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2015年4月 7日 (火)

ハードボイルドなハノイ

ハードボイルド(hard-boiled)の国語辞典の意味は次のようである。

「非情なこと。人情や感傷に動かされないで、さめていること。また、そのさま。」(『大辞泉』)。

私はハノイ訪問時の本ブログで、ハノイを「ハードボイルドな街」と指摘した。ハノイの人々の人情は厚いし、人情や人間性が欠如したという意味の「非情」という言葉はハノイには適当でない。

しかしベトナムは、その近年の歴史を振り返れば、フランス・米国の植民地主義・帝国主義的な支配に対して膨大な犠牲者を出して独立と自由を勝ち取った。それは、「人情や感傷に動かされないで」理想・理念を実現するためにされたとみなされる。この意味では「非情」である。

先日のザップ将軍の指摘によれば(『愛国とは何か』77-78頁)、「1973年7月6日、第一書記は党中委が南解放に全員一致したとつぎのように述べて総会を閉じた。ヴェトナムは朝鮮半島や東ドイツの轍は踏まない。これは歴史的、国際的に大きな意義のある決定だ」。

中途半端に妥協するのではなく、正義のために筋を通す。感情に流されるのではなく、合理的・科学的な主張を堅持する。そのためには、他者の犠牲のみならず自己犠牲も問わない。これらは「非情」と言えるかもしれないが、けっして人間性が喪失した狂気ではない。国家や民族や家族に対する愛情に裏打ちされたやむにやまれぬ苦渋の決断といえるだろう。

このような政治的な空気がハノイには色濃く残っているような気もする・・・私的な感覚であって断定ではない。今までハノイは、その天候の影響もあり、「暗い」とか「重苦しい」と表現されてきたように思われるが、今回、このような意味で「ハードボイルドなハノイ」と特徴づけたい。

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