« ビンディン省の石油精製プロジェクト前進 | トップページ | ロンタン新国際空港の建設中止? »

2013年8月19日 (月)

本当のリスクは会社設立後に始まる

ベトナムで各方面に聞き取り調査をしている。ここで気がついた問題は、ベトナム進出後のリスク管理・リスク対策が重要ということである。そういった問題解決について現実に対応できる会社や機関があるのか?

(1)従業員の身元は本当に大丈夫か?・・・偽造した履歴書や証明書で入社する従業員がいる。それが発覚した場合(労災保険の申請時など)、会社側の責任が問われる。また、犯罪者が「猫をかぶって」働く場合もある。この対応をどうするか?・・・偽造書類の鑑定人が必要である。

(2)会社の就業規則をどのように決めるか?・・・日本とベトナムで事情が異なる。特に残業手当や休日出勤について正確な法律知識と従業員に対する説明が必要である。そうでないと労働争議の原因にもなる。

(3)会社の衛生安全規則や環境保護の規則をどのように定め、どのように順守するか?・・・特に環境対応は重要である。罰金が科せられたりする。

(4)労働者および労働組合との契約書・協定書をどうするか?・・・これも労働争議の原因になることがある。また社会保険の支払いも労働組合の有無で相違することがある。違法は、当局とのトラブル原因になる。

(5)個人所得税の計算方法はどうか?・・・将来の追徴金の支払いなどのリスクが発生する。

(6)給与の計算方法をどうするか?・・・公平で透明性がないと、これも労働争議などの要因になる。

(7)日本本社に送金する場合の書式はどうするか?・・・ベトナムでは簡単に海外送金できないので、十分な書式の準備が求められる。

(8)付加価値税や輸入税などの還付手続きをどうすればよいか?・・・その場合の実務的な留意点は何か?これを間違うと、追徴金など過大な損金が発生するリスクがある。

(9)債権の回収が出来ない場合、たとえば売り掛け金が入金されない場合、裁判所に訴える。それでも相手は払わない。その場合、どうすればよいか?泣き寝入りか?・・・この場合、その道の専門家がいるのだが、そういう人々に依頼できるか? これは最近始まった「債券買取ビジネス」ではなく、「債権回収ビジネス」である。

(10)労働争議の主要な原因は、賃金水準ではなく、人間関係と考えれば良い。この意味で優秀な中間管理職が必要である。その不足・不在の場合、上記のような問題を解決できる外部委託の専門家が必要である。

(11)このような問題に実践的に対応できる専門家とは、いわゆる「頭でっかち」の優秀なベトナム人の弁護士や税理士では必ずしもない。ましてや日本人ではないであろう。・・・ではどうすればよいか?

豊富な実務経験に裏打ちされた正確な知識を所有し、弁護士・税理士・政府高官・共産党幹部との人脈をもった人間性豊かなベトナム人が望ましい。こういうベトナム人がいれば、ベトナムビジネスは円滑に進む。

(12)そのようなベトナム人は存在するのか?・・・その代替案として、そういったベトナム人との人脈をもった日本人がいれば安心だ。それが私とは言わないが、日本ベトナム経済交流センターは、以上に対応できる歴史と人材・人脈を重ねてきている。
参照 http://www.j-veec.or.jp/

以上、少しばかりの宣伝を兼ねたベトナムビジネスの注意点である。あくまでも日本人はベトナムでは外国人である。現地の人々に対する心遣いがなければ、ベトナムビジネスの成功はありえないであろう。

|

« ビンディン省の石油精製プロジェクト前進 | トップページ | ロンタン新国際空港の建設中止? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/52931741

この記事へのトラックバック一覧です: 本当のリスクは会社設立後に始まる:

« ビンディン省の石油精製プロジェクト前進 | トップページ | ロンタン新国際空港の建設中止? »