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2011年12月21日 (水)

研究・教育・ビジネスの相違点と共通点

 「実学」を表明して、このブログを書き始めて数年になる。今、ここに至って、私の経験してきた研究と教育とビジネスの相違点と共通点について、気づいたことをメモしておきたい。

 まず、それぞれの仕事の特徴は次のようであると思う。

 1.研究・・・自分で自分を管理する。自省・自制しながら仕事を進める。個人的な評価を受ける。自己責任が原則。偶然に左右されることもあるが、研究の努力は必ず報われる。孤高な自己探求。求道的な態度。

 2.教育・・・学生とのコミュニケーション能力が不可欠。学生の気質・能力を的確に理解する。それに応じた教育内容を考案する。学生に対する応用力・適応力が必要。他方、一方的な権威主義が有効なこともある。また、師弟愛が生じることもある。

 3.ビジネス・・・相手のある仕事。この相手には様々な特性があり、学生のように簡単に理解できない。相手に応じた細やかな対応がビジネス成功の秘訣。しかし自己の努力が必ずしも成果に結びつかない。他方、多数の人々からの支援で自分の実力より以上の仕事をすることもできる。これがビジネスの醍醐味であろう。

 これら3者について私の経験では、それぞれの場面での頭の切り替えが求められる。ビジネスの世界で研究者の感情は捨て去る。そうでなければ、自己嫌悪と自己責任の重圧に耐えられないことがある。他方、研究では自省と自制に徹する。ビジネスにおける柔軟な対応や妥協は研究の厳密性・徹底性にとって障害となる。教育は、その中間領域と考えられる。

 一人の人間が、これら3つの仕事をする場合、それぞれのモードの切り替えが必要である。それぞれの場面での重複は基本的に許されない。それぞれが中途半端になるからである。

 しかし、3つの世界の交流や混合は「スパイス」としての効果はある。たとえば、研究においてビジネスに配慮する。教育(特に経済学や経営学)において専門的な研究や実務的なビジネスの話題を提供したり、差し挟んだりする。これはビジネスにおいても同様である。 

 ビジネス世界を経験した実務家が大学教授になることもあるが、その場合は、自省・自制・孤高といったキーワードが重要であろう。他方、大学教授がビジネスに本格的に関係する場合、挫折感や羞恥心を甘受しなければならないし、それを気にしていては次のビジネスができない。

 ここで敢えて「本格的に関係する」と言うのは、大学教授の通常のビジネスとの関係の程度は、ビジネス側からの「依頼」とか「顧問」ということだからである。本格的なビジネスで、その程度の軽い関係はありえない。会社の生死を左右する問題に直接関係することがある。その場合の多くは資金調達の問題である。

 研究・教育・ビジネスの同時追究は、多重人格者でなければ無理かもしれない。それぞれの頭の切り替えができなければ、それぞれが中途半端に終わる。中途半端は、それぞれの場面の人々に迷惑をかける。

 研究・教育・ビジネスにおいて徹底して多重人格者になりきる。これが私の課題であるし、それが私の個性・独創性と評価していただければ幸甚である。

 以上、いろいろ考えたが、その見解の当否はさらに検討が必要であるが、人間としての信頼関係の形成がすべての基本であると思われる。何事にも誠実に対応する。これは、3つの仕事の共通点であり、さらに私が肝に命じる課題でもある。

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