« ベトナム進出企業の「技術流出」をどう防ぐか?(完) | トップページ | 就職難の原因:「若い人の能力が落ちている」 »

2010年10月23日 (土)

中国の「南進政策」の内実:ラオスと中国の国境を越える(2・完)

 この9月にラオスと中国の国境を越えて両国を往復した。この様子は、岩井証券の「週刊ベトナムレポート」で報告した。また、本ブログでも9月17日に速報している。ここでは、その付録を紹介しておこう。

Cimg2283  ラオスの首都ビエンチャンにおける中国系の大規模商業センターは、すでに本ブログ(2009年12月30日「ラオスで中国『脅威論』を再考:新しい知見」)で紹介したが、同じ場所を9月に再訪した。このような「定点観察」は変化の激しい途上国の実態を理解するために有効であるし、私の研究方法のひとつでもある。

 今回は、中国語専攻の神戸市外国語大学4回生の西村くんが同行してくれたので、お店の人々にインタビューすることができた。私自身、カバンを買うつもりでいたので、カバンを取り扱っている2店舗で商品を眺めながら話を聞いた。いずれの店主も「中国では商売が厳しくなって、ラオスに来た。それほど儲からないが、中国よりはましだ」という回答であった。

Cimg2278  これらの店舗には、いわゆる「ブランド商品」が並んでいた。値段を聞くと日本円で千円や2千円のレベルなので、その低価格から判断して模造品である。正規の製品が輸出用に生産され、その一部もしくは不良品が国内市場に出回ることもありうるが、これも広義の不法商品である。模造品=海賊版の製造工場があり、その販売網があると考えるのが普通である。

 このような問題については、日本では経済産業省・特許庁に「政府模造品・海賊版対策総合窓口」があるので、参照されたい。http://www.meti.go.jp/policy/ipr/

 以上のことから推理すれば、WTO加盟後の中国では模造品・海賊版の製品販売が難しくなり、その販売に組み込まれた末端の小売店がWTO未加盟のラオスに進出してきたというシナリオが考えられる。これは、あくまでも私見である。

 しかしラオスもWTO加盟は年内または来年と言われている。おそらくラオスからも模造品・海賊版は一掃されるであろう。そうなれば、こういった中国からの小売店は今後どのような展開を考えているのであろうか。さらに想像すれば、ますます中国人のラオス移住が進展するというシナリオが考えられる。今後の経緯に注目したい。

|

« ベトナム進出企業の「技術流出」をどう防ぐか?(完) | トップページ | 就職難の原因:「若い人の能力が落ちている」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/36791490

この記事へのトラックバック一覧です: 中国の「南進政策」の内実:ラオスと中国の国境を越える(2・完):

« ベトナム進出企業の「技術流出」をどう防ぐか?(完) | トップページ | 就職難の原因:「若い人の能力が落ちている」 »