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2014年10月16日 (木)

書評:メコン地域開発とASEAN共同体(6):ベトナム中国の衝撃関係

同書の第14章には、私にとって衝撃の事実が書かれていた(281頁)。以下、それを引用する。これは、あまり報道されていないと思われる。

2004年9月、雲南省からヴェトナムへの送電が開始された。これは、中国が初めてヴェトナムに電力を大規模に輸出したとともに、大メコン圏にリンケージする送電ネットワークを形成したことを意味する。雲南省からラオカイまでの送電ネットワークの整備と運用により、大メコン圏における電力分野の協力は、新たなページが開かれた。雲南省の対ヴェトナム送電事業は、2010年8月末までに、累計送電144.4億kWh、累計収入6.94億ドルの実績を有する。」(注:『中国証券報』2010年9月15日)。

南シナ海(ベトナムでは東海)の領有権で争う中国からの電力輸入は、ベトナムの経済・社会にとって「急所」を握られているようなものである。原材料部品の中国輸入の代替は可能かもしれないが、電力輸入の代替は簡単ではない。

以上は、ベトナムが電力自給を高めるために原子力発電所を必要とする背景かもしれない。

このような中国から見たヴェトナムの豊富な情報は、本書の魅力のひとつとなっている。

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