« ミャンマーについて勉強しています | トップページ | 数百円のマーカーが1万円で売れる »

2012年10月10日 (水)

新興国の成長に限界:ベトナムの場合は・・・

ダニ=ロドリック氏(米ハーバード大学教授)「新興国の成長に限界」の指摘(『日本経済新聞』2012年10月1日)が、論争的・刺激的である。

「過去60年間に経済で成功した国はどこもハイペースの工業化が成長の原動力になった」。そのためには「農業から製造業への労働力移転が速やかに」進むことが要因であると説明される。このことは、日本・韓国・シンガポール・台湾・中国、そして初期の米国やドイツでさえ妥当する。

「未熟練労働者は、東アジアでは都市の工場で働き農家の数倍の賃金を得た。しかし、インドでは農村にとどまるか、生産性の低いサービス業で働く」。

「経済の主役がサービス業に移るより前に、工業化の効果が薄れてきた。主因は、製造技術の変化とグローバル化だ。・・・製造業は以前ほど多くの労働者を吸収できなくなった」。

そして結論は次のようである。「貧しい国にとって製造業はなお豊かになるための「エスカレーター産業」だ。ところが、その速度は遅く、それほど高いところには到達できなくなってしまった」。

ベトナム・ラオス・カンボジアの事情を考えれば、思い当たることは多々あるが、そうではないというところもある。

以前に私は、ジェトロの資料に基づいて、アジア諸国の一般製造業労働者と一般サービス業スタッフの賃金を比較したことがある。たとえば18歳の若者が、製造業で働くか、サービス業で働くか。単純に考えると、賃金の高いサービス業で働くと思われる。

日本のような成熟経済になれば、両者の賃金の相違はなくなっているが、ベトナムのような途上国ではサービス業の賃金が高くなる。このことも、製造業の速やかな発展を阻害する要因であると思われる。参照:日本ベトナム経済交流センター「ニュース」2012年8月号・9月号・10月号。http://www.j-veec.or.jp/

2020年までにベトナムは工業化を達成するというが、それは過去の成功体験に基づく机上の目標になるのであろうか?ベトナムの現状分析と対応・対策について検討が求められる。これらは改めて議論したい。

|

« ミャンマーについて勉強しています | トップページ | 数百円のマーカーが1万円で売れる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/47399549

この記事へのトラックバック一覧です: 新興国の成長に限界:ベトナムの場合は・・・:

« ミャンマーについて勉強しています | トップページ | 数百円のマーカーが1万円で売れる »