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2010年8月30日 (月)

カンボジアは暑くない!!

 ベトナムやラオス・カンボジアが日本より暑いというのは、偏見と誤解と先入観に基づいています。NHKの衛星放送を見ていると、日本は酷暑といっていますが、確かにカンボジアは暑いですが、酷暑ではありません。雨が降れば、気温は急降下しますし、晴れれば湿度が低いので不快ではありません。

 私はサウナが好きでしたが、高血圧の薬剤を定期的に飲み始めてからは日本でご無沙汰です。しかしカンボジアではサウナ気分で快適に過ごしています。

 今から、プノンペン経済特区に進出した日本企業(株)クリーンサークル社を訪問。その後に韓国のトンヤン証券に向かいます。夕方には、世界遺産アンコールワットのあるシェムリアップからゼミ学生が帰ってきます。また、忙しくなりますが、それも仕事です。

 土曜日と日曜日は著書の執筆もしましたが、韓国のテレビドラマ「アイリス:IRIS」をインターネットで見ていました。偶然ですが、ベトナム語の字幕の入ったバージョンは全編見ることができました。韓国語のドラマをベトナム語の字幕で見る。これは日本ではできない状況でした。

 おそらく「アイリス」は、間違いなくベトナムでもヒットするでしょう。このドラマでは、北朝鮮の工作員役のキム・スンウとキム・ソヨンが秀逸と思いました。2人を通して北朝鮮に対する韓国のイメージが理解できます。仕事に厳格で生真面目。韓国人が見る北朝鮮と日本人が見る北朝鮮の印象や解釈が大いに相違していることは、当然ですが非常に興味深いです。

 また、この2人のキムさんは、役柄から離れると、日常では饒舌で冗談好きな性格です。この格差も面白い。私は韓国ドラマは『白い巨塔』しか知りませんが、ますます韓国ドラマが好きになりました。こんな話をしながら、今日の訪問先のトンヤン証券では盛り上がろうと思っています。これもビジネスの一環でしょう・・・。

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2010年8月29日 (日)

カンボジア証券取引所:大学教授の「言い訳」

 カンボジア証券取引所の開設は来年7月と言われています。当初は6月でしたが、1ヶ月の誤差は許容の範囲内です。それはよいとして、取引所の場所がカンコーシティとばかり私は思っていました。それが、カナディアタワー(本ブログで紹介したように建設中のビル内に閉じ込められそうになったことがある)に2~3年の期限付きで入居することになったようです。

 これは、カンコーシティ側に問題があったとも想像されるのですが、とりあえず取引所の建設場所は「白紙」になったようです。確かに今から建物を建設したのでは、その市場開設は大幅に延期されるでしょう。

 これまで「ここに取引所が建設される」と写真入りでカンコーシティを紹介してきましたから、私の情報の信頼性が疑問視されることも当然でしょう。しかし、その時点では調査に基づく正しい情報だったのです。

 言い訳のようですが、それほどに柔軟に事情が変化するのが新興国の特徴と考えなければならないと思います。

 かつてベトナムでも、政府の政令や言うことがコロコロ変わるという苦情が日本企業から出ていました。しかしWTO加盟後は、政府の政策も安定してきたとみなされます。カンボジアはWTO加盟の先輩国ですから、外国企業に対する政策については同様に安定してきたと思います。

 以上の取引所の変更は、カンボジア政府や証券取引委員会の名誉と信用のために言えば、あくまでも内部情報における話題です。たとえば新会社の設立は決まっているが、その社長人事は設立過程で様々な憶測を呼ぶ。そのような話だと理解して下さい。

 大学で学生には、「レポートや論文は事実と論理に基づいて書きなさい」と指導していますが、その事実が変化すればしかたがない。他方、事実が確定するまで待っていては速報性がなくなる。「実学」を追究する大学教授としては、その程度の判断が難しいところです。今後、こういった問題にも注意しなければならないと実感しています。

 同様のことは「回転鍋」にも言えます。「回転鍋」はハノイ発・世界初と私は思っていましたが、プノンペンにも同様の大規模な店があり、またタイにもあると聞きました。これも速報性を重視する余りのミスリードな見解でした。

 おそらく日本の「回転寿司」が、どこかの時点と場所で「回転鍋」に変化し、それが各国に伝搬していったのです。「回転鍋」のルーツを探る。これも時間があれば、興味深いテーマとなります。飲食サービス業の「技術移転」の問題だからです。

 同様の「技術移転」問題として「カラオケ」をテーマにした調査が、すでに著書として出版されているのではないかと思います。「カラオケ」は日本が純粋に起点ですが、「回転鍋」はおそらく現在まで日本には逆輸入されていません。もし日本に「回転鍋」があれば、ぜひ教えて下さい。

 

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2010年8月27日 (金)

プノンペンに来ました

 8月27日にビエンチャンからプノンペンに移動しました。明日から2泊3日でゼミ学生はシェムリアップ(=アンコールワット)に1人旅に出ます。海外旅行が初めてという彼ですが、1人旅とは立派なものです。

 その間、週末の私はホテルで原稿を書くことにします。当初の予定は、シハヌークビルのリゾートホテルでJODC専門家の服部さんとお目にかかるはずでしたが、服部さんが一時帰国中です。そこでシハヌークビル訪問をキャンセルし、私は仕事、ゼミ学生はアンコールワット訪問と変更になりました。

 ラオスで入手したかった情報は、株式上場予定の企業戦略と証券取引所の写真でした。この双方について満足できる結果でした。そのほかにラオス商工会議所の知人とも話できました。

 ここプノンペンでは前述のように週末は仕事。その後にプノンペン経済特区(PPSEZ)など数カ所を訪問です。携帯電話は、4ヶ月使用しないと無効になるので、新しくSIMカードを購入しました。

 この週末が天王山。もっともっと原稿は改善されるのですが、ここで腹をくくって終わりにしたいと思います。次はホーチミン市から報告します。

 

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2010年8月26日 (木)

ラオスに来ています

 8月24日からラオスに来ています。ちょうどベトナムのチュエット大統領(国家主席)がラオス訪問中です。ラオプラザホテルの入り口では荷物検査が実施されていました。

 ラオスでも多々の訪問先があるのですが、仕事となると、いくら「お人良し」の私でも公開できないことが多々あります。

 ラオスにおける中国の「南下政策」が懸念されていますが、中国も非常にラオスに気を遣っていることを理解できました。それは北朝鮮に対する中国の気遣いと同じようです。

 つまり私見ですが、もし中国の周辺国・・・北朝鮮・ベトナム・ラオス・ミャンマーなどが米国の強い影響下に入れば、中国にとって脅威と感じられるでしょう。他方、これらの周辺国がロシアの影響下に入ると、中国もやりにくいかもしれません。

 このような大きな外交関係から考えると、中国の南下政策・南進政策が単純な「覇権主義」とは考えられません。単純な「中国脅威論」に与することは誤りであろうと思います。

 つまり、古くから指摘されていることですが、日本企業の中国進出について、それが日本企業の経済侵略、もしくは日本の「帝国主義」の再来という批判は中国側からはなかったと思います。かつての軍事力を背景にした日本の企業進出ではなく、あくまでも双方の主権を尊重した企業間の合意に基づく企業進出だからです。

 日本が嫌なら中国側は日本企業と契約しなければよいし、中国が嫌なら日本企業は中国に進出しなければよいのです。こういった市場経済の原理に基づいた中国企業のラオス進出であるとすれば、それを「脅威」とは言わないでしょう。

 こういった観点も含めて「南進」「南下」の状況を検討することが求められます。

 

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2010年8月24日 (火)

消えた写真・・・:フィールズ賞をベトナム人が受賞

 ハーロン湾1泊クルーズの写真をブログにアップしておこうと思っていましたが、それらのデジカメ写真を間違って削除してしまいました。

 ハーロン湾での写真ももちろんですが、途中のファーライ火力発電所の写真や、日本のODAで完成したバイチャイ橋の写真が消えてしまったのは残念です。これは、研究調査の発表や報告で使用できる写真です。

 しかし、写真を撮って忘れるよりも、写真なしに記憶に残しておく方が好ましいでしょう。また、再び家族と一緒に来ることを「降龍」に約束させられたのだと思うことにしました。残念なことを残念に思ってもしかたがない。

 少しでも前向きに考えるのが「上田流」です。偶然に今日、ロータス投資運用会社のタイ社長と一緒に投資先企業を訪問しましたが、彼は「上田の楽観的な考えと笑顔はベトナム人に好まれる」と車の中で言ってくれました。まさに「ありがとう」です。

 ベトナム人が数学のノーベル賞と呼ばれるフィールズ賞を受賞したことはベトナム人の間で話題になっています。日本人に次いでアジアではベトナム人が受賞したのですから、それは当然です。「ベトナム人の誇りだ」という反応が一般的です。

 しかし冷静なベトナム人は、彼はフランスに長く住んで、今はシカゴに住んでいる。ベトナム人という資質よりも、彼の教育・生活環境が受賞に影響したのではないか。ベトナム在住のベトナム人が受賞したのではないと言っています。この冷静な分析が、またベトナム人らしいと思います。

 

 

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2010年8月22日 (日)

ハーロン湾1泊船上旅行:龍に出逢うことができた

 土曜日の午前8時30分にハノイ市内をハーロン湾に向けて出発し、日曜日の午後3時にハノイに戻ってきました。これまでハノイから国道5号線を通り、ハイフォンに向かい、途中で国道1号線に左折しましたが、今回はいきなり国道1号線に入りました。道路事情が改善されているのだと思いました。

 この船上1泊のハーロン湾旅行は、これまで何回もハーロン湾を訪問してきた私でも感激しました。天候は良くなかったのですが、大雨というわけでもなく、かえって涼しくて快適でした。

 このクルーズの様子は、たとえば以下を参照して下さい。日本語で解説してくれています。ただし料金は、ハノイ在住の鈴木さんが予約を取ってくれましたから、この解説よりもかなり割安です。コストとパーフォーマンスを考えて大満足でした、しかし、この正規料金を本当に払ったら、少し不満だったかもしれません。

 http://www.youtube.com/watch?v=NCvMpbTyh4s&feature=youtu.be

 夜になって停泊中の船のデッキに出てみると、島々にとどろくthunder雷鳴thunderが聞こえ、それに伴ってthunder稲妻thunderが光り、島の山肌を一瞬明るく見せます。この風景は、まさに龍が天から降りる様子のように思われました。

 ハーロン湾は、龍(=ロン)が降りるという意味ですが、今回に初めてその意味を実感することができました。いにしえのベトナム人は、こういった落雷の風景を見て、想像をたくましくして「降龍」を思ったに違いありません。日本では「昇り龍」が運気が上昇するように言われるのですが、それは、どのような根拠があるのでしょうか。私は「昇り龍」よりも「降龍」が自然現象を表現した自然な命名のように思いました。

 天から龍が降りてきた様子を見た人間は、そのエネルギーや生命力を自らのものにすることができる。このように信じることで、私は元気をもらったような気持ちになりました。

 畏友で親友の鈴木さん(生ケーキ店・ポエメ)は、ゼミ学生の分まで釣り竿を用意してくれて、夜釣りを楽しみました。しかし、こういったハイレベルの旅は、一人旅をしたのは兵庫県から大阪ぐらいで、まして海外旅行は初めてというゼミ学生にとって、かなりの無理難題があるように思いました。

 次回から、学生の同伴の場合、少々の費用は負担してもらっても添乗員をつけることに決めました。しかし何事も初めての経験です。いろいろ問題発生はやむをえないでしょう。少しでも学生が成長してくれることを願っていることは学生の両親も私も同じです。

 ハーロン湾の船上で原稿執筆は少し前進しました。この調子なら、別の原稿の執筆締め切りもありますが、8月末までには出版社に原稿を提出できそうです。

 今回は執念で拙著の完成をしたいとハーロン湾で決意しました。何と言っても「降龍」を見たのですから、もはや不死身で無敵の気分です。とは言うものの、血圧降下の薬は毎日忘れずに飲まなくては・・・。

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2010年8月19日 (木)

ハノイに来ていますが・・・

 17日からハノイに来ています。執筆の仕事は終わっていません。そこで、いくつかの参考文献を持参して執筆を継続中です。それなら出張を中止すればよいと思うのですが、なかなかそうはいかない。

 ハノイの仕事は最低限にしています。週末は以前から楽しみにしているハーロン湾の1泊船上クルーズを先輩で親友の鈴木さんとご一緒するのですが、それまでに完成するのかどうか。

 今回は、ゼミ学生が同行しています。彼は初めての海外旅行。関西空港では、いきなり手荷物の「虫除けスプレー」が没収です。その時間が私には惜しい。私の儀式のようになっている関空からの生ビールを飲みながらの恒例の出発宣言ができませんでした。

 しかしゼミ学生は、ベトナム・カンボジア・ラオスの旅行をしたいという理由で私のゼミに入ってきました。こういう見込みのある学生には、大いに成長してほしいと思うのは教員の本分です。今回の旅で大きく視野が広がって帰国後には飛躍的な成長をすることに期待しています。要するに、早く「子ども」から「大人」になることだ思います。

 18日からベトナム通貨ドンが2%切り下げです。私は17日にホテル近くの貴金属店で日本円から両替しました。少し損をした気分です。もっとも直感ですが、実勢レートの変動はなかったと思います。あくまでも公式レートを下げたということです。

 円高とドン安の今こそ、絶好のベトナム投資チャンスと言えます。為替レートの変動は投機的な要因が大きく働きますから、その予測は難しい。投資もビジネスも、いろいろ考えると、それは現状維持の言い訳になることは共通しています。

 私は長期的には円安論者です。現状は、円高ではなく、ドル安が正しい。それでは、いつ円安になりますか? そんなこと、わかるはずがない。円安になる前に自分が突然死んでしまうかもしれない。そんなことに責任は持てません。

 いろいろ書き過ぎました。次回は、ハーロン湾クルーズの様子を岩井証券のHPから、お届けします。夏休み特集にします。今の著書の執筆が終われば、それはもう、ガンガンと現地報告をしたいのですが・・・。要するに、著書の出版は、前回ブログで紹介した小林氏の批判にあったように、物事の「後追い」仕事の典型です。

 過去の出来事を記録に残す。もちろん、それは重要な仕事であって、それがあってこそ将来の前進が可能になる。確かショーンコネリー主演の「薔薇の名前」という映画にも、そういうテーマが含まれていました。

 しかし、どちらかというと前進ばかり指向している進行形人間の私にとって、記録に残す後追い仕事は向いていないし、あまりやりたくない気持ちが働きます。このことを痛感しています。まさに「生涯現役」ですね・・・。

 

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2010年8月16日 (月)

これだけは言いたい(11):小林喜光氏の批判に経営学者は何と応える?

 『日本経済新聞』(2010年8月16日)は、小林喜光氏(三菱ケミカルホールディングス社長)の「今こそ役に立つ経営学に」という主張を掲載している。

 小林氏は、次のように現在の日本の経営学者を批判している。「今の経営学は企業のやっていることを、後から整理するだけでしょう。何が面白いのですか」。「後講釈の経営学は要りません。新しい理論を創造する学問の領域があるはずですいまだに欧米の学説を翻訳しているような学者が多いのではないですか」。

 このような批判に対して、日本の経営学者は応える責務があると思われる。天下の『日経』が掲載した批判的な記事なのだから、その批判の対象となった経営学者の「反論権」も『日経』は保障するべきであると思う。

 私も経営学者の一員であるが、とても反論するだけの実力はない。何と言っても私は二流か三流の大学の教員なのだから・・・・・・。

 ただし私は、小林氏が批判するような「後から整理する」ことや「後講釈」や「欧米の学説を翻訳」することを今まで「面白い」と思ったことはない。

 私は自ら合同会社TETを設立し、ベトナム現地法人・ロータス投資運用会社の経営にも参画している。実際の企業経営と同時進行中の情報や論理を発信していると自負している。

 実際の企業経営に関係しようと思った動機は、ダイエー創業者である故・中内功の「実学」の理念を私なりに継承したいと思ったからである。また高校時代に「商社マン」になりたいという夢があったからである。すでに人生の半分が経過した今、この夢に今からでも挑戦してもよいと思ったからである。

 世界を飛び回る商社マンになって、その後に独立して会社設立する。こういった夢が挫折して、私は大学教授になってしまった。その原因は、神戸大学の故・置塩信雄教授の「経済原論」の講義である。あの透徹した論理。そして威厳と確信をもった低音の声。これに当時の私は魅了された。その結果、大学院の進学を決めた。これが挫折の始まりである。

 小林氏の批判に対して、私には理論的に反論できる実力はないが、私自身の存在がその反論になっているかもしれない。変人の経営学者が元気に活動していることも、小林氏には知ってもらいたい。 

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2010年8月11日 (水)

これだけは言いたい(10):言うのはタダ・・・菅首相の発言

 菅首相が、韓国に対する植民地支配について謝罪したと新聞各紙で報道されている。特に韓国側が謝罪を要求したわけではなく、首相自身が自発的に発言したようである。

 これを「謝罪外交」と見なして批判する見解があるが、これは謝罪というよりも反省というべきであろう。または韓国に対する「気配り」とも言える。今後の日本は、このような「反省外交」・「気配り外交」を展開し、世界から「謙虚で気の利いた国」と評価される方針を採ることも考えられる。

 その適否はともかく、こういった反省や気配りには財政支出が伴わないのだから、どんどん推進すればよい。そのことで日本と韓国の友好親善関係が深まれば問題ないではないか。要するに「言うのはタダ」である。これも外交の重要な手法であると思う。

 これまでの日本の外交には、多くの場合、ODAや資金提供といった「お土産」が伴ったように思われる。このような「お土産」は今の日本の財政状況では不要であろう。菅首相に、そのような意図があったかどうか不明であるが、財政危機においては、こういった外交の工夫が求められるのではないか。

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2010年8月10日 (火)

ラオス証券市場の最新動向:JETRO『通商弘報』 (2010年8月4日)

 ラオスの証券市場が、2011年1月11日に取引開始される。これはJETROの発表(『通商弘報』2010年8月4日) であるから、信頼性が高いと評価される。私も本ブログで同日の取引開始の情報を紹介してきたが、「2010年・年末説」もあり、確定できなかった。以下では長くなるが、同誌の全文を引用することにする。

 「
好調な経済成長を背景に、証券市場の開設準備が韓国の証券取引所の協力で進められている。当初201010月に予定されていた取引開始は11111日に延期し、システムや法の整備を進めている。証券市場開設を皮切りに、投資環境の整備が進むとみられる。
<証券市場ビルの完成遅延で取引開始を延期>
 
政府はかねてから101010日の取引開始を目標に国内初の証券市場の設立準備を進めてきた。
 
ラオス証券市場は中央銀行(BOL)が51%、韓国証券先物取引所(KRX)が49%を出資し、総額2,000万ドルの資本で設立する。
 証券市場設立指揮委員会が0711月に設置され、08122日には設立責任委員会が設置された。
0974日には証券市場管理委員会事務所が正式にオープンしている。09929日には7階建ての証券市場ビルの定礎式が行われており、当初は106月の完成を予定していた。
 
法律面では、10524日に証券と証券市場に関する首相令、さらに10721日には株式公開に関する規則と、株式会社の設立と活動に関する規則が公布された。また現在、株式公開と関連分野への投資を促進するための税制優遇などについても協議中だ。
 
しかし、建設資材などの入手が困難で証券市場ビルの建設が遅れており、当初取引開始を予定していた1010日には証券市場ビルの4階までを仮オープンすることに変更、11111日の取引開始を新たな目標に準備を進めていくことになった。<国営企業2社の上場からスタート>
 
上場予定企業としては、100%国営企業で政府が資本を持つラオス電力公社、ラオス国営航空、ラオテレコム、ラオス外国商業銀行、ビアラオなど25企業が株式公開の条件を満たすとされているが、当初はラオス電力公社とラオス外国商業銀行の2国営企業の上場が行われる見込みという。政府は国営企業の60%以上の株式を保有する方針だ。
 
取引は通貨キープの使用を奨励するためにキープだけを使用し、外国企業による上場株式の保有は1社当たり資本金の10%まで、また総公開株の49%以下までとされているなお、取引システムにはKRX09年に開発した「EXTURE」が導入される予定だ。
 
証券会社設立の動きとしては、10224日に韓国資本で現代自動車販売代理店、インドチャイナ銀行、バイオディーゼル農場などを運営するコーラオグループ(Kolao Group)が、韓国の証券会社(Daishin Security)と合弁で証券会社Kolao Securityを設立することで合意。
 
また、07年から商業銀行を営む民営のポンサワン銀行(Phonsavanh Bank)が10322日、タイで商業銀行を営むTISCO Financial Groupの子会社の証券会社TISCO Finance Publicと合弁契約を締結している。
 
さらに、105月にはラオス外国商業銀行がタイのクルンタイ銀行の子会社KT Zmico Securitiesと共同で証券会社を設立することで合意している。」 

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2010年8月 8日 (日)

これだけは言いたい(9):多彩な「外交カード」を日本は持っているか?

 『産経新聞』(2010年8月3日)の東京版では「インドシナに回帰する米国」、大阪版では「米中、南シナ海で火花」という同内容の記事を掲載している。

 1995年当時にハノイのメトロポールホテルで私は、当時の米国クリストファー国務長官を偶然に見たことがある。米国とベトナムの国交回復の調印のための来越であったと記憶している。それから15年が経過した。

 記事によれば、この国交回復15周年の祝賀の昼食会で、ヒラリー=クリントン国務長官が、南シナ海の領有権問題について米国も積極的に関与するという発言をして、二国間協議を主張してきた中国が反発した。

 また記事は、「米国は他のインドシナ諸国との関係強化にも動いている。ラオスのトンルン副首相兼外相が先月、訪米したが、ラオス高官を米国が受け入れるのはベトナム戦争終結後、初めてだ。両国はこれに合わせて航空協定に調印した。カンボジアとの間では先月、初の大規模な合同軍事演習米国は実施している」と述べている。

 私見だが、ラオスはWTO加盟のために米国の合意が必要であろうし、カンボジアのフンセン首相の息子は米国の陸軍士官学校の卒業であり、対テロ対策の責任者であると聞こえている。カンボジアと米国の軍事関係が強化されても不思議でない。しかし他方、カンボジアでは中国から武器を購入している情報もあり、その多彩な「政治外交カード」に驚かされる。

 これらの国々に比べての日本の外交下手が痛感させられる。米国にしてもベトナム・カンボジア・ラオスにしても、けっして中国と敵対することを表明していない。また今回の米国も、何らの軍事行動も財政支出も約束したわけではない。単なるメッセージを発するだけで、それが「外交カード」になる。

 幾多の国際紛争を経験した米国やインドシナの国々に比較して、「米国の忠実な僕(しもべ)」である日本は、その外交カードが余りにも貧弱である。同時にカードの作り方が下手である。在日米軍の駐留やODA(政府開発援助)のために多額の財政支出をしている日本は、さらに国際社会で存在感を発揮することが国民として期待される。

 このような場合、日本の軍事力強化(核兵器の保有)が外交力を増強するという論調も一部にある。これは、時代錯誤・アナクロニズムである。経済力も軍事力も貧弱なカンボジアですら、その「外交カード」は多様である。タイ・中国・ベトナム・米国・韓国・北朝鮮そして日本さらに国連を翻弄するかのような外交手腕をフンセン首相は見せてきた。要するに日本の外交力が無能なのである。

 同記事は「ベトナムの大勝利」という米国の報道を引用した小見出しを付けているが、ベトナムには、米国の発言を100%信じるようなお人好しさはないであろう。中国に対する米国の「外交カード」の1枚として利用される程度のことと理解していると思われる。米国ベトナム戦争の和平交渉で米国と熾烈にやり合ったベトナム外交の経験は現在も生かされているはずである。

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2010年8月 7日 (土)

これだけは言いたい(8):市場と政府の関係を考える

 ようやく試験の採点も終わり、自分の時間がもてるようになりました。

 これからが勝負です。早く原稿を提出したいと思います。その後は、ゆっくりです。ハーロン湾での船上1泊のフランス料理。シハヌークビルのリゾートホテルで休日。そして最後は、ダナンのおなじみのフラマリゾートでのんびり時間を過ごす。

 こういう楽しみを控えて原稿に挑戦したいと思います。

 なお、このブログは不定期になり、お休みですが、岩井証券のHPには「週刊ベトナムレポート」を連載中です。ベトナム経済情勢の紹介の中(8月5日付け)で、「ベトナム政府は市場を管理することこそが本領発揮と考えている」と述べました。http://www.iwaisec.co.jp/

 これは、市場原理や競争原理をベトナム政府が否定しているように思われるかもしれませんが、少なくとも私は、経済発展や経済安定に貢献する限りにおいて市場原理を容認する立場です。言い換えれば、その限りにおいて政府の市場介入を容認する立場です。おそらくベトナム政府も、そのように考えていると思います。

 市場原理を優先する余り、政府が市場介入を伴う行政措置を封印して、その結果として経済破綻してよいはずがありません。

 ベトナムはPPP(官民連携)方式のインフラ整備の導入を考えています。昨日の大阪のセミナーで計画投資省のダン副大臣が、その法案の草案も配布して、次のように言明しました。「PPP方式で、民間投資家が利益を獲得できないような販売価格(電気料金や水道料金)ならば、その価格補てんを政府が行うことも必要である」。

 この意見について、やはり「市場原理主義者」は批判するのでしょうか? こういう施策を採用することが、インフラ整備に向けてPPP方式を発展させることは間違いありません。

 岩井証券のレポートに追加して、以上のようなことをPPPに関係して考えました。

 

 

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