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2015年7月27日 (月)

東芝問題:「株主資本主義」の影響は?

東芝問題の「粉飾決算」の発生原因が、株主利益を最優先する米国流の「株主資本主義」の影響があったためだという指摘がある。

「株主のために」、換言すれば、株価を高く維持するという目的のために経営者が利益を水増ししたというのである。

しかし現在の日本企業では安定株主が大部分を占めている。その理由もしくは背景は、「株式持ち合い」が依然として残存していることや、企業間の取引や提携関係を保持・強化するための「政策投資」(=株主利益追求のためだけの「純投資」と区別される)が存在しているからである。

このように考えれば、これまでの日本企業における「株主のために」という意識は、大株主である法人企業や金融機関で議決権を行使する経営者との親睦的・協調的な関係を維持するということを意味する。これが「日本株式会社」と呼ばれた日本的な企業システムの本質であった。

したがって、これまでの日本企業も「株主資本主義」の下にあったわけで、何も今更そうなったわけではない。要するに、最近の株主(=株式所有者)の変化が「利益追求」のための新たな圧力になったと考えられる。

この変化とは、外国人投資家が30%を超え、投資ファンドを始めとする機関投資家が「モノ言う株主」になっていることである。「安定株主」の減少に対応して経営者は「株主のために」意識改革が求められる。

ここでの配慮とは、単なる「利益追求」ではなく、もはや上述の「日本株式会社」システムは終焉したという自覚と行動でなければならない。東芝の経営者は、目先の変化である「利益追求」には配慮したが、より構造的な後者の認識が欠落していたのではないか。一般に、人間の意識や慣行は急には変えられない・・・。

「日本株式会社」は、日本企業の中の「慣れ合い」「無責任体制」「ご都合主義」の温床となってきた。ここからの決別が、東芝のみならず日本企業全体に求められる。理由は簡単。日本企業の活動が、日本国内の身内の論理が通用しないほどに「グローバル化」しているからである。

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