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2013年4月 5日 (金)

大野健一先生のセミナー

関西経済団体連合会が主催する大野健一先生(政策研究大学院大学)の講演が4月2日に開催された。ベトナムの産業政策の現状が、その策定の責任者であるご本人から聞けるのであるから、これほど勉強になることはない。

その内容を産業政策や経済開発の学問的な情報と受け取るか、貴重なビジネス情報として受け取るか。私は、その双方の観点から聞き取ることができた。以下では、前者の観点からコメントしてみたい。

ベトナムの場合、高度経済成長期の日本ほどに政府主導の産業政策が有効に機能しないようだ。その理由は、私見では、ベトナム政府が国民・民間企業の意向を気にし過ぎるからである。

広い意見を吸収することは民主的であるが、それが政策決定事項を曖昧=玉虫色にする。これがベトナムの特徴=「ベトナム流」と理解できるかもしれない。

一党独裁であるから政府に強いリーダーシップがあるという見解は皮相的である。ベトナムのように「民主的な一党独裁」(この用語は形容矛盾かもしれないが、それがベトナムである)であろうとすれば、その政策が曖昧になる。このような政府のあり方が、産業政策の策定にも影響している。

大野先生は、ベトナム政府の政策策定の経験や能力が不足していると指摘されていたが、その背景には、以上のような政治体制維持の配慮があるとも思われる。

産業政策は日本が主導し、制度改革はTTPを通して米国に依存する。ベトナム政府は自分で何もできない。現実には、このように「見える」のであるが、ベトナム政府の真意は、ベトナム国内の尖鋭な対立や不満を回避するために、そのように「見せている」のではないか。

いずれにせよ、産業政策の策定はベトナム経済の安定的・持続的な成長に寄与する。大野先生のご努力に敬意を表し、私の立場から応援したいと思う。

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