« (社)日本ベトナム経済交流センターのニュース | トップページ | 原発事故:関東・関西の「学者」気質の相違 »

2011年4月 1日 (金)

兵庫県震災復興研究センターからの緊急提言

 兵庫県震災復興研究センターは3月31日、緊急提言を発表しましたので、お知らせします。私の知人からの情報です。

・・・・・・
2011年3月31日

福島第一原子力発電所事故対応への緊急提言

                     兵庫県震災復興研究センター

 東京電力(東電)は東北地方太平洋沖地震の前、同社HPで「過去最大の津波を上回る、地震学的に想定される最大級の津波を数値シミュレーションにより評価し、重要施設の安全性を確認しています。また、発電所敷地の高さに余裕を持たせるなどの様々な安全対策を講じています」と、万全の津波対策を表明していました。

 ところが福島第一原子力発電所はこの度の地震津波でブラックアウトし、冷却機能喪失という重大事故を引き起こしました。しかもその後の緊急対応は後手、後手の場当たり対応に追われ事故状況をますます深刻化させ、地震発生から20日が過ぎ、放射能汚染は陸海空域に広がる中で、事故の状況は一向に収束する方向が見えてきません。

 このような絶望的危機に陥りかねない事態を引き起こした東電の責任は重大だと言わねばなりません。しかし今は東電の責任を云々している時ではなく、危機的事態をいかに収束させるかです。最悪の事態回避を願って、以下のことを緊急提言致します。

1.国は先に立ち上げた対策チームに的確・迅速な指揮権限を持たせ、機動力をもった対策チームにすること。また、東京電力をその指揮下におくこと。

  この間の推移をみれば、東電および原子力安全・保安院の危機管理能力への疑問は増幅するばかりである。東電は対策チームの指揮下に入り、その指示のもとに、持てるすべてを投入して事態収束作業に専念する。なお、対策チームは、原発メーカーの重用を図ることも重視すべきである。

2.すべてに優先して、一刻も早く安定した循環冷却機能を回復するのに全力を投入すること。

  建屋地下やトレンチの放射性滞留水の早急かつ慎重な除去ももちろん重要であるが、いま万難を排して優先すべきは、圧力容器と使用済み燃料保管プールの循環冷却機能の回復である。それなくして事故の収束はもちろん、避難解除の見通しも放射能汚染浄化の展望も見えてこない。

3.冷却機能の回復方策については、原子炉建屋地下既設冷却設備復旧にこだわらず、たとえばタービン建屋の地上フロアあるいは建屋外部など、作業可能な放射線量率の場所に応急の循環冷却設備をつくり、これと蒸気・復水・給水管など圧力容器につながる配管を活用するといった別方策を検討すること。

  地下に設備されている冷却設備の復旧にこだわっていては、時間を空費する恐れがある。その復旧のためには、大量の高濃度放射性滞留水を除去しなければならず、何日もかかって除去したからといって、海水や 放射性滞留水に冠水していて復旧できる可能性は小さく、たとえ復旧しても、これまでの海水注入で何トン・何十トンという大量の塩分が圧力容器内に溜まっており、その塩分で配管系統は閉塞し、水が流れない可能性が大きい。最悪の事態に至るまで残された時間は多くない。従って、上記のような応急手段、あるいはもっと別の手段があればそれの構築に一刻も早く取りかかるべきである。

4.3月30日、経済産業大臣と原子力安全・保安院が出した原発事業者に対する「緊急安全対策」の指示に止まることなく、根本解決に向けての施策を追求すること。

    「津波により交流電源供給、海水利用原子炉冷却機能、使用済燃料貯蔵槽冷却機能すべてが喪失した場合の緊急安全対策」として指示したものだが、その内容は極めて限定的である。すなわち、

 ①今回のような非常事態には、迅速・的確な緊急対応能力を持つ人的体制が不可欠だが、今回の事故で明らかになった東京電力や原子力安全・保安院の能力欠如に対する抜本改革に触れていない。

 ②災害事象を津波に限定している。

 ③指示している原子力安全保安院の具体策は、つまるところ「電源車と消防車を活用せよ、そのための訓練をせよ」と言っているだけと読み取れる。

 これでは、この度の事故で行ったおおわらわの対応策を追認し、これからは遅滞なくそれができるようにせよ、と言っているに過ぎない。従って、今回の指示はとりあえずの一歩であって、引き続き第二、第三と根本解決に向かう施策が追求されなければならない。

5.国内既設諸原発を総点検するとともに、建設中・計画中原発は中止すること。

(1)総点検では、とくに非常用冷却システム、残留熱除去システム、電源設備、冷却用海水の取放水設備、送受電設備などの耐震・耐津波・耐洪水・耐土砂崩れなどにかかわるハード面、および災害発生時の緊急対応 体制などソフト面を点検し、堅牢化、冗長化、より安全な設置位置、緊急対応体制の立て直しなど、安全対策を早急に実施し、それらの点検と実施対策の結果を公表すること。

(2)国は、点検と安全対策の審査を実施するための関連諸分野の専門家からなる組織を原子力安全・保安院と切り離して設置して、安全性を審査して公表すること。

(3)福島第一原発など旧型BWR(沸騰水型軽水炉)については、地震や津波対策だけでなく、原子炉自体の安全性の観点から、早急に廃炉の取り組みを進めること。

以 上

■兵庫県震災復興研究センター■
代表理事 塩崎 賢明(神戸大学大学院工学研究科教授)
代表理事 西川  榮一(神戸商船大学名誉教授)
事務局長 出口  俊一(阪南大学講師)
650-0027 
神戸市中央区中町通3-1-16、サンビル201号
電  話:078-371-4593
ファクス:078-371-5985
Eメール:td02-hrq@kh.rim.or.jp
ホームページ:http://www.shinsaiken.jp/

|

« (社)日本ベトナム経済交流センターのニュース | トップページ | 原発事故:関東・関西の「学者」気質の相違 »

コメント

目に見えることは人間の力で改善できるが、目に見えないことを解決しなければ、真の復興にはならない。そして、それ以上の惨劇を繰返さなければならなくなる。
私たちが、今、しなければいけないことは、『救世主スバル元首様』に、救いを求めることだ。
  もう、時間がない!!
http://www.kyuseishu.com/tanuma-tu-koku.html

投稿: hikaru | 2011年4月 1日 (金) 15時53分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 兵庫県震災復興研究センターからの緊急提言:

« (社)日本ベトナム経済交流センターのニュース | トップページ | 原発事故:関東・関西の「学者」気質の相違 »