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2015年5月22日 (金)

リーダーの条件

有能なリーダーまたはリーダーシップに関する要点を列挙すれば、次のようになる。

(1)有能なリーダーには、自信と安心感、そしてオープンで親身な態度が求められる。

(2)リーダーシップを効果的に発揮するためには、・・・部下を支配するのではなく、部下の力を引き出すこと。・・・従業員のやる気と自主性を高めることだ。

(3)リーダーには強いビジョンを組織に浸透させていく役割があるが、それ以上に、従業員が自ら意思決定できる力を育む役割も求められている。

(4)指導者たる者(リーダー)は、そのビジョンを具体的なアクション(行動)に導かなければならない。弁舌の巧みさだけでは達成できない。口先だけでなく、実行してこそ、リーダーシップを発揮できる。

以上は、イアン・マルコーズ『経営学大図鑑』(三省堂、2015年、79頁)からの引用と要約である。今これを紹介したのは、「大阪都構想」が否決(5月17日)されたことを契機にして、橋下大阪市長や松井大阪府知事のことを想起したからである。

理想のリーダーとは、どういった資質や人格が必要であるか?前掲書では、日産自動車のカルロス・ゴーン社長がビジネスのリーダーとして高く評価されている。その是非に議論の余地はあると思うが、業績回復の実績は認めざるをえない事実である。

橋下大阪市長は、上記の要点から考えれば、少なくとも(2)と(3)において「リーダー」ではなかったように思われる。彼は「リーダー」よりも、ビジネスで言えば「起業家」とみなされる。そうであるとすれば、以下の指摘は橋下大阪市長に適合している。

革新をやりたいのなら、みんなから変人扱いされるのを覚悟しておけ。」(ラリー・エリソン:米ソフトウェア会社オラクル創業者、前掲書、73頁)。

革新の起きている組織では、しばしば秩序が無視される。」(ロバート・サットン:アメリカの経営学者、前掲書、75頁)。

以上の指摘は民間企業の経営についてであって、けっして民主主義を基盤にした政治や自治体の政策運営についてではない。リーダーが変人で無秩序な組織の民間企業が失敗しても、それは市場原理の結果であり、その影響は限定的である。

他方、同様の自治体が失敗するということは、一般住民の日常生活の混乱と破壊の被害は深刻なものになるだろう。この相違は決定的に重要である。民主主義におけるリーダーに「起業家」は向かないのかもしれない。

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