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2015年7月12日 (日)

よくできた長期戦略:日本の軍事国家化

若い人々が「戦争法案」に反対し、その数が増加しているという。学生団体シールズ:SEALDsStudents Emergency Action for Liberal Democracy - s)は自発的な無党派の学生団体である。
参照 http://www.labornetjp.org/news/2015/0710shasin

こういった集会に参加しようと思っても、バイトがあって参加できないという大学生も多い。親世代では自分の「お小遣い」や「旅行費用」を稼ぐためのバイトが一般的だったが、最近の学生は学費や生活費を自分で払う。また将来の奨学金返済を軽くするためにバイトする。こういう学生が増加している。

私は大学院生の時に5年間に渡って奨学金を当時の「日本育英会」から受給していた。書籍購入や定年退職した親の負担の軽減など大いに有り難かった。さらに所定の「研究教育職」に就けば、返済義務が免除された。今は、このような「返済免除規定」がなくなっている。

大学生や大学院生に対して考える時間をないようにすれば、より一般に「批判精神」が醸成され難くなる。既存の体制・制度・組織を批判するためには、それに迎合したり、それを容認したりするよりも、より膨大な精神的なエネルギーが必要である。このエネルギーを減衰させるためには、余分なことを考える時間を与えないことが効果的である。奨学金給付が、先進国(OECD加盟国)の中で最下位とは、どういう理由があるのか。このような文脈で考えれば、よく理解できる。

日本経済全体を不安定にし、さらに社会の競争原理を強化し、それを若者の中にも浸透させる。こういった中では、日々の生活の維持や限定された「勉強」に関心が集中し、批判精神は生まれない。たとえ批判精神が芽生えたとしても、「しかたがない」と「まあ、いいか」で時間が過ぎていく。

日本の徴兵制の導入について本ブログでも指摘したが、同様のことを「経済的徴兵制」という名称で以下は紹介している。この映像は面白い。
参照 http://buzzap.jp/news/20150710-akari-chan-beats-hige/

大がかりな長期戦略の中で日本は「軍事国家化」に進んでいるように思われる。こういった戦略の全貌がようやく今になって見えてきた。しかし他方、こういった戦略の「矛盾」も明示化されている。そのひとつは、情報伝達がグローバル化し、グローバル人材が育っていることである。政府が推進する「グローバル人材」が、それを促進する政府を批判するようになる。

若い世代がもっと英語情報に直接触れるようになれば、もっと外国人や留学生の友人とコミュニケーションできるようになれば、国際社会から見た日本の客観的な評価が理解されるようになる。経済成長を考えるなら、グローバル化は不可避・不可逆であり、それが「軍事国家化」を抑制することになる。これが「弁証法」というのだろうか。

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