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2014年4月30日 (水)

ハノイの近代的な先端住宅「タイムズシティ」の生活

ベトナムのビンコム=グループが建設したハノイのロイヤルシティ、それにタイムズシティ。これらは先端の近代的な住宅である。写真下は、タイムズシティの指紋認証による鍵である。日本でも、こういったアパート(=マンション)は寡聞である。よく外国映画に出てくるように、不正に鍵を開けるために指が切断される。こんな怖いことを想像して指を差し込んだ。Cimg5921また地下のショッピングモールの集客のためのイベントも開催され、なかなか健闘しているそうである。地下の水族館だけでは飽きられて集客に限界があると私は指摘したが、それが反映されているかのようである。Cimg5920写真上は、警察の行進である。近くに警察学校がある。そのための訓練の様子である。音楽を流しながらの行進は、これも一つのイベントになっている。写真下は、17階からの風景である。ホン川が見えて、その向こうがイオンモールが建設中のロンビエン地区である。Cimg5916タイムズシティの住人に聞くと、上階の生活音が少し気になるということであった。おそらく床それ自体が薄く、また床材に防音素材を使用していないのである。また、こういった高層住宅の懸念は数年後の地盤沈下や、建物の傾斜である。この建設地区の地盤が軟弱であるとすれば、強固な基礎工事が必要である。Cimg5922_2日本の建設会社であれば一般に安心なのだが、そうでない場合、こういった問題の確認が求められる。昨日、イオンモールが自動車で10分間の距離に建設され、不動産価格が上昇するかもしれないと指摘したが、こういった建物それ自体の欠陥が発見されると、不動産の資産価値が低下することになる。

私は、この不動産物件、上記のようなリスクがあるとしても、全体の総合点で言えば、日本よりも魅力があるように思われる。少なくともベトナムで日本のような大地震は発生しないのだから・・・。

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2014年4月29日 (火)

ハノイの「イオンモール」建設現場を見る

ハノイ中心部からホン川の向こう側、タインチィ橋を渡った右側にベトナムで3号店となるイオンモールが建設中である。Cimg5948写真上は、サイドンB工業団地に含まれるIT公園の入り口であるが、イオンモールの敷地は右側の奥の方である。写真下は、タインチー橋であり、その背景となっている高層住宅は、ビンコムグループが建設したタイムズシティである。このタイムズシティからイオンモールの敷地まで自動車での所要時間は10分ほどである。Cimg5990タイムズシティの住人の買い物は住宅地内の韓国系コンビニのKマート、それに地下街のショッピングモールである。それに加えて近距離にイオンモールができれば、買い物は非常に便利になり、その住宅分譲価格は上昇するのではないか。

かつての日本のように、大型ショッピングセンターが建設されると、その周辺の不動産価格が上昇する。ショッピングセンターは、その地価が上昇した不動産を担保にして銀行融資を受け、次のショッピングエンター建設の資金に充当する。こういった「ショッピングセンター建設の連鎖」がベトナムでも発生するかもしれない。Cimg5979写真上が建設現場の入り口である。「イオンモール=ロンビエン=ショッピングセンター」が正式名称であり、施工は大林組、所有者はイオンモール=ヒムランとなっている。敷地内には数機のクレーンが立ち並んでおり、工事は着々と進行中のようである。

すでに開店したホーチミン市の店舗や開店予定の南部ビンズン省の店舗経営のノウハウが北部で生かされるのかどうか。南部と北部の消費者動向に相違はあるのか。注目の開店予定は2015年である。

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2014年4月28日 (月)

亀田製菓のベトナム新製品「イチ」:これは美味しい!!

亀田製菓は、ベトナム民間企業(米菓ONE ONEなど生産)の工場内でベトナム国内向けの製品を昨年から販売している。

最初の製品は、すでに本ブログで紹介したYORI(ヨリ)であったが、第2弾の製品は、写真のようなICHI(イチ)である。数日前に発売されたばかりで、価格は1万ドン(約50円)となっている。Cimg5908これは、日本の類似品で言えば、「ぼんち揚」(ぼんち株式会社)である。ただし写真下のように、中味8個包装が別々になっていて高級感があり、乾燥剤まで入っている。味は、日本の「ぼんち揚」よりも薄味であり、塩分控えめの私のような高血圧の人間には非常に適切である。また包装のように蜂蜜などが加えられており、健康志向を訴えている。これは日本でも人気が出るのではないか。合格点の味である。Cimg5911製品の命名は販売にとって重要と思われるのだが、最初の「ヨリ」に続いて、今回は「イチ」。私の最初の連想は、勝新太郎の「座頭市」であった。大原麗子・中野良子・大谷直子・樋口可南子など勝新太郎の相手役女優が「イチさん・・・」と甘い切ない言い回しで呼ぶ台詞を想い起こした。

このような連想は少数派であり、本来は「味や品質が一番」の「イチ」に由来と思われる。しかしながら、最初の商品名が「ヨリ」だから、そんな単純な理由の命名ではないと考えてしまう。ベトナムの亀田製菓、さて次の商品名は???と大いに期待させられる。

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2014年4月27日 (日)

ハノイの空港で見た風景:ベトナム航空の情報開示

ハノイのノイバイ空港の拡張工事が進んでいる。大成建設とベトナム国営企業(ビナコネックス)の共同事業である。Cimg5874空港では手荷物検査があるのだが、私の経験では、まったく形式的である。しかし今回、ベトナム航空のCA(客室乗務員)の「黒い旅行カバン」が、かなり入念に検査されている場面を目撃した。

これは想像であるが、日本の盗難品のベトナム運搬事件の影響であると思われる。事件以来、ベトナム航空は日本からの航空便のCAの荷物を入念に検査しているのであろう。日本の警察からの依頼があったのかもしれない。

以上は私の推測であり、正確な情報ではない。しかし、こういった対応を本当に実施しているとすれば、それをベトナム航空は積極的に公表するべきである。まさに「有言実行」である。

自社の不祥事に対して、迅速に的確に対応することは企業や製品のイメージの毀損を最小限にするために不可欠なことである。そのための原則は、正確な情報の開示である。これは日本企業では当然であるが、ベトナム航空では対応されていないように思われる。

少なくともベトナム航空のカードを所有している人々には、さらに日本人の利用者には会社から何かの連絡があって当然である。プラチナカードを所有している立場(=ベトナム航空の愛用者)からの要望である。・・・・・・ベトナム航空に以上の提案を伝えてみようと思う。

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2014年4月26日 (土)

ベトナム・ラオスに出発:「分析フレームワーク」私見

連休を利用してベトナム・ラオスを訪問する。最新情報を現場から収集・発信する。これが私の研究調査の行動様式のようになってきた。Cimg5862昨日、書店で立ち読みしていたが、「分析フレームワーク」で仕事はできないという意味の書籍があった。これは、ほとんど妥当な意見である。

分析は、あくまでもビジネスの事後的な整理のための手段だからである。これを実践的に使用するなら、フレームワークを逸脱する事実に注目するべきであろう。そこに何かチャンスが秘められているかもしれない。

また、よく使用される実践的なフレームワークとして、PDCA(計画・実行・検証・「改善」行動)がある。「PDCAを回す」というのだが、私見では、この回転のための動力・推進力として、強いリーダーシップが必要である。

では、この「強いリーダーシップ」とはどんなものか? 本当に人を動かすためには、日本の場合、上位者からの命令・指示は有効でない。「面従腹背」が常である。ではどうすれば・・・。議論は延々と続く。

こういった実践的な議論を煮詰めなければ、PDCAは単なる「かけ声」で終わる。結局、「強いリーダーシップ」とは「リーダーが自ら責任を取る」ことだと私は思う。そういった覚悟がなければ、リーダーシップは強く機能しないのではないか。

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2014年4月25日 (金)

全神経を集中して人を評価する

大学で1時限目の講義を終えて大阪市内に向かい、、昼食を東証1部上場企業の元社長とご一緒した。

いろいろと3時間もお話することができた。そこでの印象深い話の一つが、タイトルの言葉である。まず私が電話して面会約束の日時を決めたのだが、その時に全神経を集中して、私がどんな人間かを評価していたというのである。

これに私は「なるほど」と思った。ビジネスは結局、人と人との関係である。その人を評価することがビジネスの端緒または出発点である。その場合、人間観察が最重要である。

3時間の面談の後、私の評価はどうだったか? いつもは学生を評価するのだが、今日は評価される立場になった。これも貴重な経験である。

追記:人物評価についてベトナム人に限らないが、日本語や英語が上手と言っても、それでビジネスができるということにならない。少しでも疑問があれば、それを無視しないで、それを念頭に置いて商談を進めることが重要であろう。この場合、相手がベトナム人なら別のベトナム人に人物をチェックしてもらうことも適切である。優秀な経営者ほど他人の言うことを聞かないなどの欠点もある。

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2014年4月24日 (木)

(株)間口でビンディン省のロック知事と再会

ベトナム中部・ビンディン省の「投資・商談ミッション団」が、ロック知事と代表として大阪に滞在中である(注:今週の土曜日26日に帰国予定)。

ビンディン省については、私が副理事長となっている(社)日本ベトナム経済交流センター(http://www.j-veec.or.jp/)が、在大阪ベトナム総領事館からの依頼によって、これまで関西で投資懇談会や日本企業とのビジネス紹介を行ってきた。

今日は、大阪南部の高石市役所や高石商工会議所を訪問した後に、ビンディン省の訪問団(18名)に対するを歓迎会が開催された。これには、高石市市長夫人やティーン総領事も出席された。Cimg5848この懇親会は(株)間口が主催である。同社には「相撲部」があり、本年8月にビンディン省の首都クイニョンで開催される「世界武道大会」(2年に1回開催)に相撲部員を派遣する予定である。本ブログでも、この「世界武道大会」については紹介している。また、写真上は同社の相撲部の練習場である。床板を取り外せば、土俵になっている。(株)間口については次を参照。 http://www.maguchi.co.jp/modules/profile/maguchigroup.htm 

Cimg5844この懇親会で私は旧知のロック知事やズン副知事とお目にかかることができた。ご招待を賜った(株)間口に感謝を申し上げたい。上記の写真はロック知事との「お酒交流」である。1つのグラスで半分ずつお酒(日本酒)を飲む。これは、ひょっとして「兄弟の盃」の意味ではないか・・・?。

ベトナムには、親しい友人間で「アンエム(Anh Em):兄弟」関係が存在する。これまで私は、ハノイのブー=バン(Vu Ban:日本ベトナム経済交流センター前ハノイ代表、ベトナム鉄道労働組合元委員長)と兄弟である。

ベトナムではハノイ・ホーチミン市・ダナンに次いで、ビンディン省も気になる不可避の場所になってしまった。

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2014年4月23日 (水)

国賓の来日:オバマ大統領とサン国家主席

米国オバマ大統領の来日が注目され、国賓待遇であることが強調されている。TPPや安全保障など日米間の重要な政治的な課題を考えれば、それは当然である。

そういった米国大統領の直前の国賓は、本年3月に来日したベトナムのサン国家主席(=大統領に相当)であった。年間の国賓待遇の件数が制限されている中で、いかに日本政府がベトナムを重視しているのかが理解できる。

ただしオバマ大統領の来日の場合、安倍首相は銀座の「寿司屋」を最初の会食の場所とした。両国間の特別に親密な関係を国内外に示すためには、首脳同士の個人的な交流を演出する必要があるようである。

それでは果たして安倍首相とサン国家主席の間に何らかの個人的に親密な交流があったのだろうか。同じ国賓であるなら、対応内容は異なっても同じ気持ちでの接待が安倍首相には求められる。そうでなければ、ベトナム国家主席に失礼ではないか。また国賓に対して公平な接遇をされている天皇を始めとする皇室にも失礼ではないか。ただしマスコミが報道しないので詳細や実態は不明である。

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2014年4月22日 (火)

ベトナム国営企業の改革:追記

ベトナム国営企業の改革が必要ということを議論したが、これまでにも国営企業の改革は進められてきた。

現在でも、一定期間の悪業績が続く国営企業の経営者は解任されており、上意下達の官僚的な「厳格性」はベトナムに存在している。

経営破綻した国営造船会社ビナシンの経営者が懲役刑を受けたことを想起すれば、これまでの日本企業の「株式持ち合い」に基づく「なれ合い経営」の経営者に対してよりも厳しい規律がベトナムで機能しているという印象を私はもった。

ただし国営企業の経営者が自己保身のために、政府首脳に対する贈賄や粉飾決算を行う懸念がある。それを防止するために厳しい刑事罰が用意されている。

ここでの一般的な論点は、企業経営者に対する規律のあり方の問題である。国営企業の株式会社化は、企業経営者を規律付ける主体が政府から株主に移換するという意味である。ただし政府による規律付けが放棄される必要はない。

ここでの私の主張は、企業経営者に対する規律を厳守させるためには、国営企業の株式会社化によって、それまでの政府による厳格な法的規制に加えて株主による規律(具体的には株価下落やM&A発生として表出)を機能させるべきだということである。

政府と株主の両方からの規律によって経営者は、企業経営の合理化・効率化を推進する。そうであるからこそ経営者は高く評価され、それに応じた報酬を受け取る。このような考え方は、ベトナムで受け入れられるのだろうか。

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2014年4月21日 (月)

ベトナム4つの改革(5):インフレ抑制と経済の安定成長

インフレ抑制を重視した手堅いマクロ経済政策運営を続け、経済の安定成長を図ることも重要です」(194頁)。

これは現在のベトナム経済政策の基調となっており、上記の主張は「改革」の提案ではなく、「今後も継続するべきである」という趣旨である。

こういった経済政策の運営についてベトナム政府は、重要な融資元である国際金融機関(世界銀行・国際通貨基金・アジア開発銀行)ODA最大供与国である日本のエコノミストの助言や提案を素直に受け入れているとみなされる。

ベトナム政府や中央銀行は、自らが直接操作可能な政策変数(金利・為替・通貨供給量・・・)などについて、紆余曲折や失敗はあったものの、最善の努力をしてきたという印象を私はもっている。それは上記のエコノミストの影響力も大きいと思われる。

それに対してベトナム政府の「苦手」は、自らの「組織改革」である。これはベトナムに限らず、日本を含む多数の組織に共通した課題である。慣行や慣例が重視される官僚組織が健在であり、そのほかに濃密な個人的な「人間関係のシガラミ」が存在する。これらを打破する改革の推進には、一般には強力な意志をもったリーダーシップが求められる。

しかしベトナムでは、こういった「強力な意志をもったリーダーシップ」が生まれにくい体質がある。ベトナム政府の意思決定の特徴は、合議的・協調的・集団指導的である。これは、ベトナム共産党の「一党独裁」体制に対する批判を緩和するという意味で「長所」であるが、改革を推進するという観点からは「短所」でもある。

ベトナムの4つの改革の推移について、これまでに指摘してきた観点から観察してみたい。それが、ベトナム経済の今後の成長動向を判断することにもなるからである。

これらの観点を提起した前掲書(みずほ総合研究所(2014年)『図解ASEANの実力を読み解く』東洋経済新報社)に感謝したい。

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2014年4月20日 (日)

ベトナム4つの改革(4):学校教育・職業訓練の改善

学校教育や、労働者の訓練なども改善する必要があります」(前掲書、194頁)。

同書が紹介する調査結果によれば、外資系企業の6割が「労働者のスキル不足で生産性が上がらない」、また3分の2が「ベトナムの教育機関における教育・訓練内容に満足していない」と回答している。

このことはベトナム教育訓練省も十分に認識し、その改革が現在進行中と私は理解している。簡単に言えば、次のようなことである。

1.大学=高等教育の教育水準を向上させて定員を削減する。たとえば大学の日本語教育において、博士号取得や修士号取得の教員数を「設置基準」に含めることにした。このことで学生募集を停止した大学もある。

2.大学進学者数を抑制することで、大学卒業者の学習水準が向上し、そのことで就職状況が改善される。

3.以上のような大学教育の改革に伴って、大学に進学できなかった人材が、職業訓練校つまり専門学校に進学すると予想される。したがってその教育内容の改善が現在準備されている。

誤解を恐れずに単純に言えば、本来は専門学校で職業訓練(=「手に職をつける」)を受けることが適当な人材が大学進学する。この場合、大学を卒業しても能力不足である。したがって就職がない。大学生の増加に伴って専門学校=職業訓練校の生徒の水準も低くなる。それに対応して労働者の技能水準も低い。これらが、上記のような企業の不満となって表出しているのではないか。「大学バブル」を沈静化し、適材適所の教育体制にする。これが、ベトナム教育改革の要点であると思われる。

なお、にベトナム人の教育観として「儒教精神」が根強く存在しているように思われる。いわゆる「頭脳労働者」を「肉体労働者」よりも上位に考える風土である。また無条件で「勉強はよいこと」であり、その目的や効果は余り考慮されない。「お金儲け」より「教養・文化・学問」を尊重する傾向もある。「お金儲け」の次は「博士号」が欲しいという経営者も少なくない。教師・教員は絶対的存在であり、批判精神や創造性は抑圧される。

これらの社会的な意識は、私の経験では、30年から40年前の韓国や日本にも存在していた。しかし経済発展は、そういった意識を希薄化させ、「経済最優先」の意識を蔓延させることになった。おそらくベトナムも同じ道を歩むことになるのであろう。

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2014年4月19日 (土)

ベトナム4つの改革(3):汚職・腐敗との戦い

ベトナム経済の弱みを克服するために「汚職・腐敗との戦いを強化することです」(194頁)。

政府調達・通関・徴税などあらゆる場面で賄賂が必要となる国柄ですので、そうした行政の手続きを透明化する必要があります。

前掲書(195頁)の「腐敗度認識指数(2012年)」によれば、アジア諸国の中でアセアン後発国(CLMV:カンボジア・ラオス・ベトナム・ミャンマー)の腐敗度が高く、ベトナムは「少しまし」な程度である。腐敗度が最も低い国はシンガポールであり、日本は次点である。

ベトナムは、こういった指標を謙虚に認識・自省して、その改革を政府首脳から「率先垂範」するべきである。ベトナムは中国よりも腐敗度が高いという結果は、注目に値する調査結果である。

また同時に日本の腐敗度がシンガポールよりも高いことは、日本人にとって衝撃であり、日本政府も無視できないのではないか。なお、ベトナムのみならず日本もTPP(環太平洋連携)の参加によって腐敗度は改善されるようにも思われる。

なお、この調査結果は、その「原文」によって調査項目や調査方法を改めて確認しなければ的確な判断をすることは時期尚早である。参照 http://www.transparency.org/ そうは言っても事実、ベトナムの汚職・腐敗は深刻であり、その改革が必要なことは当然である。

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2014年4月18日 (金)

ベトナム4つの改革(2):国営企業の改革

国営企業は民営化・合理化する一方で、カネとヒトを外資系企業と民間企業に集中させるべきでしょう」(前掲書、194頁)。

これは、ベトナム経済の成長停滞に対する処方箋の第1番目である。私見では、このことをベトナム政府は表面的にしか理解していない。または理解しようとしない懸念がある。政府は国営企業を改革するために、2015年までに株式会社化する予定である。しかし「株式会社化」と「民営化・合理化」は別問題である。国営企業を「株式会社化」したとしても、それは「民営化・合理化」したことにはならない。

ベトナム国営企業の改革が議論され始めた当初から、それはEquitaizationという表現が使用されてきた。本来の「民営化」であるPrivatization禁句であったように思われる。国営企業の「株式会社化」は許容されても、その「民営化」はタブー視されてきたのではないか?それは現在も続いているのではないか?

国有企業の株式会社化によって民間株主が一部でも経営参加すれば、それは完全な国有企業ではなくなる。このことで「国有企業の改革」は進んだように思われるのだが、実際には株式の過半数は政府所有であるから、依然として政府が企業支配しており、「国営企業は維持」される可能性がある。

他方、「国有企業」であっても、たとえば外国人経営者を起用すれば、国有企業を「民営化」したことになる。株式会社における「所有と経営の分離」がベトナムでは理解されていないのではないか? 少なくとも多数のベトナム企業は「所有と経営が一致」している段階である。

ここで、ベトナムにおける「国営企業の民営化・合理化」の議論を進めるために次の論点を提起したい。

1.「国営企業」に民間人経営者または外国人顧問(注:外国人経営者でもよい)を起用することはできないか?
⇒「株式会社化」を契機にして、こういった「人事」があってもよい。「所有と経営の分離」の実践的な適用である。

2.株式公開つまり株式会社化した「国営企業」において民間株主の意見を反映させる制度が導入できないか?
⇒株式会社における「少数株主権」を保護する制度をベトナムに導入すればよい。取締役会の「全員一致」の制度がベトナムで残存している。これが少数意見を尊重する制度であるとすれば、株主総会でも「少数株主」を保護する制度が導入されても不思議ではない。事実、日本を含む先進国で導入されている。

3.国営の株式会社を「民営化」する行程表はできないか?
⇒株式の過半数が民間株主に渡るように政府所有の株式の売却日程を検討・作成するべきである。

4.ベトナムの経営(=ビジネス)教育において「戦略論」はあっても「組織論」は不十分ではないか?
⇒もっとも組織論は、組織論⇒組織改革⇒党組織改革・・・という議論になり、党組織の現状を維持したいベトナム人からは好まれない教育科目であるかもしれない。いずれにせよ、ベトナムのビジネス教育の科目についての体系的な点検が求められる。

私見では、国営企業の改革の目的は「経営の合理化・効率化」であって、必ずしも「民営化」が不可欠ではない。こういった提案の方が、いきなり「民営化」と言うよりも、ベトナム政府には受け入れられやすいことは間違いない。この点で前掲書が指摘する冒頭の主張を私は無条件に支持するわけではない。(続く)

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2014年4月17日 (木)

ベトナム4つの改革(1):経済成長の懸念材料

みずほ総合研究所(2014年)『図解 ASEANの実力を読み解く』(東洋経済新報社)は、アセアンの概要とその主要国6カ国(シンガポール・インドネシア・タイ・マレーシア・フィリピン・ベトナム)の特徴が要領よくまとめられている。

ただ残念なことは、ラオス・カンボジア・ミャンマーについての記述が欠落していることである。いわゆるメコン川流域国の発展(注:同書では「陸のアセアン」と呼ばれる)を考える場合、これら3カ国にタイ・ベトナムを加えた5カ国の経済・ビジネスの相互依存関係の現状や可能性の議論が不可欠だからである。この意味で、ぜひ「陸のアセアン」に関する続編の出版が望まれる。

さて以下では、ベトナム経済の懸念材料と改革について同書を紹介し、それについて私見を述べる。

ベトナム経済の長期的な懸念材料は、「2009年以降に生産年齢人口(労働力となる15~64歳の人口)の伸び率が明確な低下傾向に入ったこと」(192頁)である。「その結果、経済成長の追い風になるとされる従属人口指数の低下も、2013年を最後にほぼ止まって横這いとなり、2017年からゆっくりと上昇が始ま」る。(同上)。

より短期的な懸念材料は、現在ベトナムで有望と見られている労働集約型産業について「ミャンマーにティラワ工業団地が完成する2015年頃から、競争力の低下が徐々に現れてくるかもしれ」ないということである(194頁)。

私見では、上記の長期・短期の懸念材料の克服のためには、より高い付加価値の生産やサービスの提供によって、労働集約型産業からの脱却が期待される。さらに、いわゆる「中所得国の罠」の対策も求められる。これらのために同書は、4点の改革が必要と述べている。次に、これについて検討する。(続く)

追記:より短期的な懸念材料について言えば、ベトナム企業はミャンマーの成長性を認識しており、すでにミャンマー進出が始まっている。このような動向は、ミャンマーとベトナムの相互依存が進展・深化していることを意味している。これが「アセアン経済共同体」を理解する視点である。アセアン全体の発展は、ミャンマーやベトナムという国の枠組みを超えた互恵的な利益を生み出す。そうなれば、ミャンマーの台頭はベトナムの懸念材料にはならない。これが理想であるが、果たして現実になるかどうか。今後の注目点である。

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2014年4月16日 (水)

「優秀なベトナム人」は本当か?

優秀なベトナム人。今まで私もよく耳にする評価である。しかし同じ人間として民族的な優劣があるとは思われない。その背景と今後を考える。なお、ここで「優秀」の内容を厳密には定義しない。単純に「頭が良い」という程度の意味である。

結論を言えば、このような印象は、これまで日本人が接触するベトナム人が優秀であったから次第に定着した「一般論」であろう。また、ベトナム人に会ったことがないという日本人も、フランスや米国に対する「戦勝国」であることを指摘すれば、「優秀なベトナム人」と言っても違和感なく納得する場合が多い。

大学では、これまで国費留学生が多数であったベトナム人は確かに「優秀」であった。しかし所得水準の上昇に伴って、私費留学生が次第に増加している。そうなれば、日本の大学の中で自然に「優秀なベトナム人」が希薄化される。

企業現場の場合でも、1998年当時、ハノイの住友電装(スミハネル)には医師資格者が作業員として働いていた。日系企業の従業員の方が医者よりも給料がよいからであった、しかし今や、このようなことはありえない。

ベトナム人は、これまで日本人に「過大評価」されてきたように思われる。いよいよ今後、正味のベトナム人が評価される時代が到来したと考えられる。ベトナム人、そういう背景を自覚して頑張れ!!

日本語学校におけるベトナム人の留学生数は、2013年で7,509人。中国(15,991人)に次ぐ2位であるが、前年比で5,774人の増加。これは4.3倍に達する。また専門学校・大学・大学院のベトナム人留学生数は、6,290人、これは中国(81,884人)・韓国(15,304人)に次ぐ3位であるが、中国と韓国がその人数を減少させているが、ベトナム人は前年比1,919人の増加。これは1.4倍となる。日本語学校の学生が専門学校や大学に進学するとすれば、この増加は来年も加速すると予想される。
参照 http://www.jasso.go.jp/statistics/index.html

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2014年4月15日 (火)

晩酌の相手・・・

以下は自宅での晩酌の写真です。飲んでいるお酒は麦焼酎です。1397473831929いつもながら他人にはウザい「説教調」の話を私はしているのですが、それを真面目に聞いてくれる相手方(ゾイ=GIOIくん)は貴重な存在です。

・・・犬の世界の「東大」と言われている?警察犬学校に入学して、そこで頑張ってみる気はないの?
・・・そうは言っても、僕で大丈夫なのかな?
・・・夢を持たないと、人生ならぬ「犬生」は楽しくないよ。
・・・はい。それでも不安だな。
・・・まあ、それはそれとして、きみには幸せな「犬生」を送って欲しいと思っているんだよ。
・・・はい。ありがとうございます。

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2014年4月14日 (月)

庭の掃除で思い出す片山伍一先生

日曜日、庭を掃除した。昨年に剪定した枝や落ち葉を拾って袋詰めにする仕事である。短期間で達成感をもたらす仕事は精神的に落ち着く。この効果を自覚・確信できる。

こういった仕事をすれば、いつも九州大学経済学部の故・片山伍一先生のことを思い出す。

片山先生が庭掃除をしていると、奥様が「あなたは、そんなことをする人ではありません。もっと仕事(=研究)をして下さい」と言われたそうである。

これは、ご本人から直接お聞きした話ではないが、なるほどと思わせるほどに片山先生は人格的にも学問的にも立派な先生であった。

私は片山先生から直接指導を受けたわけではなく、日本経営学会や証券経済学会で何度かお目にかかり、年賀状を交換していた程度であるが、今でも記憶に強く残っている。

庭掃除をして片山先生を思い出すのは、おそらく私だけではないかと思われる。ご本人も、それは心外と思われるのではないかと想像され、それは恐縮である。同時に、片山先生からご指導を受けられた多数の直系の先生にも申し分けないような気持ちにもなる。

しかし私にとって、片山先生は心に残る先生のお一人である。

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2014年4月13日 (日)

ベトナム航空のIPO(新規株式公開)は本年9月

ベトナム航空のIPO(株式新規公開)が、2014年9月に実施されると交通運輸省が発表した(『ベトナムニュース』2014年4月2日、第2417号)。2015年に株式会社化が終了するそうである。このような国営企業の株式会社化は政府の既定路線であり、米国を含むTPP(環太平洋経済連携)交渉に対応するという背景がある。

いよいよ「ナショナル=フラッグ」の株式市場の上場であるが、これまでのベトナムIPOの経験で言えば、IPO価格は割高になる傾向がある。その理由は個人投資家の過剰な期待であった。近年では日本やベトナムの証券会社や機関投資家が適正な株価を分析している。それらの情報は個人投資家にとって傾聴に値するであろう。さらに同社に関する留意点を指摘すれば、次の2点である。

第1に、既報の通り、ベトナム航空のCA(客室乗務員)などの犯罪が日本で発覚した。ベトナム航空は日本の警察に全面協力しているものの、自社の組織的な問題点を自覚・自省しているようには思われない。信頼を回復するために何らかの声明が会社として必要であると私は考えている。

第2に、ベトナム航空業界で競争が過熱していることである。ベトナム航空が寡占的な地位を維持できるかどうか? ベトナム航空は格安航空会社として子会社Jetstar Pacificを所有している。これに対して2011年に民間航空会社VietJet Airが運航を開始した。国内航空の座席数の市場シェアについては、ベトナム航空が63%、Jetstar Pacificが12%、VietJet Airが25%である。

ベトナム航空のミン社長(CEO)は次のように述べる。株式公開後の当初は65~75%の株式を政府が所有する予定。格安航空市場ではJetstar Pacificが競争し、ベトナム航空はフルサービスの事業に集中し、2020年までに所有航空機を現在の82機から150機に増やす予定である。

私見では、ベトナム航空が計画通り順調に成長するためには、格安航空会社よりも高い値段に相応した高い品質のサービス提供であろう。言い換えれば、人材育成である。CAが「荷物運び」に精を出している暇はない

(注)ベトナム航空業界については、INTERNATIONAL NEW TORK TIMES, APRIL 1, 2014 を参照。

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2014年4月12日 (土)

ベトナム小売業の課題:常時改革・日々革新

すでに紹介したように昨年ハノイでは、ベトナム資本のビンコムグループが「メガモール」2カ所を開業した。ロイヤル=シティタイムズ=シティである。いずれも商業施設と住宅を併設している。

ロイヤル=シティには遊泳プールとアイススケートリンクがあり、タイムズ=シティには水族館がある。日本人でも驚嘆するこれらの施設によって多数の集客が見込まれると計画されていたに違いない。

しかし最近、その当初の集客に陰りが見られると言う。「新しいモノ好きのベトナム人」に限らず、日本人消費者も常に流行に左右され、移り気で飽きっぽい。そういった消費者心理は、ある程度の経済発展を達成した社会では普遍的であろう。

2つのメガモールは、ベトナムの中間層から富裕層を対象にした商業施設である。そういった消費者に対応するためには、日々の革新的な発想の追求やサービス・イベントの改革が常時検討されなければならない。

ちょうどイオンモールがホーチミン市に開業し、ハノイ近郊では着工したばかりである。同社の集客の技術やノウハウは、ビンコム=メガモールに様々な教訓を与えるはずである。いわゆる「箱モノ」だけのハードな集客には限界がある。集客のソフト面の持続的な改革・革新が求められる。この教訓を学習できなければ、ビンコム=メガモールに未来はないかも?

付言すれば、1990年代の韓国人の中には、ソウルで次々と建設される高層建築を見て「もはや日本に追いついた」という論調があった。しかし知日派の韓国人は、日本企業のソフト面での高い水準を認識していた。ベトナム人が当時の韓国人と同様の「錯覚」に陥り、ソフト面での改革・革新に慢心していないことを祈りたい。

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2014年4月11日 (金)

大学の先生は「プロフェッサー」

大学1年生を対象にした「基礎演習」が始まった。今話題の「コピペ」の作法やノートの取り方、論文・レポートの書き方、プレゼンの方法などを実践的に学ぶことが目的である。

最初の時間に「大学と高校の違い」というような話をした。大学生活を有意義に過ごすためである。そこで「大学の先生は教授だ」という話をした。これは大学の教授がエライという意味ではない。

教授=プロフェッサー(professor)とは、「自分の意見を表明する人」という意味であり、そのために様々な研究をしている。もちろん「教授の意見」は「自分の意見」だから必ずしも正しいとは限らない。学生は批判精神をもって考える。そういった教授を先生として勉強する大学生は、やはり卒業する時には、「自分の意見を発言できる」ようにならなければならない。その具現化が「卒業論文」である。

高校教員の中には「自分の意見を表明する人」もいて、それは印象深い熱心な先生となるのではないか。他方、大学教授の中でも講義で「自分の意見を表明しない人」もいるだろう。

さらに次のように学生に指摘する。「自分の意見を発言できる」ことが、就職先の企業において求められる人材の資質の一つでもある。日々の革新・改革が求められるビジネス社会で「私もそう思います」では存在価値がない。新商品の開発、新しいサービスの提案、販路拡大の方法・・・これらの問題に対して「自分の意見を表明する人」が評価される。

果たして新入生にどこまで伝わったか? 何度も繰り返すことが必要であると考えている。

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2014年4月10日 (木)

企業は「人間の組織」である

私が担当する「企業論」の講義が始まった。古い呼び方では「企業形態論」という科目である。経営学の一分野として必修目に含まれることも多い。

たとえば「株式会社の仕組み」について説明すると、なかなか難しい印象を受ける。それが制度的・法律的な問題という先入観があるからだと思われる。

そこで大学の初学者には、企業は「人間の組織」であると最初に指摘する。「皆さんと同じ喜怒哀楽をもつ人間が企業で働き、そして企業を経営している。そのような立場の自分を想定・仮定して講義に積極的に参加しましょう・・・」。こういう意味のことを講義で話した。

企業の活動・制度・経営を理解するために、その理論それ自体ではなく、それを自分の問題に引きつける。自分自身の問題として考えさせる。「あなたなら、どう考えますか?」と問いかける。

このような講義が実現できれば、複雑で難解に思われるかもしれない企業の制度や経営も必ず理解できるし、その知識は実践的であろう。これが「実学」の教育と言えるのかもしれない。

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2014年4月 9日 (水)

論理的な文章:私の反省

私の高校時代の夏休みの宿題として、新聞朝刊・第1面下段の編集者のコラム欄、たとえば朝日新聞なら『天声人語』、毎日新聞なら『余録』、日本経済新聞なら『春秋』を書き写すという宿題があった。おそらく上手な文書を書く目的のために、その手本を模倣するという趣旨である。

数年前に同じことを大学1年生の基礎演習で試みたことがある。その日の日本経済新聞『春秋』を書き写して、それについて意見を相互に述べるという「演習」である。

しかし、これは「日記」や「随筆」などの主観的な文章を書くためには役立つかもしれないが、論理的な論文やレポートを書くためには、かえって害悪になるということが以下の書物で理解できた。

飯間浩明『非論理的な人のための論理的な文書の書き方入門』ディスカヴァー=トゥエンティワン、2008年。

論理的な文書は、問題⇒結論⇒理由という構成で書くべきであり、だらだらと事実や主観的な感想を並べた文章は、少なくとも論文やレポートには不適であると指摘している。

この場合、問題設定が重要である。問題が悪いと、その回答も不十分となる。的確な問題設定から的確な結論(=回答)が導かれる。また、結論の理由を書く場合は、「好きだから」「面白そうだから」といった主観を排し、客観的なデータや資料に基づかなければならない。

私は今まで、何冊かの「論文・レポートの書き方」を読んできたが、同書ほど説得的で明確な説明は皆無であった。著者の飯間氏が述べているように既存の類書は「たくさんのことを言い過ぎ」である。論点は1つでよい。まさに、その通り。

本年度以降、この本を基礎演習や専門演習の教科書や参考文献として推奨・使用したいと思う。

このブログも事実と主観的な感想をダラダラと書いている傾向がある。自省、自省である。

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2014年4月 8日 (火)

東京に日帰り出張

毎週火曜日は大学の講義がないので「自宅研修」の日である。それを利用して東京出張した。

合計6名の方々にお目にかかったが、名刺交換した新しい出逢いは2名。こういった方々の相互「紹介」が私の役割である。

こういった出逢いや紹介の中から新しい商機・ビジネスが生まれる。「実学」を追究する者として、「自宅研修」で「実学」は成立しない。

「歩いてナンボ?」の世界がビジネスであるし、それが「実学」であろう。

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2014年4月 7日 (月)

「大道本来無門」再考

大道本来無門」という6文字は、真言宗醍醐派管長・岡田戒玉老師が述べられた言葉である。参照 神渡良平『安岡正篤 人生を変える言葉 古典の活学』(講談社+α文庫、2013年)。

これは、簡単に言って「大きな道には門がない」という意味である。それでは「大きな道」とは何か? また「門がない」という意味は何か? これらの問題または疑問が出てくる。

そこで、たとえば次のような解釈が考えられる(・・・私的な素人解釈である)。

1.立派な人生を歩むことは、身分や地位とは無関係である。
2.道徳はどのような人でも身につけることができる。
3.悟りの境地に至るには多様な方法がある。
4.大きな志(こころざし)があれば、その前に障害は存在しない。

どれも当たっているように思われるのだが、正解は何か? 私見では、「特に正解はない」ということが正解である。それが「古典」の存在意義である。様々な解釈ができる含蓄のある言葉であるからこそ「古典」と呼びうるのではないか?

少々の解釈の誤りがあったとしても、その解釈によって元気が出たり、自省することができたりすれば、それで古典としての価値は十分であるとみなされる。

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2014年4月 6日 (日)

仕事が多くなってきた・・・

仕事が多くなっても、それを順に効率的に処理していく。これは理想であるが、それが実現できない障害または理由は何か?

単純に言えば、私自身の怠慢また怠惰が最大の直接の理由であるが、還暦を数年後に控える者としては、健康上の問題を「言い訳」にしたいような気持ちになる。

無理して頑張れば、死んでしまうかもしれない。この年齢になれば、脳や心臓の障害による突発性の死亡があっても不思議ではない。この場合、周囲の人々は尊敬し、残念がってくれるかもしれないが、そして「労災」の認定をしてもらえるかもしれないが、結局は死んで損するのは自分である。

いわゆる怠慢や怠惰も、それは精神的安定や肉体的休息に貢献しているのではないか。通常、それらは「悪」とみなされているが、それも容認されるのではないか?

こんな理由・・・屁理屈・・・を考えながら、怠慢や怠惰の誘惑に負けてしまう自分が情けない。以上、少しばかりの自省の時を過ごした。 

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2014年4月 5日 (土)

結婚式

在日韓国人の友人(新郎)の結婚式に出席した。韓国式の結婚式は初めての経験であったが、心温まる非常に楽しい結婚式を過ごすことができた。

この結婚式の特徴を列挙すれば次の通りである。

1.「仲人」となる夫婦はいなかった・・・韓国では一般的なのか?。
2.新郎が最初と最後に挨拶した・・・本人がしっかりしている。
3.食事はフランス料理であったが、キムチと豚が特別に持ち込まれた・・・キムチは品切れ。
4.私が主賓として最初の挨拶をした・・・かなり緊張した。
5.新郎・新婦が友人達と会場内を盆踊りのように踊った・・・私も踊って楽しかった。
6.「道化」のような役割の演出があった・・・韓国のチャンゴ(太鼓)の名人。
7.新郎からの各人宛の手書きメッセージがあった・・・感激した。
8.新婦からの両親に対する恒例の挨拶があった・・・恒例の涙である。
9.在日韓国人の友人達の結束を強く感じた・・・日本人として感じるところがあった。
10.新婦や友人の韓国の民族衣装が鮮やかであった・・・フワフワできれい。
11.最近は少人数の結婚式が多い中で出席者100名を超えていた・・・スゴイ。

以上、心配りがよくされた結婚式で、新郎からホテルのスタッフに対する感謝の気持ちが挨拶の中で伝えられたことも印象的であった。

ザ=リッツ=カールトンホテル大阪での結婚式は初めてであったが、食事・サービス・調度品は問題ないとしても、通路を含む施設全体が狭い印象であった。もちろん宴会場の広さは余裕であったが、多人数で賑わう通路の狭さには困惑した。このホテルは、少人数で優雅に時間を過ごすには適当と思われた。

新郎新婦の今後の幸福と発展を心から祈念したい。また、この機会に日本人と韓国人の親密さを改めて感じることができた。この意味でも、日本と韓国の政治的な課題について大人としての対応が双方に必要であると痛感した。

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2014年4月 4日 (金)

新入生のオリエンテーション

大学教育の仕事が始まった。大学1年生に対する基礎演習の担当として、オリエンテーションに参加した。

15名の学生の中で女子が3名、ベトナム人留学生が2名、また、いわゆるスポーツ推薦の学生が2名である。このベトナム人の1人は南部のビンズン省、もう1人は北部のハノイ出身である。

以上、なかなか多様性のあるクラス構成である。ベトナム人がお互いに最初から親しいというわけではないので、当面は親睦を深めることから始めなければならない。

せっかくの機会なので、個人的にはベトナム語の勉強をしたいと思っている。

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2014年4月 3日 (木)

大道を歩む:「大道本来無門」の含意

神渡良平『安岡正篤 人生を変える言葉 古典の活学』(講談社+α文庫、2013年12月)を読んだ。

その中に「大道本来無門」が紹介されている(118-119頁)。すでに本ブログで「大道を歩む」ということを紹介したが、その原典・出所はこれである。

この漢字6文字の意味は、要するに「大きな道には、いろいろな職業や地位の人々、自動車や動物までもが歩いたり、走ったりしている」。「大きな道は、何者をも受け入れる」。このような内容であると思われる。それでは、その含意は何か?

次のように同書は述べている。「・・・そうした一見混沌(カオス)のような状態であっても、ルールがあります。お互い相手の立場を認め、お互いのやり方を理解し、尊重しています。『お前は気にくわん』と否定するのではなく、存在していることを認めています。『そこを退け!』という傍若無人な態度では駄目で、自分も避けなければなりません。父はわたしに、先入観を持たず、いろいろな人の意見を聞いて、総合的に判断しろ、物事にとらわれない発想をしろと言いたかったのではないでしょうか」。

この様子は、まさにベトナムの路上に溢れるバイクの群れのように思われる。混乱しているように見えて、そこにはお互いを意識した秩序が形成されている。そうであるからこそ、多数のバイクの流れの道路を人間が横断できる。

なお、以上の引用部分は井手正敬氏(JR西日本元会長)の発言として同書で紹介されている。

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2014年4月 2日 (水)

あのベトナムの「お菓子」は?

ベトナムで有名な甘いお菓子。これだけは分かるのだが、名前を私は特定できないでいた。その特徴は次の通りである。

1.「落雁」のような感じ。
2.きな粉を固めた形状と味がする。
3.渋い日本茶と一緒に食べると良い。
4.ベトナムの空港でお土産として売っている。
5.ハノイからハイフォンに向かうハイズン省の特産物。
6.女優・落語家の三林京子(桂すずめ)さんが推薦。
7.同じお菓子でも、いろいろなメーカーがある(50社以上あるらしい)。
8.原材料は、緑豆の粉、砂糖、植物油、豚の脂など。
9.ベトナムのスーパーマーケットでも何種類も売っている。
10.これまで何度も買ってゼミ学生に食べて貰ったが、なかなか好評だった。

日本ベトナム友好協会兵庫県連合会の『日本とベトナム』(2014年3月15日)の記事に、この気になるお菓子が紹介されていた。

ベトナム語の直訳で「緑豆のお菓子」=Banh dau xanh(バイン= ダウ=サイン)

このブログを契機にして、名前を覚えておきたい。

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2014年4月 1日 (火)

JICA日本センターのビジネス活用セミナー

先日、JICA(独立行政法人国際協力機構)が支援する通称「日本センター」の活動報告が、東大阪市の「クリエイションコア」で3月25日に開催された。
参照 http://japancenter.jica.go.jp/

最初に、JICA産業開発・公共政策部・産業貿易第二課の田中章久氏が「人が育つ、ビジネスが生まれる」―日系企業の海外進出・展開に役立つJICA日本センターの活用方法―というテーマで講演された。Cimg5579次に、ベトナム日本人材協力センター(VJCC)元チーフアドバイザーの藤井孝男氏による「ベトナムと日本を繋ぐ:ベトナム日本人材協力センター(VJCC)の支援活動」という講演であった(写真上)。

後者の講演者である藤井さんは、1995年のホーチミン市での初対面から20年近くの交際を賜っている。当時の藤井さんはパナソニック=ベトナム社長であり、ホーチミン市で主にテレビを生産されていた。

振り返って見れば、ベトナムのビジネスに関する私の指導教授は、藤井さんを始めとする現地のビジネスに従事された人々である。JETROの中村さん、三洋電機の竹岡さん・片岡さん、そして富士通の川嶋さん、ハザマ(現在、ハザマ安藤)の松本さんなどから私はベトナムのビジネスを学んできた。まさに、これらの方々は私の恩師である。

このような意味で、このブログの主題の「実学」とは「業界からぶ」ということである。換言すれば、「現場の現からぶ」ということである。

この「学んだ」ことの理論化が学者・研究者の仕事であるとすれば、「学んだ」ことを即座に応用・実践する役割が実務家ということであろう。実務家の場合、応用のための時間が短いために「リスク」もしくは「不確実性」が伴う。

私見では、学者・研究者と実務家の相違は、機能的(=役割の)観点からは理論化と応用化・実践化であるが、その精神的・心理的・性格的な観点からは「リスク」受容度の高低であろう。学者・研究者は「リスク回避的」であり、実務家は「リスク受容的」でなければならない。これは「あるべき姿」である。

本セミナーの要点は、本来は支援先国の人材育成のための日本センターが、日本企業の具体的なビジネスマッチングやビジネス情報にも活用できるという積極的な提言であった。すでに本ブログで指摘したが、日本の外務省とその傘下のJICAは、海外ビジネス支援を本気で始めている。

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