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2015年6月19日 (金)

小山内宏『ヴェトナム戦争』を読む:戦略と経営戦略(続)

企業における経営理念社是は、現実の熾烈な利益追求から乖離した絵空事・理想・建前などとみなされることも多い。しかし、それが存在するからこそ、何でもありの利益追求に歯止めがかかる。

さらに言えば、経営理念や社是が堅持されておれば、それを前提にして何でもありの利益追及ができることを意味する。たとえば「顧客と従業員と社会のために」という経営理念があれば、けっして商品や品質の偽装などはできないはずである。劣悪な労働環境もありえない。しかし他方、コスト削減を伴う利益追求は全社員が協力するであろう。

以前にも指摘したが、思い切った利益追求が何でもできるようにするために、その「歯止め」となる経営理念や社是が必要なのである。私は最近、このように考えるようになった。

ここで飛躍して、この考えを「戦争法案」と「憲法」の問題に敷衍すれば、日本の憲法の「専守防衛」を堅持ことで、その枠内であらゆる防衛手段が取れるはずである。外交交渉はもちろんであるが、専守防衛のための自衛力の行使についてシュミレーションがあっても不思議ではない。

憲法違反にならない範囲で、憲法改正をしない範囲で、最大限に何ができるのか。外交交渉が決裂した場合、国連や米国を含むG7諸国との連携や、経済制裁を含めて、さらに現存する自衛隊や警察を最大限に活用することも含めて現実的な防衛研究をするべきではないか。

小山内宏『ヴェトナム戦争』の中には「三矢研究」が紹介されている。中国や北朝鮮から日本が攻撃された時の応戦シナリオを自衛隊内で研究したことが、文民統制から逸脱したと国会で批判された事件である。文民統制の逸脱は批判されるとしても、研究自体は防衛上、当然ではないか。

他方、憲法改正に反対する場合、ただ単に反対するだけでなく、それでは具体的にどのように理不尽な侵略国に対して応戦するのかを提起することも必要であろう。外交交渉が決裂して次にどうするか?この具体的な論議がなければ、護憲派(=憲法改正反対、平和憲法維持)という主張は説得力が弱いように思われるのだが・・・。

その議論の中には「無抵抗主義」や「負けるが勝ち」という主張があってよいし、ベトナムの「民族解放戦争」から学んだ日本流の「祖国防衛戦争」の準備が主張されてもよい。憲法違反と指摘される集団的自衛権の行使によって日本を防衛するというなら、当然、憲法の範囲内での日本を防衛する手段もしくは戦争抑止力の議論もあってよいはずである。「憲法違反」と指摘されてまで集団的自衛権の行使が必要な理由が明示されなければならない。

要するに私は、防衛問題は、沖縄の米軍基地問題を含めて、時間をかけて十分に議論することが必要であるという結論である。

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