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2010年10月16日 (土)

ベトナム進出企業の「技術流出」をどう防ぐか?(中)

 20年ほど前、私が助教授の時に学生を同行して台湾を訪問した。そこで日系大手の製造企業で「技術流出」ではなく「技術消失」という話を聞いた。

 企業内教育によって立派に成長した技術者が退職した。他社に移動したり、自分で同業の会社を始めたりすれば、それは「技術流出」として残念であるが、百歩譲って日本から台湾に対する「技術移転」として諦めることもできる。台湾の経済成長に貢献したと考えられる。

 しかし退職した技術者が「中華料理店」を始めたと聞かされた。今まで技術を指導してきた時間と努力がムダになってしまう。せっかく指導した技術が消失してしまう。これが本当に残念だ。

 中国における日本企業の「技術流出」は、以上の「大らかな時代」と違って生存をかけた日本と中国の企業間競争の中での問題点と考えるべきであろう。そうであるとすれば、まず必要なことは日本企業の自覚もしくは緊張感である。

 中国や韓国の技術力は自社を脅かすほどに向上していると認識しなければならない。それだからこそ「技術流出」の防止に最大限の注意を払う。この自覚や緊張感を日本企業がもたなければ、どのような防止対策も有効に機能しないであろう。

 この意味でベトナムも、1人あたりのGDPは2008年に1000ドルを超え、もはや発展途上国から「中進国」の仲間入りを果たしている。現在、ベトナムで「技術流出」が大問題とは寡聞であるが、 日本企業とベトナム企業が競争するという状況が、もう目前に迫っていると考えなければならない。

 「ベトナムのためなら『技術流出』は結構なことだ」というような「大らかな」気分を一新することが近々に必要になってくるだろう。ではベトナムで具体的にどうすればよいか。いくつか私見を述べてみよう。(続く)

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