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2010年9月17日 (金)

中国の「南進政策」の内実:ラオスと中国の国境を越える

 9月15日~16日に1泊2日でラオスから中国に行ってきました。この旅程は次の通りです。

 ビエンチャン~(空路)~ルアンナムター~(陸路)~ボーテン~ラオス中国国境~モーハン(中国雲南省・西双版納州)・宿泊~(陸路)~中国ラオス国境~(陸路)~ウドムサイ~ルアンパバーン~(空路)~ビエンチャン

 日本経済新聞の遠西記者(現マニラ支局長)と一緒にベトナムのラオバオとラオスのダーンサバン間の国境を超えたのが2005年でした。その遠西さんが自称「国境オタク」でした。この時に初めて「国境オタク」の存在を知ったのですが、要するに国境を越えることを趣味としている人々のことです。

 この時以来、私も「国境オタク」の仲間入りをしました。陸路での国境越えは、空港という点から点を結ぶ空路にはない「大地の連続」と「国家の区別」という「矛盾」を実感させてくれるのです。同じ人間が住んでいるのに国境が大きな経済格差を生み出している。こういうことが具体的に認識できます。この観点からも、やはり「経済統合」は必然なのだと思います。

 メコン川流域国について言えば、この「国境オタク」は単なる趣味ではなく、東西経済回廊・南部経済回廊・南北経済回廊といった国際道路の「実走調査」という意味をもっています。その趣旨でラオスと中国の国境を越えてみたいと以前から思っていました。それは、中国の「南下政策」または「南進政策」の実際をラオス国境から視察するという意義も含まれています。

Cimg2105  この中国旅行には、神戸市外国語大学4年生・中国語専攻の西村くんが同行してくれました。彼がいなければ、おそらく中国側の行動は円滑ではなかったと思います。彼は上海で語学留学の経験があり、来年4月から大学院に進学予定の寡黙ですが気が利く優秀な学生です。

 写真は、ラオスの出国手続き窓口です。ここから中国側が運営するタクシーまたは電気自動車(2元)で中国側の入国手続き所に移動します。徒歩も可能でしょうが、20~30分の時間が必要な距離です。

 またラオス国立大学経営経営学部の親しい教員であるケック先生が国境のラオス側の情報を集めてくれました。頼りになる学生や友人は、以下で紹介するトラブル発生時に存在価値を確認することができます。本当に感謝です。

Cimg2117  そのトラブルと言うのは、今回の当初の計画は、国境を越えて中国側の様子を少し見て、宿泊はラオス側のウドムサイだったのです。しかし出入国管理所がラオス時間で16時30分、中国時間で17時30分に閉鎖されてしまいました。その後、ラオス時間で18時、中国時間で19時に再び開門されるのですが、ラオス側の入国はラオス人だけしか認められなくて、外国人は受け付けてもらえないということでした。そこでラオスに帰国できなくなって、中国で1泊することになったのです。

 写真は、中国の出入国管理の建物です。超近代的な設計で最初に驚かされました。また、この建物の両側は山を切り開いた状態です。まさに国境を拓いたという状況になっています。

 このような計画の変更は、ビエンチャン発の航空機の出発が1時間ほど遅れたことが原因です。もちろん国境の閉鎖時間を確認しなかった私のミスが大きな原因ですが・・・

 今回からしばらく、このラオスと中国の国境の様子を紹介します。また、ビエンチャン市内の新しい中国人マーケットの中国人店主に対するインタビューから、中国の「南下政策」の内実を検討してみたいと思います。

flair追記flair
 上の2枚の写真を見れば、ラオスと中国の国力の相違は歴然です。ただしラオス側の建物が常に貧弱というわけではなく、ベトナムとラオスの国境であるラオバオでは、ベトナムとラオスの出入国の建物は拮抗して立派でした。また以前に中国からベトナムに向かってモンカイを越えましたが、その時は中国側の巨大ゲートに対峙するかのようにベトナムも立派な建物が起立していました。このボーテン国境の両国の建築物の格差をどのように考えればよいのでしょうか?

 ラオスが中国に対峙して「国威」を発揮しようとするなら、対等の建設物が建設されるでしょう。他方、「国威」を言うなら、上記のラオバオではベトナムに対してラオスが対抗意識を示しているとも解釈できます。おそらく実際は経済的な問題です。ラオスにとっての交通量の多寡が、その建物に反映していると言えるでしょう。 

 なお以上の続報は、岩井証券のHP上の「週刊ベトナムレポート」で紹介しています。ご参照ください。

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