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2014年6月30日 (月)

ハノイの神戸市営バスを記録に残そう

ハノイのノイバイ空港では、かつて神戸市バスが走っていた。経済発展が続くベトナムの最近の様相をみれば、想像もできないはずだ。1神戸市営バスの中古車を譲り受けて、ハンドルの位置を左右入れ替えてベトナムに輸出する。このアイデアを実現した日本人の話を聞いたことはあるが、直接にお会いしたことはない。

こういった日本とベトナムの近代の歴史関係を記録に残す作業をすることは意義あることと思われる。私が実際にやってもよいが、時間に余裕がない。

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2014年6月29日 (日)

Facing the world by clenching the 10 fingers to form two fists

(Note) Last Friday night I finished giving my lecture to the MBA students at the National University of Laos via a videoconference system provided by JICA. The main topic was  "ASEAN Economic Integration."   

"The 10 fingers" here refer to the 10 ASEAN countries. The "fist" signifies the strengthened integration, solidarity and bond of the ASEAN countries. "Facing the world," does not mean to start a war, but to secure global competitiveness (although the ASEAN membership of Vietnam and the Philippines may have one reason China refrained from military intervention in the recent clash in the South China Sea or East Sea to Vietnam).

"To turn against Vietnam is tantamount to turning against all of ASEAN""

But this is on the condition that ASEAN join together to form a clenched fist. If its fingers are not tightly clenched, it does not have enough power to face the world.

A fist is clenched to fight, but the fingers not joined together can perform numerous tasks. Furthermore, each finger has its own role. For example, the pinky, or little finger, is essential when griping a golf club or shinai (bamboo sword) in kendo (Japanese fencing).

In some instances, the fingers supplement each other to perform delicate tasks. In other situations, the fingers form a fist to overcome difficulties and predicaments. This flexibility, I think, is the appeal of ASEAN. It is a uniquely Asian aspect, unlike, for example, the EU in Europe.

This is my observation of ASEAN and the AEC (ASEAN Economic Community).

I note that about first phrase was inspired by the Japanese subtitle of a line in Spartacus: Vengeance, a new Zealand produced television series, available in DVD/Blue-ray Disc formats.

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2014年6月28日 (土)

バラバラの指10本を拳にして戦う

ようやく昨夜、ラオスMBAコースの夜間講義が終わった。その中で次のメッセージを思いついた。

10本の指を拳にすれば世界と戦える。

「10本の指」とは、ASEAN(アセアン)10カ国である。また、「拳(コブシ)」とは、統合・団結・結合性を強化することである。「世界と戦える」とは、軍事戦争をするわけではなく、世界の中で十分な国際競争力を保持できることを意味する。

ただし、ベトナムやフィリピンがASEANの加盟国であることは、東海(中国では南シナ海)の領土紛争における中国の本格的な軍事行動の抑止力の一部となっている。

ベトナムを敵にすることは、ASEAN全体を敵にする

ただし、このことは「拳にすれば」という条件が付いている。それぞれの指がバラバラなら、それは「十分な力」にはならない。

ここで、さらに考えれば、拳は戦う目的だけであるが、各指がバラバラの方がより多様な仕事ができる。たとえば「小指」には「小指」の役割がある。ゴルフや剣道のクラブや竹刀のグリップの要点は「小指」だと教わったことがある。

ある場合、それぞれの指がバラバラになって、それぞれが補完し合って繊細な作業を器用に遂行できる。ある場合には、それぞれの指が拳になって苦境や困難と戦うことができる。このような臨機応変の柔軟性がASEANの魅力だと思う。換言すれば、欧州におけるEUと違ったアジア的な特徴である。

ASEANそしてAEC(アセアン経済共同体)のイメージについて、以上は私の提言である。

なお、この「バラバラの指を拳にする」という原典は、『スパルタカスⅡ(SPARTACUS: VENGEANCE)』(DVD・ブルーレイ)の第Ⅴ巻に出てくるセリフである。

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2014年6月27日 (金)

休載

休載(再開は6月28日~)

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2014年6月26日 (木)

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2014年6月25日 (水)

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2014年6月24日 (火)

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2014年6月23日 (月)

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休載(再開は6月28日~)

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2014年6月22日 (日)

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2014年6月21日 (土)

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2014年6月20日 (金)

休載のお知らせ:ラオス講義の準備

本日から6月27日(金)までブログをお休みします。

夜間講義が23日(月)~27日(金)にあり、その準備に集中するためです。その講義はJICAが資金提供するもので、ラオス国立大学の経済経営学部とラオス日本研究院(通称は「JICA日本センター」)の合同主催するMBAコースです。私は「アセアン統合」という科目を担当します。

受講生は6期生目になり、合計31名。皆さん社会人で、省庁の職員や企業経営幹部です。

インターネットを通したTV会議システムを使用した「遠隔講義」。ラオス時間で午後5時30分~8時45分。これが日本時間では、午後7時30分~10時45分となります。

もちろん私の本務校では早朝から通常のとおりに講義があります。個人的な感想として大変な重労働で、昨年は別の先生に代わって頂いたのですが、その先生の日程の都合がつかず、再び私が担当することになりました。日頃は使用しない英語での講義で、それだけでも疲れます。

以上、言い訳を述べながら、1週間のお休みを頂戴します。ベトナムと中国の間に軍事的な異変がないことを祈っています。

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2014年6月19日 (木)

写真:「川のようなバイクの流れ」

ホーチミン市で以前に遭遇した「バイクの流れ」。ベトナムと言えば、多数のバイクを連想するが、まさに川のような「流れ」を感じさせる。P1010422この写真、大型バスから撮影した。通常の乗用車からは目線が低くて大きな動きが撮影できない。20年近いベトナムとの関わりの中で新鮮な印象を受けた。

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2014年6月18日 (水)

貿易相手国は分散した方がよいのか?

今後、ベトナムと中国の政治的関係が悪化し、国際司法裁判所や国連そして国際会議の場で、両国が非難の応酬をすることもありうるだろう。その結果、ベトナムにとっては「痛くて辛い」ことだが、中国が対ベトナム経済制裁をする可能性もある。

それに対応して、ベトナムは貿易関係を多角化・多様化せざるをえない。それは通常、特定の国に貿易が集中することに比べると、政治的・経済的リスクが分散するという効果があって望ましいことだと思われる。

しかし、それは本当か?貿易関係が分散している国と特定の国に偏重している国では、それぞれの経済成長に相違はあるのだろうか?こういった実証研究の成果があると想像される。

こういう分野に私は素人なのだが、国際経済や貿易の専門家に質問したい問題である。

注:上記で「中国の対ベトナム経済制裁」というのだが、「国境貿易」(いわゆる「密貿易」)が今でも頻繁な中国とベトナムでは、あまり効果がないようにも思われる。もっとも中国が本気で軍隊を動員して国境全域を「封鎖」すれば効果はあるだろう。軍事力行使を含めて、今後の展開は「中国の出方」次第である。

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2014年6月17日 (火)

懐かしい写真:ハノイの神戸市営バス

ハノイのノイバイ空港に神戸市営バス(中古車)が走っていた。写真は2001年当時である。よく見ると、ドアが開いている。そして当然、ハンドルの位置は左右が移動されている。2001現在、日本のODAによってノイバイ空港は拡張工事が進行中である。この神戸市バスが消え去って久しいが、こういった近年の歴史を記録することは、ベトナム経済の発展を検討するためには不可欠である。

系統的な映像・写真を記録・保存するセンターの設置をベトナムに提案したい。ベトナム国営の通信社・報道機関などが、その責務には適当であろう。20年後、30年後に『写真集』を出版すれば、採算は十分に合う。

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2014年6月16日 (月)

中国に偏重した輸入構造:日本とベトナム

日本の輸入相手国の金額上位5カ国・地域(2013年)を見れば、1.中国(21.7%)、2.米国(8.4%)、3.オーストラリア(6.1%)、4.サウジアラビア(6.0%)、5.アラブ首長国連合(5.1%)となり、その合計は47.3%となる。
参照 http://www.jftc.or.jp/kids/kids_news/japan/country.html

これに対してベトナムの輸入相手国(2012年)は、1.中国(25.3%)、2.韓国(13.7%)、3.日本(10.2%)、4.台湾(7.5%)、5.シンガポール(5.9%)となり、となり、その合計は62.6%となる。
参照 http://www.jetro.go.jp/world/asia/vn/stat_01/

上位5カ国・地域の合計を比較すれば、ベトナムと日本の輸入相手国が特定国に集中・偏重していることがわかる。より具体的に言えば、それは中国であり、日本とベトナムの共通国である。

さらに中国との間で領土紛争の懸念が、東シナ海(=日本)と南シナ海(ベトナムでは東海=ベトナム)で発生していることも日本とベトナムで共通している。

ここで両国のために考えられる前向きのシナリオは、中国偏重の輸入相手国を分散・拡散することである。そのために、中国以外の国々との経済協力関係を日本やベトナムは拡大・深化させることである。

そこで提案したい今後のシナリオは、日本における中国からの輸入製品をベトナムからの輸入製品に代替する。そのために日本の政府や企業が、ベトナムに対して技術移転・資金援助・人材育成などについて支援する。これは両国にとって経済的に有益である。

ベトナムは品質の高い製品を日本のみならず世界に輸出できるし、日本は中国よりも安価な製品を輸入できる。またさらに日本企業のベトナムでの現地生産=直接投資を促進させることができる。

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2014年6月15日 (日)

淡路島に蕎麦を食べに行く:翁

大阪や神戸から高速道路の「徳島」に向かう標識に従って、明石海峡大橋を超えて淡路島の北淡インターチェンジで下車。1402749760321所要のための昼食で「翁」(おきな)を利用した(写真上)。この蕎麦店、淡路島の知人に紹介してもらったのだが、蕎麦が品切れで閉店。2回目は、その時の案内に基づいて店にたどり着いたが、定休日で閉店。ようやく3回目で念願の食事が実現した。もっとも最初から「美味しい蕎麦屋」とだけ記憶していて、その店名は今回に初めて知った。1402749788664「ざる蕎麦」が700円。しかし少量のために追加のお代わりが欲しい。いわゆる「替え玉?」であるが、そのメニューがないので再度「ざる蕎麦」の注文が必要。私は最初に「鴨せいろ」を注文したので、その後に「ざる蕎麦」にした。

同じ「ざる蕎麦」ではなく、土日曜日の限定の「田舎蕎麦」にすればよかったと、後から反省した。蕎麦の種類が違うらしい。

ともかくお店の場所は、緑に囲まれた山中の田園の一画であり、非常に分かり難い。事前の準備と、地元の人々に場所を聞いて確認することを勧めたい。

その味は十分に食する価値がある。なかなかの「こだわり」の蕎麦。いわゆる経営戦略で指摘される「差別化」の典型である。品質を重視し、価格競争しない。「美味しい物の値段が高いのは当たり前だ」。

私が店主なら、蕎麦の「替え玉」を500円にするか、または「ざる蕎麦」1,000円にして、もう少し量を増やす。「天ぷら蕎麦」などメニューの多様化は必要ない。蕎麦それ自体の品質で十分に他店と勝負できるし、それで勝負するべきであると思う。

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2014年6月14日 (土)

ベトナムの英雄・ザップ大将が存命ならば・・・

ベトナムの伝説的な英雄、ボー=グエン=ザップ大将が逝去したのは2013年10月4日。その後、ザップ大将の自宅の弔問客が写真のように長蛇の列であった。Cimg0365その後、中国の李克強首相がハノイを訪問し、ザップ大将を弔問し、さらにベトナムのズン首相と「戦略的パートナーシップ」の新たな段階に入ることに合意した(Viet Nam News, October 15, 2013)。
Cimg0363このような両国の友好関係の促進が期待されていた時、南シナ海(ベトナムでは東海)における中国の不法行為が2014年5月初頭に発生した。

普通に考えて、握手しながら、同時に足を踏みつける相手を信用できない。しかし、握手する人と足を踏みつける人が別人の場合、それは納得できる。この意味は、中国の政治権力の求心力が十分でないということである。いずれにせよ、中国が何を考えているのか不明である。

ベトナムの英雄ザップ大将が亡くなってからの中国紛争の発生ということを考えれば、さらに本当にザップ大将を死亡したかどうかを中国首相が確かめに来たとすれば、それほどに中国は、天才的な戦略家ザップ大将を恐れていた・・・これは私の妄想であるが・・・と言えないこともない。(注:晩年のザップ大将は寝たきりになっていたと言われている。)

いずれにせよ、ザップ将軍が存命なら、今回の中国紛争に対してどのような戦略を策定するか。興味ある問題である。

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2014年6月13日 (金)

ダナン現地の様子を知りたい

「現場主義」を自称している私としては、今こそダナンを訪問したい。理由は次の通りである。

1.南シナ海(ベトナムでは東海)の中国船によって傷つけられたベトナム船がダナンで修理されている。この被害はどの程度であるか。ダナンの人々の意見はどうか。この写真は、TheJapanTimes,June 10, 2014の第1面に大きく掲載されている。

2.中国系の5星ホテルであるクラウン=プラザ=ホテルの今はどうなっているか。中国人観光客が激減していると想像されるのだが、その実態はどうか。もちろん中国人全体の観光客の動向を知りたい。P10404803.ダナンに海上自衛隊の「くにさき」が寄港した。この目的は医療支援や文化交流のために米国・オーストラリアとの合同演習に参加することである。ダナン在住の日本人が艦上に招待された(6月7日・8日)。これは『日本経済新聞』(2014年6月7日)などで報道されている。前回の海上自衛隊のダナン寄港は昨年の「練習船」であったが、今回は「現役」である。その相違を体感したい。

4.6月になってダナン市役所のビルは無事に竣工したのであろうか。7月16日からは成田ダナンの直行便が週4回の予定で就航する。この直行便は、果たして中国人観光客の減少を補填できるのか。

以上、日本にいながら、ダナンに対する興味は高まるばかりである。

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2014年6月12日 (木)

ベトナム政府内の「親中派」:ロビイストの活動?

すでに紹介した『日経ビジネス』(2014年6月9日、111頁)では、「政府内に対中政策を巡る対立があると指摘する」。「中国政府に親近感を抱く勢力」もあり、「電力などの輸入で中国に依存している以上、中国に配慮するしかないと考える人々もいる」。

ベトナム政府内の「親中派」は、いわゆる中国ロビイストの影響を受けた人々と考えればよいかもしれない。「ロビイスト」は米国で普通に存在している。

ズン首相の就任時、ズン氏は中国留学経験者だから「親中派」である。日本との関係が疎遠になるという指摘があった。しかし実際、それは杞憂に終わっている。

また、私の親しいベトナム人は5年間の中国留学経験があり、「知中派」(中国を熟知している)であるが、「親中派」ではない。中国を冷静に分析する立場である。

このように中国留学組が、冒頭の「中国政府に親近感を抱く勢力」と完全に一致しない。それなら中国からの「ロビー活動」が存在しているのではないかと私は考えている。

日本も、こういったロビイスト活動が必要ではないか。いわば公式の外交活動を補完したり、政府から独立・自立した活動の活発化である。これは既存の各種友好団体の活動とは少し違うような気がする。この問題の検討と実践も日本とベトナムの政治経済関係の促進にとって有益であろう。

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2014年6月11日 (水)

ベトナム人は意気軒高

『日経ビジネス』(2014年6月9日)「反中暴動に見るベトナムの憂鬱」(108~111頁)は、英文紙FINANCIALTRIMESの記事を紹介している。

「ベトナムについての権威であるオーストラリアのカール・セアー氏」は次のように述べている。

ベトナム人はそれほど親中ではないが、「隣の大国は、こちらが相手に対してできないことをこちらに対してすることができる。そんな大国を敵に回してどうするのか」と彼らは言う。「中国が挑発をエスカレートさせたら、ベトナム政府はどう苦境を切り抜けられるというのか」。

これが政府の統一見解であったとしたら、その弱腰に対してベトナム国民は怒り心頭であろう。今回のハノイ訪問で面談した女子大学生ですら「戦争になったら中国と戦う」と言っている。

セアー氏が情報源とするベトナム人と、私のそれとは階層や立場が違っているように思われる。確かに中国と戦争になれば、ベトナムから逃げ出すというベトナム人もいるが、それは富裕層または外国に人脈のある一部の人々に限られている。

ほとんどのベトナム人は、特に若者は幼少の頃からの教育の成果でもあるが、高い愛国心を保持している。ベトナム人は意気軒高。「中国は怖くない」(ビンディン省ロック知事)である。

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2014年6月10日 (火)

平和維持するベトナムと戦争準備する日本

ベトナムと中国の東海(南シナ海)の領土紛争は、日本と中国の尖閣諸島(東シナ海)における中国の挑発を想起させる。

中国の領土に対する覇権主義(簡単に言えば「上から目線」「自己中心」)の拡張路線は共通しているとして、それに対するベトナムと日本の戦略は相違しているように思われる。

私にはベトナムは平和維持、日本は戦争準備に向かっているように思われる。日本の戦争準備とは、すでに成立した「特定秘密保護法」や、現在議論されている「集団的自衛権」行使である。

ベトナムも日本も戦争の惨禍を十分に理解しているはずである。軍事力で中国に圧倒的に劣勢と思われるベトナムですら、またはそういったベトナムだからこそ、平和を志向した言論・外交手段による紛争解決の戦略を提起している。このベトナムから日本は学ぶことがあると思われる。

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2014年6月 9日 (月)

ズン首相:中国の「隷属に甘んずることはない」

ベトナムのズン首相はフィリピンを訪問し、ベトナム側からの軍事力行使の可能性を否定しているが、「主権は神聖であり、いつ訪れるかわからない平和・友好のために今は隷属に甘んずることはない」と明言した(6月6日講演会、古田元夫氏・東京大学教授)。

ベトナム側からの軍事行動を否定しながら、中国に隷属しないということは、大多数の国民の反戦と愛国心の気持ちを代表するものであると思われる。

ズン首相のフィリピン訪問は「世界経済フォーラム東アジア会議」の出席が目的であったが、ここで次のようにも述べている。「中国は我々の正当な要求に応えないばかりか、ベトナムを中傷、批判する一方です。彼らは海域での威嚇行為をエスカレートさせています」(『日経ビジネス』2014年6月9日、25頁)。

これらは、ベトナムが排他的経済水域であると主張している東海(南シナ海)において、中国が一方的に石油探索施設を建設したことに対する言論での反撃である。

ベトナム南部の「反中デモ」が暴徒化し、残念ながら死者が出たが、少なくとも今後、ベトナムは軍事的な先制攻撃はしないと明言している。これに対する中国の対応が注目される。

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2014年6月 8日 (日)

松坂慶子さんラジオ出演:「寄り添うベトナム人」

松坂慶子さんのハノイ訪問中にラジオ出演していただいた。その内容は、6月8日(日)と15日(日)の2回に渡って放送される。放送時間は午後5時~5時10分。

参照 http://www.mbs1179.com/genki/

ここで松坂さんは「寄り添って生きるベトナムの人々」というキーワードを述べられた。これは、ベトナム人の気質を特徴付ける的確な表現である。こういった感性が、さすがに大女優なのだと納得した。

家族を中心にした人々の相互扶助は、ベトナムの歴史の中で根付いた「生活の知恵」のようなものである。昭和30年代、私の子ども時代の日本もそうであったように思われる。

大森一樹監督、映画「ラストライフをベトナムで」(仮題、原作「越後のBaちゃんベトナムへ行く」)では、こういった暖かい心情が描かれることを期待したい。

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2014年6月 7日 (土)

ベトナムでは「南シナ海」を「東海」と呼ぶ

日本ベトナム友好協会大阪府連合会が主催するベトナムのセミナーが、6月6日(金)午後6時30分から以下のように大阪で開催された。

・講演者:古田元夫・東京大学教授(日本ベトナム友好協会会長)

・講演テーマ:ベトナムの内外情勢と東海(南シナ海)問題

古田先生の著書は何冊か読んだこともあり、また何度かハノイの空港で偶然にお目にかかったことがある。しかし、こういった講演をお聞きするのは初めてである。なお、松坂慶子さんのハノイ訪問でお世話になったタム先生は、古田先生のお弟子さんでもある。

古田先生は、現在のベトナム中国紛争の理解について、豊富で有益な情報や知見を開示された。それについては適時、本ブログでも紹介したいと思う。ここでは最初に、初歩的な言葉の問題について検討する。

一般の呼称である「南シナ海」をベトナムでは「東海」と呼ぶ。確かに、今回のハノイ訪問でも、ベトナム人の友人は「東海」と強調して呼んでいた。

しかし日本で「東海」というと一般に誤解が生じる。(1)日本の東海地方と誤解される。(2)日本人にとって「東海」が南シナ海とは認識されにくい。古田先生は、この2点を指摘されていたが、次の問題もありうる。(3)日本海を韓国が「東海」と呼ぶ日韓問題と混同される懸念がある。

ベトナムと韓国が共同して「東海」という呼称を使用するように国際社会に共同戦線で要求する・・・。歴史背景や事情が異なり、実際にありえないことだが、これは「悪夢」だ。やはり無難な「南シナ海」の呼称がよい。ただし特にベトナム人に対して私は「東海」(東の海)を使用することにしたい。

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2014年6月 6日 (金)

ベトナム・ハノイ訪問(9):松坂慶子さん「ベトナム元気!」出演

6月8日(日)午後5時~5時10分。毎日放送(1179)MBSラジオ番組『上田義朗のベトナム元気!』は必聴。松坂慶子さんが特別ゲストで出演である。

http://www.mbs1179.com/genki/

彼女の話しぶりを隣で私は聞いていたが、まるで「気持ちが吸い込まれるような語り口」である。プロの女優とは、こういうものなのだ。

http://www.mbs1179.com/spwk/

この番組では、松坂慶子さんがハノイで選んだ「刺繍のバック」が1点、リスナーにプレゼントされる。そのほかに夏向きのバッグが5点加わる。豪華プレゼント、ご期待下さい。

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2014年6月 5日 (木)

ベトナム・ハノイ訪問(8):松坂慶子さんとホーチミン廟

女優・松坂慶子さんは、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を3回受賞されている。『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』(1981年)、『蒲田行進曲』(1982年)、『死の棘』(1990年)。さらに2009年の叙勲では「紫綬褒章」を受章。日本映画界を代表する女優である。Cimg7034その松坂さんが、日本ベトナム合作映画「ラストライフをベトナムで」(仮題=原作『越後のBaちゃんベトナムへ行く』の主演女優として、その役作りと製作発表の記者会見のためにベトナムを初めて訪問。上記の写真は、ホーチミン廟の前で記念撮影である。

その後、「軍事博物館」と「女性博物館」にお連れした。松坂さんのベトナムの歴史を勉強したいというご希望があったからである。Cimg7095_2       写真左は、スタイリストの松田綾子さん

ベトナム人・ベトナム女性の忍耐力や逞しさを理解して頂けたと思う。なお、映画製作の企画協力として、三進ベトナムの新妻東一さんには本業があるにもかかわらず、通訳や案内などでお世話になった。映画製作は、多数の人々の協力と献身を土台にしている。それを実感できた。

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ベトナム・ハノイ訪問(7):中国依存から自立の好機

ベトナム政府、そして政権党であるベトナム共産党が、今回の対中国紛争についてどう考えているか。もちろん中国に対する批判・抗議は当然であるが、ここでは、その本意を私なりに探ってみる。

長期的に考えれば、両国が友好関係を維持していた時期も、ベトナムは常に中国に対して猜疑心をもっていた。もう15年ほど前、私の親しい古参の共産党員は「今は中国と関係が良いが、必ず将来に両国間に紛争が起こる」と述べていた。この意味では、南シナ海における中国の領土侵害があっても、ベトナムは想定の範囲内である。

中国に対する対抗・独自路線の一環としてベトナムはTPP加盟交渉に参加し、中国とは違った経済体制の改革を進めようとしていた。今回の紛争発生によって、この路線が加速されるであろう。ベトナムは、旧ソ連でも中国でも北朝鮮でもキューバでもないベトナム流の社会主義の道を歩む決意を固めたとみなされる。

一般に言って、経済的に過大に一国に依存することは回避しなければならない。経済的な支配・従属関係が生じるからである。たとえば日本と韓国の関係で言えば、韓国は長期・慢性的に対日本の貿易赤字であった。韓国製造業の原材料部品が日本からの輸入に依存していたからである。韓国の輸出が増加すれば、日本からの輸入が増加するという経済関係である。韓国人の対日感情として、日本に対する慢性的な貿易赤字は「屈辱的」という意見はあったが、他方、韓国全体として貿易黒字なら問題ないという韓国人エコノミストの意見もあった。韓国の中小企業(裾野産業)の育成政策など、その貿易赤字対策は中途半端であったように思われる。

ベトナム人の愛国心を尊重して、国連や国際法廷・国際会議で非軍事的に中国と闘い、経済的には中国の一国集中の依存体制を変革する。経済関係の中国集中から分散化・平準化へ。そのための経済的な非利益は長期的ではなく、国民も耐えうるものと予想される。このベトナム政府のシナリオは、多数の国民に支持されるであろう。

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2014年6月 4日 (水)

ベトナム・ハノイ訪問(6):松坂慶子さん映画記者発表

6月3日午後3時30分から、松坂慶子主演の日本ベトナム合作映画「ラストライフをベトナムで」(仮題)、原作「越後のBaちゃんベトナムへ行く」の記者発表を行った。Cimg7007ベトナム人記者が20名、日本人記者も10名ほど集まった。これについては、すでに日本のインターネット上で報道されている。この量と速度は、さすがに大女優・松坂慶子である。
(参照)松坂慶子 ベトナム 検索

松坂さんは、昨年の日本ベトナム国交回復40周年、そして来年2015年のベトナム南北統一40周年の今年、この映画が製作されることに意義があると述べられた。これに加えて私見では、ベトナムと中国の関係悪化している今こそ、日本とベトナムの同じ人間としての交流を描くことが、さらなる日本とベトナムの友好を促進することになる。Cimg6994写真左から、岡田裕プロデューサー、大森一樹監督、主演・松坂慶子、タットビン監督。

タットビン監督は、故・カトリーヌ=ドヌーブ主演の「インドシナ」をベトナム側で製作協力した経験をもち、ベトナムで著名な監督である。彼は、日本人の書いたシナリオであるが、ベトナム人を非常によく描けている作品だと説明した。それについて記者から具体的には何かという質問には「秘密」と答えた。Cimg7002また松坂慶子さんに監督は「バイクに乗ること」を宿題として指摘した。これに松坂さんは「今は、ベトナム語はシンチャオとカンモンの2つしか知らないが、ベトナム語の台詞の勉強も宿題です」と答えられた。大森一樹監督は、ここまで来たら「もう後には引けないが、ベトナムと介護のキーワードの映画で成功しないわけがない・・・」と個人的に私に言われた。

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ベトナム・ハノイ訪問(5):松坂慶子さんとブンチャー

ベトナム訪問中の松坂慶子さん・大森一樹監督らは、日本大使公邸に深田博史特命全権大使を表敬した。深田大使からは、文化庁の助成金を受けた作品について激励のお言葉を賜った。これを受けたベトナムのタットビン監督は、ベトナムと日本の友好のために立派な作品にしたいと力強く返答した。Cimg6954その後に、今回の日本ベトナム合作映画「ラストライフをベトナムで」(仮題)の原作「越後のBaちゃんベトナムへ行く」の著者、小松みゆきさんとお母さんの自宅を訪問した。続いて私のお勧め店、フエ通りの「ブンチャー」で昼食を取った。Cimg6965ブンチャーは、松坂さんにとって初めてのベトナム料理であるが、「美味しい」と言って頂いた。小さなプラスチック製の椅子にしゃがみ込むように座って食べるブンチャーは、ベトナムの特にハノイの代表的な料理である。Cimg6966こういった外見の「汚い」店は、私の意地悪な気持ちが少し込められている。同じ店に学生を何回か連れてきたことがあるが、最初は当惑し、食後はベトナムに少し慣れたような顔つきになる。松坂さんは、私の予想通り、まったく何も最初から問題なく食事を楽しまれた。さすがである。



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2014年6月 3日 (火)

ベトナム・ハノイ訪問(4):松坂慶子さんベトナム初訪問

岡田裕プロデューサー、大森一樹監督、脚本家・北里宇一郎さんに続いて、松坂慶子さんとスタイリストの松田綾子さんがハノイに到着した。Cimg6905 (写真)ハノイのサクラホテルで花束と一緒に

初めての日本ベトナム合作映画「ラストライフをベトナムで」(仮題:原作「越後のBaちゃんベトナムへ行く」)の製作準備のためである。Cimg6913 (写真)ハノイを一望できる「ランドマーク72」(地上350m)で打ち合わせ

空港まで松坂さんと松田さんをお迎えに行ったが、私が手を振って合図して、それにすぐに応えていただいた。これですぐに気持ちは通じたような気がした。言葉遣いが丁寧で優しい声音というのが第一印象であった。こんな女性に会ったことない・・・。Cimg6926 (写真)大森一樹監督と松坂慶子さん(夕食会)

ベトナムのイベント企画製作会社ドンドショー社のオアイン社長の主催で夕食会。ここで原作者の小松みゆきさんと感動の対面であった。ハノイで認知症のお母様(94歳)と暮らす小松さんの著作を読んで、松坂さんが感動と共感を覚えたことが映画出演の動機であった。松坂さんご自身が95歳のお母様を介護されている。Cimg6933 (写真)左からオアイン社長、タム先生、小松さん、大森監督、松坂さん

写真上のタム先生は貿易大学元教員。現在は日本ベトナム経済交流センター顧問の仕事もしていただいている。15年近い付き合いで何でも言える信頼関係を作ってきた。彼女が、オアイン社長と本当の意味(=言葉の移し替えだけではない含意)の「通訳」をしてくれた。彼女がいてこそ合作映画製作は前進している。

小松さんは、バイクで颯爽とお母様の待つ自宅に帰ったが、松坂さんから「かっこいい・・・」という一言があった。ご自分が本当に演じたい役なのだと実感できた。

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2014年6月 2日 (月)

ベトナム・ハノイ訪問(3):対中国紛争の経済的影響

ハノイでの取材の結果は次の通りである。

1.レストランの女性店員・・・「中国は良くない。中国は嫌い。」
以前から多数のタクシーの運転手も同じことを言ってきた。

2.台湾や香港の会社・・・中国企業ではないが、働いている技術者は中国人。いつもの市場で中国人には物を売ってくれなくなった。ベトナムで働くことは気にしないが、中国の家族が危険だから帰国するように言っている。家族のことを考えて、やはり帰国することにした。この会社、どうすれば操業を継続できるか。

3.日系企業・・・中国からの部品が入ってこなくなったら操業できない。将来が不安だ。

これまでのベトナムと中国の友好関係を破壊する契機が、中国による石油採掘施設の建設である。国際的に見て中国に紛争の原因があることは明白である。経済利益を優先して、この不当な建設をベトナム政府が容認すればどうなるか。

ベトナム国民は中国に対して「屈辱」と「忍従」を強いられる。強い愛国心をもったベトナム人は、政府批判を強めるだろう。貧富の格差や贈収賄の問題にまで批判の対象が拡大する可能性もある。一般のベトナム人は政治に通常は無関心である。しかし特に領土問題はベトナム人に「愛国心」を惹起させる「琴線」であるとみなされる。

経済成長を優先にして対中国紛争にベトナムが妥協すれば、政府批判は拡大・深化する可能性が高い。「経済的な利益」と「政治的な不安定性」のいずれをベトナム政府は選択するか。次第に表面化する経済的不利益に伴う不満・不便と中国に対する「屈辱」や「忍従」のいずれをベトナム国民は選択するか。

今後のベトナム経済の動向は、上記の2つの選択に大部分が依存するように思われる。なお、この選択において不可欠の判断材料は、今回の紛争がベトナムと中国の二国間ではなく、ベトナムを含むアセアン諸国、さらに東アジア全体と中国の多国間の問題であるという認識である。けっして今日のベトナムは孤立していない。

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ベトナム・ハノイ訪問(2):大森一樹監督

大森一樹監督は、現在は大阪芸術大学の教授に就任されている。今回のハノイ訪問では、率直な印象を言わせていただければ、やはり「教授」というよりもプロの「映画監督」である。機内では「スポーツ新聞」を熱心に読んでおられたし、ハノイの空港でもカメラを持って各所を撮影されていた。「E.T.」のTシャツもそれらしい。しかし大学に戻られると、おそらく「教授」に変身されるのだと思う。Cimg6896  (写真)ハノイのノイバイ空港で大森一樹監督

今回のベトナム訪問の目的は「ロケハン」である。つまり、ロケーション(撮影場所)をハンティング(渉猟)する。通常の映画は、ロケとセットを組み合わせた撮影になるが、果たしてベトナムでそれが可能かどうか。可能にするために何が必要か。こういった問題を検討する。Cimg6897同行者は、映画製作会社アルゴピクチャーズ社長の岡田裕さん、脚本家の北里宇一郎さんである。岡田さんは映画制作の責任者。北里さんは今回の訪問で既存の脚本の書き直しも検討されている。皆さんが満足して日本に帰国されることを支援するのが私の仕事である。

もっとも現在、毎日新聞社『エコノミスト』誌の原稿執筆を依頼されている。その執筆直前のベトナム訪問であり、この意味で研究活動の一環でもある。ハノイの街は平穏である。

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2014年6月 1日 (日)

ベトナム・ハノイ訪問(1):関西空港の騒動

関西空港で、大森一樹監督と午前9時に待ち合わせた。その後にハノイに向かう。大森監督と言えば、数日前に同氏が監督した「ゴジラ対メカゴジラ」が衛星放送で放映されていた。その前には「走れイチロー」を見た。

なお、おそらくベトナムでは、米国発の新生のゴジラが映画公開されている。日本よりもベトナムでは一般に米国映画の公開は早い。それだけ国内映画の本数が少ないという事情もるのだろう。

それはさておき、今回のベトナム訪問は、いつものマイペースとは異なっている。その最初の障害は、何とパスポートを自宅に忘れてきた。これは不覚である。これで決定的に妻には頭が上がらなくなった。Cimg6894(写真)関西空港のベトナム航空のチェックインカウンター

10時30分の出発だが、10時15分までチェックインを待ってくれることになった。実際には9時45分に妻の自動車が到着。その後、女性職員に荷物検査や出国管理の行列を優先してもらって無事に機内に到着。行列に割り込んでゴメンナサイ。いやはや、この先がどうなるか・・・。

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ベトナムに対する中国の経済制裁はありうるか?

ベトナム政府が、南シナ海における中国の紛争について、国際法廷に提訴する可能性がある。そうなれば、中国はベトナムに対する経済制裁で対抗するという指摘がある。
参照 http://news.nifty.com/cs/world/chinadetail/rcdc-20140531022/1.htm

さらに東南アジア諸国は、中国との経済関係が強いから、ベトナムを含めて中国に強硬に対処できないと米国の研究者が意見を述べている。

これは、経済的な影響力を背景にした政治的な覇権主義の「やりたい放題」の中国の行動を、周辺のアジア諸国は容認せざるをえないという見解である。

果たしてベトナムは、中国に妥協するのか? アセアン事務総長が偶然にもベトナム人であることを考えれば、また長きに渡る中国支配からの独立を常に志向してきたベトナムとしては、さらに1979年の中国との軍事衝突を経験したベトナムとしては、たとえ中国が経済制裁の持ち出してきても、そう簡単に引き下がるわけにはいかないであろう。

中国の領土侵害をベトナムが簡単に容認できない理由は、それが自己の存在を脅かすからである。ベトナム共産党が英雄的な多大の犠牲を払って、フランスや米国から国家の独立を獲得してきたことが、同党の「権威」として青少年に教育され、そのことが現在も「一党独裁」体制を維持できる理由の一つであると思われる。ここで中国に簡単に屈服すれば、その「権威」が失墜する懸念がある。それは体制崩壊の可能性の増大に直結している。

他方、ベトナム国民は中国紛争に伴う経済損失に耐えうるたけの愛国心をもっている。「自由と独立ほど尊いものはない」という故・ホーチミン国家主席の言葉は、ベトナム人にとって日常的に意識されているように見えないが、より深い部分、たとえばDNAに埋め込まれているかのようである。したがって領土の侵害に対して強い愛国心が発揮される。

ベトナムは、国民の愛国心に訴えて、中国が発動するかもしれない経済制裁を甘受する。それと同時にアセアン諸国・韓国・インドそして日本などの経済関係の拡大によって、制裁に関連する損失を補完する。こういうことが可能かどうか。

南シナ海の対中国紛争は、ベトナム政府、さらにベトナム共産党が直面する最大の試練であるとみなされる。

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