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2011年1月19日 (水)

TPPに関する議論をもっと!!

 先日に紹介した農文協編(2010)『TPP反対の大義』農文協ブックレットを読了した。

 国家は国民の食料供給に責任を持つこと。農業が単なる食料供給だけではなく多面的な機能を持つこと。この2つのだれもが納得せざるとえない論点について、TPP賛成派は反論・説明しなければならないであろう。

 他方、同書ではTPP加盟後の予想数値が、すべて農林水産省の推計に基づいており、経済産業省の推計との相違や比較が必要と思われた。

 このような損益計算を独自に実施している同書の論文は、鈴木宣弘(東京大学大学院教授)・木下順子(コーネル大学客員研究員)「真の国益とは何か」(37~52頁)である。

 なお、TPPの議論が一般に盛り上がらない理由についても同書は示唆している。山下惣一(農家・作家)「農家は「自営農業」でわが身を守る」(119~121頁)は、どうぞ政府や国民は勝手にしてくれとでも言うような農家の白けた気持ちを代弁している。山下氏は、けっしてそのように思っていないのではあるが、このような気持ちは理解できる。

 また内山節(哲学者・立教大学大学院教授)「市場の時間、むらの時間」(128~129頁)は、農家がTPP反対について「一枚岩」になれない事情が紹介されている。市場主義的・功利的な農家と消費者連帯を志向する先進的な農家が存在し、それが消費者の農家に対する認識を惑わすという構図のようである。

 いずれにせよ、少なくともマスコミはTPPの論点を客観的に明示し、その国民の判断材料をより一層提供するべきである。

 わずか価格800円の小冊子であるが、TPPに関する本格的な唯一の批判書として本書の価値は高い。繰り返しになるが、TPP賛成派は、本書に反論しなければならないであろう。無視して推進。そのようなことがあるとすれば、もはや日本の民主主義に希望は持てないと思う。そのためにもTVを含めたマスコミの役割は重要である。

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