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2011年1月 7日 (金)

ラオスの首相辞任と株式市場開設:その考え方

 『朝日新聞』(2011年1月5日)は、写真入りでラオス首相の更迭を報道している。この事件は、すでに昨年末に『日本経済新聞』が報道しているが、その理由は「家庭の事情」ということであった。

 今回の『朝日新聞』は、その更迭の理由として、ブアソン前首相の「急進的な改革」路線がラオス人民革命党の「より保守的な党指導部の反発を招いた」と踏み込んだ解説をしている。

 このような解任理由についての「ウワサ」は、過去に隣国ベトナムでもあった。たとえば共産党書記長であったレカフュー氏の続投か引退かというような問題が、ベトナム共産党内の保守派と改革派の対立や権力闘争といった文脈で語られたりしたことがあった。

 結局、レカフュー氏は書記長を退任したが、その後も共産党の長老としての地位を維持して現在に至っている。けっして「失脚」したわけではない。党内の意見対立はあったとしても、それが尾を引いて勝者が敗者に報復することは、少なくとも公式には党内でありえない。

 今回のラオス首相の更迭の理由として女性問題が指摘されている。すくなくとも革命政党の政府首脳が「女性問題」に関与することはあってはならない。これは、政治的な路線対立より以前の問題の「人格問題」として十分に更迭=失脚に値する理由である。

 『朝日新聞』の論調は更迭理由が「路線対立」であると強調しているが、私見では、主要な理由は「女性問題」である。その女性問題に関与した人物が、たまたま「改革派」だったのである。もし、その人物が「保守派」なら、その「保守派」の人物が解任・更迭されたと思われる。それほど大きな路線対立が、ラオス内に存在していないというのが私の主張である。

 これは、日本の民主党と自民党の大連立のようなことを想起すればよい。大きな枠組みでは共通し、個々の政策で若干の手法の相違がある。ベトナムやラオスのような一党独裁の下での政治状況を考える場合、このような日本の事情に類似していると私は考えている。

 なお、ラオス株式市場の売買開始が本年1月11日の予定である。しかし国内投資家のみの参加に限定され、外国人投資家の参入に政府は慎重となっている。当然、我々のような外国人投資家は当初からのIPO参加が可能と考えていたが、外国人投資家の証券取引登録が依然として承認されていない。

 こういった事情を考えると、外国人のIPO入札や売買を当初から認める「改革派」と、市場の様子を見ながら外国人の参入を認めようとする「保守派」の対立があり、今回の首相更迭による「保守派」の勝利が、外国人投資家の参入を阻止したという見方もできないことはない。

 しかし私見では、たとえ以上のような「改革派」と「保守派」の対立があったとしても、それは株式市場においては単なる「時間の問題」である。タイ・ベトナム・韓国が出資した合弁の証券会社がラオスで設立され、ラオス証券取引所(LSX)それ自身が韓国証券取引所の合弁であることを考えれば、外国人投資家をLSXが締め出すことは絶対に考えられない。要するに、外国人投資家に対する市場開放は早晩に実施されると考えてよい。要するに「時間の問題」である。

 まず国内投資家の間での売買を開始し、その取引状態から学び、証券ビジネスの「試運転期間」が終わってから外国人の売買を認める。これは、けっして間違ったLSXの運営方針ではないし、むしろ合理性をもっている。ベトナムにおいても徐々に外国人に市場を開放している。

 以上、外国人投資家に対する株式市場の開放の遅延は、大仰な「路線対立」というようなものではなく、あくまでも「時間の問題」と考えるべきであろう。

 

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