« 2011年12月 | トップページ | 2012年2月 »

2012年1月29日 (日)

脅迫に基づくリーダーシップはありえない

 経営者が従業員に対して「言うことを聞かなければ解雇する」と言って、会社を運営することは長期的にはありえない。経営者と従業員の関係の基本は、相互の信頼関係であると思う。そのためには、経営者が従業員を「感服」させなければならない。

 ただし、M&A直後の新経営陣が、旧来の従業員に対して改革を進めるためには、冒頭の脅迫的なリーダーシップは一時的にありうるかもしれない。

 大阪市の橋下市長の手法は、これに似ている。かつて大阪府知事の時も改革を進めたが、果たして府の職員を「感服」させるまでに至ったのかどうか。そこに到達する前に大阪市長になった。そこでも同様に脅迫的に改革を進めている。

 旧体制の改革を進めるためには、強権的な手法が必要であることは容認されないこともない。しかし、それが長続きすることを誰も望まないであろう。

 橋下氏は、多数の府民・市民から「改革者」として認められ、支持を集めたのだと思う。しかし、そのことと「経営者」(=自治体の運営責任者)として適任であるかどうかは別の問題である。今後の橋下氏には、改革者であると同時に経営者であることが求められる。

 日産自動車のCEO(最高経営責任者)であるゴーン氏は、改革者と同時に経営者であったと思う。それだからこそ、現在もCEOとして職責を果たしている。同様にM&Aで急成長してきた日本電産の永守重信氏も改革者と経営者の両方の資質を備えていると思われる。

 社会変革・政治改革を進める場合、マルクス主義的な用語で言えば、「臨時革命政府」というような名称があったと思う。そういった一時的な政府の急激な改革が終われば、通常の統治主体としての政府となり、「臨時革命」といった名称は不要になる。今の大阪府や大阪市を「臨時革命政府」といった観点から考えると、何か新しい論点が見えてくるかもしれない。

 

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月28日 (土)

ベトナム経済の二面性を見る視点

 最近、社団法人・大阪府工業会の機関誌『商工振興』に「ベトナム経済の近況―日本の中堅・中小企業に商機が到来―」という拙稿を投稿した。

 これは同誌の2月号に掲載予表である。

 この文中で「表裏二面性をもったベトナム経済の現状」という表現を使用した。「表裏」すなわち「善悪の両面」がベトナム経済に存在し、その両面を拙稿では紹介した。

 このことはベトナムに限らず、すべての国に妥当する。また、どのような現象にも妥当するように思われる。

 要するに「極端な悲観論」と「極端な楽観論」の中間領域で「現実」が進行していく。このような視点からの観察が、すべての現象において客観的・科学的と言えるのかもしれない。

 経済の場合、「極端な悲観論」は国家財政の破綻といった現象であろう。また人生においては、「極端な悲観論」は死亡であろう。死ぬことを考えれば、人間は何も怖くない。それと同じ気持ちで政府は経済運営ができないものか。

 他方、「極端な楽観論」とは何であろうか。これは将来の夢とか理想は何かという問題である。その両端の中間領域に現実があるとすれば、経済でも人生でも夢や理想は大きければ大きいほどよい。また、それは無限の広がりをもっている。

 大きな夢や理想を持ちながら、現実の改善や改革は必死で頑張る。経済も人生も同じではないか。

 

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月27日 (金)

なぜ韓国にできて日本にできないか?

 2012年1月5日の『Viet Nam News』には、韓国のテレビドラマ「マイ・プリンセス」がベトナム(SCTV17)で1月から放映されることが写真入りで報道されている。

 このドラマは、すでに日本のDVDレンタル店でも借りることができる。主演女優は、ドラマ「アイリス:IRIS」で韓国の主演女優賞を受賞したキム=テヒである。彼女を主演とする日本のテレビドラマも昨年に放映されていた(「僕とスターの99日」)。

3325_m 私は、アイリスはDVDを所有しているが、日本の「僕とスターの99日」は見ていない。この意味で、キム=テヒの純粋なファンではないが、国立ソウル大学卒業の才色兼備の女優であることには注目していた。

 彼女が、ベトナムを1月6日から訪問し、「マイ・プリンセス」の宣伝活動と同時に、韓国の歴史や文化を紹介し、さらに「ベトナム子ども全国基金」のために自らの衣装をオークションに出し、その収益を財団に寄付するという。私見では、ベトナムで人気の出ないはずがないと思う。

 以上のように、ベトナムに対する韓国文化の浸透は日本よりも遙かに先進的である。なぜ韓国にできて日本にできないのか? 

 経済産業省に「クールジャパン室」が設置されているが、このような大衆文化の国際的な進出をさらに積極的に後押しできないものか? 日本とベトナムの文化交流において、いつまでも杉良太郎氏の「孤軍奮闘」に依存していては、日本の存在感は薄れるばかりである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月25日 (水)

「私はアジア人」:アイデンティティ(共同意識)の醸成

 天児慧(あまこ さとし)『アジア連合への道:理論と人材育成の構想』(筑摩書房、2010年)を読んだ。

 私の最近の関心は、アセアン経済共同体、クールジャパンなどであるが、こういった問題意識を同書は大いに展開・深化させてくれた。

 さらに学生を教育するとき、また学生を同行してアジアを旅行する時、その基本的な目的を同書は明示している。言い換えれば、アジアや諸外国に関する知識や経験の先にある意義を同書を通して学生自身が考えることができる。

 このような意味で、一般に指摘される「グローバル人材」育成の要点の一つは、自己の中で「アジア人」や「世界人」といったアイデンティティ(共同意識)を醸成することであると同書は指摘している。

 この主張は「愛国心」や「国益」を考えることと矛盾しない。日本人であると同時にアジア人である自分自身を認識する。これは新しい自分の発見である。

 

 自分が日本人であることを認識するためにも、自分がアジア人であることを意識することは効果的であろう。新しい自分を発見する。人材育成の本質とは、結局、こういうことなのかもしれない。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月21日 (土)

大阪ベトナム総領事館主催「テトのパーティー」

 2月23日(月)は旧暦の正月(1月1日)。ベトナムではテト、中国では春節である。

 大阪府堺市に在大阪ベトナム総領事館では、ベトナム関係者を招待してテトのパーティが開催されている。今年は1月20日(金)午後6時30分からであった。

 私は、日本ベトナム経済交流センター副理事長として出席した。

P1010146 ティーン総領事のご挨拶の中では、ベトナムと日本が「戦略的パートナーとして」協力して・・・ということが強調された。この「戦略的パートナー」は、ベトナムと日本の関係の「枕詞」のようになっている。

 私は1999年のテトをハノイで過ごした。同じお正月料理が毎日出てくる慣習は、日本のおせち料理と同様である。

 昨年の日本企業の直接投資の件数は、過去最高になった(『日本経済新聞』2011年12月31日)。ベトナムと日本の新たな段階での交流関係の進展と深化を期待したいと思う。

 Chuc Mung Nam Moi.

 新年おめでとうございます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月19日 (木)

島根県・松江に日帰り講演

 2月19日に島根県・松江市の「テクノアーク」でベトナムの経済やビジネスに関する講演をした。元JUKIベトナム社長であった佐藤さんが、私の後に講演された。

 かなり以前になるが、佐藤さんの紹介で私はホーチミン市日本商工会で講演したことがあり、ご縁とは不思議である。

 この講演会は、(公財)しまね産業振興財団・販路支援課が主催する「グローバル経営戦略構築研究会」の一環である。この日は勉強会であり、2月12日(日)から17日(金)には現地市場調査が計画されている。

 松江市の名産をタクシーの運転手さんに聞いて買ったのだが、「あご野焼」(飛び魚の太巻き風のかまぼこ)や「宍道湖のしじみ」(レトルトパック)は美味である。特に「あご野焼」はデンプンを使用していないことが特徴であり、通常の蒲鉾や竹輪とは味わいが違う。お酒のオツマミにもご飯のオカズにも向いた絶品であった。

 島根県の中小企業の皆さんが、ベトナムとのビジネス交流に一歩でも踏み出していただければ幸甚である。

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月17日 (火)

講義アンケートの結果:最近の不愉快の原因

 2011年度前期の講義について、学生のアンケート調査の結果が公開された。私の科目の成績「あなたは講義に満足しましたか」の点数は平均か平均以下が多い。

 この結果は、かなりのストレスを生む。より率直に言って不愉快である。その対象は自分に対して、学生に対して、大学の制度に対してである。

 私は、教員評価の実施について教授会で明確に反対の意見を述べた。このような人事案件は経営問題であるから、上意下達であり、教授会は無力である。経営者に対抗できるのは労働組合であるが、勤務先の大学に教職員組合は存在していない。

 人間だれであっても、その人間を不愉快にするようなことは、止めてほしいと思うのが自然な感情である。「素直に自己反省して教育方法の改善に努める・・・」といったことは、50歳の半ばを過ぎた私のような「おっさん教員」に対しては難しい要求である。

 少数であっても私の講義を支持してくれる学生がいれば、それでよいと思っている。

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月16日 (月)

センター入試の不祥事:2つの原因

 センター入試で答案の配布忘れなどの不祥事があり、受験生に多大の迷惑をかけた。

 私の勤務先の流通科学大学もセンター入試会場となり、私は1月15日の3時限目と4時限目の数学の試験室の責任者であった。

 責任者といっても、入試要項のマニュアル通りに受験生に指示する仕事であるが、何らかの事故があった場合、責任者としての責任を取らなければならない。この意味で緊張するのは当然である。

 センター入試を実施するために、私の大学では2回の監督者説明会を開催している。いずれか1日に出席すれば良いことになっている。

 いわゆる国公立大学や受験生が殺到する私立大学と違って、私の勤務先のような偏差値が低位の私立大学では、センター入試の不祥事発生が受験生にマイナスのイメージを与えてしまうことが懸念される。したがって教職員はセンター入試の無事の監督・実施に真剣に取り組んでいると思われる。

 大学における教職員の緊張感の大小が、不祥事の発生の有無を分けたのではないか。

 もう一つの理由は、試験の実施要項のマニュアルが膨大なことである。現場の監督者として実施要項を全部理解し、それに基づいて的確に対応しなければならないのであるが、本心を言えば、何らかの不測の事態が発生しないことを祈るばかりである。

 試験実施は、どの受験生にも「公平」な試験環境を与えることが大原則である。そのための指針は必要であるが、それ以外の詳細は自由裁量でもよいと思われる。

 実施要項には「皆さん、こんにちは」とか「どうもお疲れさまでした」という台詞は記載されていない。しかし、これらは自然に出てくる台詞である。これらの不規則発言は、マニュアルに記載されていないからといって特に問題ではないと思われる。

 今回の全国的な不祥事を契機にして、現場感覚に即した来年度の改革が望まれる。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月15日 (日)

「満島ひかり」は凄い

 映画「プライド」を見た。

 私は最初、東條英機を主人公にした映画と思っていたが、意外にもマンガを原作とした音楽映画であった。

 主演:満島ひかり・・・演技力・歌唱力に感嘆した。もう1人の主演・ステファニーは引き立て役のようだった。

 満島ひかりは映画「悪人」にも出演していたことに気がついたが、その時には余り強く印象に残らなかった。やはり主演の深津絵里の存在感が大きかった。

 しかし、この「プライド」を見て、満島ひかりの実力や将来性が理解できた。東條英機よりも満島ひかりに偶然に出会うことができた。これは幸運であった。

 彼女の今後に注目したいと思う。彼女とステファニーの歌唱力を堪能してほしい。以下を参照。 

http://www.youtube.com/watch?v=B8E4QJHq01Q
http://www.youtube.com/watch?v=bB3rn5uUTxE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=F6QpNE7KFcU&feature=related   

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月12日 (木)

学生から聞いた就活最前線

 「会社説明会には9時までに会場に入場してください」という指示に対して、10分前に行ったら会場が締め切りになっていた。

 説明会開始の20分前に言ったら、前列から3列目にしか着席できなかった。

 説明会で居眠りする学生がいて、その時に演壇の社長が笑顔で「氏名と大学名を述べて退場してください。あなたは弊社にふさわしくない」と明言した。

 大学3年生の就職活動が開始され、会社説明会が開催されているが、その実態である。

 私語・遅刻・居眠りに厳しく対処していない講義に慣れた学生は、会社説明会でも同様の態度が自然に出てしまう。この意味で、こういった学生の責任は大学教育にある。

 私語には厳しく注意しても居眠りに寛容な教員が多いように思うが、私の講義では、それも注意している。「顔洗って出直して来い」といった台詞を優しく笑顔で言うことにしている。この場合、「何事も大人になるための忍耐力の訓練です」といった理由を説明する。

 居眠り対策として、これからは「ウェットティッシュ」を用意して、これで顔でも拭きなさいと言うのがよいかもしれない。ちょっと実験してみるのも面白い。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月 8日 (日)

何とか帰国しました

 8日早朝に関空に帰国しました。同行の4名の皆さんも無事に帰国されて何よりでした。

 ビエンチャンから関空に向かう「トランジット」のハノイの空港で一時出国して、ロータス投資運用会社のソン会長とタイ社長と喫茶店でミーティングしました。また帰国便では偶然に桃木先生(大阪大学)やジュン領事(大阪総領事館)とご一緒しました。

 全体として今回の調査は成功でしたが、ただし私の体調は最悪でした。現在は元気になりましたが、一昨日は熱と下痢があり、こんなことは今までになかったことでした。

 通常の一人旅と違って少し張り切りすぎたのかもしれません。

 カンボジア・ラオスでお世話になった皆さんに感謝を申しあげます。

 

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月 6日 (金)

カンボジア最前線からの感動

 日本の閉塞感や停滞感を認識する人は多いと思う。

 東北大震災の甚大な被害の中から、自力で立ち上がろうとする人々の感動的話題が、海外にいてもNHK衛星放送を通じて紹介されると日本人として励まされる。

 しかし日本全体として明るい将来が展望できるという楽観的な状況ではないように思う。

 これに対して、カンボジアで働く日本人の皆さんの自信と元気は本物である。未開拓のビジネス最前線に立って、その中から生き残り、新たに前進しようとする人々なのである。

 今回のカンボジア訪問では、特に新しい人々にお目にかかったわけではないが、私にとって新しい感動があった。

 この元気を日本の特に学生に伝えることができればと思う。若い人々の活躍があれば、少なくとも日本の将来は心配ない。

 さらに言えば、元気や意欲は年齢に無関係とも言える。こういった「若い」人々を応援しながら、自らも最前線に立ってみよう。

 新年の抱負をカンボジアの地で思考ではなく体感することができた。この新年の旅は貴重であった。・・・・・・ラオス・ラオプラザホテルにて

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月 3日 (火)

タンソンニャット空港で

 1月3日に関空からホーチミンのタンソンニャット空港に到着しました。

 今からカンボジアのプノンペンに向かいます。これまで必ずベトナム入国をしていましたが、今回が初めてのベトナム通過となります。

 かなり残念な気持ちなのですが、短期間のカンボジア・ラオス訪問なのでしかたがありません。

 これらの成果は、別に連載している岩井証券の「週刊レポート」を参照してください。

 参照 http://www.iwaisec.co.jp/vnreport/index.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月 1日 (日)

新年おめでとうございます

新年おめでとうございます

穏やかな新年ですが、現実の日本は不安材料が一杯です。

個人的には何事にも前向きな気持ちで仕事に取り組みたいと思います。

ベトナムの親友からの年賀メールで、私のベトナムに関するコメントが、BBC NEWS(英国)のベトナム語版(2011年12月11日)に掲載されているとのことでした。

趣旨は、ベトナム人は家族の「絆」が強いので、それをビジネスにも配慮するべきであるということです。

参照 http://www.bbc.co.uk/vietnamese/vietnam/2011/12/111211_japan_viet_labour_shortage.shtml

自分の知らない所での自分のコメントが使用されるのは、嬉しいような変な気持ちです。おそらくこのコメントは、昨年12月の関経連のベトナム訪問に関して共同通信の記者に話したことが転載されたのだと思います。

今年も、どうぞよろしくお願いいたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年12月 | トップページ | 2012年2月 »