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2014年10月14日 (火)

書評:メコン地域開発とASEAN共同体(4)

本書の第Ⅱ部と第Ⅲ部は、GMS(大メコン圏6カ国(CLMV+タイ+中国)について、各国に2つの章が割り当てられて、GMSという大きな視点から見た各国の課題や現状が指摘されている。この部分は、本書18章の中の12章(3分の2)で構成され、本書の前提となった「国際共同研究」の中心的な位置を占めている。

この中で私は3つの点に注目したい。第1に、ラオスの「オランダ病」の現状認識について、第2に、GMS開発およびCLMV各国に対する中国の影響や役割に関する現状分析についてである。

特に後者は、カンボジア・ラオス・ミャンマーで聞かされる中国の影響が、直接のテーマとして説明されており、少なくとも私にとっては貴重な情報提供となった。

また、ラオスの「オランダ病」とは、すでに経済学の用語として定着している。天然鉱物資源の輸出によってラオス通貨「キープ高」傾向がラオスでは続いているが、他方、その「キープ高」によってラオス製造業の輸出製品の国際競争力は減退する。それはラオス製造業の発展を資源輸出が阻害していることを意味している。そして近い将来、鉱物資源が枯渇した時、ラオス製造業は未発達のままであり、長期的・結果的にラオス経済が停滞する。

事実、私がラオス初訪問の2001年には1ドル=11,000キープ程度であったが、今日では1ドル=8,000キープ代になっている。ベトナムが傾向的な「ドン安」であることを考えれば、ラオスの「キープ高」は異常な現象に思われる。これを「オランダ病」と「疑診」されるのである。(つづく)

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