« 中国の「南進政策」の内実:ラオスと中国の国境を越える(2・完) | トップページ | 国際シンポジュウム:日本とメコン川地域―歴史的関わり »

2010年10月24日 (日)

就職難の原因:「若い人の能力が落ちている」

 大阪商工会議所の町田勝彦副会長(シャープ会長)は、現在の就職難の原因を表題のように述べている(『日本経済 新聞』2010年10月16日、近畿版「エコー」欄)。

 同紙によれば、町田氏は「海外市場の開拓を急ぐ製造業は「海外の優秀な人材の採用を増やしている」。海外への留学や駐在をためらう日本の若者が増えていることを念頭に、「(企業が求める人材が減っていることこそ)日本にとって最大の問題点なのでは」と厳しく指摘した」。

 上記の「企業が求める人材が減っていること」の原因は、現在の大学にも責任があると実感している。たとえば私が毎年指導している「ラオス清掃ボランティア活動」について言えば、今年の応募学生は1名だけであった。最盛期には10名の参加学生があった。このことを考えれば、学生の海外志向は確かに減少している。

 しかし3回生の学生に聞いてみると、夏休みにインターンシップがあって、なかなか海外に行く余裕がないという返事であった。また外国留学するにも、就職活動の早期化を考えれば、そういった時間的余裕がないという事情もある。

 ベトナム・ラオス・カンボジアなど海外での研究・調査・ビジネスを「飯の種」にしている私は、町田氏の主張に納得できる。しかし町田氏にも、海外志向の人材を育成するための工夫をお願いしたいと思う。たとえば海外インターンシップの拡充であるとか、外国留学経験者の就活のための特別選考を実施するなどである。

 大学でも少なくとも私は、学生に対して「大サービス」して海外訪問を勧めている。産業界と大学の連携、さらに政府も支援する「産学官連携」の海外志向学生の育成戦略が求められると思う。この連携の推進について政府レベルで時間を要するとすれば、たとえば大阪商工会議所や大阪府でも可能であろう。

 韓国や中国の若い人々に海外で接することが多くなり、めったに日本人に会わなくなった。この8月にカンボジアのプノンペンで日本人の若者2人と中華料理店で一緒になって久しぶりに嬉しくなったが、彼らは宗教団体から布教のために派遣されていた。

 私も微力ながら「企業が求める人材」のために努力している。ぜひ企業側も、以上のような事情を考慮して、海外志向をもった学生を増やすような施策を積極的に検討してほしいと思う。政府や大学を批判するだけの「他力本願」には無理がある。

|

« 中国の「南進政策」の内実:ラオスと中国の国境を越える(2・完) | トップページ | 国際シンポジュウム:日本とメコン川地域―歴史的関わり »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/7888/37358757

この記事へのトラックバック一覧です: 就職難の原因:「若い人の能力が落ちている」:

« 中国の「南進政策」の内実:ラオスと中国の国境を越える(2・完) | トップページ | 国際シンポジュウム:日本とメコン川地域―歴史的関わり »