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2011年2月28日 (月)

ベトナム料理店:神戸三宮のタン=カフェは面白い

 神戸・三宮駅から徒歩3分の美味しいベトナム料理店がある。名前はタン=カフェ。私は2回目の訪問である。

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 Thang ☆ Cafe 電話 078-391-0335
 サンプラザ地下1階。
 ・・・・・・

 先週末に上記のタン=カフェに1人で夕食に立ち寄った。この日は就職活動3年生のための面接訓練が大学であった。私は面接者の役割である。その後は、研究室の整理・整頓・掃除を少しばかり試みた。5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は、日本企業のビジネスの基本であるが、その実行は難しいと実感できる。

 タン=カフェでは、生ビール・生春巻き・牛肉炒め・フォーガー(鶏肉の米粉麺)を注文した。これは注文過多。満腹、満腹。これで2,500円ほどである。いろいろなベトナム料理を1人で楽しめコースもあればよいのだが、この店は少なくとも2人以上の来店がお勧めである。

 もっとも、お酒を飲んだ「仕上げ」のフォー(米粉麺)の注文は推奨である。日本人、特に関西人の味覚に合った薄味が嬉しい。

 タン=カフェの印象は次の通りである。

 1.お客に若い日本人グループが多い。私のようなおじさんには元気がもらえる。⇒三宮地下(サンチカ)の人気店であると思う。

 2.ベトナム人店員は元気で楽しい。これも好感。⇒日本語の達者なベトナム人がベトナム人料理スタッフにベトナム語で大声で注文を伝える。この雰囲気が楽しい。

 3.ハノイというよりホーチミン市の大衆店の味と雰囲気を感じる。⇒この店の雰囲気はハノイというよりもホーチミン市である。ハノイでも店員が元気な店は多々あるが、どうも何となくホーチミン市の飲食店のような印象を受ける。

 4.最近流行のフランス風の高級ベトナム料理店とは異なった美味しい味が楽しめる。⇒わいわいと騒がしい。これが愉快とも不愉快とも感じられる。これがベトナムである。少し気取ったベトナム料理店も悪くないが、本場の雰囲気はタンカフェである。

 5.何でも要求して何とか対応してくれるベトナム流の雰囲気を楽しめる。⇒フォーガーが出てきて、本場の「生ライム」の切片がなかった。この酸味がフォーでは不可欠の味である。親指と人差し指の指先を何度か合わせたジェスチャーを送れば、レモンの切片が出てきた。嬉しい接客である。

 以上、タンカフェは三宮でお勧めのベトナム料理店である。 

 

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2011年2月26日 (土)

訃報 永野忠さんを偲ぶ

 2月25日早朝に永野忠さんが亡くなったというお電話を奥様から頂戴した。この電話は留守番電話に入っていて、その後にお嬢様からもお電話を頂戴した。

 永野さんは宝塚ロータリークラブの会員であり、米山ロータリー奨学金の選考委員をされていた。2005年度に奨学金を受給した流通科学大学大学院のベトナム人留学生のキムフンさんを通して知り合いになった。

 その後、私の学生のゼミ旅行に同行して、ベトナム訪問をご一緒した。普通の観光旅行では本当のベトナムのことが理解できないという永野さんからのご希望であった。学生向けのホテルは格安であり、ハノイの貿易大学で河内音頭を踊って大学交流するなどは、確かに観光旅行では経験できないことであったと思う。

 Img_0087_800x600 ハノイのホテルの階段で足をくじかれたのだが、どうも普通のねんざではなく、ハノイのフランス病院にお連れすると、骨にひびが入っているという診断であった。それでも学生とハーロン湾観光をご一緒し、さらにホーチミン市まで同行された。おそらく団体旅行ということで、相当の痛みを我慢されていたのだと思う。この点では、奥様やご家族にご心配をおかけしたことを思うと今でも心苦しい。

写真の右端が永野さん
2007年3月に3回生ゼミ学生と一緒に

 これ以来、ベトナムについての記事をロータリーの機関誌に書かれたり、宝塚国際交流協会の主催でベトナムセミナーを2年に渡って開催される主役となられた。そのご様子を傍らから拝見していて、すっかりベトナムに魅入られて、ますますお元気なことを喜ばしく思っていた。

 「日本の病院で足をみてもらったら、ハノイの病院の処理は的確と言われて感心したんです」と言われていた。ベトナムでの不快な思いを前向きに解釈されるところが永野さんらしいと思われる。常に積極的に何でも好奇心をもって良い方向に解釈する。前向きな姿勢が元気な秘訣であることが実感できた。

 永野さんの最晩年になってから、おつきあいが始まった。奥様やお嬢様からのお話で、ご自宅でよく私の名前が出ていたということであった。ありがたく恐縮である。

 また、前述のキムフンさんに私は訃報を伝えたが、ちょうど亡くなる前日の24日に永野さんから電話があったということであった。最後までベトナムのことを気に掛けておられたのである。

 温厚な人柄、特に、はにかんだような優しい微笑は忘れられない。どうぞ思う存分にベトナムの旅を再び楽しんでいただきたいと思う。なお、永野忠さんの享年は87歳。シベリア抑留も経験されたと聞いた。

 ベトナムを通して心温まる思い出を頂戴した。永野さん、そしてベトナムに感謝しなければならないと思う。永野さん、ありがとうございました。

  

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2011年2月23日 (水)

カンボジアで国益を守ったSBI証券に感謝しなければならない

 ベンチャーキャピタル大手SBIホールディングスのカンボジア現地法人のSBIプノンペン証券が、、カンボジア証券市場で最初の上場企業となる国営シハヌークビル港湾公社のIPO(株式新規公開)の主幹事証券になることが決まった。

 『日本経済新聞』(2011年2月21日)夕刊の報道である。

 このシハヌークビル港湾公社は、以前から私が指摘してきたように日本のODA(政府開発援助)資金で開発され、さらに近隣の輸出加工区の建設と誘致についても継続して支援されている。

 この公社の株式が公開され、その株式が日本以外の外国に取得されることは、日本の国益に反することにならないか? このような問題提起を私はしてきたし、そのことを『朝日新聞』にも投稿したが、私の力量が及ばず、掲載にはならなかった。

 しかし日本のSBI証券が主幹事証券になり、ひとまず日本の面目は立ったと考えることができる。

 たとえばシハヌークビル港湾公社が、中国資本の株式取得によって、中国の空母や潜水艦の基地化することもあると私は懸念したのである。日本の血税を投入して建設・整備されたシハヌーク港が外国籍の軍事基地に変貌する。これは杞憂ではない。

 このような場合、日本の官民が連携して国益を守らなければならない。現地の日本大使館が何らかの役割を果たしたら、それは評価されるべきであるし、そうでなければ逆に批判を甘受しなければならない。

 そして何よりも、よくぞSBI証券は主幹事の地位を獲得したと思われる。同社のカンボジア進出は韓国など他国の証券会社よりも遅かったのである。血税を負担する日本国民は、SBI証券に感謝しなければならない。

 カンボジア証券市場にはプノンペンの水道供給公社も株式公開する予定であり、それにも日本のODA資金が供与されている。しかし上記のシハヌーク港のように軍事目的に転用されるといった可能性はない。

 日本の証券会社が主幹事になったからと言って、安心するのは早い。たとえばIPOの入札価格において中国資本が最高値を付けることも当然にありうる。この場合にどうするか? 

 私見では、株式公開前に戦略的パートナーとしての日本の安定株主に株式を譲渡することもありうる。すでに私は、日本の郵便貯金などの資金が適当であると指摘した。

 郵便貯金の投資先として日本のODA支援事業のリスクが高いとうことになれば、日本のODA事業を否定することになる。ODA事業だからリスクが低く、したがって郵便貯金が投資する投資先として適当である

 以上のように、この日経記事は、単なる新興国カンボジアの証券市場のニュースではなく、日本のODAのあり方や官民連携の新しい体制を考える材料となるべきものである。もっとももっと多くの人々に、このブログを読んで頂きたいと思う。

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2011年2月22日 (火)

ベトナム投資信託の動向:念のために

 『朝日新聞』(2011年2月19日)の金融情報のページに「オープン投信」という記事があり、「東南アジア対象のファンド:ベトナムやタイ投資も健闘」という見出しがあった。

 このベトナム投資信託とは「ドラゴン・キャピタル・ベトナムファンド」のことである。2010年8月10日に設定され、1月31日時点で3ヶ月暴落率が1.14%とプラスになっていることが紹介されている。

 この「ドラゴン・ファンド」は私にとって少なからず因縁がある。このファンドを運用するドラゴン・キャピタル社の設立を契機にして、私はロータス投資運用会社の設立に協力しようと思ったからである。ベトナムに対して深く長い関係をもった日本が、なぜ証券投資においてドラゴン・キャピタル社のイギリス人に先を越されなければならないかという素朴な憤りがあった。

 このファンドの基準価格は、2011年2月18日に9,315円である(『日本経済新聞』電子版http://www.nikkei.com/、マネー参照)。現時点で、朝日新聞が取り上げるほどの好業績を上げているように思われない。本年2月11日のベトナム通貨ドンの切り下げの影響を受けている。

 投資信託も株式と同様に基準価格が下げれば買って、上がれば売るという売買が原則である。しかし一般の多数の投資家は、下がれば売り、上がれば買うという行動を取る。この意味でベトナムの株式や投資信託は買いである。

 ただし今後も「ドン通貨の切り下げ」のリスクがあるが、これは「円安」になれば相殺される。「ドン安」と「円安」の動向がベトナム投資の為替リスクと考えれば良い。

 ちょうど昨年8月、私がハノイのロータス投資運用会社のタイ社長・CEOと面会した時、「今度、ドラゴンファンドが新しくファンドを設定するらしい」という情報があった。「今、設定すれば、ベトナム株式は底値なので基準価格は値上がりするね。よいタイミングの設定だ」と話合ったことを思い出す。

 なお、ロータス投資運用会社は、岩井・コスモ証券が発売する投資信託「メコンのめぐみ」の投資運用を担当しているが、それはベトナム株式のみならず、ラオス株式とカンボジア株式にも投資する。本年から、ラオス株式とカンボジア株式の組み入れが始まるはずだから、上記のベトナム株式ファンドとは次第に一線を画することになるだろう。

 

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2011年2月19日 (土)

日本の中小企業の海外進出先はベトナム(1):ベトナム側の事情

 ベトナム経済の最大の課題は何か。それは貿易赤字の解消である。そのために本気で裾野産業を育成しなければならない。

 もちろんベトナム経済政策にとって経済成長が大前提であるが、そのほかに所得格差の是正、インフレ抑制、インフラ整備など多数を指摘できる。それぞれに経済・金融政策があり、それらの中には矛盾することもある。

 たとえば経済成長のために低金利が好ましいが、インフレ抑制のために高金利政策が現在は採用されている。こういった矛盾をどのように考えれば良いか。また、政策的な整合性をどのように説明すればよいか。

 私見では、貿易赤字の解消のための政策が最優先されるべきである。それも一時的なドン通貨切り下げといった対症療法ではなく、原因療法の政策が求められる。それには時間が必要であるが、それがベトナム経済の安定的な成長には当然の「王道」である。

 この原因療法の要点は輸入代替産業の育成である。つまり産業構造それ自体を黒字体質に転換しなければならない。より具体的には、裾野産業を育成しなければならない。

 以上、なぜ貿易赤字の解消が最優先なのか、その原因療法がなぜ輸入代替産業の育成なのか。その輸入代替産業が、なぜ裾野産業なのか。これらの理屈=論理については別途に検討したい。(つづく)

 

 

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2011年2月18日 (金)

太陽光発電システムの勧め

 拙宅の屋根に太陽光発電システムを設置した。毎日の発電量や売電量が記録されるモニターも付いている。

 大阪で雪が降った日があった。その日は積雪のために発電量が0kwとなったので、屋根に登ってパネルの「雪下ろし」をした。その後に確かに発電量は少し回復できたが、屋根の足下が滑って大変怖い目に遭った。大阪で「雪下ろし」のために大学教授が死亡。このニュースは格好がつかない。

 さて、この太陽光発電であるが、一般に認知度は低いし、さらに多くの人々の反応は「設置の値段が高い。売電しても投資回収に10年以上かかる」という消極的な内容である。

 太陽光発電については、このような投資回収の発想をする人が多いと思われるが、ここで考え方を変えてみてはどうか。

 なぜ、ハイブリッド自動車の「プリウス」に乗るのか。普通のガソリン車よりも価格の高いプリウスの所有者は、おそらく投資回収などの発想はないと思われる。「エコカー」に乗車することが一種のステイタスである。より一般に言って、ベンツやレクサスに乗車する人に投資回収の発想はありえない。

 太陽光発電も同様に一種のステイタスとなってもおかしくない。ただし、そういったステイタス志向の人は、けっして投資回収を急いで「雪下ろし」はしないはずである。この意味でも、投資回収の発想は太陽光発電で持ってはいけないことを身をもって学んだ。

 

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2011年2月17日 (木)

韓国映画「戦火の中へ」

 先週に東京出張した時に、どこの駅構内であったか韓国映画『戦火の中へ』の壁看板があった。

 テレビドラマ『アイリス』で私のお気に入りになったキム=ソン=ウが韓国軍将校の役である。また同じく『アイリス』の殺し屋の役で強い印象を残したBIG BANGが主演である。こうなると必見である。舞台は朝鮮戦争である。

 歴史を振り返れば、この朝鮮戦争による「朝鮮特需」で日本経済は復興の弾みをつけた。隣国で大きな犠牲を払っている中で日本は利益を得た。

 その後、ベトナム戦争では韓国軍が参戦し、その「ベトナム特需」で韓国経済は高度経済成長に突入した。そして現在、そのベトナムに対して日本や韓国が投資を進め、それがベトナム経済の発展に貢献している。

 『戦火の中へ』は米国映画に匹敵する大規模な戦争映画であるが、日本人にとっては以上のような歴史を考えれば、より深みのある感慨に浸かることができるだろう。このような期待を込めて、映画館に足を運ぼうと思っている。

 他方、日本のテレビドラマ『不毛地帯』で共演した竹野内豊と唐沢寿明の映画『太平洋の奇跡』も公開予定である。これはサイパン島の日本軍と米軍の戦闘を描いている。前述の『戦火の中へ』と同時期に公開というと、両者の比較ということになってしまう。

 なお、『週刊現代』(2011年2月26日、155頁)で映画監督の井筒和幸が、『戦火の中へ』を先に見たので『太平洋の奇跡』を見る気が失せたと述べている。そして「日本勢はもう勝てないね」と評価をしている。

 以上、同時期に公開される戦争映画、日韓比較が面白い。

 

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2011年2月16日 (水)

剣客商売:秋山小兵衛の生き方

 池上正太郎の『剣客商売』が、ケーブルテレビの時代劇専門チャンネルで連続で放映されていた。

 改めて見れば、藤田まことが演じる主人公の秋山小兵衛の生き方は魅力的でる。時の権力者である田沼意次(配役:平幹二朗)と姻戚関係という特権的な立場であるが、それだからこそ我々は安心して見ていられる。

 秋山小兵衛は、年齢が30歳は離れている妻(配役:小林綾子)がいる。この設定が何と言っても面白い。ウィットの効いた会話は何度見ても飽きない。

 この秋山小兵衛の生き方は、正直に言えば、中年男性の理想ではないか? もちろん理想と現実の乖離は世の常である。だからこそ、何度も『剣客商売』を見ることになる。

 小説=映画=ドラマが長期的に人気を持つためには、この乖離が大きければ大きいほどよいということが理解できる。 

 世の中には勘違いして、この乖離を短絡的に短縮することを使命や努力と誤解している人々がいるように思われる。ここから悲劇や場合によっては犯罪が発生する。

 小説=映画=ドラマは、その世界にどっぷり浸かって楽しむ。それで満足すべきである。「どっぷり浸かる」ということで言えば、たとえば温泉の露天風呂を楽しみたいと言って、自宅に露天風呂を作っても、それは本物ではない。人間は本物にしか感動しない。

 本物の露天風呂を楽しむように、本物の小説=映画=ドラマを楽しむ。それらを本物の現実を楽しむ糧(かて)にすればよいのである。

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2011年2月15日 (火)

ベトナムに関する兼松の申告漏れ

 『日本経済新聞』(2011年2月10日)は、ベトナムにおける汚職事件と見られる次のような報道をした。

・・・・・・・・・・以下引用開始・・・・・・・・・・

 商社の兼松が大阪国税局の税務調査を受け、2009年3月期までの5年間で計約2億5千万円の申告漏れを指摘されていたことが9日、同社への取材などで分かった。ベトナム国営造船グループへの受注工作に絡み、不透明な支出もあったとみられ、同局はこうした支出を含み悪質な所得隠しを約1億5千万円と判断したもようだ。

 追徴税額は約1700万円。本来、重加算税など約1億円に達するが、累積赤字と相殺されたという。兼松はすでに全額納付したとしている。

 同社などによると、同社は10年以上前からベトナム国営造船ビナシンと取引。船の建造はビナシンが担う一方、兼松は機材や船舶設計、造船技術をビナシン側に一括供給しているという。

 この一括供与を巡って発生したベトナム現地の代理人側への多額の支払いについて、兼松は仲介手数料として経費に当たる「損金」として処理。しかし、国税局は受注工作を巡る不透明な支出があったなどと指摘し、損金計上できない「交際費」と判断。悪質な所得隠しも認定したとされる。

 兼松は「受注に絡む正当な支払いだったと認識しているが、国税当局からの指摘があり、修正申告した」としている。
・・・・・・・・・・以上引用終了・・・・・・・・・・
 上記のベトナム国営造船企業のビナシンは経営危機に陥り、多額の負債を抱えた企業である。日本側は修正申告で問題解決であるが、ベトナム側は国営企業に関する問題であり、当然、汚職事件に発展する。兼松の上記の「ベトナム現地の代理人」とは誰か? その代理人は、どのような工作をしたのか? 当然の疑問であるが、これは明白に解答できない事柄であろう。ビジネス上の信義の問題である。
 他方、ベトナムでは、この兼松の事件の発覚以前に、ビナシンの経営不振の問題が国会で取り上げられていた。すでにビナシン前会長が逮捕され、その経営は再建中である。このようにベトナムでもビナシン問題は一件落着となっている。
 以上の経緯を見れば、今回の兼松の事件でビナシン問題は終結である。しかしベトナムは、汚職事件の再発防止を真剣に考えなければならない。
 経済成長のための前提として政治的安定性が重視されることをベトナム国民は広く理解していると思われるが、頻発する汚職は国民の不満を間違いなく増大させる。賢明なベトナム政府の善処を期待したい。
 
 

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2011年2月14日 (月)

カンボジアとタイの国境紛争について

 エジプトの「民主化革命」に世間の関心が集まり、最近は報道されなくなったが、タイとカンボジア国境の軍事衝突はアジア諸国の中で注目されるべき問題である。

 これは、簡単に言って、世界遺産に登録されたプレアビヒア寺院の領有権を両国が主張していることから生じる紛争である。

 私は、紛争拡大は抑制されると考えている。その理由は、タイもカンボジアも共通のアセアン加盟国としての交渉の共通舞台をもっているからである。

 2009年4月のタイのパタヤで開催された首脳会議で、フン・セン・カンボジア首相とアピシット・タイ首相は再発防止に努力することで一致したとされている。それにもかかわらず、今回の衝突があったことは、両国首脳の国軍に対するリーダーシップの欠如を意味するという解釈もありうる。

 いずれにせよ、アセアン議長国であり、事務局があるインドネシアが両国の仲介に乗り出すと言われている(『朝日新聞』2011年2月8日)。タイもカンボジアもアセアン脱退はありえないのだから、何らかの解決のための合意が生まれるであろう。

 上記の「交渉の共通舞台」をもつことに日本は、より一層の外交努力がなされるべきである。たとえば日本と中国や韓国との間の紛争があった場合、国連のほかに交渉の場はどこにあるのだろうか? 

 ひとつは「アセアン+3(日本・中国・韓国)」の枠組みである。この枠組みが経済的に強化されれば、その政治的な「交渉の共通舞台」もより有効に機能することになる。タイとカンボジアの紛争と同様にアセアンが仲介者としての役割を果たしてくれるかもしれない。それでは、日本とロシアの間では、どのような「交渉の共通舞台」があるのか?

 もちろん「二国間交渉」が本筋であろるが、紛争時には仲介者が必要である。それが国連なのか、米国なのか。また、それだけで十分なのか。確固たる外交戦略が今こそ日本には必要と思われる。

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2011年2月13日 (日)

富永幸子さん:仕事と連絡先

 NHK「ラジオ深夜便」でお声を拝聴した富永幸子さんが代表をされている特定非営利活動法人・国際協力NGO・IV-JAPANは、以下のホームページを参照してほしい。

 http://www6.ocn.ne.jp/~iv-japan/

 NHKという性格上、こういった私的な宣伝活動はできないので、その代わりとして僭越ながら、私が紹介をさせて頂こうと思う。

Dsc00132  ビエンチャンの富永さんの活動拠点である職業訓練校は、ワッタイ国際航空から市内に向かって5分ほど自動車で走った所に位置している。左手に見えるノボテルホテルの隣、長期滞在の外国人向けマンションであるパークビューの裏手にある。

 現在は、日本料理訓練の実習のために日本料理店を昼間に開店している。私は、ラオス訪問時に必ず富永さんを訪問し、この日本料理実習店で食事をすることにしている。

 この日本料理、味は問題なく、お勧めなのであるが、注文してから出てくるまでに時間がかかる。だからこそラオスであり、だからこそ実習店である。時間に余裕のある人には、ぜひお勧めである。ラオスビールを注文して、ちょっと待ってとバイクで買いに行くと言った冗談のような実話もある。

 注:最近ベトナムでは昼食にビールを飲まない人が増えた。当然、午後の仕事が待っているからである。数年前までは昼間から「宴会」であったのに・・・と寂しくなる。それだけベトナムも普通のビジネスの国に変化している。これに対してラオスでは、依然としてビールを飲める雰囲気が残っている・・・と私は思いたい。

 ここで食事をすること自体が、ラオス人の職業訓練に貢献することになる。そのように考えれば、同じ昼食でも有意義で心が癒やされる。こういった付加価値がラオスにある。これこそがラオスの魅力である。

 なお、この職業訓練校はJICAの資金協力もあり、昨年は岡田克也外相(当時)が見学している。この訓練校は、ラオスで成功している「JICA草の根パートナー事業」の実例である。

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2011年2月12日 (土)

ラオスの富永幸子さんがNHK「ラジオ深夜便」に出演

 2月12日(土)早朝0時30分頃からのNHK「ラジオ深夜便」の「アジアレポート」にラオス在住の富永幸子さんが出演された。

 富永さんは、私にとって「一宿一飯」の恩義のある人である。

 2001年に私がラオス・ビエンチャンに滞在中に、富永さんの自宅に何度か招待されたことがある。当時の日本料理店は今と違って数店しかなく、富永さん宅の手料理は最高のご馳走であった。

 人間、特に食べ物に卑しい私などは、こういった「恩義」は忘れ難い。それを契機にして私は富永さんをラオスの大先輩として敬愛している。もちろん、その人柄と献身的なNGO活動が何よりの富永さんの魅力である。

 放送では、ラオスの人々の心の優しさが、富永さんの経験に基づいて説明された。ラオス人そして富永さんの暖かい気持ちが伝わってくる。

 この「ラジオ深夜便」の担当は、私の出演時にお世話になった中村宏アナウンサーであった。お二人の姿を想像してラジオ放送を聴く。楽しい深夜のひとときであった。

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2011年2月11日 (金)

ラオス株式を最初に買った日本人

 『日本経済新聞』(2011年2月10日、夕刊)の「らいふプラス」では、「交流サイトで投資の勉強」という見出しで投資関連の主な交流サイトを紹介している。

 この交流サイトとは、一般にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と呼ばれるもので、同好の人々が名前を公開して情報交換するインターネットを活用するサービスである。

 この記事の中で次のような記述がある。

 「海外投資専門のSNSもある。「ワールドインベスターズ」はその一つ。会員の是政さん(ニックネーム)は、1月に証券取引が始まったラオスで、日本人として初めて口座を設けた。「本日も全銘柄ストップ高!」。市場が始まって依頼、日記を毎日更新している。」

 このワールドインベスターズは「完全招待制」で、新興国株など海外投資に興味をもつ会員が中心。会員6200人が自分の体験や運用成績を日記で活発に議論すると紹介されている。

 ラオス株式の取引開始について私は、すでに岩井証券のHP「上田義朗の週刊ベトナムレポート」で経緯を紹介している。上場企業が2銘柄であるから、上述の「全銘柄ストップ高!」という表現は確かにそうなのだが、やや刺激的である。

 今年の旧正月(2月3日)直前に2倍ほどの値上がりになって、大量の株式が売りに出た。このことは、おそらく中国系やベトナム系の投資家が、旧正月のための現金を確保するために株式を売却したと想像される。

 いずれにせよ、ラオス株式市場に関心が高まることは歓迎である。それがラオス民間企業の上場意欲を刺激し、それがラオス経済の発展に貢献するからである。この意味で、ラオス株式市場を短期売買のマネーゲーム市場化する投資ではなく、長期投資の検討を勧めたい。

 

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2011年2月10日 (木)

柳生宗矩=但馬守の比較検討(下)

 柳生宗矩=柳生但馬守の配役として若山富三郎・中村嘉津雄・萬屋錦之介の誰が最適か? 

 萬屋は連続テレビ時代劇「子連れ狼」の主人公・拝一刀(おがみ・いっとう)の印象が強烈である。この「子連れ狼」映画版では若山が同じ役を演じている。

 私見では、柳生宗矩は柳生新陰流の総帥としての余裕や貫禄を見せて、その険技は柔軟で優雅で軽快でなければならない。この点で、萬屋は拝一刀と同様のスタイルで柳生宗矩を演じているように思われる。体裁きが堅い印象を受ける。確かに貫禄や威厳はあるが、堅い「力み」がある。

 これに対して若山は、柳生宗矩と拝一刀の両者を区別して演じている。もっとも区別するというよりも、それぞれを演じた年齢の差が演技に反映されていると考えることが妥当かもしれない。若い時の拝一刀と年齢を重ねた時に演じた柳生宗矩では演技が相違して当然である。

 これまで私は若山の柳生宗矩が最高であると思っていた。しかし中村の宗矩を改めて見て中村も捨てがたいと考えるようになった。

 中村が佐藤浩市と戦うクライマックスが特に必見である。あたかも眠狂四郎の「円月殺法」のように剣を持つ手が柔らかく回転する。これに最初に引き込まれる。その後の軽快な足裁き。そして身体を軽く前転させる。これらこそが剣の達人と思わせる。

 若山の場面も、宝蔵院の槍術と戦う時の軽快な足裁きと体移動に驚嘆させられた。若山の演技力の基礎的力量の高さが十分に示された。さらに江戸城内での立ち回りは歌舞伎か舞踊のような動と静の対比を見せながら優雅さと緊張感を漂わせてみせた。クライマックスで千葉真一との戦いで見せる若山の狂気を含んだ笑みも鮮烈である。

 『魔界転生』における「前作」の若山を意識して「後作」の中村の演出が考えられ、そして中村も役作りをしたはずである。したがって中村の柳生宗矩が若山に劣るとは考えられない。両者は甲乙つけ難い。それにしても中村の一瞬の表情が実兄の萬屋を思わせることも印象深い。同じ兄弟でも若山の実弟である勝新太郎に柳生宗矩のイメージは浮かばない。

 いずれにせよ、時代劇の名優の演技をDVDで何度も見ることができる。「隠密剣士」から約半世紀。ファンにとって楽しみは尽きない。

 

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2011年2月 9日 (水)

柳生宗矩=但馬守の比較検討(上)

 最近、DVDやVOD(J:COMオンデマンド)で時代劇映画を連続して見た。『魔界転生』の旧版(1981年公開)と新版(2003年公開)の2作品、それに『柳生一族の陰謀』(1978年公開)の合計3作品である。

 私は自称、時代劇ファンである。 チャンバラは私の子ども時代の日常的な遊びであったし、毎週日曜日に「タケダ、タケダ、タケダ~」と連呼する武田薬品のCMが記憶に残る「隠密剣士」は必見のTV番組であった。

 さて冒頭の3作品に共通して登場するのは徳川幕府や柳生家の人々である。時代劇ファンとして注目するのは、それらの剣劇の場面である。

 その主役は、やはり柳生宗矩すなわち柳生但馬守。将軍家の剣術指南役として当時最高の険技を誇ると言われているのだから、その立ち回りは重要なシーンであるし、その配役もそれ相当でなければならない。

 各作品の柳生宗矩は次のような配役である。
 ①『魔界転生』(旧作)・・・若山富三郎
 ②『魔界転生』(新作)・・・中村嘉葎雄
 ③『柳生一族の陰謀』・・・萬屋錦之介

 これら3名それぞれの「柳生宗矩」は、いずれも甲乙つけ難い魅力である。さらに、これら3名のほかに最高の「柳生宗矩」はだれか? こういう問題を考えるのは楽しいのだが、私にとって時間不足である。これらの議論は、近い将来の課題である。

 なお、①と③の柳生十兵衛の役は千葉真一(当時)、②は佐藤浩市である。千葉と佐藤を比較することは、佐藤に厳しすぎる。身体能力からして千葉が圧倒的である。しかし私見では、当時の達人と言われる剣士が千葉のような肉体派のイメージかと言えば、必ずしもそうではないと想像される。あたかも修行僧または解脱の境地のような人物ではなかったのか?

 これは『柳生連也武芸帳』(コミック)からの印象である。次回、この柳生宗矩=柳生迂但馬守を演じる若山・中村・萬屋を比較検討してみよう。 (つづく) 

 

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2011年2月 8日 (火)

国益を最優先にしてTPP参加の是非を検討する

 TPP参加の是非について、もっと国民的な議論が活発になってもよい。それは、この問題についてマスコミがもっと報道してもよいという意味も含まれている。

 このTPP参加の是非の判断基準は、やはり国益にとってプラスかマイナスかである。それでは、国益とは何か。

 社会保障や経済成長などすべて国益にプラスになるのだが、すべてに優先される国益とは、安定的な食糧供給ではないか。

 国防も重要な国益であるが、「腹が減っては戦(いくさ)はできぬ」と思う。戦国時代には「兵糧攻め」という有効な戦略もあった。

 TPP参加の議論の中で、こういった観点も真剣に考えることが必要であると思われる。そういった問題提起はマスコミの使命である。

 

 

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2011年2月 6日 (日)

川嶋修三さんの記念講演

 2月3日は、午前中の東京から神戸に直行して、ゼミ生の総会に出席した。流通科学大学は入学試験のために学内立ち入り禁止。そこで神戸学園都市の大学共同施設であるユニティを会場にした。その記念として、富士通コンピュータ・アプライアンス・ベトナム初代社長の川嶋修三さんに講演をお願いした。

Ts3r0057  川嶋さんと私は、1998年にホーチミン市で初めてお目にかかって以来の交際である。私はゼミ生に対して「私の最も尊敬する企業経営者の一人」と紹介し、「川嶋さんの勇気と努力があってこそ、現在のベトナムと日本の友好的な経済関係が形成されている」と説明した。

 近年にベトナムに進出する日本企業は幸せである。川嶋さんのベトナム在任当時とは「雲泥の差」の投資環境である。私は、川嶋さんの業績を後世に伝えることが、ベトナム研究者としての使命であるとも述べた。

 個人的に言えば、川嶋さんの豪放磊落というか、いわゆる前向きの積極的な生き方が好きである。技術者としての緻密さは当然お持ちであるが、経営者としては大胆であるように思われる。これが川嶋さんの魅力である。

 身内のゼミ学生に対する講演なので、気楽に話していただいてよかったのだが、几帳面にレジュメを用意してくださったことに恐縮してしまった。

 日本経団連でもベトナム投資の講演をされた川嶋さんの「凄さ」が果たして学生に伝わったかどうか? 「ネコに小判」・「馬の耳に念仏」にならないことを祈るばかりである。

 「今後、一緒にベトナムで何か仕事をしましょう」という約束をして神戸の三宮駅で分かれた。ご健康とますますのご活躍をお祈りしたいと思う。

 注:川嶋さんをお見送りしてから、ゼミ生の懇親会に顔を出した。ともかく忙しかった。静謐の中での学問的探求と論文の執筆。これが理想なのだが、そのようにならない。その理由は何か? 総じて日本が忙し過ぎるのである。

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2011年2月 3日 (木)

Chuc Mung Nam Moi !!!:ベトナム株式市場の展望

 2月3日、ベトナムそして中国では旧正月である。私は東京出張中。

 今年のベトナムは1月に共産党大会があり、これからの進路が明示された。特に注目されることは、2020年までに貿易赤字を解消するという方針である。このための戦略として、ベトナムはTPP(環太平洋経済連携協定)参加を始めとする貿易自由化による輸出増大を最優先にしているように思われる。この論点は、岩井証券のHPで紹介している。

 このようなベトナム自身が打ち出した戦略から改めて気づかされることは、これまでのベトナム株式市場が慢性的な貿易赤字の下にあったということである。確かに大幅な株高もあり、2倍や3倍の利益を得た投資家もあったが、冷静に考えれば、ベトナムは国際経済の中で不安定であった。外貨準備は確保されていたものの、貿易赤字は、欧米系の金融機関から経済危機の懸念が常に表明されてきた要因であった。

 マクロ経済の現状を考えれば、これまでのベトナム株式市場の高騰は確かに「バブル」の状態であった。そして「バブル崩壊」後の現在、おそらくベトナムの株価はベトナム経済の実態に対応した水準と考えられる。

 そして今、ベトナムは貿易黒字化の戦略を打ち出している。このことを考えれば、今後10年間がベトナム株式市場の着実な成長が期待できる時期である。いよいよベトナム株式市場の本格的な成長期を迎えるとみなされる。

 ベトナムのテト(旧正月)を迎えて、ベトナム株式市場について私は以上のように展望している。

 

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2011年2月 2日 (水)

ラオス株式投資に注目:長期投資に最適

 ラオス証券取引所(LSX)の売買開始について、『日本経済新聞』(2011年1月11日、夕刊)が4段抜きで掲載している。ラオスに関する経済報道としては、筆者の知る限り最大の取り扱いである。

 LSXのホームページ(http://www.lsx.com.la)によれば、上場2銘柄(EDL発電とBCEL)は順調に株価上昇を示している。

 「東南アジアのバッテリー」(電力供給源)と呼ばれるラオスの中核企業がEDLである。また、ラオス全土にATMを展開するラオス国有銀行であるBCEL(ラオス外商銀行)は、国内最大手銀行の地位を維持している。

 ラオス株式投資は、ラオスという発展途上国の経済発展に間違いなしに貢献する。この意味で、ラオス株式投資はSRI(Socially Responsibility Investment:社会貢献投資)の特徴をもっている。

 そのような意味でも、短期売買ではなく、長期的な投資が望まれる。ラオス株式市場については、本ブログにリンクしている岩井証券のHPに私の記事を連載している。より詳しくは、ぜひ参照していただきたいと思う。

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