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2014年6月 1日 (日)

ベトナムに対する中国の経済制裁はありうるか?

ベトナム政府が、南シナ海における中国の紛争について、国際法廷に提訴する可能性がある。そうなれば、中国はベトナムに対する経済制裁で対抗するという指摘がある。
参照 http://news.nifty.com/cs/world/chinadetail/rcdc-20140531022/1.htm

さらに東南アジア諸国は、中国との経済関係が強いから、ベトナムを含めて中国に強硬に対処できないと米国の研究者が意見を述べている。

これは、経済的な影響力を背景にした政治的な覇権主義の「やりたい放題」の中国の行動を、周辺のアジア諸国は容認せざるをえないという見解である。

果たしてベトナムは、中国に妥協するのか? アセアン事務総長が偶然にもベトナム人であることを考えれば、また長きに渡る中国支配からの独立を常に志向してきたベトナムとしては、さらに1979年の中国との軍事衝突を経験したベトナムとしては、たとえ中国が経済制裁の持ち出してきても、そう簡単に引き下がるわけにはいかないであろう。

中国の領土侵害をベトナムが簡単に容認できない理由は、それが自己の存在を脅かすからである。ベトナム共産党が英雄的な多大の犠牲を払って、フランスや米国から国家の独立を獲得してきたことが、同党の「権威」として青少年に教育され、そのことが現在も「一党独裁」体制を維持できる理由の一つであると思われる。ここで中国に簡単に屈服すれば、その「権威」が失墜する懸念がある。それは体制崩壊の可能性の増大に直結している。

他方、ベトナム国民は中国紛争に伴う経済損失に耐えうるたけの愛国心をもっている。「自由と独立ほど尊いものはない」という故・ホーチミン国家主席の言葉は、ベトナム人にとって日常的に意識されているように見えないが、より深い部分、たとえばDNAに埋め込まれているかのようである。したがって領土の侵害に対して強い愛国心が発揮される。

ベトナムは、国民の愛国心に訴えて、中国が発動するかもしれない経済制裁を甘受する。それと同時にアセアン諸国・韓国・インドそして日本などの経済関係の拡大によって、制裁に関連する損失を補完する。こういうことが可能かどうか。

南シナ海の対中国紛争は、ベトナム政府、さらにベトナム共産党が直面する最大の試練であるとみなされる。

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