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2011年11月27日 (日)

ラオス・カンボジア研修会のご案内:新年早々ですが・・・

 関西社会人大学院連合(http://www.kansai-auae.jp/top_npo/)・アジアビジネス研究センターが主催するラオス・カンボジア研修会が、以下の日程で開催されます。

 団長はセンター長の関西学院大学の木本教授です。私は案内役で同行します。

 旅程
・1月3日(火):関空~ホーチミン市~プノンペン(プノンペン泊)
・1月4日(水):(プノンペン泊)
・1月5日(木):プノンペン~ビエンチャン(ビエンチャン泊)
・1月6日(金):(ビエンチャン泊)
・1月7日(土):ビエンチャン~ハノイ(深夜便)~
・1月8日(日):早朝・関空

 費用は18万円で5星ホテル使用、食費・移動費も含まれます。現地ビジネス事情を初心者向けに調査することが目的です。社会人・ビジネスパーソンの方々の参加も歓迎です。効率的に2カ国のビジネス=ポイントを訪問できるようにしたいと思っています。

 ご関心の方は、11月末までに私または上記の連合事務局宛にご連絡ください。

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2011年11月25日 (金)

中国ビジネス:卒業生・王旭さんのこと

 大学教員にとって卒業生との交流は嬉しいものである。その中の一人に中国人留学生であった王旭さんがいる。

 彼は、どの研究演習にも所属していなかったが、卒業成績は抜群で卒業式で表彰を受けたほどである。しかし、その卒業式に仕事のために欠席というように、いかにも彼らしい行動を示している。

 まあ簡単に言って、彼と私は変人同士で気が合うということである。「変人」というと、おそらく彼は迷惑だろうと思うが、要するに既存の枠組みには流されたくないという意志があるということである。

 王旭さんの大学時代から私は彼に「ビジネスは信用が第一」と言っていたし、そのことを彼自身も十分に理解していると思う。

 王旭さんの仕事については下記のサイトをご覧ください。ご関心の方は私または彼に直接連絡してみてください。

・天然宝石アクセサリー:
http://blog.sina.com.cn/s/blog_4cc1b8cc0100gg5z.html

・天然宝石、美術書画、工芸品、浮世絵変色タオル、電磁波防止製品:
http://blog.sina.com.cn/s/blog_4cc1b8cc0100ig2l.html

・アリババサイト:
http://www.alibaba.co.jp/group/0-small-1-510160207.htm

・タオバオネットショップ・日韓式女性ファッション:
http://shop63826225.taobao.com/

 なお、以前から私は卒業生に対しては「さん」もしくは「さま」と呼ぶことにしている。社会人になれば、仕事の上で「対等」と考えているからである。いつまでも師弟関係が継続することも「美しい」話であるが、どうも私の実感とは違うように思う。

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2011年11月23日 (水)

やはり日本経済は危険水準に達しているのでは?

 日本の財政赤字が深刻な事態であることは周知のことである。しかし、それは国内問題として考えられるので、対外債務を伴ったギリシャやイタリアの事情とは異なると言われている。

 事実、それだからこそ米国やEUよりも日本の経済状態が良好と判断され、「円高」が維持されていると考えられる。

 しかし、最近の一連の企業不祥事は、日本の国際的な評価を著しく低下させていると思われる。すなわちオリンパス・大王製紙の不祥事や読売巨人軍の内部紛争、さらに東京電力の原発事故対応といった問題である。

 さらに日本の首相が次々に替わるといった政治的な不安定性も、日本の低評価を助長している。また個々の政治家の力量不足も顕著になっている。さらに、そのような政治家を選出する日本人に対する評価も低められているのではないか。

 このように書けば、それは「自虐的」な日本観だという批判が予想される。しかし、それは日本に対する「リスク予想」と考えることができる。日本に対する最悪の評価を日本人がすることは、その状態を回避するための方策を日本人自身が検討する材料になる。

 私は講義で日本人学生には、「やはり日本人は違う」とか「さすがに日本人だ」と外国人さらに身近には留学生から言われるようになりなさいと話している。こういう話をすると、教室が「シーン」とした雰囲気になることを経験している。

 さて、日本の財政赤字が国内問題であるとしても、日本それ自体の国際的な評価が低下すれば、それは「日本売り」のタイミングが接近しているとみなすことができる。

 日本国債の外国人所有は少数としても、株式市場や為替市場での「日本売り」は実際に可能性がある。それによって利益獲得を準備する国際投資グループが存在しているという見解が現実性を帯びているように思われる。

 国際的な日本の評価を維持・高揚させること。今こそ、この観点から日本人が総力を結集することが求められているように思われる。

 

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2011年11月20日 (日)

留学生の入学試験の監督をした・・・

 11月20日(日)は、神戸マラソンの開催日であるが、同時に私の勤務先の入学試験が開催された。私は留学生の日本語試験の監督をした。

 こういった入学試験には、すべての受験生に対する公平な試験を保証するために「マニュアル」(=台本・シナリオ)が存在している。

 この「マニュアル」通りに私が最初に「おはようございます」と外国人受験生に発言すると、大部分の受験生が「おはようございます」と返答した。これには、いささか感動した。

 日本人の受験生に「おはようございます」と言っても、その反応は沈黙である。この日本人と外国人の受験生の相違は何であろうか。

 おそらく留学生の所属する日本語学校が厳しく指導しているのだろうが、それでは日本人の所属する高等学校では、こういった挨拶は指導しないのであろうか。

 確かに「おはようございます」と挨拶したからと言って、試験成績に影響しない。しかし、こちらが「おはようございます」と言えば、条件反射的に「おはようございます」と応答するのが常識(=普通)であろう。

 この観点から言えば、日本人学生の挨拶ができないということは、試験の点数のみに関心があり、それに無関係な事柄については指導を受けていないということではないか。つまり社会人の常識は大学で教育しなければならない。

 1時間の留学生試験(日本語)の監督をしながら、以上のようなことを考えた。

 

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2011年11月19日 (土)

「ビジネス修行」の勧め:ドラマ『塚原卜伝』を見る

 「見えた。おのれは相手とともにある。」

 「これこそ、ただひとつの剣の奥義。一つの太刀じゃ。」

 NHKのBSドラマ『塚原卜伝』(主演:堺雅人」)で主人公が悟りを開いた時の台詞である。

 「おのれは相手とともにある」という意味は、相手のことが自分のことのように理解できるという「心境」である。これは「自他統一」の達成である。相手は、自分の手の内にあり、どのような相手の動きにも「先手」を打つことができる。こうなれば、いかなる勝負でも不敗である。

 こういった「心境」はビジネスにも共通するのではないか。この場合の相手とは、顧客のみならず、仕入れ先・金融機関・従業員などステークホルダー(利害関係者)と広義に考えてもよいであろう。

 これらの利害関係者の気持ちを経営者は手に取るようにわかることが理想である。「おのれは相手とともにある」という心境に経営者が到達できれば、経営者は的確な判断や行動ができる。

 これは経営者に限らない。たとえば営業担当者は、自分の顧客の気持ちが理解できれば、つまり顧客と一体になれば、顧客の気持ちが手に取るように分かり、その結果、「営業の達人」になるはずである。

 ビジネスの知識やノウハウを単に取得するのではなく、ビジネス相手の気持ちを理解できるまでの「心境」に達する。このような行動もしくは活動は「勉強」ではなく、「修行」という言葉が適当であろう。

 混迷の時代の今、新しい時代を開拓する先導者は、比喩的に言えば、既存の幕府や大名や道場ではなく、塚原卜伝のような修行を積んだ武芸者であるかもしれない。少なくとも私の指導する大学生には勉強よりも修行を勧めたいと思う。

 高校時代の偏差値に依拠した「勉強」とはまったく異なった勉強が大学にはある。少なくとも大部分の大学生が社会人になる(=就職する)ことを考えれば、「ビジネス修行」の導入が大学時代にできればと思う。これこそが「実学」ではないか?

 

 

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2011年11月17日 (木)

TPPに関する「戦略的思考」の有無?

 日本政府はTPP参加交渉の参加を決定した。これが「呼び水」となり、カナダとメキシコが新たにTPP参加の検討を始めた。

 関税撤廃による経済的な国境消滅つまり経済統合は、すべての国々の自由貿易を目標とするWTO(世界貿易機構)の趣旨に合致する。この観点から言えば、日本がWTOに加盟した時点から、農業の関税撤廃も想定の範囲内である。

 日本がWTO加盟国である限り、農産物の自由化は回避できない。そうであるなら、農産物の関税撤廃という状況下において、日本の農業のあり方を検討することが当面の政府課題となる。

 長期的・戦略的に考えて、この課題は以前から認識できていたはずである。しかし、それを今になって検討するということは、問題の「先送り」であったことの証明である。歴代政府の怠慢である。これこそ戦略的思考の欠如としか言いようがない。

 ただし本来の戦略とは、そう簡単に表明されるものではない。戦略を明示すれば、それに対する対策が考えられる。自らの「手の内」を対戦相手に教えることは通常はありえない。

 そう考えれば、日本には、国民をも欺くような深謀遠慮の長期戦略が存在しているのかもしれない。このようなことを期待したいのだが、それが皮肉にしか思われないところが、まさに日本の深刻な問題である。

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2011年11月13日 (日)

2011年11月11日に何が起こるか?

 2011年11月11日には、カンボジア証券市場で株式取引が開始されるのではないかと私は以前に予想したことがある。

 これは、ラオス証券取引所の取引開始が2011年1月11日であったから、それを私が勝手に類推しただけである。まったくの根拠がない。

 世界の証券市場を見ていると、今の株式上場は最悪のタイミングである。根拠のない「縁起」よりも経済的合理性が優先されて当然である。

 しかし、こういった「縁起」を非科学的と無視するのは単純すぎる。人間の努力・論理・知識を超えた「何か」の存在を信じることは、人間の無力さを認識することになる。さらに人間を謙虚にさせる効果がある。

 ラオスやカンボジアの人々は、タイやミャンマーと同様に「上座部仏教」が一般的であり、日本やベトナムの「大乗仏教」とは相違しており、より信仰に熱心であると私は実感している。他方、ラオスやカンボジアでも日本と同様に自ら「無宗教」という人がいるが、それでも家族や周囲に合わせた宗教的活動を拒否する積極的な無宗教の人は例外的であると思う。

 私は「人知を超えた」何かの存在を実感している。それは科学的に言えば、偶然とか確率の問題と理解できるであろう。しかし、そういう確率的な現象の存在を認識することが、ビジネスでも重要であると思う。

 「人事を尽くして天命を待つ」。この認識は人間を謙虚にし、その結果がどうあれ、それを天命として受け入れる精神的な余裕を生む。成功の確率を高めるために、ぎりぎりの努力をする。それで失敗すれば、それは「縁」がなかった「天命」と考える。

 こういった気持ちでビジネスに取り組みたい。また、それは大学生の就職活動も同様である。そういった指導を大学生にもしたい。

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2011年11月10日 (木)

ベトナム戦争を振り返る

 この8月に大学生を連れて、ホーチミン市の戦争証跡博物館を訪問した。ベトナム初訪問の学生教育のためには不可欠な訪問場所であると思う。

 数年前に博物館は改築されているが、以前の平屋建ての建物に比べて新築された博物館は巨大である。

 今回の訪問では、韓国人の団体客が目に付いた。韓国人添乗員が一生懸命に提示物を説明していた。ただし何人かはよそ見をしていて、その様子は韓国も日本も同じだなと安心した。

 韓国軍はベトナム戦争に直接参戦し、私の知る限り、ソウル市内の軍事博物館やチョナン市の独立記念館にもベトナム戦争の展示がある。韓国人の関心が高いのも当然である。

 これに対して日本人観光客は、「戦争はもうたくさん」というような戦争嫌悪の感情が強いためか、戦争自体から目を背ける傾向があるのではないか。この博物館は最近の観光コースに含まれていないように思われる。

 以下は、博物館内の展示物の一つを日本語に翻訳した。ベトナム戦争における米軍の爆撃・砲弾(トン数)の大きさに驚かされる。第2次世界大戦の2.86倍、朝鮮(韓国)戦争の5.5倍となっている。なお、これらの数値は、あくまでも米国側の数字であると推察される。 

 米国の参戦はベトナム戦争後も、レバノン、グレナダ、イラン(湾岸戦争)、イラク、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アフガニスタンなどと続く。参照:『ウィキペディア』アメリカ軍。

 この意味で下記の表は、未完成である。ただし、それはベトナムの責任ではない・・・・・・。

       米国が参戦した3大戦争の比較数値 

Photo

 

(出所)ホーチミン市戦争証跡博物館の展示から筆者翻訳。

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2011年11月 9日 (水)

TPPの賛否:本音を話そう

 APECが開催を機会に、私自身のTPPに関する賛否を明らかにしておきたい。

 私の意見は、やや複雑である。経済的な意味での自由貿易促進のTPPには、農産物の関税撤廃を含めて賛成である。他方、「内政干渉」に匹敵する国内制度改革が強制されるTPPには反対である。

 農産物の自由化反対が、TPP交渉参加に反対する大きな理由となっているが、農産物を含む貿易自由化・経済統合・経済グローバル化は、より大きな世界の平和的な経済統合に向けて不可避な通過点であると思う。

 消費財・資本財のみならず食糧・資源・エネルギー・人材・医療技術・環境などの国際的な相互依存関係が進展・深化するほど、それは戦争の抑止力になると考えられるからである。

 極端な話、国内の食糧自給率を上げる目的は戦争準備のためであろうか。そうではないはずである。単なる気休めではないか。経済の相互依存関係が国際的に確立されていれば、食糧自給率が0%であっても、日本は安泰であろう。たとえば食糧はベトナムに依存するが、ベトナムの工業生産は日本に依存する。両国ともに不可欠な抜き差しならぬ経済の相互依存関係があれば、両国間に紛争があったとしても、解決に向かうように妥協・努力されるであろう。このように自由貿易化は軍事衝突を回避する安全保障手段である。

 また、自由貿易地域の枠組みとして、TPP交渉に参加するとなれば、同時に私はASEAN+3(日本・韓国・中国)の発展にも関心を向けるべきであると思う。TPP交渉参加によって米国の顔を立てたのだがら、中国も加わるASEAN+3の内実の深化や「東アジア共同体」の推進に日本は米国に遠慮なく取り組むべきである。

 さらにTPPが貿易自由化のみならず、さらに金融自由化を含むとすれば、投機的な資金移動に対する規制や緩和措置も不可欠である。それが、1997年のアジア通貨危機や2008年のリーマンショックなどからの教訓ではなかったのか。この配慮なしのTPPには賛成できない。

 以上のように賛成とか反対とか単純に言えないのが辛いところである。また一般に、今後の交渉で決まることを事前に賛成・反対と言うことは不適当である。

 実際に会ってみないとわからない「お見合い相手」を事前に想像で評価するのに似ている。最初から嫌いなら最初から会わなければよいが、それでは相手に失礼になる場合もあるだろう。TPPの場合、この「相手」とは米国である。この意味では、交渉に参加すること自体に私は反対でない。

 ただし、TPP交渉において日本政府は国益を最大化する外交力量をもっているのであろうか。私には疑問である。どうせ日本は米国に言いなりになるのではないか。それなら、TPP交渉に参加しないほうがよい。また、それは交渉とは言わない。米国の「御用聞き」である。このような懸念が現実になることは、沖縄の基地問題に対する日本政府の対応で十分に類推できる。

 なお、『毎日新聞』(2011年11月8日)によれば、「交渉参加国には「日本が参加すれば、米国のけん制になる」と期待する向きもある。日本政府にも「複数国で交渉した方が米国の圧力をかわしやすい」(経済産業省幹部)との思惑ものぞく」と指摘されている。

 このような交渉参加国の間での外交力が日本政府に期待できるのか。少なくともベトナムは日本の交渉参加に期待しているであろうとすでに指摘したが、これも注目点である。

 私は、ベトナムは経済的には小国であるが、外交的な能力は高いと判断している。「全方位外交」の政策とは、日本や欧米など先進国のみならず、ロシア・中国・インドなど新興大国と関係を結びながら、地元のASEAN諸国との友好・親善も重視する。ベトナムがTPP交渉に参加するということ自体、ベトナム外交の高い力量を示していると思う。

 日本の国論を二分する大きな問題である。以上の私見も、また変化するかもしれない。いずれにせよ、今後の推移と政府の交渉を注視しなければならない。

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2011年11月 8日 (火)

ライオンズクラブの不祥事について

 11月7日の夕刊各紙は、世界最大の社会奉仕団体・ライオンズクラブの近畿地区を統括する協議会議長が、東日本大震災の義援金を着服した疑いで逮捕されたと報道した。

 参照:ライオンズクラブ http://lionsclubs.org/JA/

 私は、箕面船場ライオンズクラブの会員として、この報道の以前から事情を知っていた。この不祥事は、世界各国のライオンズクラブに対する「日本の恥」と言っても過言でない。ただし、日本のライオンズクラブ内部での「自浄作用」が機能していたことが何よりの救いであった。

 これまで私はライオンズクラブの活動の一環として、外国青少年の日本受け入れ事業に関与してきた。具体的にはフィンランド人とマレーシア人のホームステイを引き受けた。また、私が主導するラオスのボランティア活動に対して資金的な援助を箕面船場ライオンズクラブから受けてきた。

 また、日本赤十字社の献血や骨髄移植の活動を支援し、さらに地元の清掃活動、また市民病院に医療機器を毎年寄付している。東日本大震災では遺児の育英資金を毎年継続して寄贈することになっている。

 私の勤務先の流通科学大学の創設者、ダイエー創業者の故・中内功も逝去直前までライオンズクラブ会員であった。

 ライオンズクラブは会員の推薦がなければ、加入できない。これまでの活動を振り返って、少なくとも社会の役に立っているという実感はあった。しかし、今回の事件は最悪である。ライオンズクラブの「L字のバッチ」を胸に着けることもはばかられる。

 日本のライオンズクラブは、この不祥事を契機にして原点に立ち返ることが必要であろう。私のような末端の会員ではなく、地区の議長といったクラブ幹部の不祥事であるから、より根深い問題があると考えなければならない。この意味では、単なる個人的な事件ではなく、内部改革・内部点検が必要な組織問題ということになる。

 こういう指摘は簡単であるが、その内部での自己改革となると多大の困難が伴う。これは、あらゆる日本の組織に共通した課題であろう。しかし、それを克服した組織=企業こそが、成功企業として存続できるのである。

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2011年11月 7日 (月)

ベトナムの最低賃金の引き上げ:追加と訂正

 岩井証券(株)のホームページや、社団法人・日本ベトナム経済交流センターの『センターニュース』でベトナムの賃金上昇について、その実態と私見を紹介した。その両者の内容要旨は次のようである。

・岩井証券 http://www.iwaisec.co.jp/
・日本ベトナム経済交流センター http://www.j-veec.or.jp/

 なお、上記センターの拙稿全文のアクセスは会員パスワードが必要である。そこで以下に拙稿で紹介した内容の要点を述べておく。

 (1)例年は毎年1月1日から最低賃金は引き上げられるが、今年は高いインフレのために年度途中の10月1日からの引き上げとなった。

 (2)たとえばホーチミン市では、最低賃金が200万ドンとなり、2008年の100万ドンに比べて3年10か月で2倍の上昇となっている。これによって労働集約的な製造企業は、ベトナムよりもカンボジア・ラオスやミャンマーなどに進出国の変更を検討するようになっている。

 (3)ベトナムに労働集約的な製造業が進出するとすれば、地方の省における工業団地がお勧めである。ただし、製造業では鉄鋼や原油精製など素材産業が発展するので、まだまだ業種を吟味すれば、ベトナム進出の余地は十分である。

 (4)事実、日系企業における一般のワーカーの平均賃金を見れば、ベトナムはタイや中国の半分以下の水準である。

 (5)2008年11月に1米ドルが15,000ドン、1米ドルが95円であるとすれば、現在は1米ドルが21,000ドン、1米ドルが75円になっているとする。このような数値を考えれば、3年間で米ドルに対してベトナムドンは40%の「ドン安」、日本円は27%の「円高」が進行した。

 (6)上記の為替変動に基づけば、2008年に100万ドンの最低賃金の支払いは、日本円で6,333円となる。同様に2011年に2倍の200万ドンの支払いは、7,143円になる。これは、3年間で12.8%の上昇を意味する。

 (7)3年間で賃金が2倍上昇と聞けば、躊躇する日本企業も、13%であれば、それは許容の範囲内ではないだろうか。

 以上の(7)のような指摘は、為替変動によって日本経済・日本企業が大きな影響を受けることを実感させられる。「円高」によるマイナス要因は多々指摘されるが、プラス要因を積極的に活用することが、日本企業には必要であると思われる。

 さて、この拙稿を執筆後に次の誤りに気がついた。つまり、ベトナムの最低賃金は4つの地域ごとに区別されているのだが、適用地域が2011年10月1日から大幅に変更されていることである。これは、次のウェブサイトを参照してほしい。

http://www.hskv.com.vn/vi/thong-tin/quy-dinh/66-minimum-wage-from-oct-2011-to-dec-2012

 上記のサイトによれば、最低賃金の一番高い地域(地域Ⅰ)は、次のように変化した。

2011年1月1日~9月30日(従来):
・ハノイ市とホーチミン市の中心部

2011年10月1日~2012年12月31日(現在)
・ハノイ市の中心区及びGia Lam, Dong Anh, Soc Son, Tu Liem
・ハイフォン市の
中心区及びThuy Nguyen, An Duong, An Lao, Vinh Bao
・ホーチミン市の中心区及びCu Chi, Hoc Mon, Binh Chanh, Nha Be
・ドンナイ省ビエンホア市及びNhon Trach, Long Thanh, Vinh Cuu, Trang Bom
・ビンズン省Thu Dau Mot, Thuan An, Di An, Ben Cat, Tan Uyen
・バリアヴンタウ省ヴンタウ

 このような地域の拡大は、工業地帯が都市中心部から周辺都市に拡大していることを示している。私見では、今回のような変則的な時期での「賃上げ」は、ベトナム政府の迅速な民意の吸収を意味しており、政治安定には不可欠なことであったと評価されうる。

 以上、訂正したいと思います。

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2011年11月 5日 (土)

TPPの賛成論と反対論に欠落していること

 長谷川慶太郎氏は、経済評論家として私が学生時代から著名である。

 彼の経済予想は時には外れることもあったが、その理由を長谷川氏自身が「ちょっと組み合わせの変数を間違えただけ」とか「使用する方程式を間違った」と言って、その誤りを余り意に介さなかったということを以前に間接的に聞いた。

 経済学の法則や理論は、「こうなれば、ああなる」の組み合わせだが、「こうなれば、そうなる」こともある。経済予測が外れるのは、「ああなる」と思ったことが、予想外に「そうなる」からである。

 TPPに関する賛否は、このような論争のように思われる。自然科学の分野の議論のような印象を私は受けている。つまり、その論争の核心は、マクロ的な経済指標・経済要因の効果を大きく評価するか、小さく評価するかや、どの方程式をTPPの効果に適用するかである。

 しかし実際の経済には、たとえば貿易相手国としての米国やその他の国々の出方や、日本の主体的な政策決定が大きな影響を及ぼす。また為替変動や東日本大震災やタイの洪水のような不測の事態も大きく影響する。

 また、経済理論それ自体に多数の仮定が置かれているので、実際にTPPに参加したからと言って、全部がマイナス効果とか、全部がプラス効果にはならないと思われる。

 以上、要するにTPPに参加するも、参加しないも、それは大きな問題ではない。そのいずれの場合も、政府が主体性をもって行動できるかどうかが問題である。TPPに関する議論で欠落していることは、この政府の主体性の有無である。この主体性とは、言い換えれば、国家戦略とか成長戦略を策定・実行する能力と言ってもよい。

 そういう主体性・戦略性があれば、TPPに参加しても参加しなくても、その条件下において日本の「国益」(より正確には国民の利益)を最大化させることはできると思う。

 最大の不安材料は、そういった主体性がないままにTPPに参加すれば、おそらく米国の言いなりになって日本経済はますます属国化するだろうし、他方、政府の主体性なしにTPPに参加しないとなれば、おそらく日本経済や日本農業における現状のままの停滞が続くであろうし、アジアにおける日本の存在感はますます軽量化するだろう。

 結局、現在の政府では、TPP交渉参加の有無にかかわらず、日本の将来に期待できないということではないか。

 

 

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2011年11月 4日 (金)

「ゴルゴ13」の配役は誰が最適か?

 『朝日新聞』(2011年11月3日)によれば、漫画「ゴルゴ13」がハリウッドで映画化の企画が進行中だそうである。

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 誰がゴルゴ13を演じるのか。これまで日本映画では、高倉健と千葉真一であったが、今度のハリウッド映画の配役はどうなるのか。国際スターとみなされる渡辺謙や真田広之では、ちょっと体型が違う。180cmを超えるがっしりした筋肉質の体型が必要である。

 映画『沈黙の・・・』シリーズのスティーヴン=セガールを思い浮かべるが、ゴルゴ13は東洋人の神秘的な個性も魅力であるから、東洋人という基準は譲れない。それに少し年配である。そうなると、日本人のみならず、韓国人や中国人の俳優が演じても悪くない。しかし日本原作の漫画なのだから、やはり日本人が望ましい。 

ファイル:Koji Murofushi Daegu 2011.jpg 

 私は、俳優ではなくアスリートであるが、ハンマー投げの室伏広治氏を推薦したい。日本人の父親とルーマニア人の母親のハーフであることも、ゴルゴ13の別名「デューク東郷」を彷彿させる。

 ゴルゴ13は寡黙であるから、ほとんど台詞は不要である。ただし、多国語を流暢に話すシーンはぜひ見せて欲しい。それがまたカッコイイ。問題は、室伏氏に格闘技アクションと狙撃シーンやラブシーンが可能かどうか。しかし、ともかくハンマー投げは、強い筋力と瞬発力を必要とする競技であるから、これはゴルゴ13の肉体と共通した特徴である。

 ただし、室伏氏は笑顔が魅力である。無口で陰気なゴルゴ13とはまったく逆の性格のように思われる。これが問題だ。

 以上は私の「妄想」であるが、この際、新しいイベント企画として、ゴルゴ13の主役を世界から公募すればどうか?この企画のスポンサーは必ず現れると思う。

 私は、中学生の時に『ビッグコミック』連載の「ゴルゴ13」を読み始め、しばらくして『別冊』を発売毎に購読して現在に至っている。40数年間の連載は、まさに日本を代表するコミックである。これがハリウッドで映画化されるというのだから、日本人として最善の配役を期待したい。早くも公開が楽しみである。 

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2011年11月 3日 (木)

訃報:人見美喜男さんを偲ぶ

 社団法人・日本ベトナム経済交流センターの創立者であり、現在は会長となっている人見美喜男さんが11月2日(水)午前11時17分に逝去されました。享年78歳でした。

 ご家族のご意向で家族・近親者のみでお通夜と葬儀をされますが、詳細は下記の通りです。合掌

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・通夜 11月3日(木)18時~

・告別式 11月4日(金)10時~

・正光社 長岡会館 〒617-0822 京都府長岡京市八条が丘2丁目27
 電話 057-957ー0042

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 人見美喜男さんは、ホーチミン市名誉市民賞の受賞者であり、さらに2007年にベトナム外務省から「友好賞」が当時の国家主席チェット氏から授与された。それと同時に日本ベトナム経済交流センターも団体として同じく「友好賞」を受賞した。

 私が現在、日本ベトナム経済交流センターの副理事長となったのも、1999年に人見理事長(当時)から、同センターの顧問になってほしいという依頼があったことがきっかけである。

 その依頼を受けたのは、1999年6月の「日本ベトナム親善サッカー試合」の開催をお手伝いしたことに始まる。関西のプロサッカーチーム4団体の若手選抜チームが、ハノイでは「ハノイ公安チーム」、ホーチミン市では「ベトナムナショナルチーム」と対戦した。日本のチーム名は「J-関西」。いずれの試合も日本が勝ったけれども、ホーチミン市での試合は白熱であった。

 この日本代表選手の中には大黒将志・元日本代表も含まれていた。私は彼の着用した試合用ユニフォームを所持していたが、ハノイ在住で日系企業のサッカー連盟のお世話をされていた三井海上火災保険(当時)ハノイ総代表の胡間さんに記念に贈呈した。

 また住友商事で現在はインド総代表の山口さんは、当時はタンロン工業団地の社長であり、ハノイ日系企業のサッカーチームではゴールキーパーを務められていた。当時のタンロン工業団地は、現在の盛況からは想像もできないほどに閑散としており、広大な敷地ではネズミが走り回り、電気配線をかじっているという噂があるほどであった。1997年に始まったアジア通貨危機の影響が残っていたのである。

 この試合には毎日新聞の鈴江記者が同行取材し、日本選抜チームの様子の一部は毎日放送がテレビ放映した。ハノイ日航ホテルの歓迎会には、日本大使館から当時の中村特命全権大使も出席された。ホーチミン市では林総領事夫妻が球場で試合を観戦された。また日本チームの選手はハノイとホーチミン市の日本人学校を訪問し、小学生とサッカーでの交流を深めた。

 私は1998年から1999年までベトナムに在外研究のために滞在していたために、このサッカー試合の開催に向けて協力することになった。現地の日系企業から寄付金を頂戴したり、ベトナムのサッカー協会との打ち合わせをしたり、私にとって貴重な経験であった。

 こういった親善サッカー試合の企画・運営の中心に人見美喜男さんがいた。アジア通貨危機でベトナム投資が冷え込んでいるから、そういう時にベトナムの国技ともいうべきサッカーの交流をしたいという人見さんの発案であった。

 ベトナムで日本遠征チームがサッカーをするのは初めての経験である。いくつかのトラブルが発生したが、人見さんのリーダーシップはさすがであった。それは特に何か行動するというものではなかったが、強い意志で不動の姿勢もしくは態度を維持された。これが私を含めた周囲の人々に安心感を与えた。

 強い意志、強い信念、不動心といった言葉が人見さんにふさわしい魅力である。また同時に、理路整然とした説得的な話しぶりや、時折見せられる子どもか青年のような茶目っ気のある純粋な笑顔も忘れることができない。さらに楽天主義であると同時に深い戦略的な思考も人見さんから学ぶことができた。

 なお、これは余り知られていないが、ベトナム国鉄の列車の中で「人見弁当」という名前の駅弁が販売されていたことがある。これは人見さんが、ベトナム国鉄に提案して実現したものである。食品管理などの問題のために、しばらくして「人見弁当」の販売は中止されたが、ベトナムを古くから知っている人は記憶されていると思う。私は、この話をダナン在住最長の井上さんから聞いた。

 多くの人々を惹きつける「人見マジック」に魅せられて10年以上が経過した。ちょうど人見さんが心肺停止という連絡があり、センターの織田事務局長が病院に向かう時、私は大阪・梅田のセンターでベトナム進出の相談者の対応をしていた。また偶然に数日前に1999年の親善サッカーのビデオテープを某社に郵送したばかりであった。

 このような出来事を想起すれば、人見さんのベトナムに対する貢献のほんの一部であるかもしれないが、それを引き継いで行くことが私の今後の使命のように思われた。残された私にとって「人見マジック」は今も健在である。

 どうぞ人見さん、ベトナム全土をを自由に旅して下さい。ご冥福をお祈りいたします。

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