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2011年2月15日 (火)

ベトナムに関する兼松の申告漏れ

 『日本経済新聞』(2011年2月10日)は、ベトナムにおける汚職事件と見られる次のような報道をした。

・・・・・・・・・・以下引用開始・・・・・・・・・・

 商社の兼松が大阪国税局の税務調査を受け、2009年3月期までの5年間で計約2億5千万円の申告漏れを指摘されていたことが9日、同社への取材などで分かった。ベトナム国営造船グループへの受注工作に絡み、不透明な支出もあったとみられ、同局はこうした支出を含み悪質な所得隠しを約1億5千万円と判断したもようだ。

 追徴税額は約1700万円。本来、重加算税など約1億円に達するが、累積赤字と相殺されたという。兼松はすでに全額納付したとしている。

 同社などによると、同社は10年以上前からベトナム国営造船ビナシンと取引。船の建造はビナシンが担う一方、兼松は機材や船舶設計、造船技術をビナシン側に一括供給しているという。

 この一括供与を巡って発生したベトナム現地の代理人側への多額の支払いについて、兼松は仲介手数料として経費に当たる「損金」として処理。しかし、国税局は受注工作を巡る不透明な支出があったなどと指摘し、損金計上できない「交際費」と判断。悪質な所得隠しも認定したとされる。

 兼松は「受注に絡む正当な支払いだったと認識しているが、国税当局からの指摘があり、修正申告した」としている。
・・・・・・・・・・以上引用終了・・・・・・・・・・
 上記のベトナム国営造船企業のビナシンは経営危機に陥り、多額の負債を抱えた企業である。日本側は修正申告で問題解決であるが、ベトナム側は国営企業に関する問題であり、当然、汚職事件に発展する。兼松の上記の「ベトナム現地の代理人」とは誰か? その代理人は、どのような工作をしたのか? 当然の疑問であるが、これは明白に解答できない事柄であろう。ビジネス上の信義の問題である。
 他方、ベトナムでは、この兼松の事件の発覚以前に、ビナシンの経営不振の問題が国会で取り上げられていた。すでにビナシン前会長が逮捕され、その経営は再建中である。このようにベトナムでもビナシン問題は一件落着となっている。
 以上の経緯を見れば、今回の兼松の事件でビナシン問題は終結である。しかしベトナムは、汚職事件の再発防止を真剣に考えなければならない。
 経済成長のための前提として政治的安定性が重視されることをベトナム国民は広く理解していると思われるが、頻発する汚職は国民の不満を間違いなく増大させる。賢明なベトナム政府の善処を期待したい。
 
 

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