大震災の対応を外国から見て
今、ハノイのノイバイ空港である。18日午後からプノンペン~ビエンチャンと移動し、ハノイ経由で19日早朝に関空に到着。その足で午前中に神戸ポートピアホテルで挙行される卒業式に出席する。
流通科学大学は、東日本地震の被災者に配慮し、また神戸大地震を経験した学生の意見に従って、卒業式に続いて開催される懇親会(謝恩会=忘恩会)をアルコール抜きで簡素に実施する。余裕資金を被災者に義援金として贈ることなった。
外国出張中とは言え、常時NHK衛星放送は見ていたが、その中で折木良一・統合幕僚長の会見が秀逸であった。その毅然とした態度は国民に安心を与えるものであった。まさに国民を守る自衛隊の本領発揮である。
天皇陛下の談話は、緊急情報があれば、中断しても良いというご要望があったという注釈付きで放送されていたが、さすがに天皇陛下らしいお心遣いであると感心した。これも外国に強い印象を与えるであろう。
また、枝野官房長官も世界的に男を上げたと思う。明確な語り口は好感がもてた。ただし、単なる印象と現実の内容の評価とは別である。これまで政府には危機対策マニュアルが用意されていないのかと思うほどに対応が遅すぎる。
さらに私は、この時期に北朝鮮がミサイル発射実験などの「挑発」をしてきたらどうなるかという懸念をもったが、それはないようである。ということは、同国も国際的な常識をもっているということなのだろう。
急激な円高に対してG7が国際協調で市場介入したことは、日本が先進国の一員として、また世界の中で欠くことが出来ない国であることを明示した。そのような日本に理不尽な「挑発」をすることは、すべての国際社会を敵にまわすことを意味する。
今後の日本は自負をもって毅然として対応すればよい。このことは、国際社会を味方に付けていれば、どんな国でもそう簡単に軍事行動はできないことを示唆しているように思われる。
今後の日本の震災復興と原発事故対応は、それを世界が注目しているだけに、日本人の「気概」を内外に示す好機である。 逆に言えば、ここで政府そして日本人が、その伝統的な特徴と思われる無責任性、欠如したリーダーシップ、非論理性、曖昧性を示すなら、日本の評価を低め、それでは震災被害者がうかばれないであろう。
今回の地震の対応を外国から1人で見ていて、以上のようなことを考えた。自分自身が日本人であることを強く自覚できたし、日本の再生・復興のために「気概」をもって帰国しようと思う。
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