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2011年4月 7日 (木)

ベトナムも中国も進出の狙いは地方の工業団地

 4月6日(水)、大阪のTFG税理士法人(http://www.tfg.gr.jp/Index1.html)の「TFG共栄会」が主催する「中小企業戦略:躍進するアジア経済との共生を語る」というシンポジュウムがあった。中国・ベトナム・タイの企業経営事情を中小企業の経営者に紹介することが目的である。その報告者は次の通りであった。

コーディネーター: 湯浅哲彦氏 (経営コンサルタント)
コメンテーター:
○上田義朗氏 (社団法人・日本ベトナム経済交流センター)
○魚谷禮保氏 (大阪ウェルディング工業株式会社)
○香川忠利氏 (Hoei (Thailand) Co., Ltd.)

 そこで魚谷氏が、中国の工業団地に進出されたご経験に基づいて発言されたが、その内容のいくつかはベトナムにも妥当すると思われた。その要点は、中小企業の今後の進出先は地方の工業団地ということである。

 ベトナムではホーチミン市やハノイ近郊の工業団地では、労働力不足また賃金上昇が当然となっている。インフレが10%を超えているベトナムでは、賃金の上昇圧力は強い。また賃金の高低による労働者の移動は当然となっている。

 最低賃金で多数の労働者が集まったベトナム進出は、もはや夢物語となったように思われる。それでは中小企業はどうすればよいか。ベトナムの次と考えられる隣国のカンボジア・ラオスそしてミャンマーやバングラディッシュに進出先を買えなければならないのであろうか。

 しかしベトナムのインフラの向上は顕著であるし、中国よりも賃金水準は半分程度である。また労働力の質や日本との政治関係は世界で最も良好である。進出先としてのこれらの魅力は捨てがたい。

 私見では、そこで考えられる戦略はベトナムの地方進出である。これまでホーチミン市やハノイに仕事を求めて「出稼ぎ」に出ていた労働力を地元で吸収することを目的にして、地方都市で工業団地が多数設立されている。

 これらの労働力は都市部に比較して低賃金であるし、ジョブホッピングの頻度も低いと思われる。地方と都市部とのアクセスはインフラ整備(高速道路の建設など)で大きく改善している。

 ベトナム進出の場合、検討されることは地方の工業団地である。中国の地方における工業団地に進出して成功された魚谷氏のお話を聞いて、このことを確信することができた。

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