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2010年6月 3日 (木)

渡辺利夫(拓殖大学学長)の「二者択一論」

 月刊誌『WEDGE』(May 2010, pp.12-14)は、渡辺利夫(拓殖大学学長)「東アジア共同体構想どれだけ非現実的かを証明しよう」という記事を掲載している。

 渡辺氏の直接の批判の対象である鳩山首相が6月2日に退陣を表明したのであるから、この記事の効果はあったのかもしれない。しかし、その内容が必ずしも正しいというわけではない。

 渡辺氏は次のように述べる。「いずれの地域であれ平和的秩序を維持するためには、地域を構成する国家間に勢力の均衡を図るか、もしくは強大な力を持つ覇権国家との同盟関係を築くか、この二つしか方法はあるまい」。

 この論法で、アジアの秩序形成のために中国に対抗して日本は日米同盟を基軸にし、その強化が必要であると渡辺氏は指摘する。

 以上、確かに2つの方法しかないとすれば、日本は日米同盟の強化しか選択の余地はないと思われる。しかしこれは、先日から本ブログで紹介している「二者択一の姦計」である。「2つしかない」と断定されているが、果たしてそうなのか。

 アジアにおいてはアセアン(ASEAN)の動向に注目である。アジアの超大国である中国やインドそして日本に対してアセアン10カ国は第3極を形成しているように思われる。事実、アセアンは独立した法人格をもつようになった。さらにTAC(東南アジア友好協力条約)を締結し、問題解決のための武力行使を放棄している。

 こういったアセアンの結束は、渡辺氏の2つの方法以外の第3の方法とみなされる。またアセアンは欧州連合(EU)とも異なった歴史と経緯をもっている。だからこそ「第3の道」を模索し、またできるのである。

 中国と北朝鮮の軍事行動を渡辺氏は注目するのであるが、アジアはこれら2国だけではない。これら2国との関係を維持しながら平和を指向するアセアンが存在している。日本は、このアセアンとの関係を重視するべきだと思う。それが渡辺氏の言う「中国の脅威」を抑止することにもなる。

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