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2014年7月11日 (金)

ラオスの国会議員:面白い話題(2)

山田氏によれば、中国・ベトナム・ラオスの3カ国における議会や選挙の特徴は次のようである。

一党独裁体制における議会と選挙の機能は、政策立案や経済・社会問題の解決に必要な社会情報の獲得だと考えられる」(51頁)。

いわゆる選挙や議会が「民意」を反映させる役割を果たすと考えるなら、一党独裁体制においても、そのシステムが少なくとも存在していることになる。上意下達の一方的・強権的な政治手法は、現代の中国やベトナム・ラオスでも通用しない。

今日、経済発展に伴ってグローバル化が進展し、インターネットによって世界の情報が容易に入手できるようになった。それに対応して国民の意識や要望は必然的に多様化する。このような現状から生まれる諸問題を政府が迅速・的確に把握し、それに対処できなければ、その政治体制に対する国民の批判が増大する。そこで政府は、その体制維持のために選挙や議会を利用する。

一党独裁体制を維持するためには、議会や選挙を含む政治制度が周到に整備されなければならない。簡単に言えば、一党独裁を維持するために民主主義制度が部分的ではあるが導入される。この矛盾した状況が、中国やベトナム・ラオスの現状なのかもしれない。

ただし山田氏は、この矛盾が存立する前提として次のように指摘しているように思われる。

これまでの反体制活動に対する党の強権的対応をみれば、体制への挑戦には多大なコストと犠牲をともなうことを国民も理解している」(54頁)。

民主主義制度の導入と言っても、上記の「強権的対応」が前提となっている。しかし考えてみれば、民主主義体制下の日本であっても、昭和の歴史を振り返れば、こういった「強権的対応」は存在した。体制を維持するための「暴力」は、その時々の権力者に共通して付与されていると考えられる。

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