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2014年5月 1日 (木)

「国営企業の改革」の論点:日本経済新聞(4月26日)の記事

『日本経済新聞』(2014年4月26日)は、ベトナム上場企業の外国人所有枠を60%に引き上げることを報道している。さらに国営企業の改革が加速されると指摘し、ベトナム航空の株式公開では全日空が株式取得をする可能性があることも示唆されている。この措置に伴って再び株式市場が活性化することは確実である。

ハノイに向かう航空機の中で同記事を読んだ。ちょうど直前に「国営企業の改革」について本ブログで議論したばかりである。そこで私が注目する論点を指摘したい。

1.「国営企業の改革」の内容は何か。
企業の株式所有の観点から言えば、次のような手順が本来の民営化である。①株式会社化=株式公開、②政府所有株式の減少、③政府所有株式が少数化、④政府の影響が解消、⑤民営化の達成。

以上の⑤の段階に至って「民営化」が完成する。③の段階でも、政府以外の株主が分散化していたり、政府系会社であったりすれば、政府は十分に「元国営企業」に影響力を発揮できる。これは厳密に言えば、依然として「国営」であることを意味する。

2.「株式会社化」や「株式公開」が国営企業の「改革」を直ちに意味しない。
株式会社化すなわち株式公開することで、少なくとも税務内容の情報開示や会計監査が適正に実施され、国営企業の改革は前進する。しかし本来の目的である国営企業の経営効率化は、株式会社化によって促進される材料にはなるが、自然に達成されるわけではない。

即効的な改革として実績ある国内外の民間経営者を起用する。
国営企業の改革が急務であるとすれば、上記で説明した本来の民営化までの時間的な余裕はない。そこで経営効率化のために、国営企業のままで、つまり政府が株式の過半数を所有したままで、経営には、実績のある専門経営者を起用することを提案したい。それは民間企業出身でベトナム人でも外国人でもよい。所有は政府=国家、経営は民間専門経営者。これが、まさに「所有と経営の分離」である。

4.経営効率化のために経営者評価を明示化・徹底する。
「株式会社化」したので「国営企業の改革」が完了した。こういった考え方では、本来の目的である経営効率化が前進しない。より効果的な方法は、経営者の評価を明示化・徹底することである。これは、国営企業のままであっても可能である。株式会社化しているので、経営内容の開示は改善されている。それに伴って経営者の評価も容易になる。評価基準を明示化し、成果主義を経営者に導入することが適当であると思う。

以上のような論点を私は提起したい。なお、このような提案は、国営企業の改革に限らず、「所有と経営が一致」している企業すべてに妥当する。自分が会社を所有しているから、経営者である自分を甘やかす。零細企業や中小企業なら、このような「甘え」が過剰になると会社倒産を招くから抑止力が働く。しかし国営企業すなわち大企業であれば、経営者は自分に「甘く」なる。さらに経営者のみならず、従業員も「甘える」。この事態の改善こそが「国営企業の改革」の本質であると思われる。
 

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