、ベトナムの港湾、高速道路、総合病院など「質の高いインフラ」整備のために総額1千億円の円借款を供与すると表明した。」

現実に、中国の「横暴」(⇒この表現が的確かどうか自信がない)に対するベトナムの懸念と不安は拡大している。たとえば本年7月9日にパラセル諸島でベトナム漁船が中国船3隻に体当たりされて沈没している。
(参照) http://www.sankei.com/world/news/150710/wor1507100043-n1.html 

こういった紛争に対して、中国ともベトナムともに政治的・経済的・歴史的に深い関係をもっている日本が、両国の紛争の仲介の役割を果たすことが重要であると思われる。しかし、中国を「仮想敵国」とみなす日本政府に、そういった役割を期待することは、非常に残念ながら難しいと考えられる。

なお、ベトナムと中国の南シナ海の紛争も、日本と中国の尖閣諸島の紛争も、いずれも民間レベルの「挑発」とみなされる。けっして政府と政府の軍事衝突ではないことに留意しなければならない。政府間の話し合いで解決できる余地がある。

「挑発」に乗って軍事力を強化するのか、または「挑発」に理性的に対応するのか。日本政府は、どうも前者の選択をしたように思われるが、私は後者の選択を支持したい。それが憲法第9条を保持する日本の論理的な対応と思われる。

9月19日が憲法の「命日」だとすれば、前者の対応は納得できる。しかし、それでよいのか?その回答のための選挙の機会は今まで国民には与えられていない。

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2015年9月22日 (火)

ベトナムの横断歩道の標識

今回のベトナム訪問で以下のような交通標識を何回か見た。横断歩道の標識は間違いないが、その姿が「ベトナム風」でないところが面白い。Cimg1922前の男性はハイキングにでも行くようであり、後ろの女性はスカートをはいてOL風だが、靴はハイヒールではない。この絵を見て、どのようなストーリーを思い描くことができるか。クイズのような絵図である。

社長の道楽の山歩きに秘書の女性が付いて歩くのかとも想像できるが、この社長、歩幅が大きくて元気そうである。

ネットの検索によれば、ベトナムにはほかの横断歩道の標識があったり、別個に「歩行者注意」の標識があったりする。自動車が普通に走るようになったベトナムでの新しい現象である。

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2015年9月21日 (月)

カンボジア保険業界の現状:ワッタロー協会会長と面談

今回のカンボジア訪問の主な目的は、カンボジアの保険業界についての調査である。そこで旧知のワッタロー氏と面談した。

彼は、新潟国際大学大学院でMBAを取得し、財務省証券局を経て韓国の証券会社トンヤン証券(現在はユアンタ証券)から財務省保険局、そして現在はカンボジア保険協会の会長となっている。参考 ユアンタ証券:
http://www.yuantacambodia.com/company.php?Company%20Profile

欧米の保険会社が、すで現地法人を設立しており、また日系損保会社も地元の保険会社と提携しており、現状は問題がない。したがって日系の保険会社が現地法人を設立することは当面はないという指摘であった。Cimg2190アセアン保険協会が出版している『アセアン保険会社要覧』(Asean Insurance Council,ASEAN INSURANCE DIRECTORY 2015,Asia Insurance Review, 2015)によれば、カンボジアの保険会社は次の11社である。この中で❤印が生命保険(3社)、❤*印が「マイクロ」生命保険(1社)、☆印が再保険(1社)、それ以外は損害保険(6社)である。

・Asia Insurance (Cambodia) Plc
・Cambodia Life Insurance Company Plc ❤
・Cambodia-Vietnam Insurance Plc
・Cambodian National Insurance Company (CAMINCO)
・Cambodian Reinsurance Company "Cambodia Re" ☆
・Campu Lonpac Insurance Plc
・Forte Insurance (Cambodia) Plc
・Infinity General Insurance Plc
・Manulife (Cambodia) PLC ❤
・Prevoir Kampuchea Micro-Life Insurance Plc ❤*
・Prudential (Cambodia) Life Assurance Plc ❤

Cimg2199最初の写真は、カンボジア保険協会が入居するCambodia Reの建物である。また写真上はプノンペン市内のPRUDENTIALの建物である。日本の損保会社は、上記の既存の損保会社との「業務提携」で顧客サービスを提供している。

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2015年9月20日 (日)

命日:中内功と「塩爺」と・・・・・・

昨日9月19日は、ダイエー創業者、私の勤務先・流通科学大学の創設者であった中内功の命日である。今年で10周忌になる。

また9月19日に、私が提案者となって流通科学大学の「公開講座」にお招きした塩川正十郎(「塩爺」)氏が逝去された。講演準備のために東大阪市の事務所に伺ったことがある。

さらに9月19日に、安保法案(「戦争法案」)が国会で成立した。これを換言すれば、日本の立憲主義・憲法の「命日」とも言える。これらの意味で9月19日は、私にとって意味深い日となった。

「戦争法案」によって戦争の「抑止力」が高まるという与党や賛成派の見解は理解できないこともないが、それだからと言って、大多数の憲法学者・元裁判官・弁護士会が憲法違反と断言している法律を強行採決することは「立憲国家」の終焉と言わざるをえない。

その時々の状況で憲法を自由に解釈できることは、それ自体が「独裁国家」の途を拓くものである。甘言を弄して政権を取れば、その後は何でもできる。これを独裁国家というのではないか。もっとも「終わりは始まり」。民主主義・国民主権に向けた新たな運動が始まることも当然である。

流通産業は平和産業である」と断言した中内功は、今回の「戦争法案」に強く反対したと私は確信している。他方、彼は現実主義者であり、実業家であるから、現政府の批判を露骨にはしなかったかもしれない。

「塩爺」は、古き良き時代の自由民主党を象徴する人物であると思う。山崎拓や古賀誠・野中広務・加藤紘一といった人々と同様に、やはり今回の安保法制(戦争法案)の成立に反対したのではないか。

以上、9月19日に思うことを本ブログで紹介し、記録に留めておきたいと思う。

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2015年9月19日 (土)

プノンペンの「和民」:なかなかの人気店

プノンペンのイオンモールについては、建設中から本ブログで紹介している。ロシア大使館に隣接する好立地。今回訪問した平日でも次第に来店客は増えているようである。Cimg2229ただし4階のフードコートのレストラン街は「ガラガラ」状態であった。入居している吉野家や伊予製麺も閑散としていた。それに比べて1階の「和民」には入店客が絶えなかった。カンボジアの家族、日本人ビジネス人、西洋人のグループという様々な客層である。Cimg2239人気の理由は店舗の「入りやすさ」である。「和民」は駐車場から徒歩ですぐ。4階まで上るよりもはるかに便利。ただし近隣の「ロッテリア」や「ビヤホール」「ステーキ店」のお客はなかったから、単なる立地だけが人気の原因ではない。Cimg2233写真上は、ランチメニューの値段の少し高い方、写真下が安い方。すべてドル表示であるから、「円安」が恨めしい。1ドル80円と1ドル120円を比べると、50%の値上げになる。これまでのカンボジアの日本料理店では7ドル+という印象のランチが、6.8ドルという価格設定と思われた。Cimg2234また、昼食時よりも夜が楽しい雰囲気だと想像できる。噴水があり、それがライトアップされ、また店内のカウンターに座ってお酒を飲むこともできる。私は「ステーキランチ」を食べたが、その味も悪くない・・・日本並み。なかなかの人気店という印象を受けた。







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2015年9月18日 (金)

プノンペンの「サンキューカット」で散髪する

毛髪が短いほど、散髪の回数は増えるように思う。少し伸びると「モシャモシャ」という感覚になる。外国滞在の場合、短髪の方がの手入れが簡単なので私にとっては好都合である。

日本で時間に余裕がないので、最近は出張中に散髪に行くことが多くなっている。直近では、東京駅の「QBハウス」日本橋口店を利用したが、今回はプノンペンのイオンモールの「サンキューカット」で散髪した。参照 http://www.3qcut.com/Cimg2253_2散髪は10米ドル、シャンプーは7米ドル。散髪だけの場合、切り取った毛髪は「掃除機」で吸引してくれることは「QBハウス」と同様である。ただし日本人が特にカットしてくれるわけではなく、英語での対応であった。Cimg2250「サンキューカット」は日本での散髪が1,000円なので、人件費が一般に安いはずのカンボジアの10ドル(1,200円)は高いと感じた。しかし「円安」なのだからしかたがない。「円高」時であれば、約800円である。

ここで検討すべきは、散髪の世界同一価格を「サンキューカット」が、敢えて追求しているように思われることだ。日本と同じ条件(=イオンモール内の冷房の効いた清潔感ある店舗で技術も世界共通)なら世界どこでも散髪は1,000円という価格戦略なのかもしれない。

ベトナムにおいても、、路上の散髪を除けば、冷房の効いた散髪は20数万ドン(約10ドル)である。「サンキューカット」1,000円の秘密は何か。

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2015年9月17日 (木)

悲壮感ある無責任:ベトナム人の「いい加減さ」の背景

一般にベトナムの「女性はしっかりしている」とか「女性は強い」と言われている。その背景には、戦争の長い歴史の中で兵士として死に直面してきた男性に対して女性は、両親や義父母・子ども・田畑を守ってきた実績がある。そのような母親を見てきた娘は、そしてそのまた娘は、その気質を継承しているとみなされる。

他方、戦争が終わり、平和になれば、兵士であった男性は「失業」する。次の仕事を見つけなければならない。兵士として死ぬ覚悟を持っていることが男性の「誇り」であるとすれば、「死ねばすべて終わり」という人生観または死生観が生まれてもおかしくない。

たとえば借金を返済しない男性が、返済の努力をするのではなく「死んでやる」と言うことがあるらしい。当然、銀行を始めとする債権者は「もう少し待ちましょう」となる。これは死をかけた「無責任」とみなされる。いい加減な無責任ではなく、悲壮感が伴う無責任である。

ベトナム人が「いい加減で適当」と批判される場合、こういう「無責任」な意識が影響を与えているのかもしれない。「戦争になれば、そんな細かいことは無意味だ」という反論が潜在的な意識に存在しているとも考えられる。これが正しいとすれば、ベトナムは戦争意識から依然として脱却できていないとみなされる。

どのように平和を持続させ、その時代をどのように考えて生活するか。このような問題は、ベトナムのみならず、「戦争法案」が争点となっている日本人も含めて考えるべきことである。他国からの侵略を常に心配して「抑止力」に依存した考え方が伝統的であるとすれば、それに代替する考え方(=思想または理念)は何か。その理念こそが、日本国憲法第9条ではないか。 

追記:多数のオートバイの流れの中を歩くベトナム人に対して「怖くないのか?」と聞いたことがある。その答えは明確。「銃弾よりは遅いから・・・」。確か「生死を掛ける体験をした人間は、死に対する恐怖がなくなる」という内容の映画があった。さらに敷衍すれば、死に比較すれば、借金など怖くない・・・。それが正しいとすれば、恐るべきベトナム人である。

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2015年9月16日 (水)

改善されたハノイ空港:無料バスの運行

本ブログで、ハノイのノイバイ空港の国際線と国内線の連絡が悪いという苦情を指摘した。しかし9月にハノイの国際線ターミナルを降りると、出口の右側に国内線ターミナルに向かう「無料バス」が停車していた。Cimg2061本来は国際線ターミナルが使用され始めた昨年末に準備されるべきバスであった。時間的な遅延や内容に問題があるのだが、「やるべきことはやってくれるベトナム」という私の評価は何とか維持された。Cimg2062写真は、ターミナル1(=T1)とターミナル2(=T2)を結ぶ無料バスである。この運行時間を調べればよかったと反省している。乗客が1人でも、また乗客がなくても本来は時間通りに運行するべきである・・・これは「日本の常識」。

しかし「ベトナム流の合理主義」に基づけば、ある程度の乗客に達しなければ、待機するということもありうるだろう。次回、日本からハノイ経由でダナンに向かう時、このバスが利用できるかどうか確かめてみたいと思う。



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2015年9月15日 (火)

ベトナムの凶悪な殺人事件:一家6人惨殺

ベトナムに向けた日本人観光客の増加(・・・統計数値は未確認であるが、私の周辺の身近な人々が普通の海外旅行の感覚でベトナム訪問するようになっている)は、今年になって顕著なように思われる。

しかし、ベトナムにおける犯罪は最近、殺人や強盗殺人を含んで凶悪になっているようにも感じられる。現在まで、日本人が被害者となった凶悪事件は寡聞であるが、ベトナムの治安状況について油断している(=「甘く」考えている)と、大きな事件が発生する懸念がある。

私は1994年3月のベトナム初訪問以来、ベトナムに継続して関心を払っているが、その当時のベトナムに対する日本人の「緊張感」が最近は希薄になっているようにも思われる。

FUJINET社の『ベトナムニュース』(2015年7月6日、10日)は、次のような殺人事件を報道している。

・・・ビンフォック省、自宅で一家6人が殺害される・・・
被害者6人は木製品メーカー社長の家族で、まず犯人は家に押し入って犬を殺してから、家族の両手と両足を縛り、猿ぐつわをして最後は首を斬って死亡させたとされる。地元警察は強盗殺人事件として犯人を追っている。

その後の7月10日に本事件の容疑者2名が逮捕された。主犯の容疑者ズオン(24歳)は、つき合っていたリンさん(22歳)との交際をリンさん家族から反対されたために、友人を誘って物盗りを偽装し、リンさんを含む家族6人を殺害した。
・・・(以上、筆者が要約)・・・

本事件は凶悪・残忍であるが、その動機は極めて幼児的・情緒的である。この報道の主犯容疑者ズオンの社会的背景は不明であるが、こういった犯罪の動機や背景の調査は、ベトナム人の気質に関する認識を深めるために有益であると思われる。ただし類似した事件は日本でも発生している。犯罪に国境はないのかもしれない。

なお、ベトナム訪問の最近の日本人観光客の中でも、「窃盗」や「置き引き」事件が依然として発生している。これらは特にニュースになっていないが、改めて注意喚起である。

日本ベトナムの友好関係や、日本人とベトナム人の親和性の存在に油断して、ベトナムにおける犯罪に対して「警戒」を怠ってはならない。

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2015年9月14日 (月)

おしゃれな喫茶レストラン店

ホーチミン市のドンコイ通りにおしゃれな喫茶店兼レストランが誕生した。この店は以前にも紹介しているのだが、写真下が名刺である。Cimg2158ここの「カニのスープ麺」が美味しかった。残念ながら「生ビール」はないが、メニューは豊富でベトナム人のお客も多数である・・・ということは美味しくて安いという証明である。Cimg2071この店に感心させられたことは写真上である。直接に口を付けるストローにカバーがある。同行したベトナム通の日本人が、これは「楊枝」のカバーを兼用しているのではないか?と問題提起したが、確かめて見ると、それは別であった。まさに「ストロー=カバー」である。このような店は私にとって初めてである。

日本のようにストロー全体の袋詰めの方が清潔なのだろうが、はるかに写真上がオシャレではないか・・・恐るべしベトナム人と思った。しかし念のために言えば、たぶんオリジナルな発想ではないと思う。また日本にも、私が知らないだけで、同様のストローはあるのだと思う。それにしても、このストローとのベトナムでの出会いが嬉しい。

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2015年9月13日 (日)

ベトナム最低賃金が2016年から12.4%上昇(下)

最低賃金12.4%の上昇とは、具体的には次のような金額になる。
(注) 1ドル=22,000ドンとして計算。ベトナム通貨ドンの対米ドル為替レートの8月の「切り下げ」によって、賃金上昇の金額は米ドル表示では若干低下した。

・第1地域:350万ドン=159.1米ドル(40万ドン上昇)

・第2地域:310万ドン=140.9米ドル(35万ドン上昇)

・第3地域:270万ドン=122.7米ドル(30万ドン上昇)

・第4地域:240万ドン=109.1米ドル(25万ドン上昇)

これらの地域的な相違は、各地域の生活物価水準の相違に対応している。労働集約的な産業はベトナムの地方に進出が検討されてもよい。第4地域は第1地域の77%の賃金となっている。

この賃上げ水準について労使双方は次のように述べている。VGCLのチン(Mai Duc Chinh)副会長によれば、当初の目標14.3%に到達しなかったが、経営側すなわち雇用者が直面する課題を喜んで労働者は引き受けるだろう。VCCIのフォン(Hoang Quang Phong)副会頭は、12.4%の賃上げはベトナムのビジネス部門に多大の圧力をかけると述べた。また同時に、経済統合に向けた改善や生産性の向上に企業は努力しなければならないとも指摘した。

チン副会長によれば、現実には、労働者の多数が最低賃金よりも高い賃金を受け取っている。しかし企業は社会保険料の支払いについて影響を受ける。2018年から従業員の実際の所得に基づいて保険料が計算されるからである。

ベトナム縫製アパレル協会のザン(Vu Duc Giang)会長によれば、この上昇率は地元の縫製衣料会社に圧力をかけることになり、業界全体で社会保険料は6兆ドン(約2億7,273万米ドル)、労働組合費は4,500億ドン(約2,045万米ドル)を追加的に負担しなければならない。

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2015年9月12日 (土)

ベトナム最低賃金が2016年から12.4%上昇(上)

ベトナム英字新聞Viet Nam News, September 4, 2015 および The Saigon Times,September 4,2015 によれば、2016年から最低賃金が12.4%上昇することが9月3日の国家賃金協議会(National Wage Council)で決議された。

これらの報道から最低賃金の決定過程が理解できる。上記の協議会は3回目で、その構成員であるベトナム労働総同盟(Viet Nam General Confederation of Labour: VGCL)とベトナム商工会議所(Viet Nam Chamber of Commerce and Industry: VCCI)の意見がまとまらずに投票が実施され、15名中の14名が12.4%上昇に賛成したということである。この決定の承認を政府に求めるという手順である。

労働側と雇用者側の協議と投票によって最低賃金が決定されるとは、「労働者の国」「一党独裁の国」ベトナムという先入観をもっている人には意外と思われるかもしれない。また、この会議の終了時間が午前0時30分。深夜までの熱心な討論が想起される。

会議の当初、労働側は16.8%、雇用者側は9ー10%を主張していた。最終決定された12.4%は、協議会の議長である労働傷病兵社会問題省のファン(Huan)次官によれば、昨年並みの上昇であり、労働者の最低生活費の80%以上に相当すると述べている。

国家賃金協議会15名のメンバーに議長は含まれるのか疑問はあるが、ベトナムの最低賃金は労使の双方が合意し、政府が承認している。そうであるとすれば、これは民主的な手続きを経ているとみなされる。外資企業の経営者の苦情や不満はありうるが、この決定は承認せざるをえない与件と考えるべきであろう。

発展途上国での賃金上昇は当然。それよりも生産性向上やコスト削減の工夫と追求が各社の課題とするべきである。AEC(アセアン経済共同体)における競争力の強化を考えれば、賃金水準でベトナムはカンボジアやラオス・ミャンマーよりも高い水準である。 (続く)

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2015年9月11日 (金)

ホーチミン市の変貌(写真2):近代化は着実に

ホーチミン市人民委員会(=市役所)前のベトナム初代国家主席のホーチミンの象が新しくなった。これまで座っていたホーチミン市が、立ち上がった。これも「元気なベトナム」の象徴かもしれない。Cimg2167この「大通り広場」は、ホーチミン市の新たな名所となるであろう。バイクや自動車の合間を恐る恐る渡っていた大通りが、このような立派な公園に変貌するとは予想もできなかった。Cimg2169このような都市の変化は、新しい魅力を創造しているが、他方、かつての古い街並みに埋め込まれた思い出を忘れ去らせることになる。それはベトナムに限らず、都市の近代化に付随した宿命なのであろう。




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2015年9月10日 (木)

ホーチミン市の変貌(写真1):近代化は着実に

ホーチミン市内で現在、日本のODAによって地下鉄建設が進んでいる。ホーチミン市を代表するグエンフエ通り・・・人民委員会の前からサイゴン川までの通り・・・が写真のように変貌した。Cimg2127噴水と触れあえるようになっており、夜にはライトアップされる。広々とした空間は「大通り公園」と呼ぶにふさわしい。Cimg2081この下を地下鉄が通るのだから、いよいよホーチミン市も世界の大都市の仲間入りである。出店など販売は禁止されているようだし、ひったくりなど犯罪防止のために警察と思われる人もいたが、威圧的ではない。(続く)

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2015年9月 9日 (水)

証拠資料がないのは当然!?:「従軍慰安婦」の強制性

『週刊現代』(2015年9月5日号)の「日本一の書評」(116ー117頁)では、保阪正康『安陪首相の「歴史観」を問う』(講談社、1,600円)が紹介されている。著者の保阪氏に対する次のインタビューとその回答(117頁)が注目される。

・・・・・・本書では、昭和20年8月14日から1週間ほどかけて、軍事指導者の命令で戦争に関する公文書を末端の役所にあるものまで、一斉に焼却させたことが紹介されています。

日本が受諾するポツダム宣言の第10項に、「戦争を起こした指導者の裁判を行う」と書いてあった。それで、裁判の資料になるものを全部燃やせと命令を下したわけです。自分の保身のことしか考えていない。たとえアメリカ側から裁かれるとしても、自分たちの国の子孫にはわかってほしい。そう思って資料を残すなんて考えはなかった。・・・・・・(以上、引用)

従軍慰安婦問題」では「強制連行」の「強制」の有無が論点の一つとなっている。「強制連行はなかった」という論者の主要な根拠は、「資料・証拠は見つかっていない」ということである。しかし、上記の保阪氏の指摘のように上意下達の官僚的・体系的な「証拠隠滅」が実施されたとすれば、「従軍慰安婦」の強制連行の資料・証拠が発見されないのは当然である。

それでも、現在までに発見されている資料が存在する。そういった資料は、その「焼却=証拠隠滅」が担当者の何かの不注意で免れた文字通りの「貴重」な資料と考えることが論理的と思われるのだが、そうではないか。

普通に推理・想像すれば、自分が罪を問われるとすれば、自分に都合の悪い資料や証拠を消去するであろう。これに対して保阪氏の主張は私見では、自分が正しいと信念をもって実行したことなら、たとえ裁判で自分が有罪になろうとも、その資料は子孫に残すべきであるという意味である。

いずれにせよ、証拠となる文書の焼却の可能性を謙虚に受けとめることが、現在も継続している「従軍慰安婦問題」の客観的・公正・理性的な議論のためには必要と思われる。率直に言って、「証拠がないから無罪」というのでは、少なくとも被害者の感情は収まらないであろう。

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2015年9月 8日 (火)

キリスト教とヤギ肉

キリスト教では、ヤギは「悪魔」と言われることもあるらしい。先日、ハティン省で「ヤギ肉」を食べたが、そのレストランには「キリスト教」の祭壇があった。Cimg1669キリスト教の信者なので、ヤギ肉料理店を開店して「悪魔」を食い尽くすというような意図はないと思われるが、なかなか興味深い組合わせである。Cimg1670ベトナムの地方都市では教会が目立つのだが、都市部にも多数の信者が存在していると思われる。ただ建物と人が多いので教会が目立たないだけであろう。ベトナム人の宗教観はどうなっているか?こういう研究も興味深い。そういった体系的な知識・見識がビジネスにおける相互理解の基礎になる。

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2015年9月 7日 (月)

ハノイ国際会議場からの夜景

ハノイの国際会議場は、確かフランス人建築家が「波」をイメージして設計したと記憶している。ここで第1次の安倍内閣の時、APEC国際会議が開催された。Cimg1978写真下が会議場であるが、なかなか「波」が鮮明には写らなかった。いずれにせよ、ベトナムの首都ハノイの経済発展を実感せざるをえない。ここでの注意点は、外観の発展と中身・内実の発展の格差である。Cimg1983外観の経済発展に目を奪われて、経済そしてビジネスにおける中身また内実の発展の努力を軽視してはいけない。これは1990年代に私の親しい韓国人が、韓国それ自身の企業経営を自省して述べた言葉である。これは卓見であり、今でも記憶に残っている。

当時の韓国は、ソウルオリンピック開催の後で、高速道路や高層ビルが林立し、外観では日本に追い付いたような経済発展を達成していた・・・。しかしそれは外観であって、ビジネスの制度や効率性は日本に比べて依然として大きな格差があったとみなされる。

このような「自省」は、けっして「自虐」ではない。この区別が最近の日本では曖昧になっているように思う。自分自身を常に省みる謙虚な国民性は日本人の伝統的な美徳に含まれていなかっただろうか。

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2015年9月 6日 (日)

ベトナムで食べたもの(8:終):最後は神戸牛ステーキで

兵庫県庁の農政環境部農林水産局畜産課の中屋さんからのプレゼンによれば、神戸ビーフの品質管理を県庁としも支援している。兵庫県の「但馬牛」の中で高品質な成分をもった牛肉を「神戸ビーフ」と認定するらしい。Cimg1966写真の神戸ビーフのステーキは、おそらく普通では食べることに躊躇する価格なのだと思う。これを8人で食べるのだから2口で終わり。それでも、ジューシーで本物の牛肉の味に大満足である。Cimg1944出席したベトナム人は「神戸ビーフ」を理解したのであろうか。「何でもよいから値段の一番高いもの」と注文をするベトナム人富裕層にとって「神戸ビーフ」は歓迎されるだろう。他方、ベトナム人を接待する日本人にとって、美味しい日本料理を食べて欲しいと思うのは当然だが、価格を考慮すれば、「神戸ビーフ」の選択はかなり決断が必要になるだろう。

いずれにせよ、こういった席に招待・ご馳走を賜った皆さんに感謝を申し上げたい。

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2015年9月 5日 (土)

ベトナムで食べたもの(7):神戸ビーフの握り寿司

写真の「握り寿司」も美味しい!! 神戸牛のサーロインとモモ肉を使用。協賛企業の「サッポロビール」を飲んで、「日本盛」の日本酒の香りに感謝しながら、思わず笑みが出る。Cimg1964この神戸牛展示会、午後5時から開会のはずが、実際は午後6時過ぎに始まった。定刻通りに集まった大部分の日本人は長く待たされたのだが、率直に言って、タダで飲み食いするのだから、少々の忍耐は当然。感謝の気持ちを込めて、その様子を紹介している。Cimg1976写真上は、「包丁式」と呼ばれるパーフォーマンスである。最初は周囲にベトナム人がカメラやビデオを持って集まっていたが、その緩慢で優雅な動作がベトナム人には耐えられないようで、しばらくして全員が着席してしまった。

初めて見る「包丁式」は、日本伝統の「様式美」を感じた。こういった伝統を継承することも「クールジャパン」の一環であるとも主張できる。

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2015年9月 4日 (金)

ベトナムで食べたもの(6):神戸ビーフの刺身

「焼き肉サクラ」の井原さんから紹介されて8月22日(土)、ハノイの「ナショナル=コンベンション=センター」の「神戸牛展示会」に出席した。主催は、神戸肉流通推進協議会。共催は、JAPAN FOODS社、そして日本のエスフーズ株式会社である。Cimg1950数年前に、神戸ビーフを使ったフォーが30ドルとかの値段でハノイで一時的に提供されていた。しかし今後、神戸ビーフの正規の輸出国の中にベトナムが含まれることになり、普通に神戸ビーフをベトナムで食べることができるようになった。Cimg1963写真上は、神戸ビーフのサーロイン刺身。ワサビと醤油で食べる。神戸ビーフのトロッとした食感や甘みを十分に感じることができた。これを中華料理の回転テーブルの回りに座った8人ほどで食べる。なかなか日本でも食べることができない逸品である。

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2015年9月 3日 (木)

ベトナムで食べたもの(5):中華料理

ハティン省のフォルモサ=ハティン製鉄所(FHS)は、ベトナム人のほかに台湾人・中国人・韓国人が働いている。最近になって日本のJFE(日本鋼管と川崎製鉄の経営統合)が5%出資を決定し、日本人も常駐するようになると想像される。しかしFHSの周辺に日本料理店は皆無。写真下は、その中でもオシャレな高級中華料理店である。Cimg1891この店で「刺身」を食べた。ベトナムでも日本料理は人気であるし、食事を招待してくれたFHS幹部は台湾人であり、日本料理に慣れている。この意味で刺身は珍しいものではない。大きなお皿に氷を盛り付け、その上からラップを掛ける。これで氷のお皿ができあがり、その上にお刺身を乗せる。これはベトナム流の盛り付けである。Cimg1894中華料理ではベトナム料理も同様に、魚を丸ごと蒸したり、焼いたり、揚げたりする「尾頭付き」料理は定番である。私が初めてだった料理は、以下の「竹」である。Cimg1893日本の「タケノコ」というよりも、「若い竹」であり、外側は食べることができない。味付けはあっさりして、薄い塩味である。なかなか珍味だった。







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2015年9月 2日 (水)

ベトナム建国70周年記念式典:来賓挨拶は維新VS反維新

9月1日に大阪リーガロイヤルホテルで、在大阪ベトナム総領事館が主催する「ベトナム社会主義共和国の建国70周年記念式典」が開催された。1945年9月2日にホーチミン主席がベトナム独立宣言をしてから2015年で70周年である。20150901_183720sこの式典の来賓挨拶の最初は、大阪府の松井一郎知事(写真下)。大阪府の高校生がホーチミン市で今年から学生交流の事業を始めるという計画を披露された。20150901_190007s続いて少し遅れて会場入りされての来賓挨拶は、大阪総領事館が所在する堺市の竹山修身市長(写真下)。これまでの堺市とベトナムとの友好関係を具体的に紹介された。20150901_190543sお二人の来賓者は、ベトナムにとって最適で何ら問題ないが、出席の日本人として政治的に考えれば、大阪の「維新」と「反維新」が同じ会場で挨拶を交わしたことになる。本年11月の大阪府知事選挙の候補者は未定であるが、お二人とも候補者になっても不思議でない。

このように考えると、松井知事と竹山市長の来賓挨拶は、ベトナムの巧みな「全方位外交」の発想が機能しているようにも思われる。もちろん私的な穿った見方である。






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2015年9月 1日 (火)

ベトナムで食べたもの(4):健闘する韓国料理

ベトナム在住の韓国人は、その日本人よりも数倍の人数ではないかと思われる。韓国系企業の投資は、サムソンやロッテに代表されるように活発である。

それに伴って韓国料理店も多数ベトナムに展開している。写真はハノイのロッテセンター内の韓国料理店である。Cimg1299_2このお店、本格的な韓国「焼き肉」が「売り」であるが、私は「チゲ鍋」を注文した。写真下のような無料で付いてくるキムチなどの「突き出し」とビールだけで満腹になる。Cimg1295日本で最も売れている「お漬け物」はキムチと言われている。日本独自の「お漬け物」(柴漬け、奈良漬け、高菜漬け、千枚漬け・・・)は種類が多数あり、人気が分散するのだが、キムチには人気が集中するからである。

日本人にとって韓国料理は、ベトナム料理と同様に味覚として親近感・親和性を持つことができる。日本・ベトナム・韓国は、地理的・文化的に「中国の周辺国」として共通点を持っており、これら3カ国の親近性は大きい。



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