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2011年4月 4日 (月)

ベトナム「祖国戦線」の活動(3・完):ベトナムの「底力」を体現

 今回のベトナム訪問時に「祖国戦線」に関するで次の2つの新聞記事が目に付いた。

 1.祖国戦線が貧困層向けに3億1,510万米ドルを調達Viet Nam News, March 18, 2011.: 祖国戦線は、貧困な人々を支援するために個人または組織から6兆5700億ドン(3億1,500万ドル)以上を昨年に調達した。その資金は社会福祉プロジェクトと恵まれない人々のための8万5千軒を超える住宅の建設と改修に使用された。

 2.ベトナム共産党と祖国戦線がペルーを訪問Viet Nam News, March 25,2011.: ベトナム共産党とペルー共産党:赤い祖国の代表団は、友好と相互協力の拡大と強化の方法について3月21日から23日にペルーで会談をもった。それ以前の3月17日から19日にベトナム代表団はメキシコ労働党の招待でメキシコシティの国際ワークショップに出席した。

 第1の記事は、祖国戦線の集金力に驚かされる。また、これがベトナム社会の「底力」と認識するべきである。いわゆるマクロ的な経済統計だけに注目すれば、ベトナム経済は危機的状況とも言われたことが何度もあったが、ベトナム経済は健在であった。その不思議な「種明かし」は、このような祖国戦線の活動と言えるかもしれない。

 私の知人に祖国戦線のメンバーである企業経営者がいる。彼は富裕層とみなされるが、自分のためだけにお金を使うのではなく、この記事のような多大の社会貢献をしているのだと想像される。

 第2の記事は、ベトナムのTPP(環太平洋連携協定)加盟の事前準備であると思われる。ベトナム・メキシコ・ペルーはAPEC加盟21カ国・地域に含まれ、その中でペルーはベトナムと同じくTPP加盟を検討中である。このようにベトナムの「全方位外交」に注目される。この代表団の中にも祖国戦線が含まれていると想像される。(注:記事の見出しには祖国戦線の名前があるが、本文には触れられていなかった。)

 以上、ベトナム祖国戦線の経済的・政治的・社会的な役割の重要性を指摘した。ベトナム経済分析において祖国戦線を無視できないと私は思うし、また無視していては的確な分析はできないのではないか。

 

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