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2014年3月17日 (月)

ベトナムの政治体制の特徴:民主主義

3月の年度末となり、これまでに溜まった資料を整理している。4月からの大学講義の準備もしなければならない。

その中で、次の資料が気になった。日本ベトナム友好協会『日本とベトナム』(2013年5月15日)に掲載された古田元夫(東京大学教授)協会会長の記事である。

同記事の見出しは次の通り。「国名変更を検討―ベトナムでの憲法草案討議―」。その後の国会において結局、現行の「ベトナム社会主義共和国」の名称が継続することになったのだが、その代案は「ベトナム民主共和国」であった。

古田教授によれば、ベトナム共産党は1994年から、ベトナムがめざす社会主義を分かりやすく示すスローガンとして、「民が豊かで国が強く、公平で文明的な社会」を掲げている。2001年の共産党第9回大会では、これに「民主的」が追加されて、「公平で民主的で文明的な社会」となった。次いで2011年の第11回党大会では、「民主的」が一番前に来て、「民主的な公平で文明的な社会」とされるようになった。

さらに今回の憲法改正では、国名を「社会主義」から「民主」に変更させるという議論がなされた。このようにベトナムでは「民主主義」「民主化」を年々強調している。

私見では、以上のスローガンの中には「経済発展」「経済成長」または「豊かな経済」という意味の直接的な経済に関する表現がなく、それらが「文明的」という表現に含まれていることが興味深い。

国名と国の実態が一致していない国としては、たとえば「北朝鮮」(=朝鮮人民民主主義共和国)が実例として想起できる。国名に「民主主義」という名称が含まれているが、果たして北朝鮮に実際に「民主主義」が存在しているのかどうか。この意味で、あまり国名の変更は大きな問題ではない。

私見では、ベトナム共産党が現在の独裁的な政権を維持するためには、名前よりも現実に「民主主義」が順調に拡大化・深化しなければならない。そうでなければ、国内の政治紛争の発生が懸念される。いずれにせよ、国名変更が議論される「国家」には、少なくとも「民主主義」は存在している。今後のベトナムの民主化動向に注目である。

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