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2011年9月18日 (日)

京都大学・塩地先生の報告からのアイデア:アジア経営学会(1)

 アジア経営学会が京都の龍谷大学・深草キャンパスで開催された。9月16日は理事会に出席し、17日は自由報告と統一論題で司会を担当、そして18日は各先生の報告から勉強をさせていただいた。

 大学教員も学会となれば、休日返上で働くのであるが、これは個人的に重労働である。どうも夏休みの海外出張の疲労感が抜けない。 しかし、学会出席で勉強できるのだから、それが仕事である。

 今回の報激的な報告は、京都大学・塩地洋先生の「日中韓自動車産業の国際競争力比較」であった。要旨は簡単である。

 世界の自動車生産量は、生産国基準(どこで作ったか)では、中国(1826万台)が日本(963万台)を上回っているが、メーカー基準(だれが作ったか)では、中国(980万台)よりも日本(2267万台)が上回っている。このことは、日本の国際的な競争力が健在であることを示している。

 たとえばブラジルは生産国基準では364万台を生産しているが、ブラジルの純粋な自動車メーカーはないので、メーカー基準では0台となる。この生産メーカーの国とは、世界本社がその国にあり、開発・生産など主たる機能がその国にあるといった条件である。いわゆるCKD(100%部品の組み立て)生産の国は生産国にはなりえても、生産メーカーの国とは言えない。

 このような塩地先生の報告を通して、私は農業生産を想起した。たとえば日本の食糧自給率を向上させると言う場合、日本人の生産者が外国で生産した農産物は日本の生産に含まれないのだろうか。

 現在の食糧不安の原因は「外国で」「外国人が」生産するからであって、「日本で」「外国人が」生産したり、「外国で」「日本人が」生産する場合はどうなのだろうか。

 日本経済新聞(2011年8月1日)によれば、韓国政府は、「海外に農地を確保して穀物生産を拡大する対策をまとめた。2020年までに国内対策と合わせて約10兆ウォン(約7300億円)の予算を投入。海外生産分を含めた穀物の自給率を現在の27%から65%に引き上げる」と指摘されている。

 カンボジアの広大な土地使用権を韓国や中国が取得していることを実際に見聞して、私に投資資金があればと痛感した。個人の利益というよりも、日本の利益のために土地を確保しておくべきだと思った。

 これまで「日本で」「日本人が」生産するだけでは、日本の自動車産業さらに言えば、日本の製造業の発展はありえなかった。現在の日本の海外農産物の生産は、「外国で」「外国人に」委託生産するのだと思う。その方がコストが安いからである。

 そうではなく、「外国で」「日本人が」生産するべきではないか。もちろん働くのは外国人となるが、農地の所有権・使用権は日本人が確保するべきである。こういった実態が不明である。現在のTPP参加の是非を議論する場合、こういった統計資料も提示してほしいと思う。

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