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2010年12月24日 (金)

新井綾香『ラオス:豊かさと「貧しさ」のあいだ』を読む(1)

 表題の著書(2010年6月)を読んだ。その副題は「現場で考えた国際協力とNGOの意義」である。同署は、20代の女性著者による2005年6月~2009年1月にわたるラオス農村でのNGO活動の記録である。

 

ラオス 豊かさと「貧しさ」のあいだ―現場で考えた国際協力とNGOの意義 Book ラオス 豊かさと「貧しさ」のあいだ―現場で考えた国際協力とNGOの意義

著者:新井 綾香
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 ラオスでは別途に紹介するが、ドイツ開発研究所(The German Development Institute)の調査によれば、高付加価値の農産物の生産加工そして輸出が、WTO加盟やアセアン経済共同体の中での有力な国際競争力をもった産業と指摘されている。

 参照:Wiemann, Jurgen, Verena Ashoff, Melanie Grad, Anna Katharina Meyer, Stefanie Ruff and Thomas Staiger, Laos on its way to WTO membership: Challenges and opportunities for developinghigh-value agricultural export, German Development Institute, 2009. 

 このような研究調査と併せ読めば、ラオス農村の生活や実態が同署から理解できて非常に有益である。

 もっとも新井氏の著書は、あくまでも国際協力としての農業支援の立場から書かれている。その観点からいえば、明らかに王子製紙とわかる日系企業の土地収容に反対せざるをえない。地元の農民の共同の生活を支える保護林や共同林を破壊するからである。

 この場合、王子製紙も大企業であり、社会的責任(CSR)を自覚した穏便な行動を取ったと私には思われる。しかし結果的に、ラオス農民は生活が苦しくなり、金銭収入を求めて都市部の労働者にならざるをえないのだろう。そうなれば、その労働力を吸収する工場進出が促進されなければならない。まさに第1次産業から第2次産業に移行する過程を示している。(つづく)

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