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2011年9月20日 (火)

理論は何のためにあるか?:アジア経営学会(2・完)

 現実から事実を整理し、それを理論化する。その理論化のために先行研究を十分に検討する。その理論が新しい知見を提供する内容であれば、それは理論=学問に貢献したことになる。これが一般に学者=研究者の仕事もしくは使命と思われている。

 アジア経営学会の報告を聞いていて、こういった学問的な手順を踏んでいる若手研究者が多数であり、学問=研究のプロとして育っている若い人々を頼もしく思った。また、私自身の反省材料にもなった。

 しかし、「理論のための理論化」という研究姿勢が気になる報告があった。何のための理論かということである。少なくとも経営学では、現実の企業経営に対するフィードバックが必要であろう。何らかの現実の企業経営に対する「含意」が意識されなければならないと私は思う。

 現実の企業経営に対して最も直接的な貢献は、このようにすればよいという具体的な助言・示唆である。実例を示して現実の企業経営に貢献する。

 しかし、それでは一般性がなく、普遍的な貢献ではない。そこで理論が登場する。理論的に有効な貢献は、幅広い現実に対して適応可能でなければならない。しかも、それぞれの個別の企業に対して豊富な示唆が提供できなければならない。そうであれば、それは立派な理論である。

 私は、現実の企業経営に対する適応性・有効性を考慮しない理論はありえないと思う。そうでなければ、少なくとも理論化に協力してインタビューに時間を割いていただいた企業現場の人々に非礼であろう。

 企業経営者の立場になれば、大学の先生のインタビューは時間の浪費ではないか。何のビジネスのプラスにもならない。なぜなら、基本的な質問に答えるだけのことが多いからである。有益なインタビューとは、双方向の対話があり、お互いに有益な情報交換ができる場合であると思う。そのようなインタビューができるように私は努力したいと思う。

 

 

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