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2014年7月31日 (木)

新潟訪問(1)

日本ベトナム合作映画の舞台は、ベトナムと新潟が中心となる。そこで準備のために新潟を初めて訪問した。大阪空港から50分ほどである。Cimg7125新潟空港は、私の知る限り、ラオスのワッタイ国際空港に似た雰囲気。もちろん新潟も国際空港として韓国などと定期便が就航している。

新潟市の古くからの中心街は「古町(ふるまち)通り」であり、新しい集客場所は新潟駅の周辺ということらしい。古町には立派な商店街があり、歩いていて飽きないが、平日の昼間ということもあり、人通りは閑散としていた。Cimg7144新潟には、新潟大学を初めとして、新潟国際大学、新潟事業創造大学院大学、さらに長岡技術科学大学など多数の専門学校や大学・大学院大学があり、非常に教育に熱心な県という印象を受けた。大阪では酷暑の今、新潟の通りを歩いても汗が吹き出さないのが驚異。これなら夏でも普通に勉強できる。

夕食は、古町通りから少し離れた本町の「魚屋さん」で食べた。食材を注文して、その場で食べることができる。写真下のマグロ刺身とナマ岩牡蠣で1000円ほど。Cimg7154_2
 
  Cimg7157_2

宿泊は日航ホテル。全日空の往復航空券とのセット料金で4万円少し。快適な新潟の初訪問であった。




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2014年7月30日 (水)

ベトナムに関する質疑応答(3)

ベトナム人は親日的か?。

おそらくアジア諸国の中でもトップクラスの親日国であると思う。

かなり以前に「ここだけの話」ということで聞こえてきたが、東日本大震災の義捐金の国別ランキングが資料としては存在しているらしい。

第1位は台湾、ベトナムは第4位と聞いている。ベトナムでは震災後に公務員の給与の数%を日本に送ってくれたり、ハノイの日本大使館には義捐金や弔問のために行列ができたりした。経済力に配慮すれば、ベトナムが第4位というのは最大の支援国と言っても過言ではない。

ただし日本人が嫌いというベトナム人もいるに違いない。個人的に何か悪感情を日本人から受けた人である。ベトナムに滞在したり、訪問したりする日本人すべてが善人ではないから、嫌日・反日の人もいるに違いない。また過去の戦争において日本兵に殺害された親戚がいるというような事情をもっているベトナム人もいるだろう。

「ベトナムは親日国」だからと言って、日本人が横暴になってよいはずはない。こういった自省も必要である。

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2014年7月29日 (火)

私の出題問題「経営学入門」から

大学では期末試験が始まっている。私の出題した「経営学入門」の問題の1つを紹介する。

マークシート方式の問題作成には手間がかかるが、採点は瞬時に終わる。逆に記述式の問題作成は簡単であるが、その採点には時間がかかる。私は、より客観的な評価という観点から以下のようなマークシート方式の問題にしている。

問題1.次の問題( 140)の解答を①~⑤の中から選択し、正しくマークしなさい。

25)「自社の顧客は誰か」という問題について最も適当な内容は次のどれか。

 ①自動車販売店と同様に家電量販店でも飲み物のサービスをすれば確実に利益は増加する。

 ②銀座や六本木では12歳以下の子ども同伴の利用を断っているフランス料理店がある。

 ③吉野家は顧客を増やすために高級食材を使用した価格帯のメニューを増やすべきだ。

 ④多様な顧客を受け入れることがビジネス成功のための最優先の課題である。

 ⑤日本人の顧客は階層化しているので百貨店での「安売り」は厳禁である。

以上の問題について解説するが、正解は②である。高級フランス料理店が期待する顧客は、まず「高いワイン」を注文することである。それに対応して店では紙ではなく布のナプキンを用意する。子どもが騒ぐなら、高級料理店の雰囲気は台無しである。

①は、家電量販店にとって効果がないと思われる。何百万円の自動車の買物客と多くても数10万円のテレビの買物客を同列に扱うことはできない。しかし結婚で家電新製品を買いそろえるという場合、ゆったりとした別室での接客が量販店にあっても不思議ではない。

③について「土用の鰻」が吉野家やすき家で食べられるが、1000円を少し超える料金である。それ以上となると、グループ内で別店舗を新設するべきであろう。

④も妥当なように思われるが、自社・自店の顧客を明確化するためには不適当である。多様な顧客のニーズに中途半端に対応せざるをえない。⑤も妥当なようだが、実は日本人顧客は「階層化」していない。講義では、ベンツやBMWに乗ってダイソーで買い物したり、安売り店の先着100名に行列を作ったりする顧客は日本独自の現象だと学生には説明している。

問題は80問。毎年、少しずつ問題を変更する。

 

 

 

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2014年7月28日 (月)

ベトナムに関する質疑応答(2)

ベトナムは親日的か。

これは正しいと思う。

「親日的」という誤解が生じる一般的な理由は、自分の周辺の外国人の対応で判断するからである。自分の周辺の人々は、親日的だから交際してくれているのであって、それを一般化できない。

たとえば、もう20年も前に韓国のソウル地下鉄に学生と一緒に乗っていて、やや大きな声で日本語を話していると、おそらく「やかましい」という意味の韓国語で怒られた。1人でチョナンの独立記念館を見学するために「相乗りタクシー」に乗って、英語で「台湾人か」と質問されたので、「日本人」と返事すると、同乗の韓国人2人は急に無言になった。

こういう一般の人々との私の接触の経験から、ベトナムは「親日的」と判断できる。

なお、上述の韓国人の反応は20年以上も前の話である。こういった感情は確実に変化する。日本に対する「悪い印象や感情」を再生産・維持しない努力は、韓国や中国については、加害者である日本が率先すべきであると思う。

注:第2次世界大戦において日本は、国益を守るための自衛的な戦争をしたという見解がある。しかし客観的に見て、韓国や中国は植民地として侵略を受けたのであって、日本は加害者であることに間違いはない。たとえば今の日本でも、薩摩(鹿児島県)と会津(福島県)は明治維新の歴史を引きずっているように思われる。歴史における勝者と敗者の「わだかまり」の解消には時間が必要であると思われる。

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2014年7月27日 (日)

ベトナムに関する質疑応答(1)

ベトナム人は勤勉か?

特に勤勉とも思わないし、特に怠け者とも思わない。こういった「意識」を規定するのは、第1に経済状況であろう。いわゆる「ハングリー精神」があれば、人間は勤勉になるものである。

第2の規定要因は、人間の心理的な状況である。「自己実現」や「名誉」・「理念」のためには自発的に勤勉になる。この場合、経済的(より具体的には金銭的)なインセンティブは必ずしも機能しない。

ベトナム人の場合、第1の規定要因と第2の規定要因が混在している。ある時は「お金が欲しい」が、ある時には「人生はお金だけではない」。このような混在は、日本でも同じではないか。

以上、勤勉に働かせるためには、多様なインセンティブが考慮されなければならない。「ベトナム人は勤勉だ」という予断・先入観は捨て去るべきである。

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2014年7月26日 (土)

スパルタカスⅢ:新たな発見

DVDで『スパルタカスⅢ』が発売されている。このシリーズ最終版である。

「スパルタカス」と言えば、私の学生時代に見た映画、スタンリー=キューブリック監督、カーク=ダグラス主演、相手役のジーン=シモンズ、アカデミー賞を受賞したピーター=ユスチノフといった俳優を想起する。さらにドイツ革命では、ローザ=ルクセンブルグなどの「スパルタクス団」と言う名前も「世界史」の中の記憶に残っている。

この作品が何度も支持される理由は、反抗・反逆・革命が主題だからであろう。圧倒的な権力をもったローマ帝国の圧政に反逆する奴隷スパルタカスという対立の構図である。

このDVDを見て新たに痛感したことは、スパルタカスが率いる反乱=革命集団が、単なる奴隷ではなく、剣闘士で構成された「強い奴隷」ということである。戦闘のプロで組織された反乱軍が、サラリーマン集団のローマ軍よいも強いのは当たり前である。

この観点から言えば、反抗・反乱・革命には「精強な部隊」が必要である。いわゆる革命理論の中では「前衛」ということになる。その精鋭部隊の増強が成功の決め手ではないか。スパルタカスが敗退した理由は、この「増強」ができなかった。けっして大衆(=普通の市民)の支持が不足していたわけではない。そもそも大衆は、こういった改革に無関心または恐怖を感じる。

組織(=国家・社会・会社)の変革を具体的に遂行するためには、「殉教者」ではなく「精鋭部隊」の増強が不可欠である。この場合、一般の人々の支持に必ずしも依拠する必要もない。この「増強」には、戦略が必要であり、そのための時間と計画が求められる。これが、組織改革の一般論として妥当するかどうか。

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2014年7月25日 (金)

堺市主催「日本ベトナムのテレビ会議」の開催発表

弊社TETが企画した「ビジネス交流TV会議」が、来る9月26日(金)にホテル・アゴーラリージェンシー堺で開催されます。

堺市からの案内は以下を参照。
https://www.city.sakai.lg.jp/sangyo/shienyuushi/kaigai/intlbusconf/0926tvkaigi.html

案内状は以下を参照。http://www.city.sakai.lg.jp/sangyo/shienyuushi/kaigai/intlbusconf/0926tvkaigi.files/0926tvkaigi.pdf¥

このキャッチフレーズは次の通りです。

(1)自社の製品と技術を世界に発信する
(2)ベトナム企業との新しい出会い!
(3)堺市とホーチミン市をインターネットで結ぶ初めてのTV会議

このTV会議は日本とベトナムの同時開催ですから、両国の参加者に負担の少ない時間帯の設定に苦心しました。また、より効率的・効果的なビジネス商談会を開催するために、会議を2部に区分しました。

第1部:販路拡大セッション「ベトナムに輸出したい」
第2部:ものづくりセッション「ベトナムに生産委託したい」

ここで直接投資を含めなかったのは、11月に堺市と池田泉州銀行が主催してベトナム直接投資のためのミッションを派遣するためです。その時に工業団地を重点的に訪問します。もちろん上記のテレビ会議を通して適当な(魅力的な)パートナーが見つかれば、この11月の訪問ミッション時に一緒に参加していただくと良いです。

堺市内の中小企業に限らず、TV会議の参加を募集しています。多数のご参加をご案内いたします。ただし率直に言って、「冷やかしお断り」です。ベトナムのパートナー企業を本気で探している日本企業を歓迎します。

この意味で、まさに「ビジネス=マッチング」は結婚に向けた「お見合い」と同じです。ベトナム側では、現地法人のブレインワーク社が協力して頂いて、参加希望のベトナム企業の情報や意向を事前にチェックしてもらいます。参照 http://www.bwg.co.jp/

以上、最新の情報です。

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2014年7月24日 (木)

BS放送の取材撮影があった

今日は、1年生を対象にした「基礎演習」の補講日である。最終の講義であるから、1週間ほど前から通常の教室ではなく、大学内の「中内記念館」での講義を予定していた。

この「中内記念館」は、流通科学大学の創立者であり、ダイエー創業者である中内功の足跡を収集した博物館であり、日本の流通の歴史を研究する専門家の訪問にも値する貴重な資料が収集されている。

この中内記念館でBS朝日で9月に放送予定の番組撮影があった。「昭和の偉人」という連続番組の中で中内功が取り上げられたのである。

この補講に出席した学生はテレビ出演できたし、欠席した学生は残念ということになる。学生には事前にテレビ出演の話はしていないし、そもそも私が前日にテレビ取材のあることを聞いたのである。

テレビ出演が良いとか悪いとかは言わないが、少なくとも学生が真面目に講義に出席していれば、何か「面白いこと」があるということを意味している。

私も中内功について熱く語ったのだが、それが全部放映されるわけではない。9月の放送が楽しみである。

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2014年7月23日 (水)

今日は補講日である:有給休暇は?

私の勤務先の流通科学大学では「教員評価制度」が導入されていて、教授会や各種委員会の欠席、さらに講義の休講などはマイナス評価となっている。

これらは通常の会社では「人事考課」の当然の項目であり、合理的に考えて私も容認している。「実学」教育を標榜する流通科学大学において、会社の実務や慣行から乖離した制度は不適当であろう。

この場合、かなり以前からの疑問であるが、有給休暇を申請して休講にすれば、教員評価においてマイナス評価することは不適当ではないのか。そのことは、有給休暇の取得を抑制する効果をもつからである。

しかし大多数の大学教員は「自宅研修」が認められている。自宅での仕事も多い。この自宅研修中に家族旅行したり、日帰りのドライブをする場合、そのために厳密には有給休暇を申請しなければならないのであろうか。

一方、日曜日に論文執筆したり、試験問題を作成したりしても、休日出勤手当が大学教員に支給されたということは聞いたことがない。しかし、その申請の権利はあるのかもしれない。

30年間近く大学に勤務していて、こういった基本的な事柄が依然として不明である。不明というよりも未確認である。そのような状態でも不都合を感じなかったからである。

学生に対して「ブラック企業」や「ブラックバイト」の勤務に対して注意喚起するからには、自分自身の労働者としての権利や義務を的確に認識しなければならないと思うようになった。

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2014年7月22日 (火)

大阪・天王寺駅周辺の活況:外国人観光客を増やすために

日本ベトナム映画製作の関係で大阪南部の和泉市を訪問した。

JR線を利用するのだが、天王寺駅の活況に驚かされた。明らかに「アベノハルカス」の効果である。

近代的な「ハルカス」と、伝統的な大阪情緒のある周辺のコントラストが面白い。こういった観光地としての魅力を世界に発信できないものか。

ここで私案(または試案)であるが、世界的に影響力のある旅行観光雑誌の編集者を招待して、日本全国(または大阪でもよい)の魅力を調査してもらえばよい。公的資金を使うのだから、その招待の条件として広告記事の掲載である。

この調査結果は、外国人が日本(または大阪)に来る時の指針になるであろう。日本国内でチマチマと外国人の観光客を増やすという努力も必要であるが、こういった企画も検討されてよい。

以上、天王寺駅から大阪府また関西広域連合に対する提案である。

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2014年7月21日 (月)

21日は祭日のはずが・・・

7月21日(月)は祭日のはずだが、大学は通常の講義が実施されている。

月曜日に祭日・連休が多いために、月曜日の講義数が不足するためである。2単位の科目には15回の講義をすることが決まっており、それが文部科学省によって厳格化されている。

祭日に仕事をすることは、特にサービス業では不思議ではないが、この意味で大学は完全にサービス業化している。

たとえば祭日の代わりに土曜日に月曜日の講義をすればよいとも思うのだが、土曜日には資格講座や部活の予定がすでに入っている。

休講があって当たり前で、補講を受けた記憶もない学生時代。古き良き時代???の大学は、もはや遠い思い出になっている。

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2014年7月20日 (日)

高校生を利用する悪質バイト

1年生の「基礎ゼミ」のレポートの中に、自分の高校生時代のアルバイトの経験が書かれていた。その内容によれば、純粋な高校生を利用した「ブラック企業」または「ブラック・バイト先」の存在が見えてくる。

そのことを本人に告げると、その通りだという返事であった。真面目で素直な学生ほど、会社は利用しやすい。親は熱心にバイトしているということで、特に心配はしない。

「もっと大学で知恵を付けて、ブラック企業に騙されないようにしなければ・・・・・・」という私の話に学生は納得した顔をしていた。

大学生のみならず高校生を含めたアルバイト学生に対する教育や調査の必要性を強く感じた。

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2014年7月19日 (土)

世界に「母子手帳」を普及させる:他者愛と自己愛

板東あけみさんとは、もう15年目の付き合いになる。ハノイで1998年にお目にかかった。私のベトナム語の先生が、板東さんの友人という関係である。

日本で考案された「母子手帳」は、すでにベトナム南部のベンチェ省で普及しており、それがようやくベトナム全土に拡大することになる。

さらに今年は、アフリカのカメルーンで国際会議が開催されるそうである。東南アジアのみならず、アフリカでも日本発の「母子手帳」が利用される。これは間違いなく、日本の世界的な貢献である。

乳幼児死亡率は、その国の発展を示す一つの指標にもなっている。母子手帳は、母子の健康状態をチェックする最も効果的な手段であり、死亡率を大幅に軽減するのはないか。しかし、その普及にはお金が必要である。

「世の中、やっぱりお金ですね・・・・・・」と言う私に板東さんは「お金と愛ですよ・・・・・・」と返答された。

自分のためのお金ではなく、人のためのお金集め。私が所属する「ライオンズクラブ」もそうである。そこでの心理を自己分析すれば、愛には、他人に対する愛と同様に自分に対する愛も含まれる。「他者愛」と「自己愛」が結合して、大きなモーティべーションが発揮されるのではないか。

板東さんからのお話を伺って「愛」について考えた。

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2014年7月18日 (金)

ラオスの国会議員:面白い話題(9・補論)

ラオスの政治体制について、次のような説明が山田氏の論文にある。これはベトナムも同様と考えて良い。

「党は、社会を指導・管理する体制を整えている。・・・・・・ラオス国家建設戦線が中央から村まで置かれ、国民の多くは建設戦線傘下の大衆組織である女性同盟、人民革命青年団、労働連盟、退役軍人協会等の大衆組織、またその他の社会組織に加盟している。

・・・・・・つまり国民の多くはいずれかの社会・大衆組織に所属し、その組織は党の指導・管理を受ける国家建設戦線の傘下に置かれるため、党員であるか否かにかかわらず間接的に党の管理を受けることになる」(53頁)。

以上のような記述は、一般の日本人にとって、さらに「組織嫌い」の人々にとって、ラオスが息苦しい管理社会であるという印象を与えるかもしれない。

しかし、このような体制は、社会福祉や社会保障の「セーフティネット」の役割を果たしていることに注意しなければならない。住民の生活を支える相互扶助または共同体組織が形成されている。日本的に言えば、今や有名無実となった「町内会」のようであり、そこでラオスでは身近な問題の自治がなされているのではないか。

もう10年近く前にルアンパバーンの村を訪問した時、村の集会が開催されていた。ここで村民の意見交換がされていたのであろう。そしておそらく今では、それなら「ホットライン」で私が国会に連絡してみよう・・・・・・というような話題になると想像される。

このような党の組織が、国民に十分に役立っているからこそ、ベトナム共産党もラオス人民革命党も一党独裁体制を維持できていると考えられる。一方的な抑圧の手段としての組織であれば、おそらく体制は崩壊するであろう。

このような仮説を念頭に現実を見ることにしたい。それが「カントリーリスク」または「政治的安定」を評価することになる。

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2014年7月17日 (木)

ラオスの国会議員:面白い話題(8)

これまでは、ラオスが一党独裁の政治体制であることから、国民は自由にモノが言えなくて、民主主義が存在しない国として認識されていたように思われる。

しかしラオスを訪問すれば、そのような抑圧的な雰囲気は感じられない。この印象は、同じ一党独裁体制のベトナムも同様であろう。

この先入観と実感のギャップは、私にとって深く追求しないで済ませてきた問題であった。しかし、今回の連載して紹介した山田氏の論文によって、ラオス民主主義の進展が具体的に理解できた。さらに言えば、このような調査が実現できるラオスの開放度にも驚かされた。このラオスと同様の具体的な研究がベトナムで可能かどうかは疑問である。

この理由は、ベトナムにはラオスと違って反政府・反体制勢力が存在していることであろう。このベトナム事情は、あくまでも私の推測であるが・・・。

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2014年7月16日 (水)

ラオスの国会議員:面白い話題(7)

ラオスの「民主主義」を考えるとき、国民が直接意見を国会に伝えることができる「ホットライン」の設置を指摘しなければならない(以下の説明は56頁)。

ホットラインは、「国会会期中に限り専用電話回線が設けられ、国民は国会に対して自由に意見を言えるようになった」。「翌年には私書箱、ファクス、E-mailアドレスが追加され、意見伝達手段が多様化した」。

「2000年代に入り経済・社会問題に対する関心だけでなく、国会審議を中継することで国会への関心も高まり、国民が国会を彼らの「手段」と認識するほど意識が高まったことがその背景にある」。

これらの国民の意見は、事務局でまとめて国会で紹介され、さらに各議員に意見のリストが配布され、その問題解決のための関係各機関の対応が各議員によってフォローアップされるようになっている。

日本において国民の個々の要望は、議員や議員秘書を通じて国会に反映されるのであるが、ラオスでは国会に直接届けられる。私見では、人口700万人弱のラオスであるから可能な制度であるかもしれないが、日本でも地方自治体であれば、実現が可能であろう。選挙の投票率が低いと言われる地方自治体であれば、この制度の導入は検討の価値がある。

この「ホットライン」の内容は次のようである(表2,63頁)。

政府幹部の贅沢について、政務官の汚職について、ゴミ収集問題について、カジノ建設の適切性について、公務員の汚職問題について、土地収用にかかる補償額の低さについて、洪水被害対策について、トウモロコシ栽培農家への支援拡充について、国会と同様のホットラインを政府機関にも設置するべきという提案について、政治家の資産公開について、公務員給与の引き上げについて・・・・・。

カジノ建設や洪水被害対策など、日本でも同様の問題意識がラオスに存在している。また、公務員の汚職問題が国民から何度も提起されていることも注目される。汚職問題が、けっして社会的なタブーではなく、国民からの監視があるとみなされる。

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2014年7月15日 (火)

ラオスの国会議員:面白い話題(6)

では、ラオスの国会議員が、どのような質問をしているのであろうか。このような資料は初見であり、山田氏の真摯な研究姿勢に驚嘆させられる。その徹底性や詳細な実証性は類を見ないのではないか。以下で、その一部を列挙・紹介する。

表1(57~61頁)では、第6期国会(2006年~2010年)における議員の氏名・選挙区・役職のみならず、地方推薦か中央推薦かの区別、現職と新人の区別、そして質問事項では、選挙区の問題か国家全体の問題かによって区分され、その要点が記載されている。

たとえば、ボンサリー県選出の新人のウーサワン議員は、青年ビジネス協会会長であり、中央からの推薦である。選挙区の問題として「公務員の待遇改善と、地方教師の給与問題について」、また国家全体の問題として「商業銀行への国内企業の参入を促進するための資本登録額の引き下げについて」質問している(57頁)。

このほかの質問の内容を概観すれば、上記のように国民生活の向上や経済政策や行政改革などについて、国会議員として当然の質問をしている。

日本から見て、選挙制度に問題はあるにせよ、ラオス国会は立派に機能しているとみなされる。

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2014年7月14日 (月)

ラオスの国会議員:面白い話題(5)

「2003年の改正憲法では、国会は立法機関に加えて「諸民族人民の権利と利益の代表機関」(第52条)となった」(55頁)。

この憲法改正の背景には、「1999年10月に経済悪化を端に発する不満から、教師や学生を中心とするグループが民主化デモを行った」(55頁)ことがある。さらに「2000年からの数年間は断続的に爆弾事件が続いた」(同上)。

温和なラオスの人々に「民主化デモ」や「爆弾事件」は似合わないが、こういった事件がラオスの民主化の進展に貢献したことは間違いない。

以上、ラオスの国会が、すべての民族を代表し、その「権利と利益」を保護するのであれば、ラオスが民主主義国家であることを承認できる。

ただし国会議員の立候補は自由ではなく、党の推薦が必要となっている。ただし選挙は公正に実施されており、党の介入はないと指摘されている。したがって党の推薦候補者が実際に落選したこともあり、そこに一定の国民と議員の間にチャック機能もしくは緊張関係が存在している。

私がラオス滞在中の2001年に「爆弾事件」や観光客に対する強盗事件の話は聞いていたが、今回の山田氏の論文を読んで、その背景がようやく理解できた。

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2014年7月13日 (日)

ラオスの国会議員:面白い話題(4)

国会は、「国民統合機関」から、「ゴム印機関」、そして「立法機関」へ。そして現在のラオスは「人民の権利と利益の代表機関」となっている。

このことは、ラオスが近代国家として発展するために「党治」から「法治」に進行中であることを意味する。

ラオスで憲法が制定された1991年より以前、党の決定が法律の代わりであり、最高人民議会が憲法草案や法律を制定することであったが、それは実質的な役割を果たしていなかった。

この議会は、諸民族間の団結を形成することであり、それは党の政策を追認する「ゴム印機関」であった。

これは、国会もしくは議会が政府政策を承認する「ゴム印」を押すだけの機関なっていたことを意味する。

「国会軽視」「議会軽視」さらに戦中の「翼賛会議」といった批判が日本でもあるが、その本質は、かつてのラオスと同様に「ゴム印機関化」と言うべきなのであろう。

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2014年7月12日 (土)

ラオスの国会議員:面白い話題(3)

「では、体制への明示的/潜在的な脅威がほとんど存在しないにもかかわらず、人民革命党はなぜ国会や選挙を体制維持の一手段として活用しているのだろうか」(54頁)。

これが山田氏の論文の基本的な問題意識である。すでに答えは前回に示している。経済成長やグローバル化が進展する中で、多様化する国民の不満や要望を吸収する「仕組み」がなければ、やはり体制維持が難しい。そこで選挙や国会が必要であり、その民主的な組織や運営を進める必然性がある。

以上、やや難しい話が続いたが、本格的な政治学の論文を分かりやすく説明するのは、なかなか難しい。次回から、やや軽口で話を進めようと思う。

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2014年7月11日 (金)

ラオスの国会議員:面白い話題(2)

山田氏によれば、中国・ベトナム・ラオスの3カ国における議会や選挙の特徴は次のようである。

一党独裁体制における議会と選挙の機能は、政策立案や経済・社会問題の解決に必要な社会情報の獲得だと考えられる」(51頁)。

いわゆる選挙や議会が「民意」を反映させる役割を果たすと考えるなら、一党独裁体制においても、そのシステムが少なくとも存在していることになる。上意下達の一方的・強権的な政治手法は、現代の中国やベトナム・ラオスでも通用しない。

今日、経済発展に伴ってグローバル化が進展し、インターネットによって世界の情報が容易に入手できるようになった。それに対応して国民の意識や要望は必然的に多様化する。このような現状から生まれる諸問題を政府が迅速・的確に把握し、それに対処できなければ、その政治体制に対する国民の批判が増大する。そこで政府は、その体制維持のために選挙や議会を利用する。

一党独裁体制を維持するためには、議会や選挙を含む政治制度が周到に整備されなければならない。簡単に言えば、一党独裁を維持するために民主主義制度が部分的ではあるが導入される。この矛盾した状況が、中国やベトナム・ラオスの現状なのかもしれない。

ただし山田氏は、この矛盾が存立する前提として次のように指摘しているように思われる。

これまでの反体制活動に対する党の強権的対応をみれば、体制への挑戦には多大なコストと犠牲をともなうことを国民も理解している」(54頁)。

民主主義制度の導入と言っても、上記の「強権的対応」が前提となっている。しかし考えてみれば、民主主義体制下の日本であっても、昭和の歴史を振り返れば、こういった「強権的対応」は存在した。体制を維持するための「暴力」は、その時々の権力者に共通して付与されていると考えられる。

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2014年7月10日 (木)

ラオスの国会議員:面白い話題(1)

アジア経済研究所の山田紀彦氏は、ラオス政治の専門家である。何度かラオスや日本でお目にかかったことがある。今、山田氏の下記の論文を読んでいる。

山田紀彦「ラオス人民革命党の体制維持メカニズム――国会と選挙を通じた国民の包摂過程――」アジア経済研究所『アジア経済』第54巻4号、2013年12月。

これが面白くて、電車から降りて自宅に着くまでの路上でも読んでいる。ラオスの国会議員の選出方法や構成のみならず、国会での質疑内容まで公開されており、これは世界唯一の貴重な業績であろう。

ベトナムと同様にラオスは一党独裁の国家であるが、その体制が維持されていることを考えれば、国民の意見を吸収・反映する「民主主義」が機能していると考えられる。そこで山田氏の論文から、私が興味をもった事柄を抜粋して紹介してみようと思う。

完璧な民主主義は何か? この回答や実現が容易でないことを考えれば、日本や米国の民主主義もラオスの民主主義も「相対的」である。

日本の国会また地方自治体における議員の資質や品性が問題視されている昨今、ラオスから日本が学ぶべきこともあるように私は感じた。

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2014年7月 9日 (水)

山本薩夫監督『戦争と人間』を見てほしい

日本ベトナム合作映画『ラストライフをベトナムで』の企画を担当して、同映画の岡田裕プロデューサーや大森一樹監督とお話する機会がある。Cimg6924これは、普通では考えられない「勉強」である。もともと映画好きの私にとって、その製作側からのお話を伺える。これは常時ワクワクである。私の専門科目「企業論」から言っても、映画ビジネスの実情を知ることができる。

岡田プロヂューサーは元日活で仕事されていた(主要作品は『赤ちょうちん』など)ので、同じ日活が製作・配給した『戦争と人間』(山本薩夫監督、五味川純平原作)について、お話しすることがあった。この映画は私の青春時代の記念碑の一つである。このDVDを私は愛蔵している。

「秘密保護法」や「集団的自衛権」の行使容認というような「戦争準備」が進んでいる今日、「日本映画最大のスケールで激動の昭和を描いた不滅の名作」『戦争と人間』は、戦争を知らない若い人々に見て欲しい内容である。

この映画から学ぶことが多々あるが、本年2月に亡くなった岳父が在籍した陸軍士官学校では、講義でノートを取らないことを初めて知った。すべての講義を記憶する。この緊張感は、現在の大学で望むこともできない。

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2014年7月 8日 (火)

グエン=ティ=ビン女史に会った!!

この写真は、グエン=ティ=ビン女史(写真前列、右から2人目)が広島の原水爆禁止世界大会に出席される前日である。

私は確か、広島大学経済学部で非常勤講師として集中講義を担当していた。日本ベトナム経済交流センターの創立者である故・人見美喜男さん(写真中央)の顔も見える。Dscf5980
ビン女史は、南ベトナム共和国臨時革命政府外相として1973年のパリ和平交渉の協定調印者である。そして実際に戦争が終結したのは1975年。来年が40周年となる。

日本もベトナムも同様であるが、戦争を知る世代が次第に少なくなっている。ただし戦争終結の1945年から日本は70年、ベトナムは40年という時間の長短がある。

もっともベトナムの直近の平和到来は1991年の中国との国交回復。わずが23年前である。今日の東海(通称は南シナ海)の領土紛争は、中国との長い歴史的な対立関係を想起すれば、ベトナムにとって特に驚くべきことではないのかもしれない。

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2014年7月 7日 (月)

大型台風8号の来襲:大きな視野で考える

台風8号が日本に接近し、気象庁は「特別警報」を発令した。

何10年かに1回という大型台風と言われているが、それが「異常」ならまだしも、今後も恒常化するような懸念を私はもっている。

まったく素人の見解であるが、たとえば「地球温暖化」の現状はどうなっているのか? その影響が今回の大型台風の発生に影響しているのか?   

私も含めて多数の人々は、日常の生活に関心があるのだが、より大きな視野を持てば、その最も関心のある日常生活に重大な影響を及ぼす問題も見えてくる。それは自然現象も政治問題も同様である。

「大きな視野で考える」。少なくとも日常の大部分を占めるテレビ番組を見ている限りでは、このような発想は生まれないと私には思われる。マスコミ・報道の責任は重大である。

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2014年7月 6日 (日)

グエン=タン=ズン首相の再登場:ダナンにて

以下の写真は、本ブログでも紹介したと思うのだが、7月16日に成田とダナンの直行便が開運行開始することを記念して再登場である。Dscf5921手前がズン首相、その奥が当時のフラマ=リゾート=ホテルのGM(総支配人)である。まったく偶然にダナンのホテルで遭遇した。もう10年近く前ではないか。

前回のベトナム国会の信任投票でズン首相の支持はけっして高いとは言えなかったが、それでは誰が代わりをするのか? 企業経営も同様であるが、最高責任者は批判を常に一身に受けるものである。

ベトナムの国会では、個々の閣僚について信任投票が実施されているが、これはベトナム流の民主主義の表現手段である。日本のような世論調査はベトナムで時期尚早なのかもしれないが、いずれは実施されるであろうと思われる。

この「時期尚早」という意味は、世論調査の結果から生じる政治的な不安定性を許容するまでにベトナム経済またはベトナム社会が成長・成熟していないということである。

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2014年7月 5日 (土)

ラオス講義のレポート

先週、ラオス国立大学の「ラオス日本人材協力センター(LJCC)」(現在は「ラオス日本人材開発研究院(LJI)」:ラオス国立大学の組織において従来のCenterInstituteに昇格した)のMBAコースの講義をテレビ会議システムを通して実施した。

その講義のレポート試験の問題(日本語訳)は次の通りである。

次の2つの問題の中から1つを選択して、A4用紙1枚程度で英語で回答しなさい。

1.アセアン統合においてラオスは何をするべきですか?

2.アセアン統合において、あなたの会社(または組織・機関)は、どのようにしてグローバル企業と競争しますか?

アセアン統合(=アセアン経済共同体)を自分自身の問題として考えて欲しいという趣旨である。大きな政治経済問題は、日常の生活とは無関係に思われるのだが、けっしてそうではない。

日本で言えば、集団的自衛権の行使容認の閣議決定が、あなたの生活や家族に対して、どのような影響を与えるでしょうか? こういった問題と趣旨は同じである。自分自身の問題として考える。こういう習慣があれば、その国の進路は心配ない。民主主義の定着を意味しているからである。

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2014年7月 4日 (金)

東京出張:健康の自己管理

7月4日金曜日、1時間目の講義の後に東京に出張した。午後2時半過ぎに東京駅に到着。その後に仕事をすれば、日帰りが可能である。

とは言うものの、なかなか体力が続かない。頑張れば大丈夫なのだが、頑張りすぎると健康障害の可能性もある。しかし実は、このような理由で自分を甘やかしているのかもしれない。

どの程度まで頑張るか。または頑張れるのか。この判断は自分自身の問題である。還暦を前にした人間にとって当然の自己責任であるが、なかなか難しい問題だ。

結局、東京で1泊して翌日に帰阪した。余り仕事で無理はしないことが鉄則である。

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2014年7月 3日 (木)

イオンモールの開店:カンボジアとベトナムの相違点

6月30日にカンボジア・プノンペンでイオンモールが開設された(『日本経済新聞』2014年7月1日)。

開店の様子が報道されているが、寿司の人気はプノンペンもホーチミン市も共通している。また開業時に1日で10万人の来客があったことも共通である。

しかし「売り場に目を凝らすと、商品を購入しない消費者の姿も目立った。カンボジアの人々を引き付ける値ごろ感、買い物体験を示せるか。試みは始まったばかりだ。」と指摘されている。

最後の指摘は、ハノイのMETROやホーチミン市のCORAが開業した当時のショッピングセンターの様子と同様である。冷房が効いた清潔な店内の顧客は多いが、実際に買うのは地元の市場(いちば)という状況であった。またベトナムでは巨大ショッピングセンターとしてロッテマートが先行して開業した。その後にイオンモールが「真打ち登場」のように開店した。

カンボジアのイオンモール開店は、いきなりの「真打ち登場」である。カンボジアの大型ショッピングセンターにおいて独占的な地位を確保できるであろうが、売り上げの獲得には時間がかかるであろう。

いずれにせよ、プノンペン在住の日本人さらに韓国人など外国人には大歓迎されるに違いない。まず外国人やカンボジア富裕層の顧客が先行し、次第に一般顧客が拡大する。また外国人観光客の来店も期待できる。当初、こういった顧客の動向を想定した品揃えで勝負であろう。

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2014年7月 2日 (水)

日本ベトナム合作映画:初の監督・大森一樹がゴジラを語る・・・

ベトナム・ハノイを大森一樹監督とご一緒して、また私のラジオ番組に出演して頂いて、大森監督から目が離せなくなっている。

http://www.nhk.or.jp/bs/sp/t_documentary/

7月5日(土)の上記の番組に大森さんが出演される。テーマは「ゴジラを語る」。大森監督のゴジラ作品は2作であるが、それ以外にも脚本を担当されている。

日本ベトナム最初の合作映画「ラストライフをベトナムで」(仮題)が、果たしてゴジラのような破壊力をもった日本とベトナムの新たな関係を切り拓く作品になるかどうか。期待が膨らむ。

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2014年7月 1日 (火)

「アセアン市民」の意識醸成:集団的自衛権行使の閣議決定に関連して

来年に発足する「ASEAN(アセアン)共同体」の中で「アセアン市民」や「アセアン1つの家族」の意識が、特に若者の中で広がっている。

参考:Severino, Rodolfo C. and the others eds., Southeast Asia in a new Era: Ten Countries, One Region in ASEAN, ISEAS, 2010, p.246.

これは、「アセアン共同体」が国家間の単なる政治・経済問題ではなく、それを構成・支持する各国の人々の間の連帯感が醸成されていることを意味する。換言すれば、「アセアン共同体」の形成が「かけ声」ではなく、「本物」であることを示している。

日本の中で、こういった他国との連帯感を表明する言葉が明示化されていないように思われる。たとえば「東アジア市民」や「漢字文化人」という共通意識が、日本のみならず中国や韓国の人々の中で広がれば、それが紛争の抑制や解決に貢献することは間違いない。

軍事的な実力行使の前に「外交交渉」があるが、それと同時に、またそれ以上に民間レベルの交流と連帯感の促進と醸成が、軍事行動の抑止力になる。一般の人々の目線で国家間の相互理解が広範に深化する状況において戦争は一般に発生しないであろう。

「集団的自衛権」行使の閣議決定は、このような連帯感の醸成に水を差すことになる。米国との関係を強化することは、それ以外の国との関係を一般に疎遠にするからだ。

なお、漢字文化圏にベトナムも含まれるのではないか。韓国と同様にベトナムも言語の表記は漢字ではないが、その語源の多数は漢字に由来している。

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